-ゴスドラマ過去ログ:20601-20700-
村上てつや「…今のうちに変身しとくか…。」
ト書き「“お約束”で、変身シーンは割愛です。」
安岡優「僕キーワード決めてないけど…。」
北山陽一「お前マニュアル読んでないだろ。」
安岡優「え?」
村上てつや「キーワード決めてなくてもさー…変身出来んのよ。これが。」
安岡優「決めた意味無いじゃん!…それって」
村上てつや「ただし…マニュアルに書かれた通りにしないと、出来ないんだからな…。」
安岡優「どうすんの?」
北山陽一「北山がポケットから携帯端末機を取り出し安岡に見せる。」
村上てつや「自分で言うな!!」
安岡優「えぇ〜っとぉ…リストウォッチのシルバーの大きいボタンを押した後、その腕を高く上げる……。こうかなぁ?」
ト書き「マニュアルに書かれている事を半信半疑ながらもマネをしてやってみる安岡。」
安岡優「うわぁっっぬ」
ト書き「辺りに眩しい光が溢れ、1秒も経たないうちに変身した安岡が現れた。」
北山陽一「実際着てみると結構似合ってるよ、ヤス。」
村上てつや「まぁ…”アニマル柄”のハーフパンツはお前にしか合わなそうだもんな…。」
安岡優「まぁ良しとするよ…動きやすいし。」
ト書き「ジャンプをしたり軽いウォーミングアップをして着心地を確かめる安岡。いつの間にか変身した村上の目はどこか遠くを見つめていた。」
北山陽一「どうかしましたか?」
村上てつや「ぁん?イヤ…。ともかく怪獣だか怪人だかの姿を早く確認したいんだけどよぉ…。」
安岡優「俺、チョット覗いてくる。」
ト書き「食い破られたシャッターの中に入っていく安岡。」
村上てつや「アイツには恐怖心とか無いのかよ…。」
北山陽一「まぁ、いいんじゃないですか?」
村上てつや「初の仕事だからって…一歩でも間違えたら命に関わるんだぞ…。」
ト書き「いつもより厳しい村上の言葉に少し驚く北山。」
安岡優「てっちゃ〜ん、北山さ〜ん!!!!」
ト書き「倉庫の中から走ってきた安岡。」
村上てつや「な・なんだあ〜?」
安岡優「し、シム!!!」
北山陽一「はぁ?」
安岡優「死ぬよおおおお!!!」
村上てつや「何がだ…」
安岡優「へっ…変なのがいる!見た事無いよーなのがっ」
北山陽一「当たり前でしょう。」
ト書き「慌てふためく安岡に、北山は冷静に言い放つ」
安岡優「だっ、だって…人間だったはずなのに…人間を食べて、中から変なのが出てきて…。」
村上てつや「お前の説明は分かりにくい!行くぞ!」
安岡優「あんな奇天烈なの初めて見た……」
北山陽一「よくそんな難しい漢字知ってたな…。」
安岡優「一応、国家公務員志望だから…。」
効果音「がしゃーん……がりっ‥ばきっ」
村上てつや「又移動すんのか?」
北山陽一「これ以上蓄えられる前に…叩いた方が良いですかね……ねぇ国家公務員志望の安岡君?」
安岡優「叩こうったって…」
ト書き「3人の視界に、人間の足…の形をしたものを銜えた怪獣が現れた。」
安岡優「っ……。」
ト書き「片手で口を押え、必死に悲鳴を殺す。」
北山陽一「(…あれ、生の人間の脚じゃ在りません。」
ト書き「多少のジェスチャーも含めて、北山は安岡に小声で伝えた。」
北山陽一「(あれは……機械、です。…スパーク飛んでますから…」
黒沢カオル「バリ〜、帰るよ?…って、あれ?!」
酒井雄二「人間の形態じゃなくなってます!」
黒沢カオル「せっかく…人間の外骨格作ってやったのに……」
酒井雄二「アフロが気に入らなかったんですかねぇ…」
ナレーション「緊迫した雰囲気の中、のほほんとした会話を交わす黒沢と酒井に防衛軍の面々は唖然とする。」
DJバリ"K"〜ん「ボ〜ス〜!コノキカイウマイ!!」
黒沢カオル「そっか、良かったな。でも、今日はそのくらいにしておけよ。腹壊すよ!」
安岡優「…ねぇねぇ、怪獣って腹壊したりするんだねぇ。」
北山陽一「ヤス…。突っ込むべきところはそこじゃないと思うけど。」
酒井雄二「自分の身体喰う程腹が減ってたのか?……救い様のない…」
黒沢カオル「にしても、ここからどうやって移動するかだな…。あいつらにも警察にも気付かれずに移動すんのは…少々ややこしい」
ト書き「悩む黒沢カオル」
北山陽一「あの〜とっくに気付いてますが…。」
酒井雄二「えぇ!!何故に故に??」
村上てつや「…お前ら、そんなに大胆に姿見せといて『何故に?』はねぇだろ?」
安岡優「ってことは、これが黒沢??」
黒沢カオル「これっていうな!失礼な奴だな!!」
酒井雄二「そうだそうだ!仮にも我らがボスに向かって失礼だ!」
安岡優「仮にもってのは良いの?」
黒沢カオル「はっ!酒井、お前も何気に失礼だ!」
酒井雄二「す、すいません、ボス!!」
北山陽一「ヤス、ヤス!何普通に会話してんだ!相手は『悪の提督』だぞ!」
安岡優「あ!そうだよ、敵じゃん!なんかこの2人『悪』って風には見えないんだよねぇ…。」
ナレーション「ごもっとも(汗)」
北山陽一「なにを言ってるんだ、ヤス。」
安岡優「だってさ、悪の組織の人間って言ったらやっぱそれなりに怖そうな雰囲気とか持ってそうじゃん。ぜんぜんそう言うの感じないもん」
村上てつや「ヤス……」
北山陽一「ヤス。たとえ雰囲気が怖くなくても、一応は『悪』なんだから、そんなことを言わない。な?」
安岡優「はぁ〜い。…て、早く捕まえないの?」
北山陽一「はっ!そうだよ、捕まえるんだよな。俺としたことが奴らの『のほほん攻撃』に騙されるところだった!」
黒沢カオル「俺達、攻撃してたっけ?」
酒井雄二「一応攻撃したことになってるみたいです。」
村上てつや「十分攻撃してるだろうが、あいつがっっ!!」
効果音「スポポポポポオオオオん」
北山陽一「はあーい!北山きんにクンでっす!」
村上てつや「・・・なんじゃそりゃ?」
安岡優「センセーだいじょうぶ??」
村上てつや「…大丈夫じゃなさそうだけどな…頭の中身。」
DJバリ"K"〜ん「キ〜カ〜イ……タリナイ。マダ…タベタイ……キカイ。」
ト書き「怪獣はぐるりと振り向いて、いきなり酒井へ腕を伸ばした。」
酒井雄二「うそわっ」
村上てつや「な…仲間割れか…?」
酒井雄二「こっ…こら!止めろ!……うっ……あぁあああ!」
効果音「ごきぃっ」
ト書き「嫌な音を立てて、酒井の左腕が千切れた…。断面から人間のモノではない体液と、筋組織。細いチューブが垂れる。」
酒井雄二「くっ……うぅ…。」
黒沢カオル「酒井!」
安岡優「さ…酒井さん……?」
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