-ゴスドラマ過去ログ:20701-20800-
ト書き「相当の激痛を感じているのか、酒井ががくり、と片膝をつく。」
黒沢カオル「お〜ま〜え〜は〜……、冷凍庫にテレビ、それに酒井のゲーム機器全部喰ってもまだ足りねぇってのか!?」
北山陽一「…何だか、すごく庶民的な秘密基地ですね…。」
DJバリ"K"〜ん「…コイツ、ウマイ…モット……モット、クイタイ。クイタイ!」
黒沢カオル「止めろ!バリ"K"〜ん!」
ト書き「だが、怪獣の勢いは止まらない。酒井の額を掴んで自らへ引き寄せようとしている。」
黒沢カオル「なんで…なんで、俺の命令に従わないんだ!」
酒井雄二「…ふっ、うっ……こ・の…不意打ち食らわせれば、食えると思いでかぁっ!」
ト書き「怪獣の手首を掴み、酒井は右手を振った。」
DJバリ"K"〜ん「ガァアアー!」
ト書き「数メートル離れた壁に、怪獣の身体が叩き付けられた。」
黒沢カオル「酒井!?」
酒井雄二「はぁ…はぁ……駄目です、再生するにも…エネルギーが…足りない。…強制自己保存まで…あと…120秒っす…」
黒沢カオル「寝るな…動いて、帰らないと…お前は俺と一緒に居てくれるんだろう!?」
ト書き「酒井は荒く息を吐いた。」
DJバリ"K"〜ん「ク…ク…イ…タイ……。アマイ…オイシイ…キカイ…」
ト書き「酒井と黒沢に伸ばされた怪獣の腕を、村上は銃身で受けた。」
村上てつや「っと…一先ず…お前との勝負はお預けってトコかい。カオル?」
黒沢カオル「…て、てっちゃん……?」
安岡優「え〜っと、『防衛に基づく基準…第47ページ!…意図的ではない破壊行動を行う庇護対象外生物と敵対した場合…それを“天災”として処理』する!」
北山陽一「あいつは今現在より、『黒沢薫・所有の怪獣』から『天災』へ管轄が変わります…。」
ト書き「鞘に親指をかけ、濡れたように光る刀身を北山は抜いた。」
北山陽一「よって、所有者である黒沢薫も被害者として、我々の庇護を受ける権利が発生します!…宜しいですね?」
村上てつや「当然じゃねぇか!黒沢と酒井も助けるぞ!!」
ト書き「機械の作動停止音が静かに響き…酒井は床に伏した」
DJバリ"K"〜ん「ジャマ…スル…ヤツ……タオス…タオス!」
北山陽一「…やれるもんなら…」
安岡優「やってみろぉ!」
村上てつや「黒沢……下がってろ!」
ト書き「北山と村上が、武器を構えた。…が安岡は素手であった事に気付く。」
安岡優「てっちゃん!?」
村上てつや「あんだよ!?」
安岡優「オレ武器ない……」
北山陽一「装備品としてありませんか!?」
安岡優「どこに付いてるの?それって!」
村上てつや「どっかにはあるはずだぜ」
安岡優「んなこと言われたって、ないもんはないって……」
ト書き「自分の衣装を隈なく触って探しまくっていた安岡は、ふと、自分目掛けて飛んできたものに気付いてとっさに手を伸ばした。」
安岡優「えっ、これって……バレッタって言うんだっけ」
ゴスペラーズ「安岡以外>ちが〜うっっ!!」
効果音「バシ〜〜〜ンッッ」
ナレーション「いつの間に用意されてたんでしょうか、このハリセン……」
小林社長「いざと言う時のために持たせておいたのだが……たまには活躍するものだな」
北山陽一「し、所長、いつの間に……」
小林社長「たまには君たちの戦いぶりを見学しにだなぁ……」
効果音「バキッ」
村上てつや「邪魔するんじゃねーよ」
ナレーション「そ、そんな仮にもあなた方の雇い主に向かってそんな言葉遣いはどうかと……」
ト書き「ボソボソと言ったナレーションに向けられた視線は、決して優しいものではなかった」
北山陽一「(まったくもう、続けますよ)……それを言うならベレッタでしょう。しかし、いったいどこから……」
黒沢カオル「武器がなければ、それを使うといい」
酒井雄二「ボス!男らしい!!」
村上てつや「黒沢?!」
北山陽一「っていうか、酒井さん、動けなくなってたんじゃないんですか??」
酒井雄二「そ、そうでした……バタンッ(一応倒れてみる)」
村上てつや「なんで、お前……」
黒沢カオル「・・…別に。」
北山陽一「もう、そんなことはあとです。とにかくあの怪物を倒さないことには」
安岡優「ほらっ、舌なめずりしてこっちにくるぅぅぅ」
村上てつや「行くぞ、ヤス、北山!!」
北山陽一「行きますか!!」
ト書き「3人は一斉に構えを取る。」
DJバリ"K"〜ん「グワァァ!!」
村上てつや「くたばりやがれ!この、機械野郎!」
安岡優「てっちゃんの身体能力って凄いんだねぇ…。」
北山陽一「ヤスも鍛えたら出来るようになるんじゃない?…血の滲むような努力が必要だと思うけど」
ト書き「『衣装の御蔭』とは言わない北山。」
安岡優「…別にいいやぁ。あそこまで極めなくても。リンゴ片手で潰せたからって、日常には役に立ちそうに無いしね。」
ト書き「村上の撃った銃弾は統べて怪獣へ着弾した。シリンダーを開けて、撃ち尽くした空薬莢を床に落とし新たに弾を装填する。」
DJバリ"K"〜ん「グァっ…グルルルァアアア!」
北山陽一「アンタの相手は…俺がしましょ。」
ト書き「殴り掛かってきた怪獣の攻撃をかわし、ドスを身体へと突き刺す。」
北山陽一「…リーダー!あと何秒食い止めれば良いですか!?」
村上てつや「15…いや10秒だ!頼む!」
ト書き「一旦、怪獣の身体から離れ安岡の立っている場所まで北山は戻った。」
北山陽一「ヤス。…合図したら、あいつの目を撃て。」
安岡優「へ?」
北山陽一「撃ち方は判ってるだろ?両手でグリップを握って、狙いを定めたら…後は引き金を引けば良い」
安岡優「う、うん……」
ト書き「と肯いては見たものの、初めて扱う拳銃に安岡は戸惑いを隠せない…。がそんな事は言ってられない!失敗しないよう慎重に焦点を怪獣の目に合わせた。」
安岡優「……イキマス。」
北山陽一「合図したらで良い。…ほら、堅くなるなよ。」
ト書き「そう安岡に言い渡すと、再び北山は怪物との距離を詰めた。」
安岡優「えっ!?」
ト書き「怪物の前で屈み、肘撃ちを喰らわす。」
DJバリ"K"〜ん「ギャァアアア!」
ト書き「怪物の動きが止まり、その手が何かを捕まえようと、空中をかいた。」
北山陽一「ヤスっ!」
ト書き「安岡はまっすぐに両腕を伸ばし照準を怪物の頭部に合わせると、弾を装填し引き金を引いた。」
効果音「ぱん!」
ト書き「怪獣が、北山に掴み掛かろうとして、一気に弾の運動エネルギーに頭を持っていかれる。」
安岡優「…やった?……当たった?」
ト書き「弾の当たったはずみで怪獣は後ろにひっくり返った。」
北山陽一「ふぅ…。」
村上てつや「とどめだ、北山伏せろ!!」
ト書き「もがきやっとの思いで起き上がった怪獣を、村上は連射し最後の一撃を食らわした。」
DJバリ"K"〜ん「ウガァァァァァァ!!!!」
ト書き「怪獣の息を確かめると北山大きく頷いた。」
黒沢カオル「…てつ……。」
安岡優「カッコイイ〜さすがリーダーでね♪」
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