-ゴスドラマ過去ログ:21901-22000-
北山陽一「隠蔽、ですか?」
村上てつや「さぁな。…でも、人間って、自分の行動を正当化する為になんでもやるってのは…昔から変わんねーな。」
北山陽一「ですね。…自分しか、信じられるものはないのに…。疑う人口の方が多くて困ります。」
村上てつや「まぁ、俺達は最後までやる事はやらなくちゃな…。」
北山陽一「吹っ切れましたか?」
村上てつや「冷静に話してみてわかったよ…この仕事で私情挟む事は良くないな、やっぱり…。」
北山陽一「捕まえて仕事を終えたら、きっと黒沢さんもわかりますよ、村上さんの言っていた事が…。捕まえてからは彼方の自由です…それまでは。」
村上てつや「わかってるよ…ひとまず本部に帰って対策とか練らなくちゃな、アイツが今度どんな行動を取るのかわかんねぇからな。」
北山陽一「幼稚園の送迎バスは襲いませんよ…絶対ね。」
ト書き「北山は苦笑混じりにそう答えた。」
北山陽一「さて…もうそろそろ寝ますか。真夜中だと、ろくな事を思いつきそうにありませんしね。」
村上てつや「そういえば…さっき、眠れなかったんだよなぁ。」
北山陽一「睡眠薬でも処方しますか?…一個丸々だと効き過ぎるんで、半分だしますけど。どうします?」
村上てつや「…いい。遠慮しとくわ。」
北山陽一「あら、そうですか?結構自信作だったんですけど…(ニヤリ☆)」
ト書き「アヤしい含み笑いをする北山を、村上は見てない振りをして、自分の部屋へ戻ったのであった…」
酒井雄二「あの……よろしかったんですか?」
ト書き「アジトに戻るまでなんの会話も交わさなかった二人だったが、自分たちの居場所に戻って先に口を開いたのは、酒井の方だった」
黒沢カオル「何が?」
酒井雄二「先ほどの……いえ、いいです」
黒沢カオル「なんだよ?…言ってよ、怒らないから。」
ト書き「そう言っている顔は怒っているかと思いきや、黒沢はやさしい表情を酒井に向けた。」
黒沢カオル「・・・・」
ト書き「黒沢は少し悲しそうな顔をした」
黒沢カオル「俺、お前の事ハッキリ言ってどうでもよかった」
酒井雄二「え?」
黒沢カオル「ロボットなんだし、ストレス解消の道具にでもしようかなーって思ってた、壊れたら分解すればいいんだし、けど感情あったし」
酒井雄二「ボスはそんな人じゃ」
黒沢カオル「あのね、覚えとき、人間は『憎い』が『優しさ』に変わったら、なにすっかワカンナイわけ」
酒井雄二「ボス?」
黒沢カオル「つまり、今の俺!好奇心オウセイな少年に戻ちゃったの」
ト書き「黒沢は別人のように笑った」
黒沢カオル「自分の心の中に大嵐が来たら薫はお前に甘えるよ、裏で感動な村上との再会してたけど、俺はBAD ENDが好きなの」
酒井雄二「あんた…ボスじゃない!」
黒沢カオル「へへ…教えてやるよ!感動は一種類しかないけど、BAD ENDは何十種類もあるんだよ」
ト書き「黒沢はまた別人のようにケラケラ笑った」
黒沢カオル「ご主人様の命令です!ここで待ってろ!俺が何しても何も言うなよ」
ト書き「黒沢に何がおきたのか考えて何も言えない酒井」
黒沢カオル「お前が薫を叱るんならタイミングよく薫といれかわってやるよ」
ト書き「黒沢はアジトから出て行った」
村上てつや「・・・・ZZZ」
ト書き「村上はやっと眠りにはいっていた」
効果音「トントン…」
黒沢カオル「入るぞテツ!」
村上てつや「黒沢?なんだ?」
黒沢カオル「あのさ…」
ト書き「黒沢の話を優しく聞こうとする村上」
黒沢カオル「俺の為に、死んで。」
村上てつや「へ?」
黒沢カオル「俺、お前にコンプレックスもってたの、毎日お前と顔あわすの嫌だった、自分のやりたいことしてるお前を見て自分は谷底に行った気分だった」
村上てつや「なに言ってんだよ」
黒沢カオル「今度はお前が谷底に行く番だよ」
ト書き「黒沢は村上に拳銃をつきだした」
村上てつや「黒沢・・・」
黒沢カオル「…楽に殺してあげる。…薫のトモダチってやつだもんな。」
村上てつや「お前・・・」
ト書き「それを聞き、引き金に指が掛かった瞬間。村上はベッドから跳ね床に転がり落ちた。」
村上てつや「っく……つ〜……。」
ト書き「打撲の箇所を再び打って、顔をしかめる。その横で、壁に銃痕が出来た。」
黒沢カオル「さよなら」
ト書き「また黒沢はケラケラ笑った」
村上てつや「…お前、誰だ?」
黒沢カオル「黒沢…クロサワ・・・クロサ・・・ワ」
ト書き「村上はゾッとした」
黒沢カオル「汚い薫なんか好きになるなよ」
ト書き「黒沢には少し涙がこぼれていた」
黒沢カオル「黒沢薫は汚くて小さい人間なんだよ」
村上てつや「黒沢・・・」
ト書き「ぴしり、と定められていた銃口が、途端に震え始めた。」
黒沢カオル「な・・・ん、だと?」
ト書き「右手で顔を覆い、黒沢は不可思議、といった表情を取る。」
村上てつや「おい…黒沢…?」
黒沢カオル「……て…つ………。」
ト書き「黒沢は涙で顔をぬらしていた」
村上てつや「おい!カオル!?」
ト書き「銃を握っていた左手が、油の切れたロボットのようなぎこちなさで、自らに銃口を向ける。」
黒沢カオル「おい…止めろ!…実弾に当たったら死ぬんだぞ!」
ト書き「黒沢は泣きながら暴れていた」
黒沢カオル「薫がいけないんだ…俺にあたるから…お前が俺にあたってきたんだろ」
ト書き「黒沢はそれでも自らに銃口を向けている」
黒沢カオル「俺は悪くない!俺は悪くないよ!薫だよ!薫がいけないんだ」
村上てつや「おい。お前…。助けて欲しいか?」
ト書き「無表情で、村上は言った。黒沢の顔が左右で別の表情になる。」
黒沢カオル「薫は俺に…」
ト書き「そのまま床に黒沢は崩れおちた」
村上てつや「黒沢…」
ト書き「そして次の日」
北山陽一「リーダー黒沢さんに何が?」
村上てつや「・・・・・」
安岡優「…なんで、酒井さん居ないの?」
村上てつや「それは俺にもわかんねえや」
安岡優「探してくる」
ト書き「安岡が走り去ったころ黒沢は村上のベットでミニパソを打ち続けてた」
黒沢カオル「勝手な事しやがって黒沢・・・」
ト書き「その画面は黒沢薫が1人でチャットをしていた」
黒沢カオル「昔の事ひっぱりだして」
ト書き「けれどチャット内では黒沢薫ともう1人の黒沢薫がチャットで話していた」
村上てつや「おい・・・黒沢・・・」
ト書き「村上が入ってきたのも分からなくなるほど黒沢は画面にはまっていた」
黒沢カオル「テツ…なんだいたんだ」
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