-ゴスドラマ過去ログ:22101-22300- |
ト書き「黒沢は拳で村上の腹部を強打した。」 村上てつや「うッ…!!」 安岡優「てっちゃん!…酷い…ヒドイよ黒沢さん!」 ト書き「うずくまり立てる状態ではない村上を支えながら、安岡は怒鳴った。」 黒沢カオル「回復力が遅いんだなぁ〜村上は、まだ痛いのか?笑っちゃうね。」 酒井雄二「ボス!」 北山陽一「酒井さん、近づかない方がいいですよ」 酒井雄二「しかしっ!」 北山陽一「今のこの人はあなたのボスじゃありませんから、何をしでかすか分かりませんよ」 安岡優「一体、何がどうなって……」 北山陽一「説明したいのは山々ですが……とにかくこの人をどうにかしないと……ヤス、ちょっと耳貸して」 安岡優「えっ? こう??」 効果音「ゴニョゴニョ……」 ト書き「北山は安岡にあることを耳打ちした。」 安岡優「えっ、それは……」 北山陽一「一応基礎は出来てるでしょう? あなたの過去の経歴から言えば。」 安岡優「そりゃまぁ、そうだけど……なんとかやってみるよ。」 北山陽一「とりあえず彼をフォローに回しますから。遠慮なくやってくださいな」 ト書き「北山はそう言うと安岡から離れ、茫然としている酒井の方に近づいた」 北山陽一「酒井さん、今は敵味方と言う壁を突破らって、協力して欲しいんですがね」 酒井雄二「えっ?あ、ハイ・・・…」 ト書き「反応が遅れた彼に合わせ、北山はある指示を告げた」 ナレーション「なんか北山さん、軍師みたいですね……」 北山陽一「シーッ、これからいいとこなんだから、じゃましないでね」 ナレーション「はぁぁぁい」 ト書き「そんなことをしているうちに、まだ痛みの引かない腹部をおさえながら、村上が立ちあがった」 黒沢カオル「なに? まだやろうって訳? あきらめ悪いねぇ」 村上てつや「てめぇに用はねぇって言ってんだろうが! さっさと引っ込みやがれ」 黒沢カオル「あんたみたいの見てると気分悪いんだよ。あんたこそ、さっさとあの世に行ったらどうさっ」 ト書き「そう言いつつ、黒沢がこぶしを繰り出した瞬間だった」 村上てつや「えっ?!」 北山陽一「ヤス、任せましたよ!!」 安岡優「OKオーライっっ!!」 村上てつや「一瞬身体が宙に浮き、軽いショックで着地した村上の視界に入ったのは、彼の身体にぶち込まれるはずだった黒沢のコブシを、右手で受けとめている安岡の姿だった」 ト書き「そ、それわたくしのセリフ……」 北山陽一「自らの状況説明、痛み入ります、村上さん」 村上てつや「いや、あんまりビックリしてよぉ……で、一体これはどういうことなんだ、北山っ?!」 北山陽一「あとで詳しく説明します。今はここで落ちついててください。酒井さん、とにかく起き上がらないようにこの人のこと抑えててください」 酒井雄二「了解、です……」 安岡優「おぉぉぉ痛ってぇ〜〜。結構重いパンチですこと」 ト書き「そう言いつつ受け止めた右手を軽く振った。多少顔を歪めてはいるが、それほど効いているような感じではない」 黒沢カオル「おやおや、オレのパンチをまともに受けて平気な顔をしているとは、恐れ入ったね」 安岡優「あんたと違って、基礎がちゃんと出来てるからね。これでも格闘技は粗方修めてるんだけどねっ」 黒沢カオル「なに?!」 安岡優「あんた、まともに殴り合いしたことないよね。ケンカだってまともにやっちゃいないだろ?」 黒沢カオル「なまいきな事を言うもんだ。ま村上よりか楽しめそうだな。」 安岡優「生意気かどうかはやってみてから言ってよねっ!」 ト書き「そう言った瞬間、安岡の身体が黒沢の視界から消えた」 効果音「ドスッ」 黒沢カオル「くっ・・・・・・・」 安岡優「この前あんたがてっちゃんを殴って外した急所。今度は命中させたけど、気分はいかが?」 黒沢カオル「いきなりっ……」 安岡優「ケンカは先手必勝。やられたらやり返せ。やられりゃ殺られるからね」 ト書き「崩れ落ちた黒沢を見下ろすようにして安岡は呟いた。」 酒井雄二「…ボス。」 安岡優「大丈夫だよ。気を失わせただけだから。」 北山陽一「ご苦労様でした、ヤス。大丈夫ですか?」 安岡優「なんとかね。久々だったからちょっとばっかしドキドキだったけど」 村上てつや「その割りには、ずいぶん手慣れてたんじゃねぇか?」 ト書き「さては昔不良だったな? と小さく呟きながら、今後あまり彼を怒らせないようにしようとひそかに誓う村上だった」 安岡優「粗方の格闘技を修めてるって言うのはあながちウソじゃないよ。これでも空手と柔道は段位取ってるし、前に言った通り警察学校入ってたからね。みっちり教え込まれる。」 北山陽一「ケンカ云々と言うところはマジものでしたが?」 安岡優「オレが初めてタイマンで負けた時、その相手がオレに言った言葉だったんだ、あれ」 ト書き「聞いてて空恐ろしいことを、笑顔で言う安岡……」 ナレーション「謎が深まるばかりだわ。安岡優……」 酒井雄二「あの……とりあえず、どうしましょうか」 北山陽一「あっ、そうだねぇ……。目が覚めた時暴れられても困るし……」 安岡優「拘束するの?」 北山陽一「…縛るんですか。それとも、手錠をかけますか?」 安岡優「北山センセのお好きな方で。」 北山陽一「じゃ、とりあえず手錠を掛けてそのへんにつなぎましょうか。」 安岡優「了解」 北山陽一「うん」 ト書き「黒沢は北山の部屋の柱につながれた」 安岡優「ちゃ――んと見張っといってね!先生」 効果音「ばたん」 北山陽一「起きてくれます?黒沢薫さん」 ト書き「北山は黒沢薫と話がしたいと思った」 黒沢カオル「・・・ん・・ん・・な・・なんだよ・・」 北山陽一「あんたが暴れないように、つないだけど!話したいんだ」 黒沢カオル「・・・・・なんでしょう?北山陽一」 北山陽一「お前が犯罪してたの?」 黒沢カオル「・・・・いきなり!まあ、いいけど★犯罪って人殺しのこと?」 北山陽一「まあ…してたんなら…そうかな」 黒沢カオル「頭がイイ北山先生に問題です♪なんで人を殺したらダメなんですか?」 北山陽一「・・・・・だって…それは常識だよ」 黒沢カオル「俺、常識しらないの、お前らが何で薫ばっか好きになるのかもヨク分かんないし」 北山陽一「だって黒沢さんは」 (管理人ミスにより、ログ一部消失) ト書き「黒沢薫はケラケラ笑って血だらけのナイフを村上に見せた」 黒沢カオル「これが人間の体内に音をたてながら入ったんだよ」 村上てつや「北…北山!!!」 黒沢カオル「…早く行ってあげないと…ああ、もう手後れか。」 ト書き「にこやかな笑顔で、残念そうに呟く黒沢。」 黒沢カオル「憎いなら殺してあげる」 ト書き「村上は北山の部屋に走った」 村上てつや「北山!」 北山陽一「……う……?」 村上てつや「今、病院に!」 黒沢カオル「だぁめ。」 ト書き「背後に、黒沢が立っている。」 黒沢カオル「北山陽一も村上てつやも俺を抱きしめてくれないだろ」 ト書き「電話の回線コードを血だらけのナイフで黒沢はプッツリと切った」 黒沢カオル「後悔してよ同情の言葉もかけられなかった自分に」 北山陽一「リーダーこいつ…」 村上てつや「なんだ?」 北山陽一「悪い奴じゃない」 ト書き「また黒沢薫はケラケラ笑う」 黒沢カオル「顔が同じだからって俺を抱きしめられるほど弱くなちゃったかな?」 北山陽一「善悪の…判別がつかない…だけ…で。」 村上てつや「北山しゃべるな!」 ト書き「黒沢は静かになって北山の顔をジーッと見る」 北山陽一「子供…なんです。彼は。寂しがりで、でもそれを言い出せない。」 ト書き「軽く咳き込んだ北山の口元から、鮮血が零れた。」 北山陽一「子供だから…人を殺す事も、ワルイコトだって…判らない。」 村上てつや「よ…う…いち…?」 ト書き「黒沢は耳をふさいでガタガタ震え出した」 北山陽一「憎いって思ってゴメンな…今度から君を抱きじめられるから」 ト書き「黒沢薫は顔をそっとあげた」 黒沢カオル「ばあ」 ト書き「北山はびっくりした」 黒沢カオル「俺は子供かも知れないけど…」 北山陽一「…」 黒沢カオル「人殺しができるほど、汚れてんだよ」 村上てつや「黒沢?」 北山陽一「汚れたら…洗えば良いだけのコトだろう。」 黒沢カオル「汚れてるのに、お前ら俺のこと憎いって、怒鳴って…酷いじゃないか!」 村上てつや「黒沢…」 ト書き「北山の荒かった呼吸が、酷く静かなものになりつつある。」 黒沢カオル「酷いよ…」 ト書き「黒沢の目が光を失った」 黒沢カオル「誰も愛してくれない…抱きしめてくれない…かまってくれない」 北山陽一「ホントに憎かったら…もう、無視してるよ。…話し掛けもしないし、見えないフリだってする。」 黒沢カオル「お前を刺しちゃったから…もう引き戻せないよ」 ト書き「はぁ、と大きく北山は息を吐いた。」 北山陽一「・・・・」 ト書き「無言で北山は拳銃を黒沢薫につきだした」 北山陽一「なにがしたい?今したいのは何?」 黒沢カオル「……裏切った奴らへの復讐」 北山陽一「そっか……」 ト書き「そのまま北山は拳銃を黒沢にわたした」 黒沢カオル「 ? 」 北山陽一「好きなことやいな」 村上てつや「北山!!」 黒沢カオル「・・・・・・・・北山陽一 村上てつや 安岡優 酒井雄二 さようならBAD END 薫」 北山陽一「それで、あんたの渇きや飢えが、満足するならね…。」 ト書き「そのまま、黒沢薫は左手に拳銃を持ち直し、自分を打った」 村上てつや「黒沢!!」 北山陽一「・・・・・・・・・大丈夫です…かすってるだけですから」 ト書き「弾道を見て、壁の銃痕を指した。」 北山陽一「一番、復讐したかったのが…自分だったんですね」 村上てつや「処置室…運ぶか?」 北山陽一「そうですね…行きましょう」 ト書き「床に落ちた銃弾を見て、村上は息を飲んだ。」 村上てつや「ゲル弾じゃねぇか…これ。」 北山陽一「そうですが?」 ナレーション「注釈『ゲル弾』;弾頭が柔らかく、殺傷能力が低い為。標的を外傷を負わせず倒す事が可能。」 村上てつや「何所まで先読みしてんだよ。お前は。」 北山陽一「も〜…いっぱい、いっぱいです……。」 ト書き「貧血を通り越して顔が土気色になっている北山に、村上の顔が凍り付いた。」 村上てつや「はは…」 北山陽一「酒井さん…と、ヤス…呼んでこないと…、俺も黒沢さんも動けないし。」 ト書き「咳き込み、床に散ったのは鮮血だ。」 北山陽一「…すいません。少し、寝ます…何だか…凄く疲れて…」 ト書き「ことん、と何かが落下するように、北山は意識を失った。」 村上てつや「北山!!わかった・・・よんでくるから」 北山陽一「いった…やっべ・・」 ト書き「北山の隣には黒沢が気を失っていた」 北山陽一「寂しかったんだね」 ト書き「最後の力を振り絞って北山は黒沢を抱きしめた」 北山陽一「今度は抱きしめてあげただろ…だれも君の事わかってないなんて…嘘だよ」 ト書き「北山は静かに目をつぶりそっと黒沢から離れた。」 安岡優「北山先生!!」 酒井雄二「ボス!!」 |
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