-ゴスドラマ過去ログ:23101-23200-
黒沢カオル「わぁぁっ!危ないよ、ナイフ持ってるのに!」
酒井雄二「こらっ!離れなさい!」
ナレーション「村上を無理やり引き離す酒井。」
黒沢カオル「はい、出来たよ!あれ?陽一兄ちゃんも帰ってたんだ。お帰り〜。」
北山陽一「ただいま。あんまり二人のこといじめたらダメだよ、薫。」
黒沢カオル「ぅえ?なんかしたっけ…?」
北山陽一「自覚が無いってのもどうかなぁ…。」
安岡優「たっだいまぁ〜!」
村上てつや「おう…。早かったな。」
安岡優「うん。」
ト書き「玄関の上がり口に座り込んで、靴を脱いでいる安岡が答えた。」
安岡優「店の奴と客が喧嘩になっちゃってさ〜、店の中めちゃくちゃで仕事にならないから帰ってきた。」
北山陽一「ゆた兄は巻き込まれなかったんですか?」
安岡優「うん、大丈夫。でも、あのバイト結構ワリが良かったんだけど、もうダメだな…。」
村上てつや「いいじゃん、また他見つければ!怪我が無くて良かったよ。」
酒井雄二「そうですよ。ゆた兄はちょっと働き過ぎなんですから、ちょうど良い休みじゃないですか。」
安岡優「そうだなぁ。……はれ?薫は?」
黒沢カオル「はぁ〜い、コーヒー入れてきたよ!みんなで飲もう?」
ナレーション「いつの間にか台所でお茶の準備を整えた黒沢が大きなお盆を持って居間へ入ってきた。」
北山陽一「ありがとう。じゃあ、一家団欒ってことで。」
安岡優「やっぱ、薫は気が利くよな。」
黒沢カオル「えへへ(照)」
酒井雄二「薫、あんまり動き回らないほうが良いよ。足、痛いだろ?」
黒沢カオル「大丈夫!今は痛くないから。」
安岡優「何?薫、足どうかしたのか?」
北山陽一「あっ、包帯巻いてる。どうしたの?」
黒沢カオル「平気だよ、ちょっと転んで、足の爪剥がれちゃったの…。」
安岡優「うぇ…。聞いただけで痛そう。」
北山陽一「医者には行ったの?」
黒沢カオル「えぇ〜、ホントに大丈夫だよぉ。ちゃんとてつ兄と雄二兄ちゃんに手当てしてもらったんだから。」
村上てつや「マ○ロン吹きかけられて涙目になってたのは誰だったっけ…。いいから、ここ座れ!後はほら、雄二配れ!」
安岡優「てつは元運動部だからね、テーピングとかそう云うの得意だし…でもあんまり無理すんなよ?」
黒沢カオル「うん。ありがと。」
ナレーション「村上と安岡の間にちょこんと座る黒沢。」
北山陽一「あ、そうだ!クッキーがあったんだ。食べる?」
ナレーション「おもむろに自分のかばんの中から可愛らしい包みを取り出す北山。」
村上てつや「何?オンナに貰ったのか?」
酒井雄二「なんだ、塾に行ってたんじゃないのか?」
安岡優「ヤボなこと聞かないの!あ、うまそ〜!」
黒沢カオル「陽一兄ちゃん、彼女いるんだ…。」
北山陽一「え?いや、彼女とかそういうんじゃないよ…。」
酒井雄二「またまた…。」
村上てつや「ごまかすなごまかすな」
北山陽一「薫が心配するような関係まで発展してないからさ。 『お兄ちゃんと妹』の域を抜けてないし。」
安岡優「年齢以上に大人びてるフシってのがあるもんな…ウチの連中。」
北山陽一「ただ、憧れられてるだけだよ。自分の一生懸命さに、酔ってるだけだと思うね俺は。」
黒沢カオル「ふぅ〜ん?陽一兄ちゃん、学校でも人気あるもんねぇ。」
北山陽一「『学校』の中だけならね。 外じゃ俺よりも良いオトコ何か一杯いて、目移りしまくってるだろ。」
黒沢カオル「そかな〜…比べて、溜め息吐いてるんじゃない?」
村上てつや「どうでも良いけどよ、ゴキブリペットにするような奴だけは止めてくれよな。」
酒井雄二「はぁ? アー◯製薬に大量に生息しているのを、わざわざ飼ってるんすか?」
安岡優「食べ物食べてるんだから…そういう話は止め!」
酒井雄二「みんな見なくて正解だっつー、番組を見てしまった俺の立場も察しておくれ。優兄貴…。」
村上てつや「察したくない事情だよな。ある意味で。 どんな番組見てんだお前は。」
酒井雄二「…いや、もう思い出したくない。説明すらもしたくない。記憶から消去したいが、無理難題っすわ。」
安岡優「は〜あ…なに?もう11時?俺そろそろ部屋行くわ。」
黒沢カオル「あ、ゆた兄宿題教えてよ〜。」
安岡優「い〜よ。じゃあ、俺の部屋でも良い?」
黒沢カオル「うん!ノートとか取ってくるね。」
ナレーション「足を少し引きずりながら居間を出て行く黒沢。」
村上てつや「宿題って…なんで俺に気かねぇんだよ!いっつも優か陽一ばっかりじゃん、ずりぃ〜の!!」
北山陽一「薫の人を見る目が確かなんで安心したよ。」
酒井雄二「ちょっと待て!それは我輩にも失礼な発言じゃないか?」
安岡優「はいはい!もうその辺にしといて!じゃあ、俺部屋行くわ。」
北山陽一「じゃあ、俺も。」
村上てつや「何か俺らってかわいそうじゃねぇ?」
酒井雄二「てつ兄と一緒にしないでください!じゃあ、俺も引き上げます。」
村上てつや「何だよ〜!」
ナレーション「居間に取り残された村上は、やけ気味に残ったコーヒーを飲み干した。そこへ、優の部屋へ向かう黒沢が通りかかる。」
黒沢カオル「あ、てつ兄!」
村上てつや「お?何だ?分からない問題でもあるんならてつ兄ちゃんが教えてやるぞ!」
黒沢カオル「ううん、ゆた兄に聞くから。カップ片付けといてね。じゃあね。」
村上てつや「薫ぅぅぅぅ…。」
酒井雄二「ドンマイ、てつ兄!!」
ト書き「兄たちの心を惑わす末っ子薫は勉強道具一式を持って優の部屋に入った。」
安岡優「さ〜ってと、はじめますか?!」
黒沢カオル「えっとさ…数学なんだけど。」
安岡優「数学ね…。ここの問題解けた?」
黒沢カオル「そっちは…うん、解けた。」
安岡優「ここの公式を応用すれば良いんだよ。 まず、数値を式に当てはめて…。」
ト書き「ガラステーブルの上で、向き合う二人。テキストの中身を指差しながら安岡は説明をする」
安岡優「この参考書…まさか陽一から勧められてないよな?」
黒沢カオル「えっ、なんで?」
安岡優「図星?」
黒沢カオル「うん。っていうか、コレ陽一兄ちゃんが去年使ってたやつ貰ったの。」
安岡優「そっか、どうりでヤケにレベル高いと思ったよ。薫は文系だからここまで解けなくても大丈夫だよ。」
黒沢カオル「そうなの?」
安岡優「まぁ役にたつ・・・といえばたつのかな?明日もうちょっと簡単なやつ探しにいこうか?」
黒沢カオル「えっ、一緒に買い物行ってくれるの?!」
安岡優「うん。一緒に行こうな。」
黒沢カオル「やったぁ〜!だからゆた兄大好きっ!!」
ナレーション「あ、あの?…黒沢さん?…本当にオトコだって事、自覚なさってますか?」
黒沢カオル「自覚してるよ、失礼だな…ナレーション! セクハラじゃん!」
安岡優「黒ぽんは似合うから良いんだよ!!もう、戻るよ!!」
効果音「どごっ!」
ト書き「二人の正拳突きが決まり、ナレーションは家の外へ吹っ飛ばされた。」
安岡優「ん〜じゃ、明日ガッコ終わったら拾っちゃるか。…終わるの何時?」
黒沢カオル「十一時くらいかな。」
安岡優「欲しい本あるって言ってたろ。バイト代入ったし買ってやるよ。」
黒沢カオル「ホント?やったぁ!ありがとう!」
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