-ゴスドラマ過去ログ:23701-23800- |
村上てつや「…まったく…」 ト書き「深いためいきと共につぶやくてつや。」 村上てつや「どうすっかなぁ…。これから…。」 ナレーション「そして翌日。」 黒沢カオル「そ〜っと、そ〜っと…。」 酒井雄二「何やってんだ?薫…泥棒の真似?」 黒沢カオル「あっ…雄二兄…。」 酒井雄二「今日は日曜だし、朝当番はてつ兄だろ?早くないか?」 黒沢カオル「エッ…そうかな?もう8時だよ?」 村上てつや「全員集合!!」 ゴスペラーズ「(酒・黒)>えっ……。」 ト書き「結構古い事を口走る村上に一瞬動きが止まる酒井と黒沢。」 村上てつや「…固まんなよ…おはよう。」 酒井雄二「おっ、おはよう…(しかもあれ夜の8時だったし)。」 村上てつや「薫、こんな朝からなに、カバン持って…学校は今日休みだろ?」 黒沢カオル「エッ…あぁ、あのコレは…その…。」 ト書き「言葉が出てこなく戸惑っている黒沢。」 村上てつや「…薫、ココ座れ!」 黒沢カオル「あっ、でも約束が…。」 村上てつや「イイからココに座れ!!早く!」 ト書き「村上の気合に負けイスに座る黒沢。その向かいに村上も座る。」 村上てつや「何しようとしてたのか、ちゃんと言え!ハッキリ、1語1句しっかりと!何しようとしてたんだ!?」 黒沢カオル「…だ、だから友達と…遊ぶ約束が…。」 村上てつや「また嘘つくのか?いい加減にしろよ、もうガキじゃねぇんだからな!」 黒沢カオル「…てつ兄には……てつ兄には関係ないだろ?!ウルサイよ!ほっといてくれよ!」 酒井雄二「薫!てつ兄は心配して…!」 黒沢カオル「俺が何処に行こうと関係ないだろ?…ほっといてよ…。」 ト書き「パシン!」 効果音「…私の仕事がぁ…。」 ナレーション「村上はおもいっきり黒沢の顔を叩いた。」 村上てつや「ウダウダ言ってねーで、早く部屋戻れ!今日はずっと部屋に居ろ!一歩も部屋から出んな!分かったか?」 酒井雄二「てつ兄、幾らなんでも…。」 村上てつや「早く部屋行け!わかんないなら、もう一発殴るか?」 ト書き「黒沢は無言で部屋に入り、村上はキッチンへ向かった。」 北山陽一「ッたく朝から騒がしい…何?どうしたの?」 酒井雄二「陽一、実は…『……』と言うわけなんだよ。」 北山陽一「1日部屋って…どうしたんだ?てつ兄。…凄い怒鳴ってたしな。」 村上てつや「…俺も少し、頭を冷やしてくる。」 北山陽一「てつ兄が薫の事心配してるのは分かるけど、薫の話もじっくり聞いてあげたほうがいいよ。」 村上てつや「あぁ……」 酒井雄二「まぁとりあえずオレはちょっと薫のところに行ってくるわ」 北山陽一「あ、お願いしますね〜」 ナレーション「朝から波乱ぶくみな……」 ト書き「一方、イタリアへと降りたった優の方は……」 安岡優「えーっと、とりあえず軽く食事でもしてから行ってみるか……」 ト書き「空港を出て、日本よりも少しだけ強い日差しに手をかざしつつ、優は辺りを見回した」 ナレーション「そのとき」 佐々木真理「(遠くの方から)優ぁ〜〜〜」 安岡優「えっ?!」 ト書き「自分の名前が呼ばれたような気がして、キョロキョロとみまわす優だったが、遠くの方に見覚えのある姿が視界に入ってきた」 安岡優「か、母さん?!」 佐々木真理「はぁ、はぁっ……んもぉ、やっぱり優だわ。来るなら来ると先に電話くらい寄越しなさい!」 安岡優「ど、どうしてここに?! あっ、仕事かなにか?」 佐々木真理「なにバカなこと言ってるの。あなたを迎えに来たに決まってるじゃない。向こうにパパもいるから。おなか空いてるでしょ? 途中で食事してから家に行きましょうね」 ト書き「優の荷物を奪うようにして持った真里は今来た方向に足を向けた。」 安岡優「迎えにって……父さんもいるってどういうことさ」 佐々木真理「今日は久々にお休みなのよ。あと詳しいことはゆっくり落ちついてから話しましょ♪」 安岡優「う、うん……」 ト書き「相変わらず陽気で強引な真里に押しきられる形で、優は彼女のあとをついて行った」 安岡優「それにしてもしばらく見ないうちにかっこよくなって。スタイルは今の日本の流行り?」 佐々木真理「今のってあたしのセリフよ、優」 安岡優「えぇ?!あっ、ごめん……」 ト書き「ま、いいけど、それあたしも思ったから」 安岡優「これはオレの好み。母さんこそいつまでたっても若々しくて……勘違いされない?」 佐々木真理「確かに、言い寄って来る男はいるわよ。どう見たってあなたみたいな大きな子供5人もいるようには見えないでしょう?」 安岡優「父さんの気が治まらないような感じなんですけど」 佐々木真理「いつもやきもきしてるみたいよ。でもあたしはパパにゾッコンだから♪」 ナレーション「ゾッコンって、今の人使わない……既に死語ですよぉ」 佐々木真理「うるさいわねっっ!!」 効果音「ドスッ」 ト書き「いつも一言多いナレーションは真里の肘鉄を食らってその場に沈みこんだ」 安岡優「(なんか、未だに新婚カップルみたいな風に感じるのはオレだけか……?)」 ト書き「真里の様子に不安になる優。しかし、その不安は父親に会うと呆れに変わり……」 小林社長「変わりないようでなによりだな。みんなも元気か?!」 ト書き「父親の車に乗って移動している間、日本でのことなどを二人とも聞きたがった。その間中、二人の様子はまるでハネムーン並のいちゃつきようだったのだ」 安岡優「みんな元気だよ。今のところ問題なく学校行ってるし、とりあえずみんなひねくれもしてない」 佐々木真理「そう、良かったわ。やっぱりあなたとてつやに任せて正解だったわね」 安岡優「それにしても、どうしてオレがこっちに来るの分かったの? オレ、連絡も入れなかったし、突然だったから自分で探して行くつもりだったし」 佐々木真理「………薫が電話をくれたのよ。優がそっちに行くからって。あの子、ずいぶん心配してたわよ。『ゆた兄、なにか悩んでるみたいだから、相談に乗ってあげて』って」 安岡優「やっぱ薫かぁ……まぁ、予想は出来たけど」 佐々木真理「薫はよく気がつく子になったわね〜、これもやっぱり優のおかげかしら?」 安岡優「オレは別になにも……面倒見がいいのはてつやの方だし」 小林社長「なんにしても、みんな元気そうで良かったな。」 安岡優「うん……」 佐々木真理「んで優は何しに来たの?私達を迎えに来たの?」 安岡優「ソレもあるんだけど実俺こっちに留学したいと思ってるんだ」 佐々木真理「留学?」 ト書き「予想もしなかった優の言葉に、驚きの表情を隠せない両親。」 小林社長「迎えに来たんじゃなかったのか…?」 安岡優「…それは、別題。降って湧いた事だけど。本命は、今言った。」 佐々木真理「優…。」 小林社長「お前の今やりたい事がここにあるのなら留学もいいだろう。ただ、中途半端なまま逃げてくるのはいかんよ。」 安岡優「親父……。」 ナレーション「何もかもお見通しといった顔で優しく笑う社長。」 安岡優「視野を広げたいんだよ…逃げるのとは違う…たぶん…。」 小林社長「日本での3年間の生活を知らないから何とも言えないが…てつやと協力してたんだろうな?」 佐々木真理「ココ1年はてつやから電話とか来なかったけど、2.3年前は1週間に1回はかかって来たからね…。」 安岡優「そうなんだ…知らなかった。」 佐々木真理「”優は?”って聞くと『勉強してる。部活。みんなと遊んでる。』って。」 小林社長「『優は俺と違って忙しいし。けどちゃんと弟たちの面倒見てるから。』ってよく言ってたなぁ…。」 |
[TOP|NEXT|BACK] |