-ゴスドラマ過去ログ:25001-25100-
村上てつや「あぁ悪いチョット俺、先に帰るわ…。」
安岡優「なんだよ、せっかく5人で兄弟水入らずとか言ってたのに…!!」
北山陽一「なんか約束事みたいだけど…。」
村上てつや「あ?…あぁ…大学のゼミの教授が辞めるんだよ…んでそれの送別会みたいなのが今日だったわけ。」
酒井雄二「わっ、そんな大事なイベントどうして忘れるんですか?」
村上てつや「そんなの俺に聞くな、忘れたのは俺の脳みそ!…悪いな、今度焼肉おごってやるから勘弁!」
黒沢カオル「そっか、それじゃ仕方ないね。じゃあ、今度焼肉たくさん食べに行こう!」
村上てつや「そうだな。…じゃ、楽しんでな!家に帰るの遅いかもしれないから先寝てて良いぞ!」
ト書き「人ごみを走ってかき分け居なくなる村上。」
黒沢カオル「あああ」
安岡優「なんだそのリアクションは…。」
黒沢カオル「だって危ないよ、人ごみ逆流して迷惑にもなるし。」
北山陽一「確かにそうだ。」
ナレーション「4人になった一行は他のアトラクションに向かう。 一方村上…。」
ト書き「結構な時間が経ち目的地へ。」
村上てつや「悪ぃすっかり忘れてた!」
一般人(男)「(A)ったく今日はお前がメインなんだぞ!!」
一般人(女)「(A)そうよ!てつやくんが『大学辞める』って言うからみんなで送別会しようって約束したのにぃ〜。」
一般人(男)「(B)そうだぞ!まぁ、イイけど来たからよ。」
村上てつや「だから謝ってんだろ!…兄弟5人で久しぶりに出かけてたんだよ…。」
一般人(女)「(B)けどさぁ、何で急に学校辞めるの?もったいないよ…。」
一般人(男)「(C)そうだよなナンダカンダ言って、1番お前が頑張って単位落とさないようにしてたしな。」
村上てつや「…弟達の為だよ…。」
一般人(男)「(A)だからってよ優だって居るじゃねーか、それで今までやって来たんだろ?」
村上てつや「確かに、優が今まで居たから俺も大学に来れたよ…けどな。中途半端にあいつ等の面倒を見るのは嫌なんだよ。」
一般人(女)「(A)どういうコト?5」
村上てつや「優が留学するんだよ…前々から家から出て行くなとは分かってたからな…。」
一般人(男)「(B)けどよ、弟たちって3人とももう高校だろ?」
村上てつや「雄二は今年大学入試で大変、陽一も今進路選びと勉強で大変、薫はまだ考えが幼いからな…両親が海外で居ない分、俺が今まで見てきたから責任があるんだよ。」
一般人(女)「(B)あんたは本当にブラコンだし責任感強いよね…。」
村上てつや「今まで色々あったからな…言っとくけどお前等、弟たちには秘密だからな!またあいつ等心配するし。」
一般人(男)「(C)てつやらしい決断だよな…夢諦めてまで弟たちの面倒見るなんて俺には考えられないね。」
村上てつや「勉強ならあいつ等が成人になってからでも充分できる…成人になるまでは俺が面倒見るってずっと決めてんだよ…夢は2の次。」
一般人(男)「(A)まぁ、今日はてつやの送別会だからな派手にやろうぜ!当分こうやって飲み会も出来ないんだろうし。」
村上てつや「ありがとな。」
ト書き「夜もどっぷりふけて帰宅する村上。勿論家には弟たちが居る。」
村上てつや「ただいまぁ…はぁ疲れた。」
安岡優「おかえり〜、てつそんなに酔ってないね。遅いからてっきりベロベロに酔ってるのかと思った。」
黒沢カオル「お帰り、てつ兄。教授さん喜んでくれてた?」
村上てつや「あ?何がだ?」
北山陽一「教授の送別会だったんでしょ、生徒に送別会なんか開かれたらね。」
村上てつや「アッ(忘れてた…)!あぁ、喜んでたよ。」
酒井雄二「珍しいね、いつも誰かの送別会の時は1番酔ってるはずなのに…何かありましたか?」
村上てつや「エッ…あぁそれはその、教授があんまり酒飲めない人でよ…。」
安岡優「でも前に全く飲めないヤツの何かに行った時はベロベロに酔って帰ってきたよね…?!」
村上てつや「今日は別なんだよ…!それより、水くれ水!」
黒沢カオル「…変なのてつ兄…。」
北山陽一「なんかおかしいね・・・」
酒井雄二「あのてつ兄がですよ。酔わないで帰ってくるなんて。」
北山陽一「酔えない理由でも、あったんですかね?」
安岡優「酔えないぐらいの、大事な理由…ねぇ…。」
酒井雄二「その教授とやら。こんな中途半端な時期に止めるって事は…女性絡みって事すか?」
安岡優「女絡みって…訳じゃなさそうだけど。 雰囲気的に、女が居るって…匂いはしてなかったし。」
ト書き「自らの鼻を指差して、安岡はそう言った。」
酒井雄二「あんまり。兄弟と言えどプライバシーの問題ってのがあるんで、みょ〜な詮索はしたかーないんだけど」
北山陽一「順当なのは、カオルか優兄ですよね。」
黒沢カオル「えっ?・・おれが聞いてくるの?」
村上てつや「俺、ちょっと風呂入ってくるわ。」
黒沢カオル「じゃあ、俺も…入ってくるか!!よし!!」
北山陽一「このタオル、つかってい〜よ〜。(その代わり、しっかりやるんだぞ)」
黒沢カオル「(ラジャー!)お〜い、待って〜。」
村上てつや「はあ〜。(いい湯だ〜)今日はいろいろあったな、いろいろと…。」
黒沢カオル「てつ兄、入るよ〜。」
村上てつや「バカッ!!俺はそこまで落ちぶれた兄貴じゃねーぞ!何で男と風呂は居るんだよ、弟でもそれは出来ねーつーの!」
黒沢カオル「何言っんの…背中流すだけだよ…バカ。」
村上てつや「それはそれは…滅多に無い事だろうからそうさせて頂きますかね。」
ト書き「浴槽から上が座る村上、石鹸を泡立てる黒沢。」
黒沢カオル「あわあわ爆弾、発射!」
ト書き「いきなり泡だらけになり、呆然とするてつや。」
村上てつや「あのな薫…お前がそんなだから俺は心配なんだぞ…。」
黒沢カオル「む。だってこの石鹸、たくさん泡立てるといいっていったの、てつ兄じゃん…。」
ト書き「取り敢えず、自分にも石鹸を塗りたくるカオル。」
黒沢カオル「どうしたの、てつ兄?今日は何だかトゲトゲしてるよ。なんかあったの?」
村上てつや「俺はハリネズミでもなけりゃハリセンボンでもねーぞ…いたって普通。」
黒沢カオル「そうじゃなくてさ…。」
酒井雄二「湯加減はいかがですか?社長!」
ト書き「風呂場を覗きながら、カオルに目で合図を送る雄二。」
村上てつや「なんだよ風呂場は狭いからもうお断りだぞ…雄二は体格良いし余慶に幅取るからな。」
酒井雄二「余計だけど、それを言うなら…。」
黒沢カオル「まあまあ2人とも…。」
村上てつや「湯加減は良いから…寒いから閉めろよ、風邪ひくだろうが。」
酒井雄二「あぁ、失敬失敬ではごゆっくり!」
ト書き「ドアを閉め風呂場を後にする酒井。溜息をつく村上。」
黒沢カオル「隠し事はナシだよ…なにかあったの?」
村上てつや「なんねーよ…早く背中流して出てってくれ、風呂でゆっくりしたいんだよ…。」
黒沢カオル「…そんなに教授は良い人だったの?てつ兄たくさんお世話になったの?」
村上てつや「…まあな…ってそんな事はどうでもイイだろうが。」
黒沢カオル「なんで辞めちゃうの?中途半端な時期だよね。」
村上てつや「…薫出ろ。」
黒沢カオル「だってまだ背中流してない…」
村上てつや「イイから…早く出ろ。」
ト書き「只ならぬ村上の雰囲気に圧倒され渋々自分の体から石鹸を流して風呂場から出る黒沢。」
村上てつや「ったく…。」
安岡優「てつや〜?」
村上てつや「・・なんだよ!?お前まで!」
安岡優「お前さ、考えが浅はか過ぎ…。同じ大学に行ってる俺を騙せるとでも思ってんの?あの教授が退官するなんて聞いてないけど?」
村上てつや「う…。」
安岡優「ったく、てつはずるいよね。人のことはあれこれ詮索するくせに自分のことはなにも言わないなんてさ」
ト書き「腕を組んだまま壁に背中を預けていた優は、明らかに怒った様子でてつやを見た」
安岡優「オレがなにも知らないとでも思ってるわけ? オレの情報網を甘く見ないでもらいたいね」
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