-ゴスドラマ過去ログ:25101-25200-
村上てつや「何を、知ってるって?」
安岡優「辞めるのはあの教授じゃなくて、お前の方なんだろ? そうやってあいつらのために自分の夢まであきらめて、それであいつらが喜ぶとでも思ってんのかよ!」
村上てつや「なに言って……」
安岡優「おまえ・・・肝心なところで隠し事下手だよな・・・」
村上てつや「俺は…、俺はいつでも自分が最良だと思ってる道を選んでるつもりだ。」
安岡優「ハイハイその言葉はもう聞き飽きたよ。ったく何考えてるんだか…。」
村上てつや「…誰から聞いたんだよ。」
安岡優「聞いたもなにも…今お前の教授から電話がきたんだよ『早くレポート提出しろ!出さないで大学を辞めるなんて事は許さないぞ!』って…。」
村上てつや「バカッ、あの教授が家に電話かけてくんなよ…。」
安岡優「それに噂は早いもんでね…前々からサークルの先輩に聞かれてたんだよ。これでもまだシラを切る?」
村上てつや「…俺のやりたい事もやらせろよ、少しは…。」
安岡優「俺の言い方が悪かった、謝る…。けど、てつはずっと頑張ってきただろ?絶対この大学入って夢を現実にする!って高校の頃からの長い夢だったじゃん。」
村上てつや「高校の時の俺と今の俺は違うんだよ…」
安岡優「お前が今大学辞めたからって何になるんだよ!」
村上てつや「少なくとも!…少なくとも今までよりかはあいつ等の面倒をよく見てやれる…。」
安岡優「…俺が留学するからそう決めたの?それだったら俺は留学するの辞めるよ。」
村上てつや「お前は関係ないよ…俺が決めた事なんだからな。」
安岡優「また嘘つく…そうに決まってるんだから。また俺はてつやから自由を奪ったわけだ…。」
村上てつや「それは違う!俺はお前から何も奪われちゃいねーよ…逆にたくさんのもの与えられた。だから今度もそれを貰う為に俺は大学を辞めるんだよ。」
安岡優「…あいつ等にちゃんと言うからな…んじゃ!」
村上てつや「オイ、待てって優!!」
ト書き「勢いよくドアが閉まり村上をさえぎった。」
北山陽一「てつ兄の酔っていない原因がわかった?」
酒井雄二「さっきかかって来た電話と関係アリとか?」
黒沢カオル「てつ兄まだ怒ってた?俺悪い事聞いちゃったのかな…なんて言ってたの?」
安岡優「いきなり質問攻めだなぁ〜(苦笑)。」
北山陽一「ごめん、少しあせった……」
酒井雄二「そうだな、落ち着いてゆた兄の話を聞こう。」
安岡優「とりあえず、こっちにみんな座って」
黒沢カオル「うん・・・」
ゴスペラーズ「>」
ト書き「全員、居間に胡座をかいて座る。」
安岡優「実はな〜・・・それが・・・」
村上てつや「お前等〜順番に風呂入っちまえ〜!!」
黒沢カオル「てつ兄もう出たの?!ゆっくりするからって言ってたじゃん。」
安岡優「ちょうどイイね、てつの口から言ってもらうよ…。」
村上てつや「俺は別に…なんも言う事なんかねーぞ…。」
北山陽一「酔ってない理由とさっきかかって来た電話の関係と、薫に怒った理由です。」
村上てつや「酔ってないのはさっき言った通りだし、電話は友達、薫に怒ったのは悪かったと思ってる…。」
安岡優「嘘つき…。全部嘘!嘘の塊!!」
酒井雄二「嘘はつかないって約束しただろ、てつ兄?ちゃんと本当の事はなしてよ。」
村上てつや「だから俺は何にも…!!」
効果音「ドス!!」
黒沢カオル「優兄!!!」
ト書き「安岡の拳が村上の頬を殴り、村上は床に力無く座り込んだ。」
安岡優「てつやはな、大学を辞めるんだよ!!今日は教授の送別会じゃなくて、自分の送別会だったんだよ!!」
ト書き「怒鳴り声を上げた安岡にみんなが黙ってしまった。」
酒井雄二「…本当なの…てつ兄。」
北山陽一「大学辞めるって…嘘だろ?!」
黒沢カオル「…そんな。」
安岡優「少しは目覚めた?ちゃんとこいつ等に理由を話せよ…ちゃんとした理由、もちろん俺にもだけど。」
村上てつや「勉強するのが面倒になったから…やりたい職業に向いてないってわかったからだよ…。なんか文句あるか?俺の決めた事だからな…理由はそれだけだよ。」
黒沢カオル「嘘だ!だって…だってこの前必死に勉強してたじゃない!!」
村上てつや「その時にわかったんだよ…イイだろ?俺の勝手だろ、お前等に俺の道をトヤカク言われる筋合いは無い!!」
安岡優「もう一発殴られたいのかよ?本当の理由は俺が留学して今までみたいにこいつ等の面倒を見る事が出来なくなるからだろ?お前1人で全部面倒見る為だろ?何でそうやって嘘までついて抱え込むんだよ!」
村上てつや「ほっとけよ!お前の留学の事なんか関係ねーよ!!」
安岡優「まだ言うのかよ!頭来た!!」
ト書き「村上の胸座を掴み無理矢理立たせて殴りかかろうとする安岡、村上も負けじと安岡の腕を掴む。」
北山陽一「何やってんだよ、やめろよ2人とも!!」
安岡優「放せ陽一!!痛い目見せないとわかんないんだよ、てつは!」
村上てつや「うるせぇー!お前に関係ないだろ!雄二、放せ!!」
酒井雄二「ココで殴りあいしたって仕方ないだろ?!やめろって、てつ兄も優兄も!」
ト書き「安岡と村上を放そうとするが、2人の力はスゴク酒井北山も必死に抑えようとしている。」
黒沢カオル「わかったから、やめてよ!!」
ト書き「北山と酒井の制止を振り切り、村上と安岡は取っ組み合いを始めた。」
黒沢カオル「やめろ〜〜〜〜〜〜!!」
ト書き「大声を張り上げて2人の間に入り止めようとするが、飛ばされてしまう黒沢。」
効果音「ドン!(テーブルに薫のあたまが強くぶつかる音)」
黒沢カオル「っ・・いたっ・・・」
ナレーション「あまりにもつよく頭を打ったためその場で気を失う黒沢」
村上てつや「カオルッ!!」
黒沢カオル「てつ兄…。どこ…。(気を失う)」
安岡優「カオル!?どうした?…痛いのか?え、カオル!!」
北山陽一「てつ兄も優兄も頭冷やせよ!!雄二、薫を部屋に運ぶぞ。」
酒井雄二「あぁ…。」
北山陽一「まてよ…。動かさないほうがいいかもな。」
安岡優「今、毛布もってくるから!待ってて。」
酒井雄二「てつ兄、湯冷めするといけないから…。こっちへ…。」
村上てつや「…すまん、カオル…。」
北山陽一「ったく何考えてるんだか…呆れるよ。」
酒井雄二「喧嘩するのは勝手かもしれないけど、それを見てどう思うかとか考えた方が良いよ優兄もてつ兄も…。」
北山陽一「隣の部屋で話し合ったら?冷静に…それから聞くよてつ兄の話。」
ト書き「黙って隣の部屋に向かう村上と安岡。」
酒井雄二「…たぶん大学辞めるってのは本当だな。」
北山陽一「そうだろうね…けどてつ兄の口から俺は聞きたい。本当の事も理由も。」
酒井雄二「同感…。ってか、大丈夫か?薫。」
北山陽一「頭打った後少しだけ喋ったから大丈夫だよ。たぶん気を失ってるだけだからさ。」
酒井雄二「初めて見たよな、2人が喧嘩するの口喧嘩はあっても取っ組み合いなんて。」
北山陽一「ああ…驚いたよ.」
黒沢カオル「…んっ…ぅん?…俺…。」
酒井雄二「おっ、薫気が付いたのか!?良かった。」
黒沢カオル「んぅ…てつ兄と…優兄は?」
北山陽一「隣の部屋、2人で冷静に話し合ってるよたぶん…。」
黒沢カオル「…そっ…か…良かった…。」
酒井雄二「まだ横になってな、はいコレを頭に当てて。」
ト書き「氷水が入った袋を薫に手渡す雄二。」
黒沢カオル「うん…あり…が…と……。」
酒井雄二「大事に至らなくて良かったよ。」
北山陽一「………雄二兄、薫ちょっと様子がおかしくないか?」
ナレーション「北山の言葉に酒井は黒沢の顔を覗きこむ。」
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