-ゴスドラマ過去ログ:25201-25300-
酒井雄二「……気のせいか?顔色、どんどん悪くなってないか??」
北山陽一「だろう?もしかして、この前交通事故で打ったところをまた打ったとか?」
酒井雄二「オイオイ…。」
黒沢カオル「気持ち悪いかも…ぅぇ…。」
ト書き「口元を抑えて小走りにトイレに向かう黒沢。」
ナレーション「酒井と北山は顔を見合わせている。」
黒沢カオル「はぁ…気持ち悪かったぁ…。」
北山陽一「大丈夫か?薫…。」
黒沢カオル「うん、もう大丈夫!」
ト書き「満面の笑みを浮かべる黒沢、さっきの顔色は何処状態。」
ナレーション「やっぱりギャグである黒沢薫…。」
酒井雄二「頭打って『気持ち悪い』ってのは…ヤバいぞ…? 薫、今すぐにでも病院行くか。」
黒沢カオル「平気、倒れた時に背中打って今で響いてさっき食べ過ぎた夕食が喉ぐらいまで来てただけだから♪」
北山陽一「”胃まで”だろ…薫。」
酒井雄二「とにかく、診てもらえ。 俺の精神状態安定の為に。」
黒沢カオル「…雄二兄のせいしんあんていの為なの?」
北山陽一「お前の事心配してるからだよ。 …兄貴に車出して…貰えるかな?」
黒沢カオル「平気だっ……て…。」
酒井雄二「死んだら、それで終わりなんだぞ。 医者に診てもらえ。」
北山陽一「ゆた兄呼んでくるよ!」
ト書き「黒沢を圧倒させる視線で、酒井は睨み付けた。」
黒沢カオル「も〜大袈裟だなぁ(溜め息)。」
酒井雄二「は〜…お前はコトの重大さを判っちゃいないね。 脳内出血だったりしてみろ。自覚症状が出ない分、死ぬ確率も高いんだぞ。」
ト書き「ずびし、と人さし指で酒井は黒沢を指す。」
酒井雄二「頭が3倍近く膨張したお前の死体なんぞ、見たくない。」
黒沢カオル「気持ち悪い事言わないでくれよ。」
酒井雄二「だ〜か〜らっ、医者にかかれ。と言ってるんだろうが。 少なくとも、安心するだろ?」
黒沢カオル「う〜ん。でも、なんでもなかったらちょっと恥ずかしいよ.」
村上てつや「大丈夫なのか?薫!」
ト書き「隣の部屋から戻ってくる3人。」
黒沢カオル「大丈夫なのに雄二兄が…。」
安岡優「すぐ車出すから外で待ってて!!」
ト書き「車のキーを手に取り玄関に向かう安岡。」
村上てつや「ゴメンな、薫…周りが見えなくなってて。」
黒沢カオル「良いよ大丈夫だから…それより本当の事知りたい。てつ兄の大学辞める理由…。」
村上てつや「…病院行って帰ってきたらな…。」
黒沢カオル「…わかった。」
ト書き「はい、薫これ着て!雄二も、はい!」
北山陽一「ト書きさん俺のセリフ取らないでくれるかな?!」
ト書き「スミマセン…。」
黒沢カオル「ありがと。」
ト書き「北山から上着を受け取ると玄関に向かう4人。」
黒沢カオル「あ、」
村上てつや「行くぞ、俺も一緒に。」
安岡優「さ、早く。みんな乗って。」
黒沢カオル「うん!(気のせいかな先より頭がくらくらする・・)」
ト書き「足下がもつれ、ふらついた黒沢の腕を、酒井が支えてやる。」
酒井雄二「…。」
ト書き「いきなり、酒井は黒沢を自分の身に寄せるとその身体を横抱きにした。」
黒沢カオル「ちょっ‥兄ちゃん!なに……。」
ト書き「唐突な気分の悪さに、黒沢の語尾が消える。」
酒井雄二「歩かん方が良い。また転んで頭ぶつけられちゃ、困る。」
黒沢カオル「…ありがと。」
北山陽一「(結構ヤバイ状態なんじゃ……?)」
ナレーション「最悪の事態は無いですから、北山さん安心してください。」
北山陽一「…ナレーションの権限でよろしく。」
村上てつや「陽一、何してんだ行くぞ!」
北山陽一「あっ、うん。…じゃあナレーション頼むね。」
ナレーション「ラジャー!!」
ト書き「車は一路病院へ。」
安岡優「大丈夫かな…薫。」
酒井雄二「けどてつ兄より陽一を薫と一緒に先生の所に行かせた方が良かったんじゃないかな?」
北山陽一「やっぱり親代わりのてつ兄の方が薫も安心できると思うし、てつ兄だって巻き込んだって責任があると思うから…。」
安岡優「陽一が高熱出した時も病院でずっと傍に居たのはてつだしね…。」
ト書き「診察室から戻ってくる村上と黒沢。駆け寄る3人。」
酒井雄二「何だって言ってた??」
村上てつや「頭に異常はなかったよ…ただストレスと疲労が溜まって疲れがスゴク出てるって、気持ち悪さの原因はそこで頭とは関係ないとよ。」
北山陽一「じゃあ大丈夫なんだね?!」
村上てつや「頭打ってタンコブ出来た位だな…もしかしたら天然さが増してるかもしれないけどなぁ〜。」
安岡優「それは色んな意味で困るよ…。」
ト書き「緊張が解けてみんなに笑顔が戻る。」
黒沢カオル「ごめんね心配かけて、ありがとう。」
安岡優「今日はゆっくりしてなよ、薫」
酒井雄二「良かったぁ、本当に安心した!俺の寿命が76年は縮んだね。」
北山陽一「76年って中途半端だよ、雄二兄…。」
黒沢カオル「でもまだゆっくりするのは後…てつ兄に本当の事聞いてない。」
村上てつや「……。」
黒沢カオル「約束だからね、てつ兄…。」
村上てつや「…わかったよ。ひとまず家に帰ろう、話はそれからでも良いだろ?」
黒沢カオル「僕達のために嘘つかないで.本当の事を教えてよ。」
酒井雄二「良かれと思ったことだって裏目にも出るんですからね。」
北山陽一「ホント、てつ兄の悪いクセです」
黒沢カオル「約束だよ…」
ト書き「そして病院を後にする5人。」
酒井雄二「さて、てつ兄…しっかり話して下さいね、本当の事。」
ト書き「コーヒーを1人1人机に置き椅子に座る5人。」
村上てつや「大学を辞める、それは本当の事だ…。けど優が留学するからじゃない、それは信じてくれ。」
安岡優「でも、100%俺の留学が関係しないとは言い切れないだろ?」
村上てつや「…あぁ。けどお前の留学は10%未満だよ関係するのはな…。」
北山陽一「じゃあ他にどんな理由があるの?勉強したくないってのは嘘だと思うけど…。」
村上てつや「確かに勉強はしたい、夢を完全に諦めた訳でもない…ただ今は俺の夢以上に大切にしたいモノがあるんだよ。」
黒沢カオル「夢より大切なモノ?」
村上てつや「…勉強は何歳になってからでも出来る、けどお前等を成人にするまでの期間は今しかない、本当に今しかできない事だろ?お前等の面倒を見る事は…。」
ト書き「そう言うと立ち上がり部屋に行き何かを取り出してくる村上。」
村上てつや「コレこの前俺の引出しから見つけたんだよ…これ見たときに思った。」
ト書き「3枚の手紙を机に置く村上。」
酒井雄二「読んでも良い?」
ト書き「村上の返事を待たずに手紙を手にする酒井。」
村上てつや「…お前等が俺の誕生日の時くれたやつだよ。お前等3人がまだ中学で親父たちが海外に仕事に行った年でもある。」
酒井雄二「……こんな事書いたっけ?俺…。」
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