-ゴスドラマ過去ログ:27201-27300-
北山陽一「村上様、いいんです。・・・カオルさんも落ち着いてください。変ですよ?いつものカオルさんではありません!」
黒沢カオル「不安なんだ。お陽がいなくなってしまうような気がするんだ。」
北山陽一「お陽はここにいるのに何故・・・・?」
黒沢カオル「…わからない。しかし、恐いんだ。」
村上てつや「黒沢の旦那…絶対にそんな事はさせません!どんな事があっても貴方とお陽さんを必ず…!」
北山陽一「村上様…。」
村上てつや「…俺が果たせなかった約束を…黒沢の旦那には後悔して欲しくないんだ。」
ト書き「真剣」
村上てつや「すべては明日・・・・!!」
ト書き「そう一言残すと村上は部屋から出て行ってしまった。」
北山陽一「カオルさん、どうしてあんな・・・村上様を追い詰めるようなことを?」
黒沢カオル「・・・・・お陽は、俺のことが好きか?」
北山陽一「はい。お慕いしてます」
黒沢カオル「村上のことは・・・?」
北山陽一「もちろん村上様のことも好きです。」
ト書き「いきなりお陽を抱きしめる」
北山陽一「カオルさん?」
ト書き「突然の出来事にびっくりする北山。」
黒沢カオル「俺、ヤバイ」
北山陽一「なんでです?」
黒沢カオル「お陽のこと好き過ぎて 誰にも触れさせたくない」
ト書き「複雑な表情のお陽」
北山陽一「そんな、子供みたいなこと言って。変なカオルさん。」
黒沢カオル「変でも構わない!…誰にも邪魔されたくない…。」
北山陽一「カオルさん・・・」
黒沢カオル「俺だけしか想ってなくてもいい・・・!!」
北山陽一「カオルさん、何を言って・・・。」
黒沢カオル「突然俺の前からいなくならないでくれよ。あの時みたいに。お願いだからっ!」
ト書き「お陽を強く抱きしめる黒沢。お陽はただ考える事しか出来なかった。」
安岡優「酒井さんさぁ、てつと旦那なんかあったんかな?」
酒井雄二「ヤスのいうところの「何か」とは?」
安岡優「いや…なんか2人共ギクシャクしてるからさぁ。」
酒井雄二「・・・それはあまり首を突っ込まない方が良いとも思いますけどねぇ・・・」
安岡優「そうだねぇ…」
酒井雄二「そろそろ戻りましょうか?少し寒くなってきましたし。」
佐々木真理「…もし…。」
酒井雄二「はい?なにか?」
安岡優「ああっっ!!!」
酒井雄二「ど、どうしたヤス!」
安岡優「いや…ゴメン、なんでもない。ちょっと…お鈴に似てたから…。あっすみません、なんですか?」
佐々木真理「私は…あの、真理と申しますものですが…このような方をお見かけされませんでしたか?」
ト書き「そう言うと村上の似顔絵を安岡たちに見せた」
安岡優「(これはてっちゃん・・でも何でこんな物を・・この子は一体)この人がどうしたんです?」
佐々木真理「姉が、昔亡くなった双子の姉の机の中に、これと手紙と簪が入ってたのです。読んでみたらこの手紙と簪をこのかたに渡してくれと・・・・」
安岡優「そのお姉さんの名前は・・・」
佐々木真理「(戸惑いながら)???姉の名はお鈴と申しますか・・・それが何か???」
安岡優「えぇぇっっ!!!???」
佐々木真理「な、何ですか一体・・」
村上てつや「おい!どうしたんだ五月蝿いぞ大声出しやがって!!(真理を見る)(〇〜〇)!!!!!お、お前はお鈴か・・・・・(焦)」
佐々木真理「??(?-?)あ・・貴方が村上さんですか私はお鈴の双子の妹の真理です。(微笑)」
村上てつや「い、妹…」
安岡優「お鈴に妹がいたなんて・・・知らなかった・・・・」
佐々木真理「知られていないのも当然ですわ。私と鈴はずっと別々に育てられていたから」
村上てつや「別々に??」
効果音「ポッ・・・ポッ・・・サーーーーーッ・・・・・・・(雨)」
酒井雄二「風邪を引いたらいけません、御茶屋にでも!」
安岡優「話がきっと長くなるから御茶屋よりバリの屋敷に戻ろうよ。」
ト書き「真理を連れて屋敷に戻る3人。」
安岡優「ただいまぁ〜!お客さん。」
佐々木真理「お邪魔致します…。」
DJバリ"K"〜ん「お鈴ちゃん!」
黒沢カオル「えっ…この人が…。」
北山陽一「村上様…!?」
佐々木真理「私は”真理”と申します…お鈴とは私の双子の姉でございます。」
酒井雄二「まあ立ち話もなんですから、どうぞ中へ。」
ト書き「お茶が揃うとみんなが村上に視線を集めた。」
村上てつや「…どうして俺を訪ねてきたんですか?」
佐々木真理「私は後数日でこの土地を離れてしまうので家の整理をしていたんです…そしたらこれがありまして。」
村上てつや「…お鈴は…お鈴は死んだのか?」
佐々木真理「山賊に連れ去られ、生きて帰ってきたものはおりません…。」
村上てつや「そうか…。」
佐々木真理「貴方が村上さんだったのですね…両親からも姉からも話は聞いていましたが…。」
村上てつや「…お鈴と別に暮らしていたのでは?」
佐々木真理「えぇ…私は両親と一緒に…。鈴は家出はしたものの、私とは連絡を取っていましたから…。」
安岡優「お鈴は家出をしてたの?じゃあ1人で生活して…?」
佐々木真理「そうです…。しかし姿を消す3日前に家に戻って来ました…多分これはその時に置いた物でしょう。」
黒沢カオル「どうしてお鈴さんは家出を?」
村上てつや「…俺との付き合いを両親が反対してたからだよ…。」
酒井雄二「そうだったんですか…!」
佐々木真理「お鈴は何度も両親を説得していました…けどある日、置き手紙を残して…。」
村上てつや「…済まない真理さん!俺があの時お鈴を無理矢理にでも家に戻らせておけば良かったんだ!そうすればお鈴だって今、幸せに暮らしていただろう…。」
ト書き「村上は真理の前で頭を下げた。」
佐々木真理「あれはお鈴の選んだ道だったのです…村上さんのせいではありません、頭をお上げになって。」
村上てつや「…お鈴は3日で家に戻る」
ト書き「村上は呟いた。」
安岡優「てつはお鈴が家出して別に暮らしていたのを知ってたの?」
村上てつや「お鈴は『3日で家に戻るから、それまでは傍に居させて欲しい』って言ってた…その後だ、『私を守って』と俺達に頼んだのは。」
DJバリ"K"〜ん「それで後10日後に事件が起こったという訳か…。」
佐々木真理「駆け落ちでもなさるおつもりだったのですか…?」
村上てつや「最初はお互いそう考えていた…けど、お鈴の目を見ていたらそれは出来なかった…ただ傍に居るだけで良いと思った。」
佐々木真理「…本当の事を言うと、鈴を追いかけていたのは”父上の家来達”だったのです…。村上さんと鈴を引き離そうと…。」
北山陽一「なんて酷いお父様!…酷すぎるわ。」
黒沢カオル「…村上。」
ト書き「下を向き黙ったままの村上の目から涙が零れていたのを黒沢は見てしまった。」
佐々木真理「鈴は幸せだったと思います…いけないと思っていたのに、私はこの手紙を読んでしまいました。…村上さん、鈴の事を大切にして下さって本当にありがとうございました、心からお礼申し上げます。…私の役目は終わりです、これで失礼します長居してすみません。」
ト書き「真理は立ち上がり別れを告げると雨の町を歩いて帰った。」
村上てつや「……お鈴…俺…。」
ト書き「何もしてあげられなかったと後悔を胸にして村上は泣き崩れた。」
北山陽一「…村上様」
ト書き「肩を震わせて泣く村上に、北山は戸惑いながらも声をかける。」
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