-ゴスドラマ過去ログ:27301-27400-
北山陽一「…お鈴さんは生きています、必ず。貴方が信じる限り…今貴方が諦めれば…お鈴さんは本当に居なくなってしまいます…だから…だから、諦めてはいけません!!」
村上てつや「もう、いいよ…俺が悪かったんだ。山賊に捕まって助かった者がいねぇのは事実だ。」
ゴスペラーズ「………。」
ト書き「その頃、城では…」
佐々木真理「私は、明日殿のもとを離れなければいけない…私は一体何者なの…?私は…私は…!わからない…!」
ト書き「自分の双子の妹が自分の幼なじみ達と会っているとは知らずに、自分の出生について一人頭を抱えていた。」
佐々木真理「私は…どうしたらいいの?」
ト書き「真理の中で渦巻く不安。彼女の脳裏に浮かぶのは…一人の男性だった。」
村上てつや「いつも夢に出てくるこの方は誰…?何故この方のお顔だけ覚えているのかしら…?」
佐々木真理「(村上君…私のセリフ言わないでっ!!)」
安岡優「(てっちゃんが言うと、こんなに切ないセリフでもホラーになるから凄いなぁ…)」
ト書き「気を取り直して、真理は決心を固める。」
佐々木真理「明日…城を出てこの殿方を探せば…この方なら私の事を知っているかもしれない。私の名前も…過去も…!」
小林社長「真理、いるか。入るぞ。」
ト書き「突然響いた小林の…明日自分を捨てる男の声に、真理は一瞬身を震わせる。」
佐々木真理「と。殿・・なんでしょうか?」
小林社長「何を驚いておるのだ!」
佐々木真理「い、いえ。何も・・・」
ト書き「そう言って真理は目を伏せる。そんな真理を横目で見ながら小林は言葉を発した。」
小林社長「お前には言っておかねばならぬことがあってな。」
佐々木真理「はい・・・。なんでしょうか・・・。」
小林社長「明日・・・新しい妻が来る。私が直々に迎えに行くことになるであろう。そこでだ・・・お前には正妻の座を降りてもらう。」
ト書き「わかっていてもショックを隠せない真理」
小林社長「(しらぬ顔をして)準備をしておけ。ではな。」
ト書き「立ち去る小林。真理は顔を伏せたまま時間だけが過ぎていった。」
村上てつや「(『なにやってるんだよっ、貸せ(ぶっきらぼうに)』『しょうがないな(苦笑)』)」
佐々木真理「(はっと我に返る)私は夢に出てくるあの方を知っている・・・。どうしても会わなくてはいけない気がする・・・!!明日・・・殿が城を空けたとき、私は・・・。」
ト書き「そう言って真理は窓から城下を眺めた。」
佐々木真理「全ては・・・明日・・・。」
安岡優「おいしいねえ、この魚!」
酒井雄二「なんて言ったって採れたてですからな。」
ト書き「しんと静まり返った部屋に安岡と酒井がわざととらしい程明るい口調で話しをする。が、3人は無言で食事をしていた。」
安岡優「〜〜〜〜〜〜〜んとにっ!!いいかげんにしてよ。こんなんじゃ明日作戦なんて無理だよ・・・。」
酒井雄二「ヤス・・・。皆さん、何があったかは聞きません。でもこれでは、この状態では明日・・・作戦失敗ってことになりかねません。チームワ・・・」
村上てつや「分ってる!!分ってる・・・。ごめん、俺ちょっと寝るわ・・・。頭の中整理したいんだ・・・。」
安岡優「てっちゃん・・・?ちょっと黒沢の旦那まで立ちあがってどうしたの?!ちょっ、ちょっと!!」
黒沢カオル「ごめん・・・俺もちょっと頭冷やしたい・・・。みんなゴメン、すぐ戻るから!!」
酒井雄二「ヤス、少しの間、ほっときましょう.」
安岡優「でも・・・!!」
酒井雄二「ヤス!!」
ト書き「険しい顔でヤスを見る」
酒井雄二「ここに居なさい」
安岡優「・・・・・・わかったよ・・・・」
酒井雄二「ホントにもーー、みんなどうしちゃったんでしょうかねぇ〜〜・・・」
安岡優「う〜〜〜〜〜ん、どうしたんだろうね…?」
効果音「ザァァーーーーーーーーーー・・・・・」
北山陽一「お茶・・・淹れてきますね・・・。」
ト書き「村上は1人部屋で考え込んでいた。」
黒沢カオル「村上…入っても良いか?」
村上てつや「…Zzzzzz…(寝たふり)」
ト書き「部屋に入り座る黒沢、窓の下では村上が転がっている。」
黒沢カオル「今日は色々済まなかった…どうかしていたな、俺。」
村上てつや「……。」
黒沢カオル「不安だったんだ…。村上の気持ちも察せずに俺の想いだけを押付けて…。」
村上てつや「…手紙、読んだんだ。お鈴からの。」
ト書き「村上は起き上がり窓の外を見た。」
村上てつや「俺は気付かないうちに不幸にしてたんだ・・一番大切な人を・・・」
黒沢カオル「村上」
村上てつや「この簪、お鈴に初めて買ってあげたのなんだ」
ト書き「簪を握り締めてうずくまる」
黒沢カオル「お前・・・・」
村上てつや「俺はそんな思いを黒澤、お前とお陽さんにはしてもらいたくないんだ。これだけは信じてほしい・・・。」
黒沢カオル「ああ、」
村上てつや「もう」
ト書き「何かを言いかけ口をつぐむ村上。黒沢は気づかないフリをしてこうつないだ。」
黒沢カオル「呑むか?」
村上てつや「いや、明日だからな(苦笑)」
黒沢カオル「そうだな・・・。寝てるところ起こしてごめん。・・・俺は・・・お前を信じてる。それをいいたかったんだ・・・おやすみ。」
北山陽一「カオルさん・・・。」
黒沢カオル「お陽」
北山陽一「はい・・・」
黒沢カオル「俺は明日お前を全身全霊で守る・・・。俺を信じて欲しい・・・。」
北山陽一「私はいつでもカオルさんのことは信じています・・・。心から(微笑)。」
黒沢カオル「うん・・・・」
北山陽一「あちらにいるお2人も心配してると思います。行きましょう。」
黒沢カオル「あのさ」
北山陽一「はい?」
黒沢カオル「明日、全て終わったら言いたいことがあるんだ。」
北山陽一「終わったら・・・・・」
黒沢カオル「ずっと聞いてほしかった事なんだ。」
北山陽一「分かりました」
黒沢カオル「ん。ありがとう」
北山陽一「二人ともまってますよ」
黒沢カオル「せっかくだけど俺も寝るよ」
北山陽一「そうですか・・・おやすみなさいませ」
黒沢カオル「おやすみ・・・・」
安岡優「ねえねえ〜お陽さん遅くない?お茶淹れにいったのにさ〜。」
酒井雄二「・・・いいんですよ。・・・雨止んだみたいですね。」
安岡優「あっ、本当だ!良い天気になるといいねえ(にっこり)」
北山陽一「皆さん、お茶遅くなりました。」
安岡優「お陽さん!!」
酒井雄二「旦那は寝ましたか?」
北山陽一「ええ、肌に悪いからって」
安岡優「テツも?」
北山陽一「はい、おやすみです。」
酒井雄二「夜更かしするとハラ減るからですかねぇ。」
北山陽一「まぁ、酒井さまったら!くすくす・・・。」
安岡優「もしかして見張りって俺達がするの??」
酒井雄二「でしょうね。他に誰がいるんです?」
北山陽一「あ、わたくし・・・?」
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