-ゴスドラマ過去ログ:3201-3300-
ト書き「人一倍肝の座っている男、北山陽一。彼がテキパキと指事を出す。」
安岡優「なんか凄い苦しそうだよぉ、ゆーじ死んじゃうのっ?」
北山陽一「いや…死にゃしないさ。(手を顔の前で打ち振って見せる」
酒井雄二「ゼェ……ゼェ…。」
効果音「ガク…。」
ト書き「とうとう意識を失ってしまった酒井雄二。」
安岡優「北山さぁーんっ!」
北山陽一「よし、こうなったら人工呼吸だ。」
ナレーション「だっっっ、誰がですか?」
効果音「ピーポーピーポー…キキィッ、ズシャァッ…バタン。」
ト書き「救急車が到着し、倒れている酒井雄二とメンバーを乗せると速やかに救急病院へと向かった。」
北山陽一「とりあえず、村上に連絡つけないと。」
ト書き「病院に着き、公衆電話からてっちゃんのケイタイにTELを入れる、北山さん。」
効果音「トゥルルル…トゥルルル…ピッ」
村上てつや「はいもしもし、村上です。」
ト書き「何かを言おうとした北山から受話器を電光石火でかすめ取り、安岡が半泣きの状態で喋りはじめた。」
安岡優「てつぅ…僕のせいで酒井さんが…酒井さんが…。」
ト書き「再び、北山が受話器を取ると、病院名と住所、酒井が倒れた事を伝えた。」
村上てつや「こっからタクシー拾ってすぐ行くよ、んじゃ。(と携帯を切る。」
ト書き「ものの5分もたたずに、村上が病院に到着。」
村上てつや「酒井の具合は?」
安岡優「うん…まだ意識は戻ってないけど、安定してるって。」
ト書き「病室に入ると清潔感のある病院用ベッドに寝かされた酒井が酸素マスクを付けた状態で寝かされていた。」
黒沢カオル「てつ…。」
北山陽一「ストレスなんだとさ。多分さっき菓子パンを喰ってたのは喰ってストレスを発散させようとしてたのかも。」
村上てつや「随分負担かけてたんだなぁ…。」
ト書き「と、突然むくりと酒井が上半身を起こした。」
酒井雄二「……(焦点の定まっていない目で斜め下前方を見つめている。」
黒沢カオル「さ…酒井?」
村上てつや「酒井…。」
北山陽一「酒井さん…?」
安岡優「酒井さん…」
ト書き「メンバーそれぞれが恐る恐る話し掛ける。」
酒井雄二「君たちは・・・?」
ト書き「酒井はゆっくりと顔を上げ、不思議そうにメンバーの顔を見ていた。」
村上てつや「分かるか?酒井」
酒井雄二「酒井って誰?(と村上の顔を見る」
黒沢カオル「なあ、これってまさか・・・」
北山陽一「記憶喪失ってヤツだな。うん。」
安岡優「僕のせいだ〜僕が、僕が・・・」
ト書き「安岡はパニック状態になっていた・・・」
村上てつや「(安岡の肩に手を回して)俺がいない間に一体、何があったんだ?」
ナレーション「黒沢、北山、安岡の3人は、何も答えず・・・まあ、言える筈ないですよね。酒井は、4人の会話をボーッと聞いているだけ。」
北山陽一「聞かないほうがいいと思う・・・」
黒沢カオル「同じく・・・」
安岡優「・・・・」
村上てつや「そう言われると聞きたくなるんだけど・・・分かった。聞かない!」
安岡優「てつ〜ヒック・・ヒック・・」
ナレーション「安岡が泣いている。ヤス〜こっちまで泣けてくる(T_T)」
村上てつや「泣くな泣くな。さあ、どうやって酒井の記憶を戻すかだ。どうする北山。」
北山陽一「俺みたいに音叉頭にぶつけてみようか?」
村上てつや「もっと阿呆ぅになったらどうするよ、却下。」
ト書き「二人がそんな事を話している時、黒沢が記憶喪失の酒井と意思疎通を計ろうとしていた。」
黒沢カオル「俺の事、分かる?」
酒井雄二「すいません…何か霞がかったように分からないんです。」
黒沢カオル「でも…意識失う前に「助けて」って言ったのは聞こえたよ。」
北山陽一「えっ(と、二人の方を見る。)」
酒井雄二「なんか、すんごい迷惑かけてますね、俺。」
村上てつや「いっ、いやそんな事は気にしなくてもいいんだ。うん。」
ナレーション「普段の行動が行動ですからね…。」
効果音「バキッ」
ト書き「相変わらず無駄な発言が多いナレーター」
村上てつや「こうなったら、真理姐さんに頼んでみるか?」
ト書き「と、佐々木真理女史を欄外から引っ張りあげる村上てつや。」
黒沢カオル「いや、てつ…人には出来る事と出来ない事が…。」
佐々木真理「私には出来ないけど、北山君はできるんじゃないの?」
北山陽一「は?」
安岡優「お、音叉で殴るの…?」
佐々木真理「いやねぇ、そんな野蛮な事はしないわよ。」
ゴスペラーズ「ほっ…。」
佐々木真理「記憶回復マッシーンを作っちゃえば良いじゃない」
ゴスペラーズ「あぁ〜〜〜成る程(北山除く)」
北山陽一「まっ、とりあえずやってみましょうか。」
効果音「カタカタカタ・・・」
ト書き「どこから取り出したのか、パソコンに向かう北山陽一」
効果音「ぴぽーん!」
北山陽一「だめだ、エラーが出て酒井の記憶にはアクセスできないって。」
黒沢カオル「北山でも無理か・・・」
村上てつや「いや・・・アクセスしようとする所までいくだけでも凄いだろ・・・」
安岡優「・・・酒井さん・・・ヒック・・・」
ナレーション「途方に暮れるメンバー。どうなるゴスペラーズ!!」
佐々木真理「ふぅ・・・、こうなったら最後の手段ね」
安岡優「何かいい方法があるんですかっ?」
佐々木真理「昔からお姫様を深い眠りから覚ますのは王子の熱いキスって相場は決まってるのよ♪」
黒沢カオル「え?(一呼吸置き)え〜〜!!」
安岡優「僕がやるよ。元はといえば、僕が悪いんだし。」
ナレーション「安岡さん、またそんなことをしたら酒井さんの魂が、今度こそ遠くに行ってしまいそうな気が・・・」
安岡優「じゃあ、どうするのさ!!」
ナレーション「ゴホン・・この間まで、私と酒井さんはいいところまでいきましたので、この私めが・・・」
効果音「ボカ・・バキ・・ボスッ・・」
ト書き「メンバー4人と真理さんで、ナレーションを殴る」
ナレーション「痛い・・最後に殴ったのダレ!乙女の顔にヒット・・・」
北山陽一「悪い俺だわ。」
村上てつや「はじめて知ったよ、お前が乙女だったなんてさ」
ナレーション「ひどい、ひどすぎる・・・」
効果音「ダーー・・・」
ト書き「ナレーションはどこかに行ってしまった・・・」
安岡優「ナレーション、出たいときは戻ってこーい!」
酒井雄二「君たちって面白い!」
ト書き「酒井は腹を抱えて笑っている。」
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