-ゴスドラマ過去ログ:14601-14700-
08/06 18:33 黒沢カオル「う・・・・」
08/06 18:37 北山陽一「…黒沢?」
08/06 18:42 平見文生「新たな国王を挙げるのには、一度、身内で固められた周囲を壊さないといけない。…だが力で覆せば、また力で潰されるのが目に見える。」
08/06 18:43 北山陽一「国を、造り変える為に?」
08/06 18:44 ト書き「蒼白な顔をして、俯いた黒沢を支えながら、北山は尋ねた」
08/06 18:47 平見文生「酷いモンだ。…城に国王は居なかっただろう?近いうちに子供に王位を継がせ、自分は逃げる算段を考えているんだろう。」
08/06 18:49 ト書き「話が進むうちに、段々と黒沢の顔色は悪くなっていく」
08/06 18:52 北山陽一「黒沢さん、どうしたんです。大丈夫ですか?」
08/06 18:54 黒沢カオル「うん。なんとか大丈夫。」
08/06 19:00 平見文生「…力が必要だった。何者にも負けない『力』だ。だが、それも今日で終わる。」
08/06 19:02 黒沢カオル「今日で・・・・・・?」
08/06 19:03 村上てつや「どうゆう事だ?」
08/06 19:05 ト書き「平見は、痛みか失血の所為で、気を失っていた」
08/06 19:33 効果音「ドカーーーーーーーーーーーン!!!」
08/06 19:36 酒井雄二「ぅわっ…なんですか、この音は!」
08/06 19:38 ト書き「雨の中遠くで煙りが立ち上り、半鐘が鳴っているのが、判るか判らないか程度に聴こえてくる」
08/06 19:39 黒沢カオル「街が…。」
08/06 19:40 北山陽一「・・・・ちょっと見てきます・・・・」
08/06 20:02 村上てつや「俺も行く!!」
08/06 20:45 北山陽一「・・・わかりました。・・・皆さんはここで待っててください。・・・行きましょう・・・村上さん・・」
08/06 21:04 黒沢カオル「だっだめっ!!行っちゃだめだよぉ〜〜!!」
08/06 21:06 北山陽一「!?・・・・・どっ・・・どうしたんですか?」
08/06 21:07 村上てつや「?・・・どうして行っちゃダメなんだ?」
08/06 21:14 黒沢カオル「…嫌な予感がする……あの時とおんなじ…“ざらざら”する…」
08/06 21:18 北山陽一「ざらざら?」
08/06 21:19 村上てつや「何だよ。『魔導師の勘』ってやつか?」
08/06 21:20 黒沢カオル「判らない…でも……行っちゃ駄目!」
08/06 21:20 村上てつや「だめって言われてもな」
08/06 21:22 ト書き「村上と北山は、黒沢を見遣り、顔を見合わせた」
08/06 21:23 北山陽一「(どうしましょう・・・・)」
08/06 21:24 効果音「ぉぉ……ごごごごごっ!!!」
08/06 21:25 ト書き「いきなり、立っていられない程地面が揺れ始め、泥水に膝をついてしまった」
08/06 21:26 村上てつや「なっ」
08/06 21:26 酒井雄二「地震だ…でも、どうして」
08/06 21:27 安岡優「その前に逃げないと!こんな塔ひとたまりもないって!」
08/06 21:30 ト書き「古い塔に“ひび”が入り、とうとう自重に耐えきれなくなった」
08/06 21:31 北山陽一「くっ、崩れる!」
08/06 21:32 ト書き「塔の真上で、逃げる時間も場所もなく、殆ど全員が慌て始めた」
08/06 21:34 黒沢カオル「…くっ……」
08/06 21:34 ト書き「雨で張り付いたポケットの中へ、無理矢理手を突っ込むと、黒沢はそこにあった石を掴んで魔力を込めた」
08/06 21:37 黒沢カオル「あああああああああああああああああ!!」
08/06 21:38 安岡優「薫!!」
08/06 21:40 ト書き「ふっ、とその場に居た7人の身体が浮いた。間一髪で、塔が瓦礫へ変わって行く」
08/06 21:41 安岡優「薫!薫!」
08/06 21:43 ト書き「城や城下町に近い一帯を溶岩が流れ、降り注ぐ雨が蒸発しもうもうと蒸気を上げている」
08/06 21:43 黒沢カオル「くっ!!うぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!」
08/06 21:47 酒井雄二「…どんどん高度が……黒沢!無理はするな!」
08/06 21:49 ト書き「徐々にではあるが、高度は上がり続け国の全貌が眺められる場所で、止まった」
08/06 21:49 北山陽一「……地震の原因は火山の噴火…だったんですね…」
08/06 21:58 黒沢カオル「…はぁっ…はぁっ………は〜〜〜〜〜…。」
08/06 21:59 村上てつや「薫!大丈夫か!?」
08/06 21:59 黒沢カオル「な、なんとか・・・・・・」
08/06 22:01 安岡優「…良かったぁ…か〜お〜るぅ〜〜!」
08/06 22:01 黒沢カオル「ちょびっと…慣れないコトやって……きついぃ…」
08/06 22:02 ト書き「から元気で笑って見せる黒沢に、安岡はがばっと抱きついた」
08/06 22:04 安岡優「もぉぉぉぉぉっ無茶すんなよぉ」
08/06 22:06 黒沢カオル「はは、ごめん…でも、あの時はこうする以外に思い付かなくて……」
08/06 22:06 安岡優「思い付いたんじゃなくって、本当は勝手に身体が動いただけでしょ!」
08/06 22:07 黒沢カオル「よく知ってんじゃん……やっぱ付き合い長いからかなぁ…ははっ」
08/06 22:09 安岡優「そこで茶化さない!…ったくもぉ!」
08/06 22:10 北山陽一「黒沢さん…眠く、ないですか?」
08/06 22:10 黒沢カオル「ん?…正直ちょっと辛いけど…まだ大丈夫だよ。」
08/06 22:12 北山陽一「本当に…無理しないで下さいね?眠くなったら、ちゃんと降りてから寝て下さい。」
08/06 22:12 黒沢カオル「大丈夫だよ。墜落しないから。」
08/06 22:13 酒井雄二「にしても…凄いですね……」
08/06 22:23 村上てつや「え?」
08/06 22:26 ト書き「ごうごうと、うるさい程に耳元で鳴る風鳴りを聞きながら、風に髪を踊らせて酒井は眼下の景色を指した」
08/06 22:28 酒井雄二「ここの国王は、人気が無かったようですよ。」
08/06 22:30 ト書き「国のはずれを走る馬車を、数頭の馬…それに乗っている人間が追い掛けていた」
08/06 22:32 村上てつや「おぉ・・・」
08/06 22:33 酒井雄二「あの人、多分これからすっごく忙しくなるでしょうね。…国王が居なくなったんだから」
08/06 22:34 ト書き「寝ている体勢で、宙に浮んでいた大臣を指し、酒井は他人事のように(実際他人事だが)呟いた」
08/06 22:36 村上てつや「……」
08/06 22:38 佐々木真里「結局…犯人じゃなかったな…この男も。じゃあ…一体誰が竜を殺したんだろう…?」
08/06 22:39 酒井雄二「それなら、陽一に心当たりがあるとかどーとか。奴に聴けば、判るでしょう。」
08/06 22:40 ト書き「自分の名前を呼ばれ、黒沢と何やら話していた北山は顔を酒井の方へ向けた」
08/06 22:41 北山陽一「呼びました?」
08/06 22:42 村上てつや「お前、犯人判ったのか?」
08/06 22:43 北山陽一「ええ。もうはっきりと。」
08/06 22:44 村上てつや「じゃ、誰なんだ?あのドラゴンを殺したのは」
08/06 22:45 北山陽一「…その前に。真里さん。貴方へ一つ尋ねたい事が。」
08/06 22:46 ト書き「北山は、真里の方を見て、言った」
08/06 22:46 北山陽一「貴方は、あの村の人間ではありませんよね?」
08/06 22:50 佐々木真里「いや…元々私はあの村で生まれて…。」
08/06 22:51 北山陽一「あそこには、ずっと?住んでいました?」
08/06 22:53 佐々木真里「いや?全寮制の騎士養成学校だったし、そのあとは旅を続けていた」
08/06 22:54 北山陽一「はぁ。ということは。あそこに帰って来てから、ドラゴンの死を知ったんですね?」
08/06 22:55 佐々木真里「ああ。…なんだ、私が疑われているのか?」
08/06 22:56 北山陽一「いえ。でも、これで…色々と判りました。…俺の推測ですが」
08/06 22:58 安岡優「もったいぶらないで、早く。…誰がドラゴンを殺したの…?」
08/06 23:01 北山陽一「それは……ドラゴンが住んでいた場所のすぐ近く…真里さんが生まれた、村の人間です」
08/06 23:02 酒井雄二「なんだっ…て…?」
08/06 23:05 北山陽一「あそこには、元々結界が張られていまして……そうなると“密室殺人”になるんですよ」
08/06 23:06 村上てつや「…確かに、張った奴らなら自由に出入り出来る。」
08/06 23:09 北山陽一「でも、旅に出た当初は、本当に可能性でしかなかったんです。…殺す手段も、目的も。判りませんでしたから」
08/06 23:16 黒沢カオル「目的?…ドラゴンの血は…万能薬だって知ってるけど……」
08/06 23:20 北山陽一「でも。あの場所には血溜りが出来ていました。」
08/06 23:21 ト書き「竜の死体を発見した時の事を思い出し、酒井と黒沢は、表情を曇らせた」
08/06 23:23 北山陽一「…話が長くなるので…戻りましょうか。……俺達が最初、集まった国に。」
08/06 23:26 ト書き「不思議そうな顔をしながら頷くメンバーと真里。」
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