-ゴスドラマ過去ログ:5001-5100-
黒沢カオル「安岡…」
安岡優「いくらかわいく見せたって、僕はくろぽんにはかなわない…くろぽんの純粋さにはかなわないんだよ…!」
黒沢カオル「そんな…安岡には安岡のよさが…」
安岡優「やめてよ!たとえ僕にいいとこがあったとしても、北山さんにわかってもらえないんなら、意味ない!」
黒沢カオル「安岡…そんなに北山のこと…」
安岡優「ああ、好きだよ。こんなの初めて。だから、なんとかして気を引こうとして頑張って…なのに、なのに、くろぽんはなんの努力もしないで北山さんを惹きつけちゃうんだ!」
黒沢カオル「ごめん…ごめん…」
安岡優「なんであやまるの?!あやまるぐらいだったら、僕に北山さんちょうだいよ!」
黒沢カオル「安岡・・・。」
安岡優「ねえ、ちょうだいよ!」
黒沢カオル「ごめん…それだけはできないよ。俺にとっても、北山は唯一無二の人なんだ。」
安岡優「くろぽん…」
ト書き「泣き笑いをして黒沢を抱きしめる安岡。」
黒沢カオル「や、安岡?!」
ト書き「突然のことに戸惑う黒沢を尻目に、黒沢にくちづける安岡。」
黒沢カオル「な、なに〜?!」
ト書き「顔を真っ赤にして暴れまくる黒沢。」
安岡優「ふふ、くろぽんてほんとかわいいよね。北山さんが好きになっちゃうのもわかるよ。」
黒沢カオル「安岡…」
安岡優「いくら奥手のくろぽんだって、北山さんとキスぐらいはしたでしょ?」
黒沢カオル「えっ?あっ、うっ、うん…」
ト書き「黒沢の頬がみるみるうちに赤くなる。」
安岡優「ふ〜ん、そうかぁ...」
黒沢カオル「えっ、なに?」
安岡優「いや、くろぽんも思ってたよりはやることやってるんだなぁって。」
黒沢カオル「そっ、そんなことより、なんで俺にキスなんか…!」
安岡優「いやぁ、間接キスってやつだよ。」
黒沢カオル「???」
安岡優「だからね、くろぽんにキスしたら、北山さんと間接キスしたことになるかなって。」
黒沢カオル「あっ・・・」
安岡優「ねぇ、くろぽん、お願い。北山さんとした時みたいにキスして。」
黒沢カオル「えっえっえっ…どっ、どうしよう…」
安岡優「キスしてくれたら、北山さんのこと、とりあえずあきらめるから。」
黒沢カオル「とりあえず?」
安岡優「えっ、まぁ、うん。」
黒沢カオル「…わかった。じゃ、目、つぶって。」
ト書き「大きく息を吸ってから、黒沢は安岡にくちづけた。その時間、約3分。」
黒沢カオル「も、もういい…よな?(真っ赤)」
ト書き「目を開けた時、どこを見て良いか分からず黒沢は真っ赤になりながらそう呟いた」
安岡優「くろぽん…すごい激しかったぁ。」
黒沢カオル「そっ、そんな…。恥ずかしいよ…」
安岡優「ううん、すごいよかったよ。すごい感じちゃった。ほら、こんなにドキドキしてる。」
ト書き「黒沢の手を取って自分の胸に当てる安岡。」
黒沢カオル「やっ、もう、いぢわる言わないでよ!」
安岡優「あはは〜、くろぽん大好きィ〜」
黒沢カオル「ええっ?!」
安岡優「だからぁ、僕、くろぽんのこと好きんなっちゃったみたいって言ってんの〜♪」
黒沢カオル「はっ、へっ?北山は?」
安岡優「一夫多妻制ってのも案外面白いかもね?」
黒沢カオル「(こ、こいつのペースにはついていけん………。」
ト書き「ばったりと黒沢は倒れた。」
安岡優「えっ、くろぽん?!」
ト書き「焦った安岡が黒沢の身体を揺らしても、黒沢の反応はない。」
安岡優「えっえっ、ど、どうしよう!」
ト書き「そこへタイミングよく北山が現れる。」
北山陽一「安岡っ、こんなとこにいたのか?!」
安岡優「そんなことより、くろぽんが!!!」
ト書き「倒れている黒沢に気づき、駆け寄る北山。」
酒井雄二「おお〜くろさわ!大丈夫か〜?」
黒沢カオル「がふっ」
ト書き「黒沢は血の混じった胃液を吐き出した。」
安岡優「ひーっ、僕のせいだぁぁぁ!」
北山陽一「安岡、落ち着け!誰か救急車呼べ!」
酒井雄二「わ、わかった。」
ト書き「酒井が電話をかける傍らで応急手当を始める北山。」
北山陽一「口の中の異物は全部出さないと窒息するな…」
ト書き「黒沢の顔を横に傾かせて、ハンカチで異物を取り出す北山。」
北山陽一「よし。気道確保だ。」
ト書き「すばやく額を押して軽くあごを持ち上げる北山。」
北山陽一「おい、誰か心肺蘇生法できる奴いるか?!」
安岡優「僕っ、自動車学校で習った。」
酒井雄二「じゃ、おれが人口こきゅ」
効果音「ボスっ」
ト書き「酒井は同時に北山と安岡にどつかれてしまった。」
村上てつや「よーやく見つけた…、何だ?非常事態か?」
安岡優「くろぽんが、くろぽんがぁぁぁ!」
村上てつや「黒沢?!おい、しっかりしろ!」
安岡優「くろぽ〜ん(TOT)え〜んやだよ〜」
酒井雄二「……寝てるだけじゃん、こいつ。」
北山陽一「え?」
安岡優「それ…ほんとなの……?」
ト書き「酒井はこめかみに指を当てて、脈を計った。」
酒井雄二「おい、こいつが死にそうな奴の心臓か?」
ト書き「安岡が、横になっている黒沢の胸元に耳を付けた。」
安岡優「ちゃんと…動いてる…。」
村上てつや「何?血ぃ吐いたって?」
北山陽一「ええ、一応救急車呼びました。」
村上てつや「その血って、泡立ってたか?それともゲ◯か?」
ト書き「とにかく、意識を失っている原因が『睡眠』だと判明したので全員は落ち着き始めた。」
北山陽一「…ハンカチに付着してたのは酸っぱい匂いしてましたけど。」
村上てつや「だったら、腸か胃かどっちかだな。」
北山陽一「はぁ。」
村上てつや「俺の診断は…」
酒井雄二「俺の診断としては…」
ゴスペラーズ「酒井と村上>がらにもなく誰かさん達の事で悩んで眠れなかった挙げ句、その事が原因でどっかに穴が開いた。」
村上てつや「…か炎症起こしたかだね。」
酒井雄二「…か胃炎か、十二支腸炎になったんだと思う。」
北山陽一「誰かさんって……。」
村上てつや「なぁにしらばっくれてんだか、前々から安岡に傾きそうになってたじゃねぇの?」
ト書き「村上はそう言いながら、北山の眉間を人指し指でこつこつと突ついた。」
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