-ゴスドラマ過去ログ:5101-5200-
安岡優「俺……ずっと、くろぽんの負荷になってたの?」
酒井雄二「んー、そりゃあなんとも俺は言えんね。」
ト書き「半泣きで汚れた頬を、拭ってやりながら酒井は答えた。」
酒井雄二「人間、何をどういう風に感じるかって云うのは人それぞれじゃないのか?ヤスが平気な事でも、黒沢だったら出来もしない、とか。」
安岡優「うん。」
効果音「ピーポーピーポー」
酒井雄二「っと、救急車が来たな。残りの講議は病院についてからだ。」
安岡優「……分かった。」
村上てつや「おう、病院まで付き合えよ。」
酒井雄二「ああ。」
ト書き「救急車は一直線に病院へ向かった。」
村上てつや「黒沢、胃炎と過労の併発だってよ。しばらく安静のため入院が必要だってさ。」
ト書き「病院に着き、黒沢の様態を医者に聞いてメンバーの元に帰ってきた村上が答えた。」
酒井雄二「過労もですか・・・。精神的なものもかなり含まれてるみたいだね。大丈夫かなぁ、黒ぽん。」
ト書き「その言葉に答えられる者はだれもいなかった。」
安岡優「チョット…」
ト書き「メンバーのみんながよそ見をしている間に、北山を連れ出す安岡。」
北山陽一「おい、安岡、どこまで行くんだ?」
ト書き「北山のシャツの袖をぐいぐいと引っ張って歩いていた安岡は、北山の言葉にようやく足を止めた。」
安岡優「北山さん…1回しか言わないからよく聞いてね?」
ト書き「いつになく真剣だが、気のせいか少し顔が赤らんでいる安岡。」
北山陽一「???なに?」
ト書き「黒沢のことは気になるが、目の前の安岡が普段とは違うように感じて話を聞く体制に入った北山。」
安岡優「うん。あのね、僕、北山さんのこと、本気で好きだった。だから、北山さんの気、引こうとしていろんなことして、結果的にくろぽんをあんなにしちゃって…」
北山陽一「安岡…」
安岡優「僕ね、ただいるだけで北山さんを惹きつけちゃうくろぽんが、妬ましかった。」
ト書き「そう言いながら、少し北山から視線をそらす安岡。」
安岡優「でもね、僕が走っていっちゃう前、」
北山陽一「え?」
安岡優「あの時さ、くろぽん、初めて北山さんのことが欲しいってはっきり言ったでしょ?」
北山陽一「ああ…」
安岡優「もう、絶対だめだと思った。北山さんはくろぽんだけのものになっちゃうって…」
ト書き「ふいに北山を見た安岡の目は涙に潤んでいた。」
安岡優「そんなの、見てらんなかった。初めてほんとに好きんなった人が、僕以外の人を愛おしそうに見つめてる姿なんて…!」
北山陽一「安岡…」
安岡優「でもさ、ほんとくろぽんてかわいいよね。かわいすぎて、羨ましすぎて、思わずキスしちゃった。ごめんね?」
北山陽一「安岡?!」
安岡優「ふふ。でもほんとはね、くろぽんを通して北山さんのこと感じたかったの。」
北山陽一「c」ゥ」
安岡優「は?どうしたの?あまりの嬉しさに気でもふれちゃった?」
北山陽一「いや、ごめん。続けて。」
安岡優「?うん。あん時2人で話して、くろぽんのかわいさとか純粋さにはやっぱかなわないな〜って思った。」
北山陽一「安岡…」
安岡優「あん時のくろぽん、なんか一所懸命でね、くろぽんだったら、北山さんのこととりあえずまかせてもいいかなって思った。」
北山陽一「え?!その「とりあえず」ってのが気になるけど…?」
安岡優「うん、「とりあえず」だよ。くろぽんが心身共に回復するまで。くろぽんに、いっぱい優しくしてあげて。」
北山陽一「え…」
安岡優「だって、今回のは僕にも責任あるからさ。くろぽんに早く回復してもらわないと、ずっと目の前でいちゃつかれんの我慢しなくちゃいけないから言っとくけど・・・」
北山陽一「?なに???」
安岡優「ちゃんと、言葉と態度の両方で「愛してる」てのを表さなきゃだめだよ?じゃないと、くろぽんだって不安になっちゃうよ。」
北山陽一「ああ…」
安岡優「しっかし、くろぽんも北山さんもほんっとオクテだよね〜、まだキスしかしてないんでしょ?」
北山陽一「・・・(赤面)な、なんでそれを・・・?!」
安岡優「ん〜?ひみつぅ〜♪でも、北山さんとくろぽんて、あんなキスしてるんだぁ〜?結構激しいね〜?僕、かんじちゃったも〜ん☆」
北山陽一「安岡!」
安岡優「どうせなら、押し倒しちゃいなよ?心もそうだけど、身体つなぐことも大切だよ?」
北山陽一「おまえ…それでいいのか?」
安岡優「よくないよ!よくないけど・・・」
ト書き「安岡が言葉をつなぐ前に、村上が2人の方へあわただしく走って来た。」
村上てつや「おいっ、こんなとこにいたのかよ?!黒沢が、目、覚ましそうなんだ!」
安岡優「えっ?!ほらボケっとしてないで行くよ?!」
ト書き「あまりのことにぼーっとしていた北山は安岡に引っ張られながら黒沢の病室へと駆けていく。」
効果音「バタンッ!」
ト書き「勢いよく開いたドアと壁の間に挟まる酒井。」
酒井雄二「なんで俺が…」
村上てつや「おおっ、悪いな雄二!…ほらっ、見ろよ、北山!」
ト書き「薄目を開いている黒沢の下に駆け寄る北山。」
酒井雄二「…いいのか、安岡?」
安岡優「・・・仕方ないでショ。ほらっ、みんな病室から出て!」
ト書き「安岡の呼びかけに、黒沢と北山を残して病室を去る3人。」
北山陽一「黒沢さん…もう、大丈夫ですよ。もう、なんの心配もいらない。あなたの弱さもあなたの涙も、これから僕が受け止めますから・・・」
黒沢カオル「・・・?北…山…?」
北山陽一「愛してます。僕はあなたのことを、愛しています…」
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北山陽一「ゆっくり、お休みください…」
ト書き「そうささやきながら黒沢の額にキスをして、北山は病室を後にした。」
ゴスペラーズ「他の皆さんはいずこ〜?」
ナレーション「あ〜ちょっと、上のゴスペラーズって?」
ト書き「形式上のもんですか?」
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