-ゴスドラマ過去ログ:1001-1100-
酒井雄二「はぁ〜・・・。」
村上てつや「ネコか〜」
黒沢カオル「どうしたの、このネコ?」
酒井雄二「さっき病院の中庭で拾ったんです。俺から離れようとしないんですよ、こいつ。」
安岡優「…病院って動物禁止じゃなかったっけ?」
北山陽一「ああ。…病原菌を持ち込むかもしれないからな。」
佐々木真里「でもかわいいよね!(猫を抱き上げてキスをする)」
北山陽一「たしか、猫の口って犬の数百倍病原菌がいるはずだよ!」
安岡優「(とか言って、ホントは猫にやきもち妬いてるくせに…あれ、そーいえばてっちゃんはどこだろ…?)」
黒沢カオル「はあ・・・・・・・」
安岡優「どうしたの?」
酒井雄二「黒沢?」
黒沢カオル「うに?なにが〜?」
酒井雄二「「うに」ってお前いくつだよ?」
黒沢カオル「うふふ♪いくつでしょ〜か?(まんべんの笑み)」
酒井雄二「・・・・・・・・・・・・はふぅ・・・・・・・・・・・・・」
黒沢カオル「どうかした?酒井。」
酒井雄二「んちょっとな・・・。なあ黒沢・・・。俺の悩みを聞いてくれないか?」
黒沢カオル「別に、構わないけど。どうしたの?」
酒井雄二「・・・・・・・北山先輩のピアノのことなんだけど・・・さ。」
黒沢カオル「うん」
酒井雄二「どうしても納得いかないんだよね…何だか…」
黒沢カオル「なにが納得いかないのさ??」
ト書き「黒沢は不満そうな顔で酒井を見た。」
酒井雄二「いや、さ…」
黒沢カオル「うん、ナニナニ?」
酒井雄二「……真里先輩。ちょっと、北山先輩借りてっても良いですか?」
佐々木真里「・・・うん。いいよ。」
酒井雄二「それじゃ、暫しお二人で御歓談を。…すいませんね。」
佐々木真里「ううん、いいのよ。」
北山陽一「ん?」
酒井雄二「先輩言わせてもらいますけど・・・」
北山陽一「…何、酒井?」
黒沢カオル「ドキドキ(何言うんだろ〜?)」
酒井雄二「いつも・・・より・・あのなんていうか・・」
北山陽一「どうした?はっきり言って良いよ。」
黒沢カオル「なんだよぉ〜さかいぃ〜」
酒井雄二「あっ・・・の、(深呼吸)あのっ!いつもより、ちょっと、ピアノの音色が違うと思うんですが・・・?俺の気のせいかな?・・・と思うんですが。」
北山陽一「…お前の気の所為じゃないよ…。俺…最初は指が鈍ってたのかって思ってたけど…」
黒沢カオル「(えっ!?嘘だろ!?)」
北山陽一「嘘じゃないですよ。」
酒井雄二「先輩…」
北山陽一「動かないんですよ。指も腕も自分の思い通りに。」
酒井雄二「これからどうするつもりなんですか?」
北山陽一「どうするって言ってもなぁ。自分でもどうしたらいいのか…。」
佐々木真里「えっ・・・。気になって覗いてたの・・・。本当なの?陽一・・・。」
北山陽一「……うん…。」
佐々木真里「そんな……。でっ、でも大丈夫よ、陽一なら。少し練習すればすぐ元どおりになるわ。」
北山陽一「…そうでしょうか…」
佐々木真里「そうよ!ほら、自信持って。」
北山陽一「でも・・・・。きっともう直らない・・・。」
佐々木真里「なんでそんなこというの?!(泣)」
北山陽一「きっと、神様は、俺にピアノを弾かせてくれないんだよ」
佐々木真里「じゃあ、私が神様に陽一にピアノを弾かせて。って頼むから・・・(涙)」
酒井雄二「神さんが北山先輩にピアノ弾く才能と権利を与えてくれたんでしょうに…。それをわざわざ手放そうとしないでくださいよ。先輩…」
北山陽一「もう、指が・・・・・いや指だけじゃない・・・体が・・・弾けない・・・体で弾けないんだよ・・・もう・・・」
酒井雄二「何でいつもいつもあなたは弱気なんですか!?病院でリハビリとかすればいいじゃないですか!」
北山陽一「俺はもう!!・・・・・もう死ぬかも知れない。神様が死ぬ前に俺に伝えてくれたんだと思うよ・・・(泣)」
村上てつや「お前また弱音をいってるな!?今までも、苦しいことがあってもお前がんばってそれを乗り越えてきたんじゃないのか!?それを思い出せ!!」
北山陽一「聞いてたんですか?」
佐々木真里「あたし、そんなに弱気な陽一なんて大っ嫌い!!!」
ト書き「北山にそう言い放つと真理は泣きながらどこかに行ってしまった。」
村上てつや「もうちょっと前向きに生きろよ!!自分の思いをマイナスにするな!!真っ直ぐ前を見て自分の思いをプラスにするんだ!!!」
黒沢カオル「zzzz〜・・・」
酒井雄二「くっ黒沢さん!????」
BGM「起きろぉ〜〜〜〜!!!!!」
黒沢カオル「ん?」
村上てつや「お前は今大事な話をしてるって時になぁ…」
黒沢カオル「なあにぃ〜?」
酒井雄二「もうこの人は放っといていいですから…ハァ。」
黒沢カオル「…んぁ……ふぁ〜〜…ぁむ……。本当に弾けないかどうか、この病院のレクリエーション室にある“オルガン”借りて弾いてみれば良いじゃあないっスか〜…。陽一先輩は曲を奏でる事、曲を作る事が好きなんであって〜…別に、他人の目を気にしながら曇った色眼鏡で見たよーな評価が欲しい訳じゃないんでしょ〜?」
ト書き「あくび混じりに、目元を擦って黒沢は言った」
北山陽一「黒沢・・・・・・・ありがとう・・・・。」
酒井雄二「じゃ移動しますか。いざ!レクリエーション室へ!!」
ト書き「・・・ここは・・・・・レクリエーション。」
黒沢カオル「さあ先輩、弾いてください。僕たちも、出てますから、好きなだけ。」
ナレーション「電子オルガンの蓋を開けると、北山は電源を入れ、極力迷惑にならぬように音量を絞った。」
北山陽一「……何弾こうかなぁ…(苦笑)。」
ト書き「記憶の底から昔暗譜した曲を引き出し、それを奏でる為に鍵盤を打つ。鈍っていた指はたどたどしく動き、それでも弾く事の“楽しさ”は変わらなかった。」
北山陽一「忘れてたな…こんな気持ち……。」
黒沢カオル「ふふふ〜〜^^いつもの先輩だ.^^」
酒井雄二「一番大切な気持ちを忘れてる先輩に何を言っても無駄だからね。これが一番だよ」
村上てつや「黒沢と北山本当に似ているよ//・・・」
黒沢カオル「似てる〜って、俺と先輩が?」
村上てつや「そっ、お前と北山は同じ感じがするんだよ。」
安岡優「うんうん。僕もリーダーの気持ちがよくわかるよ。」
黒沢カオル「同じ感じ?う〜〜〜〜〜ぅん?どんな感じですか?俺って・・。」
村上てつや「なんか良い感じ。」
黒沢カオル「えへへ(恥ずかしそうに)」
ト書き「おいA・・・。黒沢さんの話題になってますよ!」
安岡優「あっホントだ!」
村上てつや「マジで黒沢の話になってるな・・・?話戻すか?」
酒井雄二「そういえば真理先輩どこかに行っちゃいましたから、俺呼んできますよ。」
村上てつや「え、それはちょっと…(俺まだ気持ちの整理が…)」
酒井雄二「何かまずい事でもあるんですか?(小声で)まだ自分の気持ち伝えてなかったんですか?先輩。」
村上てつや「・・・・・。」
酒井雄二「図星・・・ってことですか?(小声で)」
村上てつや「うっ…。」
酒井雄二「じゃあなおさらです。呼んできますね。」
村上てつや「お、おい!待てよ!まったく酒井のやつめ・・・。」
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