-ゴスドラマ過去ログ:5301-5400-
酒井雄二「大丈夫ですか?!北山さん!」
北山陽一「(苦痛に顔を少し歪めながら)……大丈夫。」
酒井雄二「…俺をかばった…?」
北山陽一「(血が出てる左腕を押さえながら)ちっと、着地に・・・失敗しただけだよ・・・俺だけな(苦笑)」
酒井雄二「…手当てします!怪我したところ、見せてください。」
北山陽一「本当に大丈夫、大丈夫。それよりも、テツ達が心配だ・・・できるだけ、先を急ごう。」
安岡優「(場面変わって)うん・・・・。!!!てつしゃん、血がすごい出てるよ!てつしゃんこそ大丈夫なの!?」
村上てつや「う〜ん、大丈夫っちゃ大丈夫。心頭滅却すれば火もまた涼し、だ。俺のことよりも北山と酒井のほうが心配だよ・・・。」
安岡優「ばかっ!!そうやっていつもごまかすなよ!」
黒沢カオル「(黒沢の目に怒りがこもる)くっそぉー!!なんでいつも僕は誰かを傷つけるんだぁ!!てつしゃん、もういいよ!石も世界の平和もサスケくんも、もうどうでも良いんだ!僕はてつしゃんを守りたいよ!僕が我慢してれば良いんだ!てつしゃん、もうやめてよ!!」
村上てつや「か・・薫・・!!」
ナレーション「薫の怒りに合わせたかのように酒井・北山のいる世界にも異変が起こった」
北山陽一「うっ、うわっ!…なんだ?この歪みは…。…!?。もしかして、薫が…目覚めた?…もしもしっ、村上っ?聞こえないのかっ!?(……どうしよう、連絡が取れない。…もしも本当に薫が目覚めているとしたら…閉じ込められた事になる…。)」
村上てつや「(北山と酒井に何か起こったのか?)薫!落ちつけ。俺は大丈夫だから。な、薫。」
ナレーション「安心させるように薫をギュッと抱き締める村上。」
黒沢カオル「・・・・・すぅ・・・・・・・うにゃ・・・・・・てちゅ・・・・・しゃん・・・・・・Zzzzz...」
村上てつや「(ほっ・・・)悪い真里、ゆっくりでいいから俺にヒーリングかけてくれないか?」
佐々木真里「え・・・えぇ、わかったわ(そっと村上に手を翳してヒーリングをかける)」
村上てつや「悪いな・・。北山?北山聞こえるか?!」
酒井雄二「村上さん・・・?!村上さんの声が!北山さんが怪我をしてます・・・!!・・・ってあなたも大丈夫なんですか?!」
北山陽一「いや、俺の怪我はホントたいしたものじゃないんだ。てつ、お前は大丈夫なのか?!拒絶反応大きかっただろ・・・。」
村上てつや「大丈夫だ。」
ト書き「そのとき、真理の身体が崩れ落ちた。・・・ヒーリングによる力の消耗とみえる。」
安岡優「ま・・真理しゃん!!」
村上てつや「真理!!力が消耗してる・・・。傷が多いから・・・・。ごめんな、もういいから!休んでろ!!ヤス・・・真理を・・・。」
佐々木真里「ご・・ごめんてっちゃん・・・。まだ全然治しきってないのに・・・。こんなとき役立たずで・・・。うっ・・・。(泣)」
村上てつや「俺は大丈夫だから!心配するな!」
佐々木真里「で、でも・・・」
北山陽一「テツ?!何かあったのか?大丈夫か?!」
村上てつや「コッチのことは心配すんな!ちょっと手こずってるだけだ!・・・ヤス!手伝ってくれ!」
安岡優「う・・・うん」
北山陽一「(不安を残しつつも・・)じゃ・・俺達は薫の中の、サスケの記憶をたどってみる!ひとつ、真里に確認してもらいたいんだけど薫の中に『石』を隠したのは、サスケがいなくなる前でいいのかな?」
佐々木真里「確か・・・そうよ!」
ト書き「その時、誰かが村上にヒーリングをかけた。村上が振り向くとそこにはサスケが立っていた。」
佐々木真里「サ、サスケ様っ!?」
村上てつや「おっ・・・お前がサスケ・・・なのか?(すごい・・・怪我がすぐに治った・・)」
北山陽一「「姿を消す前」で、いいんだね?・・・テツ?どうかしたの?」
村上てつや「あ・・・あっ・・・あれ。ばかぁ、ちげぇ〜よ。あれ。」
北山陽一「なに?」
酒井雄二「村上さん!何があったんですかあ?!コッチには音声しか聞こえないんですから、詳しい情報を教えてくださいよ〜!(汗)」
マネージャー竹内「サスケ)隠したのは私ではない。私が薫の前から消えた日。真里は知ってると思うが、真里の父親に頼んで隠してもらった。真里の祖父とは意見が合わなかったがな・・・」
佐々木真里「サスケ様・・・なぜあの日、薫の前から姿を消したのですか?!薫に何も告げずに、サスケ様は今まで何をしていたんですか?!」
マネージャー竹内「サスケ)知らん!!」
村上てつや「・・・はっ?知らんって何だよ!?」
佐々木真里「意味わかんないっ!」
マネージャー竹内「すまん取り乱した・・・最初はな、この手に世界が欲しかった。自分の力に酔っていた。もっと力をと願い、薫を育てようと決心した。しかし、この子はなかなか成長しなかった。まだまだ若かった俺は、いらつき、突き放した。そして、薫の記憶をいじり、眠りにつかせた時「不適任者」の落胤が押されたんだ。」
佐々木真里「・・・そう・・・だったの・・・。」
マネージャー竹内「サスケ)しかし、この数年間でわかった事は「石がなければ、俺も普通の魔法使いだ」ということだった。正義の味方にも、悪人になる気もないな今は。平凡な毎日を送っているよ、なんせ昔がっぽり稼いでいたからな・・・新しいパートナーが家計にもうるさいから安心できるしな。」
安岡優「サスケ君・・・新しいパートナーがいるんだ・・・・(←どこか寂しそうに)」
村上てつや「…じゃあ……謎の魔法使い集団とは…」
マネージャー竹内「サスケ)そんな汚らわしいもの達とは付き合っていない。」
安岡優「…考えてみれば…そうかも。だって、てつさん達は、取り引きで石の使い方を調べてるんだよね?取り引き相手に元石の使い手…サスケ君が居たら、せーりつしないにゃ。…もしかしたらサスケ君が薫の記憶をいじった時、石の記憶も一緒に封印してる可能性も…」
マネージャー竹内「サスケ)…薫の記憶をいじったのは…別れた時だけだ。何時だって薫は側に居てくれたしな。その事で安らぎを得ていた事に気付いたのは随分後だったが。それに、今思えば薫のお陰で自分の性根の根本は曲がらずに済んだのかもしれない。何が悪くて何が正しいのか、それを考える部分が。」
酒井雄二「じゃぁ・・・この先どうすれば?」
マネージャー竹内「サスケ)雄二か…久しぶりだな。私はサスケだ。これから全ての事を話すから薫の記憶の中から出てきてくれ。」
村上てつや「ちょっと待てよ!どういうことだ!?」
マネージャー竹内「いいから。あぁ、薫が目を覚ましても大丈夫規則違反にはならない。規則違反は「規則違反だと意識する事」から始まる「会うのは当たり前」と思ってればいいのさ。実際真里は薫とパートナーを解消しても普通に接してるだろ?仮のパートナーだったらしいが、それでも違反だからな。本人達にとって「普通の行為」であれば大丈夫」
佐々木真里「・・・そうなんだぁ・・・」
村上てつや「・・・なんぼでもごまかせるのか・・・?(苦笑)」
北山陽一「あのっ、それじゃあ…今からそっち戻りますっ。」
ト書き「北山の言葉に、村上は一定の律動で魔力を薫、もとい薫の中の二人に送り始めた。それから数秒後、酒井と北山が薫の横に姿を現す。」
酒井雄二「サ・サスケ様・・・・(汗)」
北山陽一「では、話してもらえませんか?」
村上てつや「そうだな。キッチリ話をしてもらおうじゃねーか。薫の目が覚める前に・・・な。」
マネージャー竹内「サスケ)…まず、何を話せば良い?…君たちにとって有力な情報もあるだろうし、興味心で知りたい事もあるだろう?聴きたい事には無駄な情報を省いて、ただ真実のみを伝えるが。」
酒井雄二「…真実、ですか。僭越ながら、『真実』の真偽はその場にいた者にしか判りませんよね…。歴史とは戦いが関わっていた場合に、勝者に都合の良いようにねじ曲げられる…都合の悪い事は抹消されてしまいます。戦時中のオランダと日本の関係のように。」
マネージャー竹内「中々博識だな。オランダがジャワ島に持っていった艦を日本軍が全て沈めた話だろう? …確かに、俺の話は君たちに信じてもらわないと『真実』にはならない。確実な証明をする事も出来ない。だが『事実』を話す、これで良いか。」
北山陽一「確かに、「真実」はその場に居た者にしかわからない事だ。だけど、俺は・・「真実を話す」と言ってくれたサスケ・・さんを信じます。」
酒井雄二「うん・・・。俺もです・・・。」
佐々木真里「サスケ様は・・・知ってるのよね?薫の石について・・・。取引の事を考えて、まずそれから聞いた方がいいんじゃないかしら?」
マネージャー竹内「石・・・か。この石は魔力で扱うのではない。手にした者の意志に反応する。どんなに強い魔力を持った者でも、心が汚れていればその石はただの石になりさがる。闇を持たず、素直な目的を持ちさえすればその力は無限に広がる。」
村上てつや「そいつの入れ物に薫が良かったわけですか!?アンタは薫のパートナーじゃなかったのか!?薫がその石のためにどんなツライ目にあったか!アンタにわかるのか!?こいつは充分苦しんだ。もう、石のことでコイツを苦しめたくない。オレは薫のパートナーになるから。」
佐々木真里「てっちゃん・・・!でも、あたしも少し思ってたんです。この石をみんながほしがっているのをあなただって知っていたでしょう?なのに、なぜ薫の中に・・・?私の祖父が反対していたのはそのためだった・・・。どうしてですか・・・?」
マネージャー竹内「言い訳はしない・・・。私は怖かったんだ。この石を持つことで、自分がねらわれることが・・・。申し訳ない。村上・・・君か。君の怒りが目に見えるよ。でもそれは憎しみからじゃない・・・薫への思いやりだね。上手く隠されているけど、君の心はだれよりも透明なんだ・・・。あの薫よりもね・・・。」
村上てつや「なっ・・・!」
マネージャー竹内「お・・・?薫が目覚めるな・・・。すまないが私は帰らせてもらうよ。その方がいい・・・。薫の心には、もう私の存在を必要としない何かがある・・・。成長したね・・・。」
酒井雄二「薫が・・・?あっサスケ様!」
ト書き「足早にでていったサスケを、村上が追った。」
村上てつや「俺はあなたを誤解してた・・・!悪かったと思ってる。それから、ヒーリングも・・・ありがとうございました。でも、俺はあなたが言っていたほど立派な人間じゃない・・!俺はあなたに嫉妬してたんだ。自分の弱さと知力のなさに苛立ってた。」
マネージャー竹内「私もそうだったよ・・・。君と私との違いはその怒りをぶつける相手だった・・・。私は薫に、君は自分に・・・。私は君に嫉妬しているんだよ?(微笑)・・・それから、酒井のことなんだが・・・。」
ト書き「俺は結局「不適任者」となったとたん、石をもっていることさえ怖くなった人間だ、そしてその恐怖を押し付けただけのね・・・・なさけない人間なんだよと悲しそうに言い、酒井の話を続ける。」
マネージャー竹内「君ほどとは言わない、しかし彼も十分いい魔法使いになれるはずだ。頑張らして欲しい・・・頼む。それと君は・・・いや、なんでもない・・・いずれわかる時がくる・・・頑張ってくれ。それじゃあ・・・」
村上てつや「いいのか?薫と会わなくて・・・・あんたはずっと罪悪感と戦ってきたんだろう?・・・・薫はきっと許してくれるはずだ・・・・」
マネージャー竹内「・・・・・・いや、俺はなにも罰を受けていない・・・・せめてこれくらいはな・・・・・ふっ、ただの自己満足でしかないんだが・・・・・・」
ト書き「それだけ言って、サスケは姿を消した。」
黒沢カオル「んっ・・・・ふにゃぁ〜、あっ!みんな大丈夫??」
安岡優「カ・・・カオル〜〜!!よかった〜〜!!!(大泣)」
黒沢カオル「どうだった?・・・・・・・」
北山陽一「…大体のことはわかりました。」
村上てつや「ああ・・・。『石』の使い方も、何となく掴んだぜ。薫、もうすぐだ。もうすぐ、全てに決着がつくよ。」
黒沢カオル「(微笑)・・・良かった。」
酒井雄二「そうですね。『石』を扱えるのは、たぶん今現在だと村上さん以外いないんじゃないですか?(微笑)」
村上てつや「はぁ?…な、なに言ってんだぁ?」
酒井雄二「…サスケ様の説明から、ですよ。多分、貴方に石は反応を示すはずです」
黒沢カオル「えっ・・・?サスケくん・・・・・・?」
佐々木真里「薫、あなたの中のサスケ様が教えてくれたの。でもわからないわよ?石が選ぶんだから、あんまり構えない方がいいわ(確かに少し反応はしてたのよね・・・薫の中にあったからちゃんとした反応は得られなかったけど・・・)」
黒沢カオル「つ!・・・・・・・・・・・・・・」
北山陽一「薫?どうかしましたか?」
黒沢カオル「頭が痛い・・・・・・誰かが読んでる・・・・・・・・・・・・石だ・・・石が呼んでる・・・・・・・(石から「1番大切な人と来い!!」)・・・・・・・テツしゃん、行こう!!(村上の手を取り、走り出す)」
村上てつや「!?薫っ!?」
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