-ゴスドラマ過去ログ:7101-7200- |
安岡優「ちょっと!てっちゃん?!」 黒沢カオル「なぁ、酒井、北山。俺達の誰か1人でも良いから話を聞かせてもらえないかな?ここで誰かが死んでも、何も変わらないよ?亡くなった人は戻ってこないんだよ?部長は確かに悪いコトした人かも知れないけど、お前達がこれからしようとしていることは同じ事だよ?」 村上てつや「黒沢の言う通りだ。…お前等が何を考えてこの行動を取ってるのかなんて、俺はそんなの知らねぇ。けどな、これだけは言っといてやる。…こんなことして何になるんだよ?何の為になるんだよ?こんなことして、死んじまった彼女が喜ぶとでも思ってんのか?!」 北山陽一「・・・・・・・・・・・・・黒沢さん・・・爆弾のスイッチを少しだけ止めます。(諦めたかのように)でも!入って良いのは黒沢さんだけにします。1番安全なのは黒沢さんみたいですから。(しぶしぶ爆弾のスイッチを止める)」 黒沢カオル「北山…」 酒井雄二「(ドアをあけて)さぁ、黒沢さん入ってきてください。村上さんと安岡は外で待っててください。黒沢さんには何もしませんから。」 北山陽一「黒沢さん。貴方ならまず無いと思いますが・・・隙を突いて部長さんを助けようなんて事は考えないでくださいね。私達は「貴方が話を聞くだけ」という条件で入室を許したんですから。」 黒沢カオル「うん・・・。わかってるよ・・・。」 酒井雄二「さて・・・何から話しましょうか?黒沢さん・・・。」 黒沢カオル「どうして・・・こんな事したの・・・?あの頃の2人は・・・まじめで・・・優しくて・・・バカばっかりやってる俺達の話でも・・・聞いてくれて・・・仲良くしてたじゃない・・・。それが・・・どうして・・・(目に涙を浮かべている)」 北山陽一「・・・私の場合は・・・亡くなった妹に・・・そっくりだったから・・・。顔こそ違えど、性格や考え方、私との接し方まで似てたんです・・・。しかも・・・持病まで・・・同じだった・・・。」 酒井雄二「私は・・・姉貴にそっくりだったから・・・。もともと陽一と知り合った理由も、病院が同じで持病も同じだったって事ですから・・・。」 北山陽一「姉や妹が亡くなって・・・そんな時・・・彼女と出会ったんです・・・。同じ持病を持ってると聞いた時・・・今度こそ助けたいって思ったんです・・・。それを・・・あの人は・・・・」 酒井雄二「・・・私達を・・・あざ笑うかのように・・・彼女の命を奪った・・・。担当医と話しているあの人が・・・悪魔のように見えました・・・。絶対に・・・許せない・・・そう、思ったんです・・・。」 黒沢カオル「・・・2人とも・・・姉や妹が亡くなった事まで・・・俺達に黙ってたんだ・・・。(つぶやく)・・・でも・・・それなら・・・なおさらこんな事しちゃダメだよ!・・・悲しむじゃん・・・亡くなった2人が・・・もちろん、彼女だって・・・。」 北山陽一「・・・黒沢さん・・・話はココまでです・・・あなた達を巻き込むわけにはいきません・・・。村上さんや安岡を連れて・・・ここから離れてください・・・。」 黒沢カオル「イヤだ!2人を置き去りにするなんて出来ない。俺は・・・・・・!!(1発の銃声が鳴り響く。弾は黒沢のほほの横、数センチの所を通り壁に当る。)」 北山陽一「・・・お願いですから・・・言う事を聞いてください・・・。死ぬのは・・・私達だけで良いんです・・・。この計画は・・・この人に復讐するだけじゃない・・・私達を罰するためでもあるんです・・・・妹達を・・・助ける事が出来なかった・・・私達を・・・・。雄二、ドアを開けてあげてください。」 黒沢カオル「・・北山・・・酒井・・・(おとなしく部屋を出て行く。2人は黒沢が部屋を出た後、ふたたび鍵をかけ爆弾のスイッチを入れる)」 村上てつや「・・おい、大丈夫か?・・・・やっぱりだめだったか・・・」 黒沢カオル「くそ!・・・・・・・・・・・泣き崩れる」 安岡優「黒ぽん・・・・・・・・」 北山陽一「村上さん,安岡さん,黒沢さん,あなた達とはお別れです.あなた達に会えて本当によかった...私は妹の所へ行きます」 黒沢カオル「北山,死ぬなんて言うなよ....人はそう簡単に死んじゃだめなんだよ...」 北山陽一「黒沢さん,今までありがとう.さよなら...(爆弾のスイッチを押した)」 黒沢カオル「北山〜〜〜〜!!酒井〜〜〜〜〜!!」 安岡優「てっちゃん、黒ぽんふせて!!(と言い黒沢を伏せさしたとたん爆発した音が響いた)」 ト書き「ドッカ−−−ン」 黒沢カオル「(安岡の手をふりほどき、炎の中へ)」 村上てつや「黒沢!!ヤス、俺達も行くぞ!!(そう言い、炎の中へ)」 黒沢カオル「(炎の中で倒れている二人を見つける)酒井!北山!大丈夫か!?(返事は無い)クソ−!!てつ!ヤス!2人を外へ!!俺は部長を連れてくから。」 安岡優「わかった!!(北山をかつぐ)すごい火傷・・・早く救急車で運ばないと・・・・(酒井をかついでいる村上に)てっちゃん!早く!手遅れになっちゃうよ!!」 村上てつや「わかってる!」 黒沢カオル「社長,大丈夫ですか(社長をかついだその時,炎が二人を襲う)ウワ−−−」 ト書き「社長をかばっていた黒沢は体に酷い火傷を負い意識がない」 安岡優「黒ポン?大丈夫?」 村上てつや「クソ!!(酒井を炎の来ない安全なところへおろす)黒沢!しっかりしろ!!ちくしょう・・・。ヤス!北山を先に連れてってくれ。」 安岡優「うん、わかった!外に連れてったら、すぐ戻ってくるから!!(そう言うと、北山をかつぎ外へ急いだ)」 村上てつや「(黒沢と部長を酒井の近くに連れていく)これでひとまず大丈夫だ。ヤス・・・早く来てくれよ・・・。」 小林社長「う・・・うん・・・?(意識を取り戻す。幸いかすり傷だけですんでいた)どうなってんだ・・・これは・・・。」 村上てつや「気がついたんですね・・・部長・・・。あんたがたった一人の女を見殺しにしたせいで、こんな事になってるんだ・・・。北山や酒井だけじゃなく、黒沢にまでこんな火傷を負わせて・・・。」 小林社長「・・・・・・・(無言でうつむく)」 安岡優「(遠くから走ってきて)てっちゃん、ただいま!北山さん外に連れてったよ。それと、今、消防車と救急車呼んだから、外に出る頃には着いてると思うよ。(黒沢をかつぐ)急ごう!!」 村上てつや「おう!!(酒井をかつぐ)部長、ちゃんとついてきて下さいよ。・・・よっしゃ!行くぞ!!」 ナレーション「そう言うと、急いで玄関に向かった。外には、安岡の言った通り消防車と救急車が来ている。」 一般人(男)「患者さんはどなたですか?(黒沢、酒井、北山を見て)!!すごい火傷・・・。急いで病院に運びます。誰か、付き添いで来ていただきたいんですけども・・・・」 ト書き「そう言われ、黒沢には村上、酒井と北山には安岡が付き添い病院へ向かった。」 DJバリ"K"〜ん「(慌ただしく病院の奥から出てくる)患者さんは・・・(黒沢を見て)!!この人は・・・・・」 安岡優「先生!3人を助けてください!!お願いします!!」 DJバリ"K"〜ん「あなた方は先程の・・・?(じゃあ・・・こっちの2人が・・・・)わかりました!必ず助けます!!(あの娘のために・・・今度こそは・・・)」 ト書き「そして、黒沢、酒井、北山の3人は手術室に入っていった。手術中のランプがつき、その前で心配そうにしている村上と安岡。」 村上てつや「黒沢・・・酒井・・・北山・・・がんばれよ・・・・・」 ナレーション「火傷がひどいのか、手術室をバタバタと行き来する看護婦が、何度も2人の前を通った。そして数時間後・・・手術室の扉が開いた。」 安岡優「(手術室を終えたバリに)先生!3人は・・・3人は大丈夫なんですか!?」 DJバリ"K"〜ん「(↑の手術の間違いだよ)はい。3人とも大丈夫ですよ。黒沢さんにいたっては、火傷の程度があまりひどくなかったので、すぐ気がつくと思います。・・ただ・・・」 村上てつや「ただ・・・何なんだよ。」 DJバリ"K"〜ん「・・・あとの二人・・・酒井さんと北山さんは、火傷がひどく煙もたくさん吸いこんだようなので、意識回復は厳しいと思われます。もし意識を取り戻しても、脳に何らかの障害が残るかもしれません。」 安岡優「・・・・そ・・・そんなっ・・・・・」 村上てつや「……意識が戻るかどうかは…二人の生命力にかけるしかないんですか…?」 安岡優「・・・・・うそ・・・・」 ト書き「手術室からストレッチャ−に乗った黒沢が手術室から出てきた」 安岡優「黒沢...」 ト書き「村上は包帯をぐるぐる巻かれている黒沢を直視することが出来ない。」 黒沢カオル「・・む・・村上・・・・・ヤス・・・・」 村上てつや「黒沢・・・?黒沢!?お前・・・意識が戻って・・・・」 DJバリ"K"〜ん「すごいですね。こんなに早く気がつくなんて・・・。この調子なら、たぶん、あとの二人も大丈夫でしょう。それから、2人になるべく話しかけてあげるか、手を握ってあげてください。そうするだけで、意識が戻りやすくなりますから。皆さん同じ病室にしましたので、たくさん話しかけてあげられますから。」 安岡優「そうなんだ・・・僕達でも意識回復の手伝いができるんだ・・・・。てっちゃん!がんばって二人の意識を回復させよう!!黒ぽんも、早く治してたくさん話しかけてあげようね!!」 村上てつや「そうだな。(黒沢に向かって)オイ、黒沢。お前の声が一番2人に届くと思うから、さっさと良くなって話しかけてやれよ。」 黒沢カオル「う・・ん・・・わかった・・・。」 ナレーション「黒沢は小さくそう言うと、病室に運ばれて行きました。ちなみに酒井と北山は、別の出入り口から運ばれて、一足早く病室に着いていました。そして、こちらは病室・・・・・」 ト書き「手術室に2つも出入り口ってあるものなのかね、ナレさん?」 ナレーション「ムカ!ココはそういう病院なんです!何よ、ト書きのくせにナレ様に生意気な口聞くなんて、いい度胸ね!!」 ト書き「何さ!!私の方が結構まじめに仕事してますよ!!いつもいつも「酒井さ〜ん」って言ってるあなたとは違うんですから!!」 村上てつや「いい加減にしろ!ここは病院の、しかも病室なんだぞ!やるんなら外でやれ!!(激怒)」 ナレーション「はいー!!すいませんでした!!つづきをどうぞ!!」 村上てつや「ったく・・・。黒沢、うるさかっただろ?あいつ等追い出したから、寝ても良いんだぞ?」 黒沢カオル「うん・・・大丈夫・・・眠くないから・・・。(コンコン←ドアをノックする音)ハイ・・・?どうぞ・・・。」 DJバリ"K"〜ん「・・・どうも。だいぶラクになってるみたいですね。(酒井と北山の方を見て)彼等ですか・・・?あなた達の言ってた犯罪者というのは・・・・。」 安岡優「えぇ・・・まぁ・・・。この火傷も・・・彼女の復讐のために・・・」 DJバリ"K"〜ん「やっぱり・・・そうだったんですか・・・。彼等には・・・ホントに悪い事をしたと思っています・・・。私は・・・彼女だけでなく・・・彼等も助けられなかった・・・。この呪縛からは逃げられないんですね・・・・。」 ト書き「といって、立ち上がり窓に目を向ける。」 安岡優「(え?・・・でも、この医者・・・あの子を見殺しにしたんじゃ・・・?)」 黒沢カオル「そんな事無いですよ!現に今俺は生きてるし、酒井や北山も死んだわけじゃない。先生は、部長に言われてそうしただけなんですから・・・。」 DJバリ"K"〜ん「ありがとう、黒沢君・・・。でも、私に責任が無いわけじゃない。あの人を説得する事が出来なかった・・・。それが、結果的には彼女を見殺しにし、あなたやあの2人をこんな目にあわせてしまった。・・・重い十字架を背負ってるんですね、私も・・・・。」 黒沢カオル「先生・・・そんな事・・・言わないでください・・・。だったら・・・俺だって・・・あの場所にいたのに・・・あの2人を・・・説得できなかった・・・。俺だって・・・俺だって・・・(泣き出してしまう)」 安岡優「(黒ポン・・・)大丈夫だよ、黒ポン。黒ポンは2人の話を聞いてあげた・・・苦しみを分かち合ったんだ。だから、そんなに自分を責めないで・・・。(この先生も黒ポンも、彼女や2人の事でこんなに苦しんでたんだ・・・・)」 黒沢カオル「ありがとう、ヤス・・・。(窓の外を見て)俺、ちょっと寝るね・・・。」 安岡優「うん。・・・・ゆっくり休んでね・・・・」 黒沢カオル「ありがとね・・・ヤス・・・」 安岡優「ふぅ〜、(黒沢が寝たのを見て)てっちゃん、そうとう黒ぽんショックうけてるよ・・・・。なんだか、見てるほうが悲しくなってくるよ。」 村上てつや「なら、見なきゃいいじゃん。・・・・なんてのは嘘で、まぁ黒沢は昔から心配性って言うの?そんな感じだからなぁ・・・・。いや、心配性じゃないな。思いこみが激しい?」 安岡優「…黒ぽん…」 黒沢カオル「ZZZ〜・・・」 安岡優「ねぇ、てっちゃん。ちょっと、外でない?とりあえず、一安心したんだし。気晴らしに、空でも見に行こうよ。」 村上てつや「おう・・・そ〜だな・・・・」 ナレーション「そういうと、二人は眠っている黒沢を一目して部屋を出た。」 安岡優「はぁ…凄い晴れてるね。何だか吸い込まれそうっていうより、落ちていけそう。」 村上てつや「そう考えるやつは、何か現実逃避したがってるヤツだって俺は思うんだが…今回のことで一番追い込まれてるのって実はお前なんじゃないのか?まぁあんまり深くは追求しないけど、溜め込むのはやめとけよ。うまいぐあいに吐いとけ。お前はすぐ自分の中に押し込もうとするからな。」 安岡優「あははは・・・てっちゃんは何でもお見通しなんだね・・・」 村上てつや「お前らと何年付き合ってると思ってんだよ(ふっと軽く笑う)」 |
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