-ゴスドラマ過去ログ:8201-8300-
小林社長「俺たちからみれば「自殺がもっとも重い罪」というのは当然のように思ってしまうがな・・・・」
ト書き「その後3人は、無言で村上を運び、ベッドに寝かせた・・・。」
安岡優「小林さん、僕らって、ここから地獄の風景とかって見れたりするんですか??」
小林社長「見たいのか?」
安岡優「・・・少しだけ(うっすら笑みを浮かべる)」
北山陽一「見て…みたい…です。見ることができるのなら。」
小林社長「・・・今から行ってみるか?」
北山陽一「でも・・・私達が地獄に行く事はできるんですか・・・?」
小林社長「…行けないこともないが…危険だから、位の高い天使しか地獄には行けない。…天国と地獄の境目までは行けるぞ。」
安岡優「行きたいです。つれてって下さい。北山も見たいと言ってるんですから・・・お願いします(頭を下げる)」
村上てつや「(ベッドから起き上がり)小林さん・・・俺もその場所に連れてって下さい・・・。」
小林社長「村上・・・・残念だがお前は連れていけない・・・地獄には彼女がいるからな・・・お前達はもう会うことは2度とできない・・彼女はもう地獄の世界に入っているから・・・村上は黒沢の傍に居てやってくれ・・・頼む・・。」
村上てつや「なんで・・・なんで2度と彼女に会うことができないのですか?小林さん、お願いです連れてって下さい。一目でいいから彼女に会って・・・会って誤りたい・・・俺のせいで彼女は自殺した・・・だから・・(村上の目から涙がこぼれる)」
小林社長「村上・・・お前の気持ちはすごく分かるけどでも・・・だめなんだ・・・天国と地獄の世界が違うのは村上だって分かるだろ?な?頼むから黒沢の傍に居てやってくれ・・・黒沢が倒れたんだ・・・あんなに元気な黒沢が・・・」
村上てつや「………(布団のハシをギュッと握って俯むく)…わかりま…した。」
ト書き「社長は村上の肩に手を置いた。その手は(村上の涙を見て)少し震えていた。」
酒井雄二「(部屋に入ってきて)あのぉ、村上さんと小林さんの話を外で聞いてたんですけど、我輩、村上さんを殴ったことだしぃ、そのぉ村上さんの彼女さんに会っちゃいけませんか?安岡と北山も行くんなら、顔もわかるだろうし・・・・。あ、黒沢ならさっき寝言で「カレー・・・」って言ってたから、もう大丈夫だと思います。」
小林社長「(はあ・・・カレーか・・・)・・・これは黙っていようとおもったが・・・。地獄に行った者はいかなるものも日に日に記憶を失うのだ・・・。彼女もおそらく村上を忘れているだろう・・・。記憶が残っている可能性はゼロだ・・・。だから・・・」
黒沢カオル「(夢の中)・・・・・・・・・怖い・・・・・・・助けて・・・・・・」
一般人(女)「お兄ちゃん・・・?私の事わすれちゃた?大丈夫?」
黒沢カオル「・・・・・・・・ダメ・・。だってずうっとカレーカレーっていってるのに、なかなかみつからないんだもん・・・(泣)僕たち実は初日以来なにも口にしてないという・・・マジ死ぬっちゅーのっ!!!(怒)」
一般人(女)「お、お兄ちゃん・・・?」
黒沢カオル「・・・?お前は・・・誰だ・・・?俺の・・・なにものだ・・・?」
一般人(女)「やた・・・・お兄ちゃん忘れちゃたの私の事?私はお兄ちゃんの妹だよ(と言い黒沢に抱きつく)やだよ〜」
黒沢カオル「やめろ・・・ふざけるな俺の妹だったら俺のすべてを言ってみろ俺の妹だったら言えるはずだ」
一般人(女)「言えるよ。誕生日は4月3日、血液型はA、好きな食べ物はカレー。これでいい?私がお兄ちゃんの妹だって分かった?」
黒沢カオル「俺は、お前なんかしらないぞ!!」
一般人(女)「ヒドイ・・・ヒドイよ、お兄ちゃん!ふざけてないで!私はお兄ちゃんの妹だなんだよ!!思い出してよ!!」
黒沢カオル「(耳をふさぎながら)うるさい!俺はもう死んだんだ!死んだ俺の元に、あいつが来れるはずは無いんだ!いいかげん俺の中から出て行け!!ぶっとばすぞ!!」
村上てつや「(社長に言われてちょうど黒沢の寝ている部屋に来た)・・・黒沢?(黒沢の体を前後に揺する)オイ、黒沢起きろ!どうしたんだ!?」
黒沢カオル「ハッ・・・!あっ、村上さん?よかったぁ〜!やっぱり夢だったんだ。」
村上てつや「大丈夫か?」
黒沢カオル「・・・・・・おなかすいた・・・・(ぐぅ・・・・)」
村上てつや「そんでもってまたカレー食いてぇってか?」
黒沢カオル「えっ?もしかして用意してくれてるんですか?いやぁ言ってみるモンだなぁ。ありがとうございます♪(勘違い)」
村上てつや「用意・・・するかぁーっ!!って、いやそうじゃなくて、何かいろいろ心配かけたらしくて・・・ごめんと言おうと思ったのにお前はカレーカレーって・・・(泣)だいたいお前、前カレーにあたったんだろ?それでも好きってか・・・(呆)」
黒沢カオル「いやもう当然☆って・・・小林さんや酒井さん達は・・・?」
村上てつや「ん・・・地獄をみにいったよ・・・。俺はダメっていわれちゃったけどな・・・。あ、いや行かない方がよかったのかもしれない・・・。なんか俺のこと忘れちゃってる可能性大みたいだし・・・っ!(心配そうな黒沢の顔をみて、笑顔をつくる)」
北山陽一「うわ・・・。なんか薄暗くて気味が悪いな・・・。雰囲気だけでもう気が狂いそう・・・。」
安岡優「僕ちょっと吐き気が・・・・うっ・・・(口元を押さえる)」
酒井雄二「こらこら。二人とも、さっきの社長の話を聞いたでしょう?ここは僕たちの住むべき天界と大した差は無いですよ。ただ…ここに送られる人間になにかしらの罪があるのは確かです。罰の意味も償いの意味もこめて、労働が厳しくなっています。…それも、娯楽を味わうことが難しいほどにね。」
北山陽一「そうでしたね。不謹慎な事を言いました。すみません。」
酒井雄二「いえ、きつい言い方になってしまってすいません。ただ、色々な意味であまりにも漠然としているので「不気味」ととらえられてもおかしくは無かったんでしょうね。感じ方は人それぞれですし。…それに、私的な感情も入ってしまって、つい感情的に。いやはや、何年この世界に住んでいるんでしょう。お恥ずかしいことです。」
安岡優「・・・さっき・・・小林さん、言ってましたよね?地獄に行った人は記憶を失っていくって。・・・それって、やっぱり二度と思い出す事はできないんですか?」
酒井雄二「・・・・・・・・・あぁ・・・ない・・・・悲しい事だけれど・・・・」
北山陽一「・・・・・・”忘れてしまうこと”は・・・もしかしたら、強制労働より何より、それが一番、辛い事かもしれませんね・・・。」
安岡優「でも!そうしたら地獄に行った人は最後は何もなくなっちゃうんですよ?そんなのって悲しすぎる・・・」
酒井雄二「それはしょうがないことなんです。それだけの、大きい罪をおかしてしまったんだから。」
北山陽一「たとえどんな理由であれ・・・ですか?」
酒井雄二「そうさ どんな罪をおかしてもだ。」
ト書き「視線を遠く、計る事が出来ない程の風景にはせて、酒井はきっぱりと言った。」
北山陽一「・・・・(もしかして酒井さんにも色々なことがあったのかも)・・・」
酒井雄二「北山、どうした…?」
北山陽一「あ、いえ・・・なんでもないです。すいません。」
酒井雄二「何だよ?はっきり言えよ」
北山陽一「いえ・・・酒井さんにも、村上さんのように何かあったのかと思って・・・。余計な事ですよね・・・。」
酒井雄二「・・・・・うん。ありますよ、確かに。でも・・・・あまり思い出したくないんです。」
安岡優「やっぱり・・・。でも、そんなの当たり前だよね・・・。僕だって両親の事とかもう思い出したくないもん・・・。思い出したら・・・(目に涙を浮かべる)」
北山陽一「ヤス・・・。(うつむく)みんな辛いんですよね・・・。私だって両親や妹の事を思い出すと・・・。(溜息を一つつく)いっそのこと、私も地獄に行って記憶を無くせば良いのかも・・・。」
安岡優「北山・・・おい(北山の頬を殴る)地獄に行って何すんだよ?記憶を無くせばいいなんて・・・そんな事思うなよ・・・」
黒沢カオル「や、安岡・・・?」
北山陽一「(↑俺のセリフね?)」
酒井雄二「そうですよ、北山。記憶を無くせばいいだなんて、かるがるしく言う言葉じゃないです。今度また、同じ事を言えば、私はあなたを、天使の見習いとして認めない。わかりましたか?」
北山陽一「はい。すいません・・・。」
安岡優「はぁ・・・。(寂)」
酒井雄二「・・・村上さんを連れてこないでよかったな・・・。地獄という空間は無限だから・・・一度見失うと大変なことになる・・・。」
安岡優「きっと耐えられないよね・・。」
小林社長「(遠くから)おーい、お前ら。こっちだ、こっち。(一人の女の人を指差して)あそこに女の人がいるだろ?あれが、村上の彼女だ。」
北山陽一「あ・・・っほんとだ、あの人だよ・・・。やっぱり生きてたときより・・・くらくなったよね・・・。笑顔がすっごくかわいくて、美人な人だったのに・・・。」
安岡優「そうだね。村上さんと、すっごくお似合いでね。2人を見てると、こっちまで幸せな気分になったもんねぇ〜。そんな人が・・・今は・・・・・。」
酒井雄二「自殺なんて・・・・・本当になんて馬鹿なことを・・・っ!村上さんが命をなげうってまで救った命を・・・自ら絶つなんて・・・。こんな悲しいことはないですよ・・・。」
北山陽一「そうですよね…、でも、おかしいとおもいませんか?自殺なんて。なにか…なにかひっかかるんですよね…。」
安岡優「えっ?どういうこと?北山さん何か知ってるの?」
北山陽一「え・・・あぁ・・そのー」
酒井雄二「何ですか?何を隠しているんですか?」
北山陽一「え・・・いや・・・生前、彼女と話した事があったんですけど・・・ちょっとひっかかる事を話してたんですよ。」
安岡優「ひっかかる事・・・?」
北山陽一「あの・・あの時僕が思ったのは・・彼女は・・・その・・・・・村上さんの親戚にあたるヒトだったんじゃないかと。・・・・・あくまでも僕の推測ですけど。」
安岡優「親戚・・・」
酒井雄二「どういうことですか?」
北山陽一「・・・いや、いいんです。僕の推測ですから・・。もうこの話は・・。」
小林社長「うむぅ、北山の考えは少し違うな・・・。村上の資料には、その人は親戚とは書いてなかった。けれど、その人は、村上の婚約者だったんだ。このことは、村上に言わないでくれ。」
安岡優「婚約者?!村上さんの結婚相手?!」
小林社長「うむ。そうゆうことだ。村上を、これ以上悲しませたくないから、この話はもう、しないでくれ。」
安岡優「はい・・・(暗)」
北山陽一「わかりました・・・・・・。」
安岡優「(村上さん・・・)」
小林社長「2人とも元気出せよ。」
北山陽一「・・・。(なんか・・・ひっかかるな〜。)」
酒井雄二「とりあえず、どうします?このまま突っ立ってるわけにもいかないでしょう?」
黒沢カオル「村上さーんっ!!!僕もうだめ!おなか減りすぎてしゃべる気力も失せてきたってかんじ・・・(涙)おなかが〜すくっほど〜本気で〜笑ってぇえみたいねぇ♪・・・なんて・・・っざけんなぁーーーーっ!!!!(叫んでそのままふにゃふにゃとくずれる)」
村上てつや「おい〜、しっかりしてくれよ、黒沢。酒井たちもまだ帰ってこねぇし…。俺にどーしろってんだよぉ。←ちょっと心細い。(しかし、死んだあとまで食をこんなに必要とするなんて……コイツ、実はよっぽどのグルメ!??)」
黒沢カオル「・・・村上さぁ〜ん・・・ご飯ないんですかぁ・・・?」
村上てつや「あぁぁぁ〜〜!!…ったくよぉ〜!そんなに腹減ってんだったら、自分の脂肪でも食っとけっ!!!」
黒沢カオル「へっ?!天使ってそんなことできるの!?それってお腹もいっぱいにできるし、脂肪も減らす事できるし一石二鳥だね!!(嬉しそう・・)」
村上てつや「酒井っ!頼むっ!早く帰ってきてくれっ!」
黒沢カオル「早くーー!!お腹すいたーー!!死ぬーー!」
酒井雄二「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!(努めて明るく)戻りましたよ〜!カレーの材料も持って帰りました。この天界で肉は用意できないけど、野菜カレーでも構わないですよね?黒沢。」
黒沢カオル「いいで〜すっ♪ありがとう酒井さんっ!」
酒井雄二「いえいえ♪さてと、カレーでも作りますか!!黒沢さん私の作ったカレーおいしいですよ!待っていてくださいね!」
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