-ゴスドラマ過去ログ:6101-6200-
酒井雄二「俺、結構ゲームやるんだけどさ、今度何かもってこようか?」
安岡優「・・・ほんとぉ?!」
酒井雄二「うん。俺、いろいろ持ってるから。」
安岡優「わーい(^0^)/」
酒井雄二「どんなジャンルが好き?RPG?格闘物?アクション?」
安岡優「僕・・・じゃなかった。私ね、格闘ものが好き。スカッとするでしょ?」
酒井雄二「じゃ、今度持ってくるよ。いつも病室だと、ストレスたまるよね。」
安岡優「ほんと?!じゃぁさ、じゃあさ、今度2人でやろーね!絶対だよ!!!」
ト書き「そしてここでいつもの・・・百億ドルの笑顔・・・」
酒井雄二「(兄妹っていいなぁ・・・」
ト書き「安岡の頭をなごなごしながら酒井はそう思った。」
酒井雄二「それじゃ、俺もうそろそろ帰るよ。」
安岡優「え〜もう帰っちゃうのぉ?」
酒井雄二「俺、これでも26だしね。遊んでる訳じゃないんだよ。」
安岡優「ぷぅ〜〜〜。」
酒井雄二「怒らない、怒らない♪」
ト書き「酒井が、部屋から出ようとしたその時・・・」
安岡優「じゃあさ・・・」
酒井雄二「ん?」
安岡優「絶対、また来てよね!絶対だよ?!」
ト書き「今にも泣き出しそうな顔と声で、安岡はうったえた。」
安岡優「どきっ・・・(酒井の心臓が高鳴る音)」
効果音「おっと、失礼いたしました。」
酒井雄二「ど・・・どうしたの?・・・・・・なにかあったの?」
安岡優「う・・・ううん。なんでもない・・・」
酒井雄二「・・・じゃあ、こうしよう。」
ト書き「すると酒井は、自分の右手の小指と、安岡の右手の小指とを絡めた。」
BGM「ゆ〜びき〜りげ〜んま〜んうそついた〜らはりせんぼんの〜〜〜ます♪ゆびきった♪」
ト書き「君らはいくつだ。」
酒井雄二「約束する。明日も、絶対来るよ・・・これでいいかい?」
安岡優「うん♪」
ト書き「こうして騒がしかった部屋は静かになってしまった。」
安岡優「ふぅ・・・ちょっと疲れたかなぁ・・・。」
ト書き「ベッドの上で、安岡は目を閉じそう言った。」
効果音「づきぃっ!」
安岡優「うあっ・・・苦し・・・。」
ト書き「胸に突然呼吸を止めそうな勢いの痛みが走った。」
安岡優「(あ・・・看護婦さん呼ばなきゃ・・・でも・・・。」
ト書き「片手で胸を掻きむしりながら、安岡はナースコールに何とか手を伸ばす。」
ゴスペラーズレディース「安岡さん?どうしました?」
ト書き「返事は無い。」
安岡優「(ボクこのまま死んじゃうのかなぁ・・・。」
ト書き「その時レディースが病室へと飛び込んでくる。」
ゴスペラーズレディース「安岡さんっ!?」
北山陽一「どうしました!?」
ト書き「浅く不規則な呼吸を繰り返す安岡を見るや否や、北山は速急にレディースへ指示を出した。」
北山陽一「処置室に移動させる、準備してくれっ。」
ゴスペラーズレディース「はいっ!!」
ト書き「酒井がバスの到着時間を確認していると、不意に通り過ぎようとしていたエレベータの扉が開いた。」
酒井雄二「ん?」
ト書き「そこにはさっきまであんなに元気だった優がコロコロの付いた担架で運ばれていた!」
酒井雄二「(え!?ちょちょちょ、今のは何だ?)」
ト書き「優を乗せたストレッチャーはそのまま廊下突き当たりの部屋へと入って行き、使用中の赤ランプが灯された。」
酒井雄二「ストレッチャーって何?」
ナレーション「多分、患者搬送用のベッドですね〜、解説でしたっ。」
ト書き「現れた時と同様に直ぐさま消えるナレーション。」
酒井雄二「それは置いといて、・・・優だよな今のって。」
ト書き「処置室、と書かれたパネルを見ながら酒井は呆然と立っていた。」
効果音「どんっ」
村上てつや「痛いな…通路の真ん中に立ってたら通れねぇだろ。」
ト書き「白衣を羽織り、聴診器をぶら下げた村上が酒井にぶつかって文句を言った。」
酒井雄二「すいません・・・あ、さっきの。」
ト書き「自分が余所見をしていた事を棚に上げて文句を言った村上へ酒井は律儀に謝った。」
村上てつや「おう。どっかで見たなぁ〜と思ったらお嬢の友達か。」
酒井雄二「お嬢?」
ト書き「怪訝そうな表情をする酒井に、村上は続ける。」
村上てつや「あいつが最初、この病院来てる頃から知ってるからな。大概の歳食ったセンセイはお嬢って呼んでるのさ。」
ト書き「時計を盗み見て、村上は腕を組んだ。」
酒井雄二「最初・・・?」
村上てつや「あいつの心臓、ちょっと吃驚すると動かなくなっちまうんだ。疲れたり、精神的にキても・・・っていうのは俺の推測だが。」
酒井雄二「心臓が……止まる?」
ト書き「酒井の周囲の空気がすぅ、と冷えていく様な気がした。」
村上てつや「医者と患者っていう間柄を抜きにしても、俺はお嬢の『強さ』が好きだよ。」
ト書き「酒井は村上の言葉に反応し、初めて村上の方を向いた。」
村上てつや「時々でも良いから顔見せに来てくれよ、そしたらお嬢も喜ぶ。」
酒井雄二「・・・はい。」
村上てつや「っと、時間だ。じゃあな。」
ト書き「そう言って、村上は去ってしまった。」
酒井雄二「……再婚どころの問題じゃないな。」
ト書き「酒井はテレカを出すと、公衆電話を掛けに玄関口へと向かった。」
酒井雄二「え〜っと、あ、あれだ。」
ト書き「手慣れた様に、番号を押す。」
田辺恵二「はい、もしもし?」
酒井雄二「もしもし、ケージ?」
田辺恵二「おぉー、酒井。久しぶりだな。」
酒井雄二「はは、御無沙汰しております。と、挨拶はこれくらいにして、ちょっとケージに頼まれて欲しい事があるんですけど」
田辺恵二「んー?単刀直入になんだよ。」
酒井雄二「プレステ貸して欲しいんだけど。」
田辺恵二「ねーよ、つーか壊れてまだ買い替えてない。」
酒井雄二「壊れててもいいよ!修理するから!とにかくプレステが今すぐに必要なんだ!!!」
田辺恵二「なに、そんなにあせってんだよ。」
酒井雄二「とにかく、時間が無いんだ!!!今、10時だから・・・あと、30分後に村上医院に来てくれ!!!」
田辺恵二「・・・お、おう。分かった、まかしとけ。(気迫負け)」
ト書き「酒井は、力無く受話器をおいた。」
酒井雄二「心臓が・・・止まる・・・?嘘だろ?」
ト書き「思わず、その場に座り込んだ。」
酒井雄二「出会ったばっかりなのに・・・それなのに・・・」
ナレーション「酒井さん・・・それ演技だよねぇ?(演技であってほしい)」
ト書き「さて、どちらでしょう!しんきんぐたいむっ!」
効果音「ちくたくちくたく・・・・」
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