-ゴスドラマ過去ログ:6301-6400-
北山陽一「よしよし。いい子だから泣いちゃダメだぞ。」
ト書き「そう言うと北山は優の頭をポンポンと叩いて病室をあとにした。」
北山陽一「ふぅ〜・・・まったくあの子は・・・それよりあの、新しい兄貴!気にいらねぇ・・・」
酒井雄二「はぁーはぁー。ど、どど、どうしよーう。」
BGM「ドッキドッキがぁ〜♪」
酒井雄二「♪とっまらなぁ〜〜いぃ、って。はぁ〜あ。とにかくもっかぃあやまっとこ。」
効果音「コンコン(ノック音)」
酒井雄二「入るよ。さっきはほんっと〜にごめんね。」
ナレーション「酒井はそう言うとそこで初めて顔を上げた。」
酒井雄二「っておわー?!なんであんたがここに?いつのまに?もしやまた窓から入ったんすか??」
村上てつや「もがー?」
ト書き「そこには安岡に贈られた果物詰め合わせのセットから勝手にバナナを抜き取りほおばる村上の姿があった」
村上てつや「ほふだ、わりーか?」
安岡優「村上先生・・・。」
ト書き「トホホでヤンス、と言い出しそうな雰囲気の二人。」
北山陽一「村上さん」
ト書き「脱力して、北山は言った。」
酒井雄二「な、何であんたもっ!?」
北山陽一「これ・・・、臨時投与の点滴持って来たんです。それより何でここに村上さんが居るンですか?」
村上てつや「可愛いー可愛いーお嬢の顔を見に来たに決まってんだろぉ?」
ト書き「ぐしぐしと髪の毛とともに頭を撫でながら村上は言った。」
安岡優「村上先生も立派になったよねぇ〜・・・、最初見た時別人28号だったもん。」
北山陽一「立派に・・・なった?」
ト書き「どこに疑問を置いているか分からないが、北山は聞き返す。」
安岡優「3年前、一番最初にこの病院入院して、その時担当してくれた実習生の人が村上先生なの」
村上てつや「お前も変わりやがって、最初見た時分かんなかったぞ?」
北山陽一「……おかしなことしなかったでしょうね?(疑いの眼)」
安岡優「うーんとねぇ、髪がすんごく短くて他の人に『うみぼー』って呼ばれてたよねー?」
村上てつや「俺の過去をバラすなよ…。」
北山陽一「そんな風に呼ばれてたんだぁ」
酒井雄二「今からは考えられんね。」
安岡優「それにねー村上先生すんごく勉強熱心なんだよー。」
北山陽一「それはそれは……見直しましたよ。(ニッコリ)」
村上てつや「お前、俺の事どういう風に見てたんだ?」
北山陽一「いや、何も別にただ「毎日毎日、遊んで暮らしてる」とか、全然、これっぽっちも思ってませんよ!!!」
村上てつや「・・・ならいいんだ。」
酒井雄二「(この場合、少しは疑うと思うんだけど・・・まぁ、いいか。この人だし。)」
村上てつや「どういう意味だ?!酒井雄二!!!」
酒井雄二「ななななななななにがぁ?!(この人はエスパーか?!)」
北山陽一「まぁ、話を戻しましょう。」
酒井雄二「最初から話なんて無かったと思うんだけど・・・」
安岡優「それを言っちゃ、ミもフタも・・・」
北山陽一「とにかく、点滴を代えますよ。」
安岡優「はぁい・・・それと雄二さん、私、さっきの事気にしてないから。(本物じゃないしね。)」
村上てつや「なんだ?お前、なんかやらかしたのか?」
酒井雄二「そんな、犯罪みたいな言い方するなぁ!事故だ!事故!!」
北山陽一「「のぞき」です。」
酒井雄二「だーかーらーーー!(泣)」
村上てつや「なに?!お嬢の何を覗いたんだ?!」
北山陽一「見ちゃったんですよ。この人。優ちゃんのム・ネを。」
酒井雄二「うわぁー!言うなぁー!!!」
村上てつや「お前、度胸あんなぁー。・・・ま、俺たちの場合は見飽きてるけどな。」
安岡優「なんか、私の胸・・・安っぽく聞こえる・・・(;;)」
北山陽一「高く見られたら、怖いだろうが。」
安岡優「それはそうだけど・・・一応、プロだし。(無関係)」
村上てつや「お前、何のプロだよ・・・」
酒井雄二「怖いよ・・・かなり。」
北山陽一「・・・・・・はい、点滴交換終わりっ。じゃ、僕はこの辺で・・・他の病室に行かないと。」
安岡優「はぁーい。先生ぇ、バイバーイ。(^−^)/」
酒井雄二「じゃあ、誤解も解けた事だし・・・そろそろ俺も帰るよ。いつまでも、ここにいられないしね。」
村上てつや「俺は、もうちょっとお嬢の側にいよーっと。」
安岡優「患者さんはぁ?」
村上てつや「他人看るより、お嬢と遊んでた方が楽しいもん。」
北山陽一「まったく・・・この人は。」
ト書き「そう言って、北山は病室を出ていった。」
酒井雄二「・・・そういえば、プレステ置いてくるの忘れたな。まぁいいや明日ドリキャス、持ってこよ。」
ト書き「紙袋を持ったまま、酒井は病院を後にした。」
安岡優「でも、本当に村上先生変わったよね・・・。」
村上てつや「具体的にはどんな感じ?」
安岡優「単純に髪の毛の量っていうのもあるけど、煙草の匂いとか色んなものが増えてるの。」
村上てつや「髪の毛の量って……まあ、のびたしな。」
安岡優「先生の匂いっていい匂いだよね。消毒薬と煙草と…あとなんだろ、わかんないや。」
ト書き「くかくか嗅いで、安岡はそう言った。」
村上てつや「わかんないってなんだよ。まぁ、いいけどさ。」
ト書き「村上は優の頭部を、自分の胸元へ引き寄せる。」
マネージャー竹内「ぼっちゃまぁ〜〜〜っ!」
ト書き「遠くから竹内の声が響き、優の病室の前を通って走り去っていった。」
村上てつや「もうちょっとここでうにゃうにゃしてたいんだけどな〜…患者が俺を待ってるのね。」
安岡優「(赤くなりながら)……えっとぉ、先生……離して、くれる?」
村上てつや「もうちょっとぐらい良いだろ?」
安岡優「で・・・でさ。竹内さん呼んでるし・・・」
村上てつや「うーん・・・そうだなぁ・・・じゃ、2人でどっかに逃げるか?」
安岡優「患者さんは?」
村上てつや「ほっとけ、ほっとけ・・・っていう訳にもいかないしなぁ・・・」
安岡優「私はもう平気だからさ、他の患者さんのトコロへ行ってあげて?」
村上てつや「俺の事、嫌いかぁ〜?(;;)」
安岡優「そーじゃないケド・・・。」
村上てつや「…・・じゃ、もうあと5分こうさせといて。お嬢の側は、居心地がいい。」
安岡優「やっぱりダメっ、ちゃんと他の人のトコ行ってきてよ。じゃないと窓の鍵閉めちゃうんだから。」
村上てつや「それは困るなぁ……。仕方無い、丁寧且つ迅速に行って来るか。」
ト書き「安岡の肩を優しく叩き、村上はドアから出て行った。」
安岡優「あー…でも、イイ匂い。」
ト書き「安岡の病室から出た村上は、ばったりと北山に遭遇してしまう。」
北山陽一「…まだ居たんですね。」
村上てつや「おう、ご苦労様。」
ト書き「こんな医者が実際居たら嫌だな、と思うト書き。」
北山陽一「俺?それともこの人?」
村上てつや「聞かなくても分かってンだろ、だったら聞くんじゃねーよ。」
ト書き「北山の頭部にアイアンクローをかまして、自分の方へ振り向かせる。」
北山陽一「竹内さん探してましたよ?」
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