-ゴスドラマ過去ログ:11701-11800-
黒沢カオル「あ、あの、ここは〜」
村上てつや「うわっ! 起きちゃったのか?薫ちゃん」
黒沢カオル「ふにゃぁ。(まだ眠いらしい)私ここまでどうやってきたのでしょうか?それに、みなさんは?」
村上てつや「ん?他の奴?」
ナレーション「ご希望にこたえて、他のみなさんは・・・・」
北山陽一「(腕はともかく相手の人数が多い・・・こりゃ体力勝負だな・・・)」
安岡優「殿・・・数が多すぎます・・・。このままでは・・・・」
北山陽一「安岡、頑張れ!弱音を吐くな!!」
酒井雄二「安岡殿の気持ちも、わからなくはないですね・・・。正直、このままではヤバイですよ・・・。」
ナレーション「倒しても倒しても出てくる敵方。腕はそれほどでもなかったが、あまりの数に3人も体力の限界が近付いてきた。」
マネージャー竹内「(半分ぐらいは倒されたかな・・・?そろそろか・・・)なかなかの腕だな。下っ端軍団とはいえ、これだけの数を倒したんだからな。・・・そろそろ、中堅が出てくるぞ。今のお前らに耐えきれるかな?」
ト書き「竹内が手をパンパンと鳴らすと、また100人近くの敵が出てきた。しかし今度はそれまでの敵と違い、顔つきも構え方もしっかりとしていた。出てくるなり、勢いよく3人に攻めてくる。」
安岡優「うわっ!(今度の敵はさっきと比べ物にならないな・・・やばいぞ・・・)!!殿、危ない!!」
北山陽一「えっ・・・?うっ・・・・・(振り返ったところを殴られる。そのまま地面に倒れ気絶してしまう)」
安岡優「殿!!(次々と敵が襲ってくるので、北山に近づけない)」
酒井雄二「(くそ・・・・一旦引き上げるしかない・・・・・)安岡殿!(北山を担ぎ走り出す)」
ト書き「あの場所で会おう・・・そういうと個々に走り出す。何箇所もある入り口に向かって。」
酒井雄二「(担いでいる北山に)北山殿!北山殿!・・・あっ・・気付きましたか?」
北山陽一「う・・・ここは・・・?」
酒井雄二「敵が攻めてきてるので、逃げているところなのですよ。」
北山陽一「にげ・・・・そうですか、じゃあ、私も走ります・・・すみません・・・・くっそ・・・・・・」
ト書き「一旦、地面に下ろしてもらい酒井と一緒に走る北山」
安岡優「殿、殴られたところ大丈夫ですか?」
ト書き「北山と酒井は戦いながらなんとか逃げ、安岡も別ルートから地下室へ入り、今現在は薫と真里に受けた傷(かすり傷が殆どだが・・・)の手当てを受けている。」
北山陽一「何とかな・・・。(苦笑)・・・すまない、私がすきを付かれたばっかりに・・・・・」
安岡優「気になさらないでください。殿が無事なら・・・・・。」
村上てつや「どうだったんだ?あいつの城は。」
酒井雄二「とにかく数が凄いんです。倒しただけでも300人近くはいましたね。最初は雑魚だったので問題なかったんですが、途中から強いのが出てきて。雑魚を倒すだけでも体力がきつかったのに、その後強いの相手なんて、無理もいいとこですよ。」
北山陽一「戦いには何千という兵を使うっていうのは聞いてたけど、あそこまで凄かったとは・・・・・。しかもいくら疲れてたとはいえ、すきを付かれてしまったしな・・・私の腕も落ちたかな・・・・・。」
安岡優「(殿・・・・)それはそうと、これからどうしましょう?このままだったら、向こうがこの城に攻めて来ると思いますよ。」
北山陽一「それはわかってる。しかし、それだけは絶対に避けたい・・・・・。そう考えると、また向こうの城に乗り込むしか・・・・・・」
ゴスペラーズ「・・・・・・・・・。」
ナレーション「その頃江戸では・・・・・」
小林社長「(大阪から帰ってきた)竹内、奴等は来たのか?」
マネージャー竹内「はい、3人ですが来ました。北山と彼の家来の安岡。あと1人は知らない顔でしたが、「酒井」とか呼ばれていたようです。ただ、あと一歩のところで逃してしまいまして・・・・」
小林社長「酒井・・・酒井か・・・・・。(あいつと同じ名・・・もしかしたらあの男の・・・・・)」
マネージャー竹内「殿・・・?どうかなさいましたか?」
小林社長「・・いや・・・何でもない・・・・・。」
マネージャー竹内「・・・それにしても、北山みずからがこの城に攻め込むとは・・・。まぁこれで、日の下でコソコソと動いていた虫どもの城に攻め込む口実もできたわけだし。殿の言うとおり、飛んで火に入るなんとやら・・・ですな。ふっふっふっ。本当に殿は時を見るのがうまいですなぁ。」
小林社長「奴等の城に攻め込むかぁ・・・・う〜む・・・(考え込む)・・・竹内、奴等の城には攻め込まん方がいいかもしれん。」
マネージャー竹内「えっ・・・!それはなぜですか!?」
小林社長「相手が北山だからだ。」
マネージャー竹内「・・・と申されますと?」
小林社長「あの男は、自分の命よりもまず家来を大事にする奴だ。そして家来も、その気持ちに応えるようにしている。あの団結力は並大抵のものではない。今まであの城が落ちなかったのは・・・そのせいだ。あの団結力の前では、こちらもただでは済まないだろう・・・。」
マネージャー竹内「では、これから一体どうするのですか?」
小林社長「慌てなくても、奴の方からこっちに来るだろう。家来を大事にするから、自分の城を戦場にはしたくない・・・・・そう考えると、自分からこっちに来ざるをえなくなる。奴等をこっちで倒してから向こうに攻めた方が、利口という事だ。」
マネージャー竹内「さっすが殿!!」
小林社長「それと・・・北山が隠している女・・・真里を殺せ。村上に気づかれぬように監視を続け、真里が1人になったときを狙うんだ・・・。北山の冷静な判断力は崩れるだろうからな・・・それに村上も冷静ではいられなくなるだろう・・・。」
マネージャー竹内「はっ、了解しました、殿!」
妹尾武「(隠れて聞いている。)久しぶりに戻ってみれば、なんということ・・・。早く殿にお知らせせねば。」
マネージャー竹内「????」
妹尾武「やばい!(消え去る)」
小林社長「どうした、竹内」
マネージャー竹内「曲者!?」
ナレーション「北山の家来で忍者の妹尾は、事の重大さを察し、急いで北山のもとへと向かった。」
村上てつや「(こちらは北山の城の地下にある一室。誰かが近付いてくる気配に気付く)そこにいるのは誰だ!?」
妹尾武「(ドア越しに)殿!お久しぶりです。」
北山陽一「!!その声・・・妹尾か?(ドアを開ける)お前、一体どうしたんだ?修業に行ってたのではなかったのか?」
妹尾武「はい。修業を終え、今日、もとの任務に戻ったのですが・・・・・奴等、また良からぬ事を考えておるようで、殿と真里殿が危ないのです。」
村上てつや「(話が見えなくて少々キレ気味)・・・おい、北山!そいつ・・・妹尾とか言ったな。一体何者なんだ?」
安岡優「私が説明しましょう。・・・妹尾殿は殿の家来の1人で、忍者でございます。おもに、敵の情報収集が仕事なのですが、ここ最近は、小林殿側の情報を集めるのが主となっております。」
黒沢カオル「忍者の・・・方・・・・・(妹尾の事をまじまじと見つめる)」
妹尾武「(村上、黒沢、酒井に向かって)どうもはじめまして。妹尾と申します。」
酒井雄二「こちらこそはじめまして。ところで妹尾殿、奴等が考えている「良からぬ事」というのは、一体何なんですか?」
妹尾武「実は・・・真理殿を殺して、殿と村上殿の動揺を誘おうとしているのです。それどころか、殿が「我が城を戦場にしたくないから向こうに攻め込む」というのも読まれておれますし、この城のどこかに、向こうの家来が忍び込んでいるというのも聞きました。今この状態も、監視されているかもしれません。」
村上てつや「姉貴を殺して俺たちの動揺を誘うだと・・・ふざけるな!!ちくしょう・・・あのヤローどこまで卑劣なんだ・・・。」
妹尾武「向こうは、真理殿が殺される事により、殿の冷静な判断力が崩れる事もわかっています。殿の判断力は、我々にとって一番大事なものですから・・・・。奴等は、真理殿が1人になった時を狙いに来るようです。(真里に向かって)絶対1人にはならないでください。お願いします。」
佐々木真里「(いつも以上に真剣な面持ちで)わかりました。」
酒井雄二「さて・・・あとは、どう攻めるかですね。真理殿と薫殿を2人きりにしないで、この城を戦場にしない・・・つまり向こうに攻め込む。結構難しそうですね・・・。」
黒沢カオル「あ・・・あのぉ・・・」
村上てつや「n?」
黒沢カオル「私も戦います。」
佐々木真里「薫ちゃんが戦うなら私もやります。」
北山陽一「真里!(驚いて立ち上がる)」
佐々木真里「いいでしょ。足は引っ張らない。自分の身は自分で守りたいの!」
北山陽一「い、いやそうじゃなくて・・・・・」
安岡優「あなたは狙われているんですよ!小林の刺客もすでにこの城のどこかに潜り込み、あなたが一人になる時を待っているはずです。それに、殿の心情もお察しください。あなたが狙われるのも、愛する妻を想う気持ちに付け込み、殿の冷静な判断力を掻く為でございます。あなたに危険が及ぶと、殿も危険に陥ってしまうのですよ?」
佐々木真里「でも…。私だけ守られるのは…。せめて殿のお側に置いて下さい。」
北山陽一「真里・・・・・・・私がお前を守るのは、義務でもなんでもないんだぞ?私がそうしたいからなんだ・・・わかって欲しい。それにそんな身体で・・・・・」
村上てつや「そんな身体って…(真里をみて気がつく) まさか姉貴? 」
黒沢カオル「こ・・・子供が・・・?!」
佐々木真里「・・・そうなの・・・・・。」
村上てつや「何でそういう大事な事を言わねぇんだよ。無理がたたって流産しちまったら、どうしようもねぇんだぞ。」
佐々木真里「だって・・・・・」
酒井雄二「まあまあ村上さん、真里殿の気持ちもわかってあげてくださいよ。この状況を考えたら、言おうにも言えなかったんでしょう。」
安岡優「問題はこのあとなんですよね。真里殿と薫殿をいかにして守るか・・・。」
村上てつや「いかにもなにも、このまま城で待ってたら危険なんだろ?だったら連れて行くしか・・・・」
北山陽一「それだけはダメだ!真里をあんなところへ連れていくのは危険すぎる!!」
安岡優「殿、考え直してください。このままでは真理殿だけじゃなく、城の者全員がやられてしまいます。つらいですけど、ご決断を・・・」
北山陽一「・・・(考え込む)・・・・わかった、行こう。妹尾、お前は再び奴の城へ忍び込んでおいてくれ。そして私たちが危なくなったら、助っ人を頼む。」
村上てつや「部下を全員倒す必要はない。どう考えても無理だ、強行突破し小林に近づく。これがやらなければならない目標な?」
北山陽一「ああ、雑魚にかまうな、鬼の首だけ取れってことだな」
妹尾武「いつ小林殿の城に忍び込みましょうか?」
北山陽一「夜明け前がいいと思うが、どうだろうか?」
妹尾武「わかりました。」
北山陽一「じゃあ夜明け前で決定だ」
酒井雄二「それじゃ、夜明け前にそなえて休んでおきましょうか。」
北山陽一「その前に真里、お前に言いたいことがある。ちょっと来てくれ。(真剣な顔)・・・あっ、みんなは休んでいてくれていいよ。」
ト書き「そう言うと、北山は、真里を連れて別の部屋に入っていった。」
村上てつや「(不安そうな薫の頭をぽんぽんする)大丈夫だよ。今日はゆっくり休もうぜ?」
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