-ゴスドラマ過去ログ:13201-13300-
村上てつや「ど〜した?・・・・・・・黒沢?」
黒沢カオル「これ・・・この感じ・・・・間違いない!あの指輪だ!!」
村上てつや「やったじゃねぇか、黒沢。良かったな!」
黒沢カオル「うん!」
村上てつや「(しっかし、何でミッドナイトシーフの奴が黒沢の形見の指輪の事を知ってんだ?・・まさか・・・ミッドナイトシーフは俺達の身近な人物なのか・・・?そう考えれば、今回の事も、俺の事を知ってた事も、すべて納得がいくんだが・・・。)」
黒沢カオル「てつ?どうしたの、難しい顔して。」
村上てつや「あっ、いや・・・・・(っていうかお前目、見えないだろ。俺の顔がわかるわけねーっつーの。)」
平見文生「すいません。こちらに来ればいいと言われたのですが・・・・・・あー!その指輪!!どうしてあなた達が持ってるんですか!?」
村上てつや「・・・って事は、あんたがミッドナイトシーフに物を盗まれたって人か。(もしも真里さんの言ってた噂が本当なら・・・・)あんたに聞きたいんだが、あの指輪、どこで手に入れたんだ?」
平見文生「ギク!!それは・・・・ちょっと・・・・・・・・・・」
村上てつや「言えないようなルートで入手したのか・・・・。(真里さんの言ってた事、間違いじゃなさそうだ)あんたには悪いんだけど、これはもともとあそこにいる黒沢の物なんだ。あいつにとってすごく大事な・・・大切なものでもある。こればっかは諦めてもらいたいんだが・・・・」
黒沢カオル「この指輪は親の形見なんです。返して下さい、お願いします。」
平見文生「・・・・わかりました・・・。」
村上てつや「(ヤケに素直だなぁ・・・)」
ト書き「不正なルートで手に入れたため、ここで素直に従っておくのが賢明と考えた平見。」
村上てつや「(小包を見て)なんも出ないだろうけど・・一応鑑識にまわすか・・・。」
黒沢カオル「そうだね。でも…、なんでミッドナイトシーフが俺の探してた指輪を知ってたんだろう?」
村上てつや「黒沢・・・だれかに指輪のことをしゃべったことがあるんじゃねぇか?」
黒沢カオル「しゃべったことがあるのはぁ〜・・・あの3人だけだよぉ。うん。村上がいないとさぁ〜他にこういう事話せる人いなかったから。」
村上てつや「あの3人って・・・北山たちか!?」
黒沢カオル「うん。あぁ〜そういえばこの間俺のことばっかりで、紹介もしなかったね。でも話はしてあるんだぁ、村上っていう同級生がミッドナイトシーフを捕まえるために来るんだよぉ〜って。」
ナレーション「黒沢さん、いくらなんでも喋りすぎですよ・・・。ホラ、村上さんが・・・(頭を抱えてため息をついている村上を指差した)」
黒沢カオル「えっ?てっちゃんがどうしたの?見えないよぉ〜ナレ、教えてよぉ〜」
村上てつや「(もしやあいつらがミッドナイトシーフ?まさかな・・・)」
黒沢カオル「ちょっと〜、わかんないよ。オレ、なんかまずい事言ったかなぁ?」
ナレーション「かなりマズイことに気づいていないアナタはさすがです!」
黒沢カオル「え・・・?それどういう意味・・・?」
村上てつや「(黒沢・ナレを無視して)いや、でもそう考えれば・・・。」
黒沢カオル「なんなのさ〜?」
村上てつや「(…どうする?でも勘のいいあいつらのことだ、カマをかけようものならかえって警戒されちまって、動きが鈍くなるだろう。とにかく、何とか決定的証拠をつかまないと…。)」
黒沢カオル「どうかしたの?」
村上てつや「(う〜ん、どうしよう。)」
黒沢カオル「てつってば、どうしたの?」
ト書き「そのころ、北山、安岡、酒井達はと言うと・・・」
安岡優「指輪、ちゃんと黒沢さんに届いたかなぁ・・・?」
酒井雄二「大丈夫でしょう。あそこまでがんばったんですから。」
北山陽一「指輪は黒沢さんに届いてるでしょうから・・・・・大変なのはこれからですね。」
安岡優「どうして?」
北山陽一「”なぜミッドナイトシーフが指輪の事を知ってるんだ”って事になるから。村上さんは、「黒沢さんが指輪の事を話した人物」と特定するでしょうから、当然黒沢さんから話を聞くでしょう。「誰かに指輪の事を話さなかったか?」ってね。」
酒井雄二「話し相手程度の我々にだってペラペラ喋るんだから、村上さんには当然・・・・っていう事ですか。」
北山陽一「そういう事。話を聞いた村上さんは、決め付けるまではいかなくても、怪しいと思うでしょうね。だから、今まで以上に気をつけないと・・・。」
一般人(男)「すいませ〜ん!」
北山陽一「はーい!(店の方へ行く)いらっしゃいま・・・・黒沢さん!?・・・と、村上さん・・・・ですよね?(噂をすればなんとやらですか・・・)」
黒沢カオル「その声は北山だね。・・・・この前は、俺等の私情ばっかで何も出来なかったから、今回改めて村上の事紹介しようと思って。村上にも北山達の事紹介したいし、なにより村上本人が会いたいって言ってきたからさ。」
北山陽一「(やっぱり・・・。村上さんの狙いは紹介がてらの探り・・・・)わかりました・・・。(奥の部屋に向かって)雄二、ヤス、来てください!黒沢さんです!」
村上てつや「(やっぱりそうかな…?)」
酒井雄二「分かりました。(バレなきゃいいんですが・・・・)」
安岡優「は〜い!(大丈夫でしょ)」
村上てつや「お前ら、なにやってんだ?」
安岡優「いっ、いや、にゃんれもにゃいよ(噛み噛み・焦)」
北山陽一「(何が大丈夫なんですか。めちゃくちゃ動揺してるし・・・まったく。)ほんとに何でもないですよ。ヤスは不意に声をかけられるとびっくりするんですよ。」
安岡優「//////////」
村上てつや「何そんなに慌ててフォローしてんだよ(笑)どうってことないだろ、噛むくらい。まぁ、かなり激しい噛みっぷりだったけど(笑)あっ、俺の質問に答えてよぉ〜ここで何「売ってるか」聞いただけだろ?「何屋さん」なのかさぁ〜」
酒井雄二「見てわかるでしょう。雑貨屋ですよ。」
村上てつや「ふ〜ん。」
ト書き「で、雑貨屋って何売ってんの?と尋ねる村上てつや・・・・」
黒沢カオル「村上にそんなこと求めたって無理だよぉ〜雑貨屋さんが何売ってるかなんてわからないよ?ねぇ?」
安岡優「それよか、何か買ってってくれるんでしょ? 『お客さん』なんだしさ。ん〜と……現代人の目を癒そうってふれこみのアイピローとかどう?」
黒沢カオル「・・・・・・・・・・・・・・・・・俺の目は・・・癒さなくてもいいんだぁ・・・・」
ゴスペラーズ「(黒沢以外)それは・・・・・・・」
村上てつや「黒沢・・・この前来た時、こいつ(北山)がお前の目を治すのは無理だって言ってただろ?あれは、嘘じゃなかったんだ。こいつ・・・事故のせいで、もうメスが持てないんだよ・・・・。生活には異常ないらしいんだが・・・・」
北山陽一「!!どうしてそれを・・・・。なんであなたが知ってるんですか!?」
村上てつや「真里さんから聞いたんだよ・・・・。俺等と真里さん、けっこう仲良くてさ。はじめてここ来た日の帰りにばったり会ったんだ。まさか、お前とも知り合いだったなんてな・・・・・。」
黒沢カオル「ごめんてっちゃ・・・・みんな・・・なんかぐちっちゃったぁ、てへ。」
ナレーション「(黒沢さん・・・誰もあなたの愚痴を聞いてないんですぅ・・・ゴシュしゅ!?ご愁傷様ぁ(大汗))」
ゴスペラーズ「(な・・・ナレ?みんな聞いてたよ?だから「それは・・・」っていう台詞になったんだよ?だから「事故で無理なんだ」っていう話になったんだよ・・・多分・・・・)」
北山陽一「(この部分引き伸ばすわけにもいかないから進めましょう。)・・・そういえば、まだ村上さんに紹介してませんでしたね。そっちの背が高くてもじゃもじゃ頭なのが、一番年上の酒井雄二。こっちの金髪で、さきほど激しい噛みっぷりを見せたのが一番年下の安岡優。で、僕が知っての通り北山陽一です。どうぞよろしく。」
村上てつや「こっちこそよろしく。俺の事は黒沢から聞いてるんだろうけど・・・一応言っとくか。黒沢と同級生だった警部の村上てつやです。現在は黒沢と一緒にミッドナイトシーフの事件を取り扱っています。(これを言われてどう反応するかな・・・?)」
安岡優「・・・・・・・・・・・・警部・・・あっ・・あぁ〜そういえば、言ってたよね、黒沢さんも。警部だって。(余計なことを言ってしまう)」
村上てつや「(にやり)俺はミッドナイトシーフを許さない、たとえ自分たちを正義の味方だと思っていても、本当にそうだとしても、それで不幸になった、何かを失った人間がいることを教えてやる・・・捕まえて、こいつの目を治させてやる。」
安岡優「ふっふ〜ん、がんばってね。」
北山陽一「(調べてるな・・・俺たちが不正ルート物しか扱わない事まで・・・くそ・・やばい・・・・・・)」
村上てつや「(早く決定的なボロを出せ)・・・。」
酒井雄二「(もしかして今、スッゴク危ない状態??てことは)ヤスッ、ちょとちょと。>コソコソ」
安岡優「え?なになに?」
酒井雄二「ごにょごにょごにょ…(ナイショ話)。」
黒沢カオル「ぼ〜・・・(店の中を散策中。しかし、目が見えないため、商品に当たってころぶ)ドスッ!!・・・・・・(泣)」
村上てつや「黒さわぁ〜〜もう大丈夫かよぉ〜〜あっ、お前トイレ大丈夫か?(そんなことまで・・?)」
黒沢カオル「大丈夫だよぉ。もう子供じゃないんだからさ。ところで、トイレどこ?(やっぱり炸裂)」
村上てつや「この間トイレ行くって言って結局迷ったのはお前だろうぉ?もらしたらやべぇだろうが、でどこ?(北山に)」
安岡優「(話に割り込む)あ、その戸棚の奥。僕が連れてってあげるよ。」
黒沢カオル「ありがと。ごめんねぇ、迷惑かけちゃって。」
安岡優「いいっていいって。(と、酒井に目くばせをして、黒沢をトイレに連れて行く。)・・・ゆっくり、歩いていいから、足元、気をつけてね。」
村上てつや「・・・・・あいつら、黒沢が探してきたものを送ってきたんだ、罪滅ぼしのつもりなのかどうかは知らないけどな。でもあいつの目はもうなにも映さない・・黒沢はいつも笑ってるけど、すっげぇ辛くて恐いんだよ。これからどうなるのか、自分が生きていけるのか・・・その恐怖をあいつらは知らないんだ・・・」
酒井雄二「(感心する。)・・・やさしいんですね。村上さん。」
村上てつや「どうかな・・・あいつらの事情なんて理解してはやれない。俺は黒沢のことしか心配してねぇ・・・同じ苦しみをあいつらも味わえばいいと思ってるんだから、優しくはないだろうな。」
酒井雄二「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(そうだ・・よな・・・・理不尽に目を・・・そう思って当然だよな・・・・)」
北山陽一「(優しく微笑む)『友達思い』って、言うんですかね。そういうの。黒沢さんが村上さんの話をするときも、すごくいい顔してて・・・。2人がうらやましいですね。」
酒井雄二「・・・・・・・・・・・・・(俺のせいで・・・(しゅん))」
北山陽一「(村上に気づかれないように、酒井の背中をポンポンっと叩く)」
村上てつや「俺にだって黒沢の痛いところまで全部分かってやれない。あの時、あいつをひとり残していったことも、凄く後悔してる。・・・ずっと友達なんだ。俺が分かったやって、守らなきゃいけないんだ!・・・そう決めた。」
北山陽一「村上さんはすごいですね。黒沢さんだって、目が見えなくなったのに刑事を続けてるんだし。それくらべて僕は・・・・・」
酒井雄二「陽一・・・・・・(まだ根に持っているのか・・・?あの事を・・・)」
村上てつや「お前も、メスが持てなくなったぐらいで、やめなきゃよかったのにな・・・。(そしたらこんな事をする事も・・・・・)」
北山陽一「ご心配なく。僕は、大学を辞めた頃は後悔してましたけど、今は全然後悔してません。この生活が好きですし、やめたおかげで雄二やヤスと出会えたんですから。」
村上てつや「(こいつ・・・・・)」
ト書き「村上を見つめる北山の目には、後悔している様子は無く、”あなたには捕まりません”と言わんばかりの自信にあふれていた。」
黒沢カオル「(安岡に連れられて戻ってくる)てつ、ごめんね。・・・話は終わった?」
村上てつや「おう、一応な。」
ト書き「村上は、「じゃあな!」と一言言い黒沢を連れて店を出た。その時北山を見つめ、”絶対お前らを捕まえてやるからな”と目でうったえた。北山もそれを理解したのか、”出来るものならね”と目で返した。」
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