-ゴスドラマ過去ログ:6601-6700-
北山陽一「そんな顔しないの、村上センセ」
村上てつや「〜〜〜・・・んじゃあ、俺が聴診器で診察する・・・」
北山陽一「背中ですよ!背中!聴診器をあてるのは、背中ですよ!」
村上てつや「〜〜〜・・・わかってるよ・・・」
ト書き「ふぅーっと安心のため息をもらす、他4名」
効果音「ピピピピピッ・・・・」
安岡優「あ、センセ。鳴ったよ・・・はい。」
北山陽一「はい、お疲れさま。」
効果音「ジャジャジャ〜ン!!!!」
村上てつや「(どうした??北山??)」
北山陽一「(な、何でもないですよ。)平熱通りだね。」
安岡優「今日は、本当にイイ天気だね・・・。」
北山陽一「うん、そうだねェ・・・。ホントにイイ天気だね。」
安岡優「こんな日には、みんなでどこかに行きたいな・・・」
黒沢カオル「俺弁当作るよ。」
村上てつや「よし、俺が許す!」
北山陽一「ほへ!?今、何て??」
酒井雄二「俺が許す、とか。」
北山陽一「い、いいんですか?許しちゃって・・・そりゃあ、僕も行きたいけど・・・」
村上てつや「うっし、車椅子借りてくるぞ。」
効果音「ドタドタバタン!!」
黒沢カオル「あぁ〜。行っちゃたね。」
ナレーション「酒井さん、もう喋ってもよろしいでしょうか??」
酒井雄二「あぁ、小学生みたいなこと言わなきゃね。」
ト書き「こうして着々と準備は整っていった。」
ナレーション「その間安岡の目にうっすら涙が浮かんでいた。」
村上てつや「車よしっ!!車椅子もよしっ!!お弁当は??」
黒沢カオル「大丈夫だよぉ〜!!ちょっと、作りすぎたけどね。」
酒井雄二「作りすぎても、俺が食う!」
安岡優「ワクワク!!楽しみだなぁ〜〜。」
ゴスペラーズ「(安岡以外)こんなはしゃいでるの久し振りに見るな。」
安岡優「でも、なんでそんなに大荷物なの?」
村上てつや「気にしない、気にしない!今日は楽しくやろうぜ!な?」
北山陽一「俺も楽しくやりたいけど、無理はするなよ?苦しくなったらいいなさいよ?」
安岡優「うんっ。」
黒沢カオル「じゃあ行こうか!」
酒井雄二「でも、だれが運転するの?・・・あ、も、もしかして・・・」
黒沢カオル「オレオレ!!俺だよぉ。」
村上てつや「俺が行く。」
酒井雄二「免許持ってないからね・・・黒沢さん。」
北山陽一「危険なドライブだ・・・。」
ナレーション「こうして、一行は村上先生の運転でピクニックに行った。」
安岡優「うわ〜・・・きれい!見て見て!あの川!魚がいっぱい!」
酒井雄二「空気が旨いねぇ・・・。」
北山陽一「・・・・・・・。」
黒沢カオル「どうしたんですか?先生」
北山陽一「いえ、ちょっと気分が・・・、」
村上てつや「医者の不養生かぁ?」
北山陽一「そうかもしれません。」
ト書き「実は安岡が心配で気が気でない為なのだが、北山は言わないでおいた。」
酒井雄二「はいっ、ご飯がたべたいです!」
村上てつや「そうだなぁ。飯にするか。」
北山陽一「・・・・・・」
安岡優「先生、ホントに大丈夫?」
黒沢カオル「大丈夫…じゃなさそう…」
ト書き「そんな北山に、村上が耳打ちする。」
村上てつや「ヒソヒソ・・・バカ。変に意識すんじゃねーよ。いかにも怪しいだろーが。」
北山陽一「ヒソヒソ・・・で・・・でも、俺。」
酒井雄二「先生、本当に大丈夫ですか?村上先生・・・。」
村上てつや「あ?だーいじょーうぶ!大丈夫だから、気にすんなよ。」
黒沢カオル「・・・ならいいんだけど。」
効果音「ぽつ・・・ぽつぽつ・・・」
安岡優「あぁ・・・雨だ。」
酒井雄二「ホントだ。優ちゃん、濡れるといけないから、車の中に入ろう?」
ト書き「雨がだんだん強くなってきた」
酒井雄二「急げ!優ちゃん!」
安岡優「はぁっ…はぁっ……あぅっ!。」
ト書き「濡れた草に足をとられ、安岡は転んでしまった。」
村上てつや「お嬢っ!」
黒沢カオル「優っ。」
酒井雄二「優ぁ!」
北山陽一「優!」
ト書き「一番近くにいた北山が、優に駆け寄る。」
北山陽一「大丈夫かっ!?」
安岡優「うん、これくらい…。」
効果音「嫌に響く心臓音。」
北山陽一「早く車の中に戻らないと。」
安岡優「うっ……うん。そう…だ…・・ね。」
村上てつや「お嬢?」
ト書き「安岡は北山に身体を預けたままぐったりしてしまった。」
村上てつや「北山っ、何やってる早くこっち連れて来い。」
北山陽一「手ぇ貸して下さいっ。」
村上てつや「なっ・・・。」
ト書き「村上・北山の二人は車内へ安岡を運び込んだ。」
北山陽一「すいません、誰か医療バックとってきてくれませんか。」
村上てつや「ついでに毛布とタオルケットも要るな・・・おい、脱がすぞ」
酒井雄二「後ろのスペースか・・・?」
ト書き「妙に重い鞄と毛布一式を、酒井は村上らに渡した。」
黒沢カオル「優ぁ、優・・・。」
北山陽一「(落ち着け北山!こういうときはどうするんだ……!)」
村上てつや「おい、アルコールと綿とってくれ。」
北山陽一「は、はい。」
村上てつや「お嬢・・・聴こえてるか?聴こえてたら手を握るんだ。」
ト書き「村上はそう言って、自分の手を握らせる。」
安岡優「う・・・。」
ト書き「弱々しくも、村上の手が握り返された。」
村上てつや「よし、もうちょっと頑張れ。」
酒井雄二「何も出来ないんだな・・・こんな時。」
村上てつや「そんな事ないぞ。心配なら手でも握っといてやれ。」
北山陽一「呼吸器」
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