-ゴスドラマ過去ログ:13801-13900-
黒沢カオル「頭使う・・・・えい。(村上に頭突き)」
効果音「ごん。(よく見えてないのに加えて、身長差もあり、村上の鼻にヒット。)」
村上てつや「ぶっ!・・・・て、てめぇぇ!!(ごんっと真里に殴られる)っぅぅ〜〜・・・・な、なにすんだよぉ〜〜(鼻と頭を押さえている)」
佐々木真里「てっちゃんっ!黒沢さんに無理なことを言わないのっ!!」
ト書き「それに、こんな時にケンカしないの、と2人をちょこっと小突く。」
村上てつや「(かわいこぶっちゃって・・・。)」
佐々木真里「・・・・・・何かいったかしら?・・・村上君?」
村上てつや「何でもありませぇ〜ん♪(・・・独り言も言えねぇよ)」
佐々木真里「・・・それで、黒沢君。その”Promised Lake”があるっていう森はどこだか知ってるの?」
黒沢カオル「ううん・・・。その時は、『この近くの森のどこか』としか言ってなかった。多分話をした時は、3人も知らなかったんじゃないかなぁ・・・・。この近くの森って言うけど、3つか4つぐらいはこの付近にあるし、その中のどれかってわかっても、その森のどこにあるかもわからないしね。」
佐々木真里「そっかぁ・・・・・それならやる事は1つね・・・。村上君、3人が住んでたところに行くのよ。その湖に関する資料が残ってるかもしれないわ。」
村上てつや「よし、決まりだ。黒沢、また飛ばすから酔うんじゃねぇぞ。(車に乗りこむ)・・・真里さんも行きますか?北山に会えるかもしれないですよ。もちろん、酒井や安岡にだって。」
佐々木真里「・・・・・行くわ。」
ト書き「車に乗りこむ真里。その顔はとても真剣だったが、どこか悲しさを漂わせていた。そんな真里をミラー越しに見た村上は、大きく深呼吸をし、3人がいた店へと急いだ。」
黒沢カオル「(途中)・・・あ・・・あのぉ・・うっぷ・・・真里さんが運転してくれるとか・・・うぅっ・・・いうのは・・・・(おずおずと提案。)」
村上てつや「我慢しろ!もう着く!(かどを曲がりいきなり急ブレーキをかける)・・・着いたぞ。(車から降りて)黒沢は車ん中で待ってろ。目見えないんだし、その状態じゃあどのみち無理だろ。・・・真里さん手伝ってもらえませんか?俺1人じゃつらい部分もあるし。」
佐々木真里「(村上の荒い運転に疲れぎみだが)わかったわ・・・・・。(車から降り、村上と一緒に店の中へ入っていく)」
黒沢カオル「ふぅ〜・・・(どうやら落ち着いてきた様子。自分の指にしてる形見の指輪を見て)3人が取り戻してくれた指輪・・・・。北山・・・・酒井・・・・安岡・・・・どこにいるんだよ・・・・・。(上を向き、3人との会話を思い出す。何か手がかりはないかと思いながら・・・・)」
村上てつや「(店の奥にあるリビング)・・・結構きれいに片付いてんなぁ〜。(各部屋を見てまわる。機材だらけの部屋、マンガばかりの部屋、ゲームばかりの部屋と、どの部屋もかなり個性的)誰の部屋だかすぐわかるな・・・・。」
ト書き「そして誰の机にもあるのが一枚の施設の頃の写真、その中に幼い頃の、スポーツ刈りな自分を見つける村上。」
村上てつや「あの頃の写真・・・・・(写真を手に取り)もしかしたら、北山あたりは気付いてたかもな・・・・。この頃からどこか不思議な奴だったし・・・・・。」
ト書き「雰囲気は変わってないな、と思う村上。何でも見透かしてそうな目を持つ北山。いかにもやんちゃという感じの安岡。物静かな雰囲気を出す酒井。「写真も今も何にも変わってないな」としみじみと感じる。」
村上てつや「(部屋を移動する)ここは北山の部屋・・・・。あいつの部屋なら何かありそうなんだけどなぁ・・・・・。(机に立ててあるものを見る)ん・・・?ダイアリー・・・・日記か・・・?(日記帳を手に取り読み始める)これは・・・・・」
ナレーション「その日記には、ミッドナイトシーフの活動状況をはじめ、警察の捜査状況やそれまでの戦術、黒沢とした会話の内容、酒井と安岡の状態などなど、その日1日のありとあらゆる事がびっしりと書かれていた。」
村上てつや「自分よりも他人を第一に考える・・・・どんな時も手を抜かない・・・・・あいつがどんな奴なのか物語る日記帳だな・・・・・。(ページをめくる)この日・・・俺の事が書いてある・・・・・。初めて会った日か・・・・・。」
北山陽一「(日記)村上てつやとの初勝負。ターゲットは”誓いの指輪”・・・・黒沢さんの言ってたとおり、なかなかの切れ者。でも、どこか懐かしい気がする。まだ画面越しだからよくわからないけど、実際に会ったらその理由がわかるかもしれない。」
ト書き「数日後の日記にその理由は「施設にいたときの友達に似ているからだっだ」とかかれ、村上の前の話がつらつらと書かれ、てつは今何をしているんだろう?会いたいな・・・と締めくくられていた。最後まで気づきはしなかったようだ。」
村上てつや「あいつなら、すぐに気付くかと思ったんだけどな・・・。やっぱり気付かなかったか。ふぅ(溜息)」
佐々木真里「どう、何か手がかりはあった(と言いつつ中に入ってくる)」
ト書き「そうだよなぁ〜・・・グラサンかけてるから、目も見えないし、苗字も違うもんなぁ・・・なんて思っていると、急に真里が後ろから声をかけてきた。」
村上てつや「い、いや・・・(動揺しているのか、声が裏返る)黒沢が待ってるから、車に戻ろう(そう言いながら北山の日記と写真をこっそり持ち出す)」
佐々木真里「ちょ・・・っと・・・・・・手がかり見つかったの?私が見つけたのだけでいいの?」
村上てつや「・・・いいよ・・・」
佐々木真里「ねぇ・・ちょっと、どうしたの?変よ?」
村上てつや「何でもないって。早く黒沢の所へ戻るぞ。」
佐々木真里「・・・・・・・(車に戻ろうとしている村上の後ろ姿を見て、怪しいと感じる)村上君!何を隠してるの!?」
ト書き「真里は村上に向かって叫び、彼の背中に飛びついた。驚いた村上は、その拍子に北山の日記を落としてしまった。」
佐々木真里「・・・!!それ・・・北山君の日記・・・・・?(村上を睨む)どうして隠したりするのよ!!」
村上てつや「・・・これは・・・・あいつ等のためにも・・・・真里さんのためにも・・・・・・見せたらいけないんだよ!!」
佐々木真里「どうしてそんな事わかるの?私が見たら何かいけない事でもあるの!?」
村上てつや「あるから言ってんだ!!(日記を拾う)・・・真里さんがこの日記を見たら・・・・本当の事を知ったら・・・・・間違いなくあいつ等から離れる・・・・・いや・・・記憶から消そうとするかもしれない・・・・・・・・。」
佐々木真里「本当の事を知ったら・・・・・?まだ何か隠してるのね・・・・。(何かを決心する)いいわ、話してちょうだい。どんな事を話されても、私は絶対北山君達を裏切らないわ。約束する!」
村上てつや「でも・・・・・・・・・」
黒沢カオル「いいじゃん、てつ。話してあげよう。俺達以上に北山の事を大事に思ってる真里さんなんだから、きっと受け入れてくれるよ。」
村上てつや「黒沢・・・・・わかった。(真里の目を見つめる)真里さん、どんな事を聞いても、あいつ等を裏切んなよ。あいつ等・・・・とくに北山にとって真里さんは、酒井と安岡、そして俺等以外に唯一心を開いてる人なんだから・・・・・。」
佐々木真里「わかったわ。絶対裏切らない・・・・。さあ、話してちょうだい!」
ナレーション「村上と黒沢はうなづき、話を始めた。3人がミッドナイトシーフである事、盗んだものは元の持ち主に返している事、施設で育った事・・・・などを話した。真里は話が終わると、うつむいて、ただただ涙を流しつづけた・・・・。」
佐々木真里「・・・・・・。」
村上てつや「・・・・・・・・・・あいつらを開放してやりたいんだ・・・俺・・・・」
佐々木真里「えぇ・・・・それができるのは村上君だけだわ・・・・・・村上君も本当に大変だったのね・・・・・・知らなかった・・・ただの目が細くて、柄の悪いスケベ野郎だと思ってたわ。」
村上てつや「・・て、てめぇ・・(拳を握りしめている)!・・・ま、いいや。ありがとな、真里さん。」
佐々木真里「えっ?私なんか悪いこと言った?(本気)さ、行きましょうか?私の運転で。」
ナレーション「黒沢の天然ぶりが真里さんにも移ったらしい・・・。」
村上てつや「・・・・・・・・・・そ、そんなに運転下手か?俺・・・・」
黒沢カオル「うん。(素直に)」
村上てつや「そんなにはっきり言わなくても・・・・・っと、そんな事に落ち込んでる場合じゃない。北山の日記になら、湖の場所が書いてあるかも・・・・・。」
ト書き「日記を開き、湖の事が書いてある場所を探す村上。」
村上てつや「・・・・・(黙々とページをめくる)・・・・あった!えーと・・・なになに・・・・・ようやく”Promised Lake”がある場所を見つけた。湖がある場所・・・それは・・・・・・」
北山陽一「(日記)それは、この近くにある”永遠の森”という森の中。湖への行き方もわかった。森の一番奥に川が流れている洞窟がある。そこからボートに乗り洞窟の中を進むと、川が湖に繋がっているらしい。『箱舟に乗った者を、天国まで導く』・・・・これを知った時にはそう思った。」
ト書き「「もうすぐ雄二とヤスと3人で、その天国に行くことになるであろう・・・。」・・・・そのページの最後は、そう締めくくられていた。」
村上てつや「”永遠の森”・・・・真里さん、”永遠の森”だ!急いで向かってくれ!」
佐々木真里「わかったわよ!・・・だからさぁ・・・鍵渡してくれません?(怒)鍵がないと車運転できませんけども?(怒)」
村上てつや「あっ!!わりぃ。ほいっ(っと言って鍵を渡す)」
黒沢カオル「出発しんこー!!」
村上てつや「・・・・・・・・・・・・・・急にガキになったな。まぁ、脳みそは前からガキか。(ぼそ。」
黒沢カオル「なっ!ガキって、俺てつと同い年じゃん!!てつの意地悪!!早く行こう、真里さん!!」
佐々木真里「・・・・・・・・・・大丈夫、2人ともガキよ。(しれっと言って、車をスタートさせる。)」
村上てつや「おい、黒沢ぁ。いつまでもふてくされてるんじゃねーよ。もうすぐあいつ等に会えるかもしんないんだぜ?って言ってもまだまだだけどよ。(窓の外を見ながら静かに言う)」
黒沢カオル「無事でいてくれ・・・・」
村上てつや「俺は・・・あいつらがうらやましいと思ったよ。ずっと仲良くてさ・・・4人で結構つるんでたから、俺だけ置いてきぼりくらったみたいでさ。」
黒沢カオル「てつ・・・・・・・・」
村上てつや「ま、でもお前がいるからな。な、黒沢。」
ト書き「だからこそしょっくだった。あの時「村上が敵にまわったとしても、俺はあの3人を・・・」そういわれたとき。」
佐々木真里「向こうも同じかもしれないわよぉ?久しぶりに再会した、兄弟のような人にはもっと大事な友達ができていた。男同士だからちょっと気持ち悪いけど、でも少しは「とられちゃったなぁ」って思ったりするかもしれない。顔には出さなくてもね。」
黒沢カオル「・・・3人に会ったら、まず何を言ったらいいんだろう・・・・?謝るのが先かなぁ・・・・・」
村上てつや「どうなんだろうな。会った時、自然に出た言葉でいいんじゃねぇの・・・・?」
黒沢カオル「・・・・・てつは・・・?てつは3人に会ったら・・・まずなんて言うの・・・・・?」
村上てつや「さぁな・・・。でも・・・あいつ等の気持ちが分かるのは俺ぐらいだから、俺がしっかりしないと・・・・俺が説得しないと・・・・とは思ってる・・・・・。」
黒沢カオル「・・・・・・・・・」
ト書き「しばらく沈黙の時間が続く。すると、いきなり車が止まった。」
佐々木真里「着いたわよ。ここが、”永遠の森”。」
村上てつや「ここが・・・・(車を降りる)・・・でっかい森だなぁ。洞窟のある一番奥まで行くのにどれくらいかかるんだっつーの。」
佐々木真里「う〜ん・・・・(案内板を見ている)一般の人が入ってもいい範囲の一番奥は、ここから15分から20分なんだけど・・・・。」
村上てつや「(真里の隣に行き案内板を見る)・・・洞窟があるのはたぶん、この一番奥にある立入禁止の先。案内板にものってないから、どれだけ時間がかかるのかわからない・・・・・そういう事だろ?」
佐々木真里「うん・・・。確かこの森、この立入禁止の先は自然保護区のはずなの。1年の内、人が立ち入るのなんて数えるだけしかないわ。」
村上てつや「なるほど。検査か何かのために入ったとしても、せいぜい周辺がいいとこ。洞窟がある奥には、絶対人が来ることはない・・・・誰にも見つかってないわけだ。」
佐々木真里「とりあえず立入禁止のとこまでで20分。そこから先・・・自然保護区に入ったら、道って言う道は無いし、洞窟がどのあたりなのかもわからない。どれだけ歩くかは、神のみぞ知る・・・・・。」
村上てつや「そっか・・・1時間以上は覚悟しないと・・・・・。黒沢!お前は覚悟出来てるよな?」
黒沢カオル「もちろん!!」
村上てつや「・・・真里さんは?女だし、1時間以上歩くかもしれないって考えると、ここで待ってた方が・・・・・・」
佐々木真里「大丈夫よ。覚悟は出来てるわ。行きましょう、村上君・・・・。」
村上てつや「・・・わかった。それじゃあ行くぞ。」
ト書き「3人は森の中へと入っていった。村上は黒沢の手を掴み、しっかり彼をリードする。その後ろから、遅れを取らないよう真里が着いていく。」
黒沢カオル「・・・て、てつぅ・・・何か変な鳥の声とか聞こえるんだよぉ・・・。バ、バケモノとかいるんじゃない・・・?」
村上てつや「お前、敏感だなぁ・・・。俺には風の音にして聞こえねぇけど。」
黒沢カオル「「目が見えない分、聴力が発達した。」って北山に言われたことがあるんだ。だからかなぁ。」
村上てつや「なるほど。それにしても・・・さすがに化け物は出ないだろう・・・(汗)」
佐々木真里「それにしても・・・だんだん周りが暗くなっていくわね・・・。」
村上てつや「ああ、そうだな。あいつら、どんな気持ちでここを通ったんだろう・・・?おい、黒沢、しっかり俺の手を握っていろよ。・・・(それにしても今頃あいつらは「天国へ流れ着いて」いるのか。俺らはあいつらの居る「天国」まで辿り着くことができるだろうか)」
ト書き「村上の言葉に黒沢はぎゅっと手を握り返した。周りが暗くなったのに黒沢も気付いた。」
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