-ゴスドラマ過去ログ:14801-14900-
黒沢カオル「どうしよう・・・。だいじょうぶかなぁ??陽一。」
村上てつや「とりあえず、少し様子を見てみないと・・・。」
黒沢カオル「そうだね・・・。陽一のことだから大丈夫だとは思うんだけど・・・・・・やっぱり心配だな・・・。」
村上てつや「そうだな・・・・。」
ト書き「口では少し様子を見るとは言ったものの、最近の様子を思い出すと、心配でたまらない村上。」
村上てつや「・・・・とりあえず今日はもう寝る。薫、この事優にはナイショな?近いうちに4人でしっかり話そう。な?」
黒沢カオル「うん・・・優には心配させない方がいいもんね・・・・・わかった。(ベッドに入り)おやすみ、てつ。」
ト書き「そう言うと、眠りにつく黒沢。村上はしばらくの間起きて何かを考えていたようだが、煮詰まったらしくそのまま寝てしまった。その頃北山と酒井は・・・・・・・」
北山陽一「(机に向かい勉強中)・・・Xの2乗・・・・・Yの3乗・・・・・・XイコールYの3分の1だから・・・・・・・ブツブツブツ・・・・・・」
ト書き「机の上に教科書を広げ、明日やる数学の小テストの勉強をしている北山。その彼を邪魔しないように、ベランダから部屋をのぞいている酒井。・・・・1時間後、教科書を静かに閉じる北山。」
酒井雄二「陽一、終わったのか?」
北山陽一「(酒井の声は聞こえてない様子)ふぅ〜・・・・・・・・・(首を軽くまわし、教科書をしまう。すると今度は別の参考書を数冊取りだし、また勉強を始める)」
酒井雄二「陽一、まだ勉強するんですか!?・・・・よ〜いち〜!!体壊しますよ〜!」
ト書き「酒井の声は、ベランダから窓を隔てているため、部屋の中には届いてない。黙々と勉強する北山の手は止まらず、気が付くと夜中の2時をまわっていた。」
北山陽一「(やっと手が止まる)今日はこれでいいや・・・明日に響くし・・・・・(立ち上がりベッドに座る)・・・・ちくしょう・・・・・俺なら勉強しなくても大丈夫だと・・・・?・・人の気も知らないで・・・・・・ふざけるな!!(持っていたペンを力任せに壁へ投げつける)」
ト書き「先ほどの電話の事を思い出した北山。投げつけたペンは当たり所が良かったので、大きい音が出ずにすみ、誰も目を覚まさなかった。」
酒井雄二「陽一・・・。陽一ぃ、ちょっと、ここの窓開けてぇ!(ドンドンドンと窓に体当たりをする雄二)」
北山陽一「あっ!ごめんごめん。(微笑)雄二のこと忘れてたよ。」
効果音「ガラガラッ。(窓を開ける音)」
北山陽一「寒かった?僕、勉強に集中するとダメなんだ・・・。周りの人に気を使えなくなる・・・・・。(うつむく)」
酒井雄二「陽亥」ゥゥゥゥ」
北山陽一「・・・ユウジ、全然構ってやれなくてごめんね。(軽くユウジの頭を撫でる)・・・じゃあ、俺はもう寝るよ。おやすみ。」
黒沢カオル「でづぅ゛〜〜〜〜(眠れない)」
村上てつや「・・・・・・・・・・・さっきから「でづでづでづでづ」うるせーぇーー(げしげしげしげし)」
黒沢カオル「陽一の事が気になって眠れないよーーーー。」
村上てつや「はぁ〜・・・寝たと思ったらこれかよ・・・・まったく・・・・・。そんなに気になるんなら、ちょっと部屋まで行って見てくればいいだろ?」
黒沢カオル「あっ、そっか。じゃあちょっと見てくるね。(ベッドから起き上がる)・・・・てつも行く?」
村上てつや「・・・・しゃあねーなぁ。お前1人じゃ、なんか心配だし・・・・・俺も行くよ。」
黒沢カオル「(微笑)(本当は心配なくせに・・・・・)」
安岡優「コンコン。てつ兄、薫兄、何話してるの?僕の部屋まで声が聞こえてきたけど。もう2時過ぎてるよ。」
黒沢カオル「優起こしちゃった?ゴメンゴメン。(部屋を出て)ちょっと陽一の事でてつと話しててさ。(北山の部屋の前に来て)優は何も心配しなくていいから、もう寝な。・・・・さて。(そ〜っとドアを開け小声で)よ〜いち〜・・・寝てるの・・・・?」
安岡優「(黒沢の後ろから小声で)またそうやって僕を仲間はずれにしようとするぅ〜(ぷっくぅ)・・・僕も一緒に行くもん!(黒沢と共に北山の部屋へ入る)・・・・・陽一兄寝てるよ。」
北山陽一「ん・・・・?・・・う〜ん・・・・・ZZzzz・・・・・・・・・」
村上てつや「(机の上を見る)おい、これ見ろよ!すっげぇ数の参考書だ。(いくつか取って中をペラペラめくる)・・・!!薫・・・これ・・・・中3どころのレベルじゃないぞ!(黒沢に参考書を見せる)」
黒沢カオル「うそぉ!?どれどれ・・・・(村上が見せてきた参考書を見る)・・・本当だ。これ、高校の・・・・しかも有名進学校レベルの参考書じゃん。どうして陽一がこんなのを・・・?」
安岡優「もしかして、陽一兄が行ってる塾って・・・・・進学校に進んだ高校生が行くような塾なんじゃあ・・・・・・・・」
黒沢カオル「そういえば、どこの塾に行ってるかなんて聞いた事もなかったなぁ・・・・。」
村上てつや「週4回の塾で高校の勉強。塾のない日は家で学校の勉強。休みの日は両方から出された宿題や予習復習・・・・・ざっと整理するとこんなところだろ。・・・・1週間びっちり勉強だよ。こいつ(陽一)、遊ぶ事知らねーのか!?友達付き合い悪い奴だなぁ。」
安岡優「てつ兄!なんて事言うのさ!!今は陽一兄が寝てるからよかったけど、起きて聞かれてたら大変だったんだよ!?・・・・いくらてつ兄でも、それ以上陽一兄の悪口言ったら許さないからね!!」
村上てつや「わかったよ。」
黒沢カオル「・・・ねえ、もう寝よう?明日、学校あるし・・・また陽一も起きてる時に、みんなで話そうよ。」
安岡優「そうだな・・・眠ってるところを起こしたら悪いしな。今はこんなにぐっすり寝てるし(寝顔を覗き込む)。しかしコイツ、なんだってこんなに・・・?」
村上てつや「(優…俺のセリフ…。)この勉強量、頭がおかしくなっちまうぜ。「いつか僕がみんなを養ってくよ!」とは言ってたけど…。(こいつをこんなに切羽詰らせてるのは、もしかして…おれ?)俺ってそんなに頼りない?」
黒沢カオル「何でそんな結論に至るの…とにかく、今日はもう寝ようよ。」
村上てつや「ああ・・・明日、陽一とじっくり話そう。優、お前ももう寝ろ寝ろ。夜更かしはお肌に悪いしな。」
安岡優「(小声で)・・・あんたお肌のこと気にしてんのかい・・・。」
村上てつや「ちげーよっ。俺はこのしんみりした空気を和らげようとしてだなぁっ・・・・・・。まぁいい、とにかく寝るぞ。優、ハラ出して寝るなよ。おやすみな。」
ゴスペラーズ「黒澤&安岡)おやすみなさ〜い。」
北山陽一「・・・・・・・やっと、出ていってくれたか・・・・(実は寝たふりをしていた)」
酒井雄二「ZZzzz・・・・・どうして自分の家族を頼れないんだ、陽一・・・?・・・・ZZzzzz・・・・・・。」
効果音「にわとり>コケコッコー!」
ト書き「そして次の日の朝。」
村上てつや「あ〜あ。(大きなあくびをする)昨日はあんま眠れなかったから、眠くて眠くて・・・。 」
北山陽一「? どうしたの?」
村上てつや「聞いてくれよぉ〜〜薫がよぉ〜〜寝言すごくってさぁ〜〜コレがおいしいだの、アレが食べたいだのよぉ〜〜〜」
北山陽一「あそ・・・・(うるさいなぁ・・・・なんかもう朝から疲れる・・・・・・)」
ト書き「昔の夢はみんなに楽な生活をさせることだった。今は?今は・・・ここを早く出て行くこと。上二人にはどうしてもなじめない、頼る事ができない。弟は可愛いとは思うけれど、やっぱり鬱陶しいと思ってしまう。」
北山陽一「あっそうだ、俺部屋に鍵つけていい?(なんでこんな兄貴たちなんだろ・・・・ホントうざいよなぁ・・・・・)」
村上てつや「何で?必要ないだろ?」
北山陽一「(ちっと舌打ち)・・・別に意味はないけど、なんかいやだから。俺が勝手につけるし、別にてつ兄の手を煩わせるわけじゃないからいいじゃない。」
村上てつや「あ・・・うん・・・・・それはそうだけど・・・・・・」
ト書き「北山の真剣さに押され、返事をしてしまった村上。」
北山陽一「そういう事だから、部屋に鍵つけるね。今なら自分で取り付けできるようなのもあるんだし。」
黒沢カオル「てつ、陽一、何話してんの?朝ごはんできたよ。」
北山陽一「はい、わかりました。」
ト書き「自分を避けるようにさっさと食卓につく北山を見て、どこか不安を隠せない村上。それでも、「とりあえずメシだ。」と思い、自分も食卓につく。」
ゴスペラーズ「いただきまーす!」
黒沢カオル「なぁ陽一、今日はどうなの?塾あるの?」
北山陽一「・・・・・・(「今日はない」って言ったら、「それなら話しよう」って言われるしなぁ・・・・うざったいからそれだけは避けたい・・・・・・)・・・今日もあるよ、塾。また少し遅くなりそう。」
黒沢カオル「そう・・・今日も遅いんだ・・・・・。」
ト書き「話をするのがイヤで嘘をつく北山。酒井はそんな北山を見て、どこか怪しいと感じる。」
酒井雄二「(陽一・・・・お前・・・・・・・・)」
北山陽一「(あ〜あ、今日の夜何して時間つぶそっかなぁ・・・。いつも帰りは9時近い・・・・学校終わってから5時間近くか。・・・・参考書たくさん持って公園ででも読んでよう。)・・・・・ご馳走様。(2階に行きかばんを持ってくる)行ってきます。」
安岡優「あー、陽一兄待ってよぉー!(大急ぎでご飯を口に運ぶ)・・・・ごちそうさま。(バタバタと2階に上がりかばんを持ってくる)行ってきまーす!陽一兄待ってってばー!!」
村上てつや「(出て行った2人を見て)・・・薫、どう思う?最近のあいつ。」
黒沢カオル「うん・・・俺達を避けるのは、前からそれとなくあって気付いてたけど、最近少しずつ優まで避けるようになってきてるね。今まで必ず一緒に登校してたのに・・・・。今じゃ塾や勉強を理由にして話もしてくれないからなぁ・・・・。」
村上てつや「(近くにいた酒井に)なぁ・・・お前陽一のこと・・・何か知っているか?」
酒井雄二「(首をかしげ)ニャ〜・・・・(我輩も知らないですぞ。陽一、我輩にもなにも話してくれないんです。家族を頼れないとは言ってたけど・・・・・)」
黒沢カオル「首かしげてる。ユウジも何も知らないみたい。・・・・知ってても話せないか。(食器を片付けながら)そういえばてつ、さっき陽一と何話してたの?」
村上てつや「あぁ・・・(思い出したように)・・あいつがいきなり、「自分の部屋に鍵つけたい」って言ってきたんだ。理由は「なんとなく」らしいんだけど。・・・・あれ絶対俺等を部屋に入れさせないためだよな?」
黒沢カオル「そうだねぇ。そこまでして俺らを避ける理由はなんだろう?」
村上てつや「それはわかんねぇけど・・・・・でも、何でもいいからどうにかしてあいつと話しねぇと・・・。このままじゃマジで部屋から出てこなくなるぞ。」
黒沢カオル「至難の技だねぇ、それ。ただでさえ俺達を避けてる陽一に、俺達と話させるなんてさぁ。・・・・あいつ無理に話しようとしたらキレるかもなぁ。普段おとなしいから、キレたら手つけらんなくなりそう・・・・。怖いなぁ・・・・。(本気で不安がってる)」
村上てつや「至難だろうとあいつがキレようと話をするんだ。・・・・これ以上このままにしておいたら手遅れになっちまう。(拳を握り締め)俺はぶん殴ってでも話させるからな。」
黒沢カオル「てつぅ・・話をするのはいいけど・・暴力はやめてよぉ・・・」
村上てつや「・・・・・・・・・・・俺がいつ暴力を振るった?んー?(ほっぺつねり)」
黒沢カオル「こういうのも暴力だと思うなぁ〜。」
酒井雄二「ふにぃ・・・(陽一は自分のことを家族に全く話さないようですな。受験生っていう理由だけじゃなさそう。うーん・・・これは今まで我輩が出会った家族の中で一番問題アリかも・・)」
ト書き「その頃北山と安岡は・・・・・・」
安岡優「(登校途中)陽一兄・・・・最近僕のこと避けてない?・・・今日だって、先に学校行こうとしたしさぁ・・・・・どうして?」
北山陽一「(参考書を読みながら)・・・別に避けてるつもりはないけど。今日先に行こうとしたのは数学の小テストが1時間目にあるから。早く行ってテスト勉強したい・・・・それだけだよ。(多少早足になる)」
安岡優「(立ち止まる)陽一兄・・・・・・(先に行ってしまった北山の後ろ姿を見て)・・・・本当にそれだけの理由なの?それならそうだって言ってくれてもいいじゃん。・・陽一兄・・・「避けてるつもりはない」って言うけど・・・・本当は・・・・・・・・」
ト書き「そう呟くと、学校の方に向かってゆっくり歩き始めた。」
安岡優「陽一兄、何か僕に隠し事でもあるのかぁ?」
北山陽一「(ちょっと冷たく言いすぎたかな。でもあれぐらいがいいんだ。家族と距離を持つには。…誰も本当の俺を分かってくれる人なんかいないもんな。)」
酒井雄二「うな〜う・・・・・(やっぱり心配でついてきてしまった・・・・)」
安岡優「ユウジ、どうしてここに?ダメだよ、学校にまで付いて来ちゃあ。・・・・そうだ!ねぇ、ユウジ。前の方に陽一兄がいるから行ってあげて。僕が一緒にいるよりはいいと思うから・・・・(悲しそうな表情)」
酒井雄二「にぃ・・・(安岡の表情を気にしながら、小走りで陽一の所へ)」
北山陽一「(みんなといるといらいらしちゃうんだよ・・・・・ダメだってわかってるんだけど・・・・・・・だからかかわらないで欲しいのになんで・・・・なんでそれくらいわかってくれないんだよ、いらつくなぁ・・・・・・)」
酒井雄二「こらーーーー」
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