-ゴスドラマ過去ログ:16301-16400-
村上てつや「だから、悪かったって。(疲れる…。)」
黒沢カオル「どうせどうせ俺なんかっ!(>_<)」
村上てつや「ほら、から揚げもう一個やるからさ。(こう言えば機嫌」
黒沢カオル「ふん!そんなんで機嫌直さないもん!」
村上てつや「(あれ?食べ物にはいつでもつられる人間が・・珍しいこともあるもんだ)いい加減許してくれよー。」
黒沢カオル「俺は、そんなに単純じゃないよ。・・・でも3回ごめんって謝ったら許す。」
村上てつや「(えっ?それってすげぇ単純・・・。)ごめん、ごめん、ごめん。」
安岡優「黒ぽーんっ!おはよ☆(村上が謝っているのを見て)何やってんの?」
黒沢カオル「おはよう、安岡。村上がさぁ俺が太った〜って」
安岡優「(小声)ちょっと黒ぽん、まさか心の声に返事したんじゃないよね?」
黒沢カオル「(小声)ゴメン、おもいっきりやっちゃってる。」
安岡優「はぁ〜・・・・(小声)研究員の人に言われてるだろ!?心の声に反応しちゃいけない、あくまでも自然にって。あいつはサトラレなんだ。あんな奴にかまう事ない。行くよ!(黒沢を引っ張る)・・・・じゃあね、村上さん。」
黒沢カオル「あっ・・・あっ・・・じゃあね、てつ。(安岡に引っ張られその場を去る)」
村上てつや「おう。(何だよあいつ、腹立つなぁ。俺より背ぇちっちぇーくせに生意気な奴。そうだそうだ、てめぇはさっさといなくなれ。)」
安岡優「(黒沢と一緒に大学内の中庭に出る)あーもう!!腹が立つのはこっちの方だっつーの!てめぇのおかげでどれだけこっちが迷惑してるのかわかってんのかよっ!!・・・あー胸くそ悪い!」
北山陽一「今に始まった事じゃないんですから、少しは我慢してください。彼は人類にとって大事な人なんですよ。」
黒沢カオル「あなたは確か研究員の・・・・・てつを見てなくていいんですか?」
北山陽一「今はもう1人の研究員が見てますから安心してください。・・・そういえば私の自己紹介、全体に説明した時にした一回だけでしたね。改めて、北山陽一と言います。政府から派遣された「サトラレの研究員」で、彼を保護するためにここにいます。もう1人の方は会話をした時に聞いてください。よろしく。」
黒沢カオル「あっ、こちらこそ。えっと・・・俺はここの学生で、黒沢って言います。それで、こっちが安岡です。」
安岡優「よ、よろしく。(頭よさそー。)」
北山陽一「そんなに堅くならなくて結構ですよ。研究員だからカタブツってわけじゃないですし。もっと気をラクにしてください。」
黒沢カオル「・・・あの、サトラレって何なんですか?一応全体での説明は聞きましたけど、なんだかよくわからなくて。個人的にもう1回説明してもらっていいですか?」
北山陽一「(ニッコリ)いいですよ。・・・サトラレというのは自分の思っている事が相手に聞こえてしまう病気で、何千万人に一人の割合で生まれてきます。サトラレの人はとても頭がよく、過去色々な分野でめざましい活躍をしてきました。ゆえに政府は、死なれないよう研究員を派遣し、彼等を保護してるんです。」
黒沢カオル「死なれないように・・・・?」
北山陽一「はい。自分がサトラレだと気付いてしまうと、自殺をしてしまう可能性がきわめて高い。だから私達みたいな研究員が派遣され、すべての人に説明をし理解を得てもらい、自分がサトラレだという事を気付かせないようにしているんです。「心の声に反応せず自然にしてください」というのは、そういう為なんですよ。」
黒沢カオル「そうなんだ〜〜」
北山陽一「はい。わかりましたか?(再びスマイル)」
黒沢カオル「なんとなく。(きっぱり。)」
安岡優「(やっぱり頭いいな〜)」
北山陽一「(な、なんとなくって・・・・俺にどう反応せいっちゅうねん!・・・はぁ・・この人がサトラレの傍にいるのはかなり心配だ・・・さっきだって心の声に普通に反応してたしなぁ・・・・)」
黒沢カオル「・・・? どうかしました?」
北山陽一「正直に言っていいですか?」
黒沢カオル「??・・・別にいいですけど。」
北山陽一「我々からすると、あなたが一番心配なんですよ。あなたが村上てつやと親しくするのはいいんですが、心の声に普通に反応する・・・・それがとてもまずいんです。先ほども言ったように、自分がサトラレだと気付いてしまうと自殺する可能性が高いです。」
黒沢カオル「はい、それは聞きましたけど。」
北山陽一「つまり、あなたとの会話によって彼が気付き、自殺をしてしまう可能性も充分あるという事です。・・・今のままだと、あなたが彼を死に導く可能性が高いです。彼を死なせたくなかったら、心の声には反応せず自然にしてください。いいですね?」
黒沢カオル「はい・・・わかりました・・・・・。(俺がてつを死に導く・・・そんなの絶対にヤダ・・・・・てつがいなくなるなんて考えたくない!・・・北山さんの言う通り、もっと注意しないと・・・・・・)(知らず知らずの内に拳を握り締めている)」
安岡優「(カオル・・・)」
北山陽一「では、そこのところ、おねがいしますね。」
ト書き「「そろそろ講義が始まりますよ。」と言うと北山は大学の中へ入っていった。」
黒沢カオル「・・・・・・・。」
安岡優「だから言ったでしょ?あんな奴(村上)にかまうなって。サトラレにかまってたらこっちがおかしくなりそうだよ。・・・・黒ぽん、行こう。次の講義、あの北山さんのなんだから。」
黒沢カオル「うん・・・・・・・・」
ト書き「本人は気付いていないが、足取りは重いものになっていた。安岡が、隣の黒沢を追いこして数メートル先まで進み、振り返る。」
安岡優「遅れちゃうって!!」
黒沢カオル「あ…うん、待って〜!!(追いかける)」
村上てつや「(あ、真理ちゃんだ。今日もかわいいなあ、声かけちゃお)おはよっ真理ちゃん!!」
佐々木真里「・・・・・・・・・(無視して通りすぎる)」
村上てつや「・・・・・・(また今日も無視されちゃった。・・・でも、こんな事ではへこたれないぞ。いつか必ず真里ちゃんを振り向かせてみせる!)」
佐々木真里「(あ〜もう、何で私ばっかりなのよ。いい加減にしてほしいわ。)」
安岡優「(なんとか間に合う)真里さん、おはよう。(小声で)毎日大変だね。」
佐々木真里「(小声)そうなの。別に性格とかだけ見たら村上君でもいいんだけどさ、何がイヤっていったら彼がサトラレである事なのよね。デートはどこ行ったとかキスを何回したとか、そういうの全部まわりにバレるのよ。私そんなの耐えられないわ。」
安岡優「(小声)そりゃそうだよね。僕が真里さんの立場でも同じ事思うよ。恋人どころか友達にもなりたくないんだし。」
北山陽一「(教室に入ってくる)遅くなってゴメンね。それじゃあ、講義を始めます。」
村上てつや「(はぁ〜。かったるい・・・講義の時間は俺の睡眠時間♪)ZZZ〜」
黒沢カオル「(小声で)てつ!(汗)ダメだって・・・!(汗)」
村上てつや「んあ?(うるせぇなぁ。ねかせろっつーの。)」
北山陽一「村上君、起きてください。あなたなら講義を受けなくても平気かもしれないですけど、他のみんなはそうもいかないんです。寝たいんだったら外で寝てください。あとで個人的に補習してあげますから。」
村上てつや「(ちっ・・・・なんだよ、新しく入ったばっかの講師のくせに。)」
北山陽一「・・・村上君、何か言いたそうな顔をしてますね。私に言いたい事があるならはっきり言って結構ですけど?」
村上てつや「・・・・・・(いちいち気にさわる野郎だ。人の心見透かしたように何でもかんでも言いやがって。・・・あの講師、俺が一番嫌いなタイプだな。)」
北山陽一「それでは、講議を始めます。今回は、前回の続きになります、風土やその土地の歴史が性格を形成するのは説明しましたね。今回は、ヨーロッパ・アジアの歴史・風土を取り上げて説明したいと思います。」
村上てつや「(あぁ〜あ、つまんねぇなぁ〜!)zzzzz……」
黒沢カオル「ああ〜、もう、てつ!寝てないでちゃんとノート開きなよ〜!」
村上てつや「(-_-)(_ _)(-_-)(_ _).。oOOこっくり」
北山陽一「イタリアの場合、領主、もしくは王がその土地を治めていたという形が取られていた場所も在り。…(溜め息)…「無能な王が治める事は、長くは続かない。」「有能な王があらわれる」と、非常に大らかな部分も持ち合わせて…」
酒井雄二「失礼します・・・、北山先生ちょっと・・・。」
北山陽一「はい?あ、ちょっと待ってて・・・。(廊下にでて)どうしたんですか?」
酒井雄二「ちょっと連絡があって・・・。サトラレについて、少し会議を開きたいそうです・・・。今すぐに・・・なんて無茶を言われましてね・・・(苦笑)」
北山陽一「サトラレについて・・・・。そう・・ですか、わかりました。(教室に戻って)申し訳ないが、T講義は自習にします。それぞれ課題をやっておきなさい。」
村上てつや「(課題かぁ・・・はやく終わらせて、外にでようかな・・・。)」
黒沢カオル「ねぇてつ。ここんとこわかんないんだけど、教えてくれる??」
村上てつや「ここ・・・?(ああ・・・これは複雑で説明難しいけど・・・ちゃんとわかってもらえっかな・・・)っとこれは、・・・(説明開始)」
黒沢カオル「・・・難しいのによくわかるねぇ、てつ。すごいなぁ。(感心)」
村上てつや「・・・つうかさ、説明聞いてるだけだろ、お前。理解しようとしろよ・・・(こいつに説明してると、それだけで授業終わるんだよなぁ・・・あぁ〜めんどい。)」
黒沢カオル「ちゃんと理解しようとしてるよ〜。」
村上てつや「(まあ、コイツはいつもこんな感じだしな〜・・・。)」
黒沢カオル「う〜〜〜〜〜〜〜〜ん」
村上てつや「はぁ。」
北山陽一「え?!サトラレを研究所以外に出させない・・・・?それじゃ閉じこめるってことですか?!」
酒井雄二「えぇ、サトラレを閉鎖空間で生活させるという考えがあがってるんです。人と一緒にいていつ気付かれるかもしれない危険をおかすよりは、絶対気付かれない誰もいない空間にいかせた方がいいだろうと。」
北山陽一「確かにまわりに迷惑はかからないし、気付かれる可能性も低くなる。でも、サトラレ自身はどうするんですか?家族も友達もいない空間なんて・・・・・」
酒井雄二「あくまでもそういう考えがあがってるだけです。とりあえず会議に行きましょう。反対するならその時に。」
北山陽一「わかりました。行きましょう、雄二。」
ト書き「辛そうな表情を手で覆って消し、酒井と北山は、殆ど無表情のまま廊下を歩いた」
北山陽一「ねぇ、雄二。」
酒井雄二「なんですか?・・・・会議に出たくないのは私も同じですよ。」
北山陽一「いえ・・・・いや、なんでもありません。」
酒井雄二「どうしたんですか?ちゃんと言ってください。」
北山陽一「人と違うことが・・・こんなにも大変だとは・・・。」
酒井雄二「・・・サトラレも・・・・人間ですからね・・・・・・。」
北山陽一「彼には・・・人と同じ生活をすることさえも許されないのかな・・・。冗談を言い合ったり、好きな人とデートをしたり・・・。」
酒井雄二「彼だって普通の人間ですよ。」
北山陽一「普通の人間ですか?自分が思っていることが・・・近くにいる人全てに聞えているんですよ?」
酒井雄二「少なくとも、あののほほんとした彼はそう思ってるみたいですよ。」
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