-ゴスドラマ過去ログ:17501-17600- |
黒沢カオル「酒井家に行くのはいいんだけどさ、依頼人に連絡しなくていいの?」 酒井雄二「忘れてましたね。一度会長さんのところにいきましょうかね。」 黒沢カオル「うん。」 北山陽一「ぼ、僕もですか?」 酒井雄二「あ」 村上てつや「なら俺とここにいるか?」 黒沢カオル「村上さんもこないのぉ?」 酒井雄二「会長さんのところには俺と黒沢さんで行って来ます。北山さんは村上さんとここにいてください。(黒沢に)早いとこ行って来ましょう。」 黒沢カオル「まいっか。じゃ,ちょっと待っててね〜すぐ戻ってくるから〜。」 村上てつや「(黒沢と酒井を見送った後)・・・・噂はウソなのに、やっぱり人の家に行くのはイヤなのか?」 北山陽一「・・・・あの噂、あながち嘘とも言えないんです。僕が行った家は、なんかしらの不幸が訪れる・・・・大きい事であれ小さい事であれ、何か必ず。・・・・だから、人の家に行くのは・・・・・・・・」 安岡優「そんなの全部偶然に決まってんじゃん。北山さんが悩む事じゃないって。」 北山陽一「わかってる・・・・自分でもそう言い聞かせてるけど、やっぱり自信がなくなるんだ・・・・・。今だって・・僕なんかが付いてって・・・・みんなを不幸な運命にさせちゃうんじゃないかって・・・・すごく心配で・・・・・・・・・(俯く)」 村上てつや「お前なぁ・・・・・(呆)。・・・少なくとも俺は、これからどんな事が起こったってお前のせいだとは絶対思わねぇよ。あいつらだってそう思ってるはずだ。・・・お前はもうこの土地を離れる。これ以上自分を責めるような事はやめろ!いいな!?」 安岡優「そうだよ北山さん!・・・大事なそのネックレスに誓いなよ。「自分を責めない。強くなるんだ」って。」 北山陽一「村上さん・・・・優・・・・・・(ネックレスの十字架をしっかり握り締め)・・・・ありがとうございます・・・だいぶ自信が出ました。(初めて悲しげな雰囲気を消して微笑む)」 村上てつや「それでいいんだよ、それで。(なんだ、ちゃんと笑えるんじゃねぇかよ。こんな事で笑顔になるなんて・・・・初めてなのかもな、自分を必要としてくれる奴に出会ったの。)」 ト書き「一方、町長の家へ向かった酒井と黒沢は…」 黒沢カオル「・・・(何やら難しい表情)酒井〜…。」 酒井雄二「なんですの?」 黒沢カオル「ちょっとね気になることが・・・・・・」 酒井雄二「はい。どうしました?」 黒沢カオル「う〜んとね、俺考えたんだけど。前に..2、3ヶ月くらい前かな?酒井と一緒にスコットランドの方の幽霊を倒しに行ったでしょ?その時の幽霊がさぁ『覚えておけ。俺がいなくても仲間がいる。お前ら程度の力じゃ兄貴には勝てない』って言ってたじゃん。それと関係あるのかなって。」 酒井雄二「まったくないとも言えないですね・・・。もしかしたら、「あの方」と呼ばれる奴から、同じように力を与えられたのかもしれないですし・・・・。」 黒沢カオル「”あの方”に”仲間”に”兄貴”か・・・・・今日倒したあいつぐらい、もしくはそれ以上の奴がまだまだいるって事だね。」 酒井雄二「かもしれませんな。そう考えると、さらに気を引き締めてかからんと。・・・何が起こっているのか・・・・早く知る必要がありますな・・・・・。急ぎましょう!」 黒沢カオル「そうだね。あの2人だけにしておくのも危険だし・・・・。さっさと会長への連絡を済ませて、じいちゃん達のところ行って話聞こう。」 酒井雄二「そうですね。」 ト書き「会長の家へと向かう二人。」 黒沢カオル「(家に着く)すいませ〜ん!」 マネージャー竹内「(会長)おぉ!あなた方、あそこの悪霊を倒せたんですか?」 酒井雄二「はぁ、どーも。そーですが?」 マネージャー竹内「よかった・・・ようやく倒してくれる方が現れた・・・・。いえ、あなた方の前にも頼んで屋敷に行ってもらってたんですけど、誰一人帰ってこなくて。さすがにこのままではと思い、あそこを立入禁止にしてたんです。」 黒沢カオル「(酒井に小声で)北山さんが言ってた通りだね。」 酒井雄二「(小声)そうだな。」 マネージャー竹内「…どうかなさいましたか?」 黒沢カオル「あっ、いえ、何でもありません。(さらに小声で)やっぱり北山さんの名前を堂々と出したらマズイよね?」 酒井雄二「(小声で)そうだな、なにか関係があったとしたら、まずいし・・・」 黒沢カオル「(小声)話によると、ここら辺の人達は、北山さんの事を相当嫌ってるみたいだしね。偶然居合わせたとはいえ、今回の事に関わってるなんて知ったら、また根も葉もない噂を立てられちゃうよ。ましてや、半幽霊の安岡くんの事を知ったら・・・・・・・」 酒井雄二「(小声)完全に彼を無視するでしょうな。・・・・我々がボロを出さないうちに話済ませて、早いとこ行きましょう。」 マネージャー竹内「本当にありがとうございました〜!!」 酒井雄二「いえいえ滅相もございません。また何かありましたら、いつでもご連絡ください。もう、何もないでしょうけど。」 黒沢カオル「それじゃぁ、さよ〜ならぁ〜」 マネージャー竹内「ちょっと待って下さい!あの…そちらの屋敷に会長行かれませんでしたか?“除霊はあてにならん”と言って出ていったんですが……。」 黒沢カオル「…いえ、会いませんでしたよ。(まずいよ、酒井!!( T∇T)今屋敷に行ったらあいつらとはち合わせじゃん!!)」 酒井雄二「小声>村上氏が巧く立ち回りますよ。何たって、あそこを借りた人間なんですから。北山氏の事は友人と一緒に来たとでも言うでしょう。」 黒沢カオル「村上さんなら巧くするけど北山君はねぇ……。彼不器用そうだしね。」 酒井雄二「(小声)そうですねぇ・・・・どうしましょうか・・・・・・・・・。」 安岡優「(安岡舞台そでから小声で)黒ぽんにあんな事言われてる〜。天然黒ぽんに言われたらお終いだよね、リーダー?」 村上てつや「(安岡と同じく舞台袖から小声で)そうだなぁ・・・。って、そんなことはいいから戻るぞ、安岡。(と言って連れ戻していく)」 北山陽一「(安岡・村上と同じく舞台袖から」 ナレーション「こらこら、北山さん。ドラマに戻りましょう。しかも間違えないで下さいよ…(^^;)」 北山陽一「・・・・・・・すみません。(赤面)」 ト書き「一方、屋敷の前で待つ3人(?)は…」 安岡優「早く帰ってこないかなぁ〜。」 北山陽一「(遠くの方を眺めて)・・・あっ、帰ってきましたよ。」 酒井雄二「みなさ〜ん!(走ってくる)はぁはぁ・・・・今すぐ我々の家へと向かいます。行きますよ!」 村上てつや「そんなに慌ててどうしたんだよ?」 黒沢カオル「こっちに会長さんが来たとか来なかったとか言われたから、北山さんと安岡くんが見つからないうちに出ないと・・・・・。」 村上てつや「鉢合わせしたらマズイって事だな。・・・・よし!そういう事ならさっさと行くぞ。」 酒井雄二「(歩き出しながら)北山さん、行きますよ。急いでください。」 北山陽一「・・・・・・(みなさん・・ごめんなさい・・・・僕なんかのために・・・・・・・)」 ト書き「北山は、心の中でそう呟き歩き出す。途中何度か休憩を入れながら一晩歩き続け、次の日の朝、酒井の家の前に到着する。」 安岡優「(目の前にはちょっと古いがかなり大きい屋敷)・・これが・・・酒井さんの家・・・・・・・・。」 酒井雄二「祖父が結婚した時に建てられたんですが、修理しながら今も使ってるのでちょっとぼろい感じがしますけどね。(チャイムを鳴らす)おじいさま、雄二です。ただいま戻りました。」 妹尾武「(酒井の祖父。家から出てくる)雄二、おかえり。黒沢のお孫くんもご苦労様。」 黒沢カオル「酒井のおじいさん、ご無沙汰してます。・・・・実は、今日は聞きたい事があって来たんです。」 妹尾武「聞きたい事とは後ろにいる霊力の高い2人と幽霊と人の中間にいる人のことかな?」 村上てつや「今、会ったばっかりで何でそんな事がわかるんだ!?」 妹尾武「大体の霊能力者は顔を知ってるが、君達の顔は知らない。霊能力者でもないのにそれだけ霊力が高ければ、私達みたいな人達は誰でも不思議に思うよ。それと、君(北山)が腰から下げているそのクマ(テディベア)から、人の気配も幽霊の気配も感じる。それに憑かせているんだろう?」 酒井雄二「さすがはじいさま。その通りだよ。・・・・今日来たのは、半死半生の呪いについてと、この2人について聞きたかったんだ。(小声で)ついでに、彼(北山)が首から下げている十字架のネックレスについてもね。」 妹尾武「(小声)霊水晶と同じ力を感じるからだな?・・・・・こんな所で立ち話もなんだから、みんなあがりなさい。詳しい事は家の中で聞こう。(村上・北山に)あがってからでいいから、君達の名前も教えてもらうよ。」 村上てつや「俺、てつや。村上てつやってんだ。なんか偶然にも幽霊の住みついてる家を買っちまってよぉ。」 酒井雄二「(小声で)おじいさま、この方が刀を持った時に蒼くなりましてね。」 妹尾武「(酒井に小声で)村上君はすごい力をもってるぞ。」 酒井雄二「(小声で)おじいさま、僕は一般の方であんな凄い力を持った方がいるのにビックリしましたよ!・・・で村上さんの隣にいるのが北山さんです。」 黒沢カオル「(小声で)あともうひとつ・・・・・・・・」 妹尾武「(小声で)なんだね?」 黒沢カオル「(小声で)北山さんの十字架のネックレスについてですが…。」 妹尾武「(小声)それも今話してたところだよ。霊水晶と同じ力を感じるという事だろ?」 黒沢カオル「(小声で)はい。話によると、物心ついた時から持っていたっていう事なんですけど・・・・。」 北山陽一「何コソコソと話してるんですか?僕達にも関係ある事なら、ちゃんと聞こえるように話してくださいよ。」 妹尾武「あっ、これはすまなかった。・・・とりあえず、みんな中に入りなさい。」 ト書き「家の中へと案内される5人(4人+幽霊)。」 妹尾武「改めまして、雄二の祖父です。(一礼する)」 北山陽一「はじめまして(こちらも一礼)。僕は北山陽一といいます。それから、このテディベアに憑いてるのは優といいます。」 安岡優「(北山の横に姿を現し)はじめまして。優といいます。」 ト書き「安岡もそう言って一礼した。」 佐々木真里「久しぶりの登場よ〜ん♪」 村上てつや「・・・・!?なにやってんだよっ、おいっ!!(ボソボソ)」 佐々木真里「え〜、こほん。(気を取り直して)雄二の母でございます。いつも雄二がお世話になって…。黒沢くん、お久し振りね♪」 黒沢カオル「おばさん、お久しぶりです。」 佐々木真里「(村上・北山・安岡を見つめて)なんだか・・・・すごい人達を連れてきたようね。あなた達と変わらないくらいの力を感じるわ。」 酒井雄二「えぇ、まぁ。・・・それでじいさま、まずこの2人(村上・北山)について教えてほしいんだけど・・・・。どうして村上さんは刀を蒼く出来て、北山さんは霊水晶で強力なバリアを貼る事が出来たんですか?」 妹尾武「相応の技能を持っている、としか言えんな。この二人の力は、お前達二人の力と性質が違うようだ。北山君の場合は…高濃度の霊場に居たんじゃないのか?」 北山陽一「霊場・・・・・神社や寺院の事ですね。・・・でも、僕にはそんな憶えはありません。生まれた場所や両親の事はほとんど何も知りませんけど・・・・・。」 酒井雄二「あ〜…霊場ってのは、確かにその二つも指すんですけど…。霊が集まり易い場所ってのも、意味としてあるんです。 元々、素質のある人間がそこに居ると、薄い空気に慣れる様に力が強くなってしまう場合もありますから。」 北山陽一「そうなんですか。・・・・どっちにしても、全然憶えが無いですね。気付いた時・・・4,5歳でしょうか。その時にはもうあの土地に居ましたし。霊場とはまったくの無縁ですよ。」 妹尾武「う〜ん・・・・・確か今、生まれた場所も両親の事も知らないと言ってたね?」 北山陽一「はい・・・・生まれて3年くらいの事何も憶えてなくて、4歳くらいの時一人で今住んでる土地に。写真とかも何も持ってなくて・・・・両親がどこの誰で、何をやっているのかなんてまったく・・・・。手掛かりはコレだけですね。(首から下げてる十字架のネックレスを見せる)」 |
[TOP|NEXT|BACK] |