-ゴスドラマ過去ログ:17601-17700-
黒沢カオル「ねぇ北山さん、僕等に自己紹介してくれた時に、「子供の頃から幽霊がたくさん見えてた」って言ってたよね?それって、4歳くらいの時にはすでに・・・・?」
北山陽一「えぇ、気持ち悪いぐらいに見えてましたよ。襲われそうになった事もあるくらい。・・・・このネックレスが無かったら、あの時僕は死んでましたよ。」
安岡優「その話、僕にしてくれた事あったよね?・・・ネックレスしてたら、バリアで守られてるみたいに霊が近付けなくなってた・・・・・だったっけ?」
北山陽一「そうそう。(微笑)」
酒井雄二「そうそうって…そのネックレスは誰からの物か分かりますか?」
安岡優「生まれた時から肌身離さず持っていたんだよね…。十字架に掘られているこの文字が何かの手がかりになるんじゃないかな?」
ゴスペラーズ「イニシャルしか書いてないけどね。……M・Sかな?もうかすれて見えなくなってきてるけど。」
北山陽一「別にいいですよ、何でも。コレのおかげで助かってるのは確かなんだし。・・・酒井さんのおじいさん、これ、何で出来てるかわかりますか?」
妹尾武「ずっと気になってたって感じだね(微笑)。・・・たぶんだが、霊水晶と同じようなもので出来ている。それを銀で包んだんだと思うよ。」
安岡優「(小声で)せっかくイニシャルのところハモッたのになんで先生突っ込まないの?リーダーならツッコむよね。」
北山陽一「(小声)ゴメンゴメン。そういうのには鈍感だからさ。」
黒沢カオル「(小声)でも、北山に突っ込まれてもねぇ(苦笑)。・・・とりあえず、続けよう。(話に戻って)俺や酒井だってそれ見た時驚いたんだから。なんで北山さんが霊水晶と同じ力を発するものを持ってるんだってね。」
酒井雄二「確かに。一般の青年が持っているものだとは考えにくいですし、貴方は霊能力者でもないですし。」
黒沢カオル「もしかしたら北山さんの両親って、僕等みたいな霊能関係の人だったんじゃないかなぁ・・・?霊水晶なんて、そういう人じゃないと手に入らない代物なんだし・・・・・。」
酒井雄二「ありえない事ではないですな。もしそうなら、生まれて間もない頃は霊場に居たという可能性も出てきます。そうなると、北山さんの霊能力の高さも理解できますね。」
妹尾武「一番自然で有力な考えだな。・・・さて、北山君の話はこれぐらいにして・・・・次は村上君、君の話をしよう。・・・・・あの刀なんだがな、あれは霊力の高い選ばれた者が持つと蒼くなる。その事は雄二から聞いたよね?」
村上てつや「はい、聞きました。」
妹尾武「そうか。・・・北山君は、彼自身が憶えてなくても、持ち物などからなんとなく想像は出来た。君はどうなんだい?自分の力について何か憶えは・・・・。」
村上てつや「いやぁ、まったくないんすよ……じゃなくないんですよ。両親も普通の人だからねぇ…じゃなくふつうの人です(焦)」
妹尾武「無理して敬語を使おうとしなくてもいいよ、楽にしなさい。・・・で、憶えはないんだね?」
村上てつや「う〜〜〜ん、無い!」
妹尾武「・・・・・・とっても簡潔だね。」
村上てつや「いや…、ホントに無いんすよ…多分(そう言ってかなり考え込む)」
妹尾武「多分?」
村上てつや「・・・もしかしたら、北山みたいに憶えがないだけなのかもしれねぇし・・・・だから絶対無いとは・・・・・・・」
妹尾武「ご両親はどうなんだい?北山君みたいにいないとか、そういうのは。」
村上てつや「何も無いですね。両親はちゃんとそろってるし、普通の会社に勤めてます。住んでる場所も幽霊には無縁のごくごく普通の町ですよ。」
酒井雄二「ますます謎ですな。」
ト書き「酒井の祖父は、正座していた足を崩すと、腿で頬杖をついた」
妹尾武「う〜〜ん・・・・・・これ以上聞いてもわかりそうにないね。とりあえず村上君はここまでにして、また何か思い出したら教えてくれ。」
村上てつや「はい、わかりました。」
ト書き「浅い会釈をする村上を、薄く開いたふすまの陰から覗いている気配に北山は気付いた。良く見ると、それは座敷童。」
北山陽一「(さすがは霊能力を生業とする家・・・・普通に幽霊があちこちにいる・・・・・・・・)」
妹尾武「(座敷童の方をチラッと見て微笑む)あんな幽霊を守るのも、私達の仕事なんだよ。・・・それじゃ次は優君、君の話をしよう。」
安岡優「は、はい。」
妹尾武「君にかけられた呪いは、呪術の中でも最高に値するものだ。本来なら解いてあげたいところなんだが、正直な話、我々でも解く事が出来ない・・・・解く方法が見つかってないんだ。」
安岡優「方法はなにもないんですか??」
妹尾武「呪いをかけた者を倒すしかないだろうな・・・・。この呪いは自分の身を生贄としなければならず、生贄となった後は、半幽霊ではないが死んでるんだが死んでないという姿になってしまう。まぁ、一種の悪霊になると思ってもらっていいよ。」
北山陽一「生霊・・・・みたいな感じですか?」
妹尾武「生きてないからそうも言えんが、近いだろう。・・・とりあえずそいつさえ倒せば、呪いの効果は無くなる。」
安岡優「倒せばって・・・・・呪いをかけた奴が誰だかわかんないんじゃ、どうしようもないよぉ・・・・・・(泣)」
妹尾武「その心配は無い。同志達の情報によると、どうやら優君に呪いをかけた奴と悪霊達に力を与えているという奴は、同じ者らしいんだ。・・・だから、今の騒ぎを解決すれば、君も元に戻れるという事になる。」
酒井雄二「あの屋敷で倒した悪霊が言ってた「あの方」って奴か・・・・・。」
妹尾武「雄二、何か思い当たることでもあるのか?」
酒井雄二「安岡くんがいたところに幽霊がいてそれをたおしにいったんですが、倒した幽霊が「あの方」といってて・・・・・・。」
ト書き「酒井がそう言ったとたん、安岡が北山の後ろに隠れた。そして安岡の体がガタガタ震え始めた。」
妹尾武「(安岡にむかって)君はなにかしっとるのかね???」
北山陽一「(振り向いて安岡の顔を覗き込んで)どうしたの優?何か知ってるの?(優しい口調で)」
安岡優「・・・・・・・・・・・」
北山陽一「優・・・・・・・・」
村上てつや「おい!!何怯えてんだよ!自分の呪い解きてぇんだろ!?」
北山陽一「ちょっと!何もそんなに優に怒鳴らなくてもいいじゃないですかっ!」
村上てつや「・・・・・悪かったよ。」
妹尾武「(真っ直ぐに安岡を見据え、優しい口調で)何でもいい。君が知っていることを話してくれないか?それが呪いを解く鍵になるかも知れないんだ。」
安岡優「な・・・何も知らないよ・・・・・。ただ・・・あいつの事を思い出すと・・・・・怖くて・・・・・・・・・(震えている)」
北山陽一「あいつ・・・・あの屋敷で、僕達の魂を取ろうとした奴の事だね?・・・・大丈夫。あいつはもうこの世にはいないんだ。優は自由になったんだよ。僕だっている。だから安心して。(頭を撫でる)」
安岡優「北山さん…(少し落ち着く)」
北山陽一「何でもいいから、知ってる事話してくれる?」
安岡優「うん・・・・でも・・・僕、「あの方」って言われてる人の事、ホントに何も知らないんだ・・・・。知ってるのは、あいつが定期的にどこかへ行ってたって事だけ・・・・・・。」
北山陽一「じゃあ、その事だけでも教えてくれないかな?(優しく言う)」
安岡優「えっ・・・そんな事言われても・・・・・あいつがどこに行ってたかなんて知らないし・・・・・・・そういえば、戻ってくるとなんかとくに怖くなったっていうか・・・あいつの力がみなぎってたような・・・・」
村上てつや「おい、それってヤバくないか…。あいつを倒すだけじゃなくてその場所も突き止めないといけないわけだろ?」
黒沢カオル「いや村上さん、あいつって言ってる悪霊は倒したんだよ。今はそいつに力を与えた、「あの方」って奴の居場所を突き止めなきゃいけないんだよ。」
村上てつや「あっ、そっか。・・・それならさっさと「あの方」とか言われてる奴の場所探そうぜ。」
酒井雄二「それが出来たら苦労しないんですっ!!・・・・とりあえず今は、「あの方」と言われている奴に力をもらった悪霊達を倒して、情報を集めるしかないですね。」
北山陽一「それが一番妥当でしょう。優の話から考えると、悪霊達は「あの方」から定期的に力を貰わないとダメみたいですし。」
村上てつや「そういう悪霊達を倒しながら居場所を聞き出していけば、「あの方」の場所にたどり着けるってわけだな。・・・・よしっ!そういう事なら、のんびりしてねぇで早く行こうぜ。あの屋敷以外にもいるんだろ?あんな悪霊。」
酒井雄二「えぇ。同じような霊を倒してくれと、あちこちから依頼を受けてますよ。・・・・じいさま、色々教えていただきありがとうございました。俺、かならずこの騒ぎの元を倒して、また戻ってきます。」
妹尾武「うん。お前と黒沢君が先頭に立って、村上君と北山君をしっかり引っ張っていくんだ。そして、早く優君の呪いを解いてあげなさい。・・・・いつも言うが、死ぬんじゃないぞ。」
酒井雄二「(妹尾の目をじっと見て)はい!必ず戻ってきます!」
妹尾武「(微笑)・・・黒沢君、いつもながら雄二の事を頼んだよ。・・・村上君、北山君、まだ自分の力について戸惑いがあるようだから、無理だけはするんじゃないよ。・・・優君、君にも出来る事は色々ある。4人のサポートとして頑張ってくれ。」
ゴスペラーズ「(酒井以外)はい!!」
酒井雄二「それじゃみなさん、行きましょう!」
佐々木真里「あ、待って!おにぎり作ったから、持って行きなさい☆ちゃんと全員分あるわよ〜。」
黒沢カオル「あ、ありがとうございます★(真里からおにぎりを受け取る)」
酒井雄二「真理さん…中身、変な物入れてませんよね?」
佐々木真里「バカな事言わないでよ(怒)」
黒沢カオル「でも……なぁ?(皆に目配せする)」
村上てつや「・・・・・・・・・・いちごとかはいってねぇよな・・?」
北山陽一「酒井さんのお母さんなんですからきっと大丈夫ですよ。早く行きましょう。」
酒井雄二「あぁ、はい・・・。(歩き出す)じいさま、母さん、行ってきま〜す!」
ナレーション「5人は酒井の家を出発し、次の悪霊を倒してほしいと依頼を受けている町へと向かっていった。(移動は基本的に徒歩らしい・・・・・)」
黒沢カオル「・・・・まだなの・・・?ちょっと疲れた〜。」
酒井雄二「あなたねぇ・・・・・(呆)・・・いつも歩いてるあなたが先にへばってどうするんですか!!」
黒沢カオル「だってぇ〜・・・・なんかいつもよりペース速いんだも〜ん。いつもの倍つかれるよ〜。」
北山陽一「(立ち止まって)そうだったんですか?・・・ごめんなさい、何だかスタスタと行ってしまって・・・・。これからは黒沢さんのペースに合わせます。」
黒沢カオル「な、何もそこまで気を使わなくても・・・・(素直な北山に焦り気味)。ご、ごめん。俺がこんな事ぐらいで弱音吐くから・・・・・・頑張って付いてくからいいよ、今までどおり歩いて。」
酒井雄二「いいですよ別に。黒沢さんに合わせます。俺達が先に行っちゃって、黒沢さんが迷っちゃったら困りますしね。・・・・あと5キロくらいで町に着きますから、頑張ってください。」
安岡優「(黒沢に近付き)黒沢さん、頑張って!・・・な〜んて楽してる僕が言える立場じゃないよね。(微笑)」
村上てつや「なぁ〜おい、このおにぎり...イチゴが入ってるぞ?(勝手におにぎりを食ってる)」
酒井雄二「はぁ〜・・・やっぱり・・・・。母はそういう人なんですよ。・・・・って、何勝手に食べてるんですか!!!」
北山陽一「クスクス、なんかすごい人達が集まりましたね。こんなに楽しいのは優と話した時以来、人生で二度目ですよ。」
安岡優「(北山のそばに行く)付いて来てよかったよね。僕だってこんな体になっちゃってから、北山さんに会うまで話し相手いなかったんだから。今最高に楽しいよ☆(ヤングスマイル)」
村上てつや「(文句いいながらもおにぎり食べる村上)でも人生で二度目ぇ〜?(またほおばる)っと次はチョコレートかよ!?(でもほおばる)おめぇらくれぇよ。」
北山陽一「しつこいですねぇ。霊感が強すぎたせいで、友達なんていなかったんですよ。初めての友達は優。2番目はあなた達です。」
黒沢カオル「(今にも喧嘩しそうな二人)ま、まぁ(汗)二人ともやめろよぉ。それよりおなかすいたからおにぎり食べ……それ本当においしいの、村上?」
村上てつや「まずい」
酒井雄二「えー…母は、そういう人なんです。遠足に行くからと言えば、御飯におにぎりの元を混ぜて、筋子おにぎりを作るし。カツを揚げれば、御飯は何故か親子丼…白い飯が食いたいんだと、反抗をしたら。次の日の弁当が…あの、焼そばと、御飯が半々に入ってました。…」
村上てつや「・・・色んな意味で、ファンキーなお袋さんだな・・・・・・・・」
黒沢カオル「でも、関西では焼そば・お好み焼きはおかずになるんだよ?」
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