-ゴスドラマ過去ログ:7001-7100-
黒沢カオル「は?」
北山陽一「俺の知り合いに、笑って死ぬ為に生きろって言ってた人がいるんです。その人、自分の行動に後悔する様な生き方はしないって言い切ってました。」
黒沢カオル「その人って…?」
北山陽一「大学の教授です。結構ぶっとんだ人で、受講するの面白かったですよ。」
ト書き「どんな医大だ、と黒沢は考えたが質問するのは止めにした。」
黒沢カオル「・・・・・あっ、そうだ。」
マネージャー竹内「カオルが何かを思い出したように言った。」
北山陽一「なんですか?」
ト書き「黒沢は、言いにくそうにしている。」
北山陽一「……俺しか聞いてませんよ?大丈夫。聞いたことはすぐに忘れますし。」
黒沢カオル「いや、でも…。」
北山陽一「……そりゃ、無理に、とは言いませんけどね。もし、君の負担が軽くなるのなら――。」
黒沢カオル「u,」
北山陽一「大丈夫ですか?」
黒沢カオル「本当に…優は大丈夫なのかなって…。手遅れで死んじゃった人がいるから。」
北山陽一「骨髄が癒着する一週間、その一週間が過ぎればまた一般病棟に戻れますよ。」
黒沢カオル「そっか……。」
北山陽一「俺も……優が死ぬのなんて見たくないから…。尽力します。」
黒沢カオル「ほんとに。それにしても、あそこに寝てるお姫サマは誰を選ぶのかな…。気になりません?」
北山陽一「まぁ…でも、結果だけじゃ納得しないんでしょ?」
ト書き「苦笑しつつ、北山は言った」
安岡優「んっ…ぅう………。」
酒井雄二「……なんで夢の仲間で優を苦しめるんだよ、神さん……」
ト書き「安岡の手が、酒井の手をぐ、と握る。」
ナレーション「ねえ?何でさっきから竹内さんナレーションしてるのでしょう・・・?」
マネージャー竹内「ギクッ。」
ト書き「そんなことよりも、話の腰を折ったナレーションは魚の群れに流されていってしまった。」
酒井雄二「あ…点滴終わったのか、先生方呼ばないと。」
ト書き「ふと、安岡の腕に付けられた点滴チューブを見ると血が逆流していた。」
酒井雄二「っ…!」
ト書き「北山らがいる部屋へ、酒井は駆け込んだ。」
北山陽一「何かあったんですかっ?」
酒井雄二「点滴が・・・点滴の管に、血が逆流してるんです!」
北山陽一「ああ、手の角度とかが悪くって、時々あるんですよ。大丈夫です。」
ト書き「そういうと、北山は優の腕を取って、点滴を付け替えた。」
酒井雄二「なんだぁ・・・よかった。・・・俺、心配し過ぎかなぁ。」
黒沢カオル「そんな事ありませんよ。俺だって血が逆流してたら、びっくりしますもん。」
酒井雄二「そういう物なのかなぁ・・・」
黒沢カオル「そういう物ですよ。・・・人間なんて。」
ナレーション「#一方その頃#(・・・どきどき・・・ト書きの奴、いないわね)」
平見文生「今日は、付き合ってくれてありがとう・・・。」
佐々木真理「いえ、とんでもないです。・・・それより、雄二と優ちゃん。仲良くやってるかしら。」
平見文生「大丈夫ですよ。優は人見知りしませんし・・・。」
佐々木真理「そうですか?・・・ならよかった。」
平見文生「優はですね・・・命と引き換えに、母親を亡くしましてね。」
佐々木真理「・・・・・・。」
平見文生「私も、毎日仕事で・・・ましてや、入院してからは、全然会えなくなってしまって。」
佐々木真理「・・・・・・。」
平見文生「あぁ、すいません。愚痴っぽくなってしまいまして。」
佐々木真理「いえっ。全然。」
DJバリ"K"〜ん「でも、その所為なんでしょうな。一人でいるのを、極端に嫌がりまして・・・雄二君には、感謝してます。」
平見文生「うわぁっ、バリさんっ。」
佐々木真理「どうしたんですか?こんな所で…」
DJバリ"K"〜ん「病院の帰りです。」
ト書き「にょほっと、バリ氏は現れた。」
平見文生「あぁ、でももうバリさん家の近くだね。」
DJバリ"K"〜ん「そんじゃ、二人ともオヤスミなさい。」
佐々木真理「あ…はい、どうもさようなら。」
ト書き「そう言って、バリさんは二人の進行方向と違う方へ歩いて行った。」
平見文生「でも、彼…女の言う通りなんですよね…。」
佐々木真理「はい?」
ト書き「何か考える様な仕草をして、平見氏は不意に立ち止まった。」
佐々木真理「どうしたんですか。」
平見文生「いや……なんでもないですよ。」
佐々木真理「気になる〜」
平見文生「僕と…優を」
佐々木真理「えっ?」
平見文生「僕と、優をこれからも、見守っていてください・・・・・・なにぶん、不器用ですから。」
佐々木真理「…はいっ。」
ト書き「真理さんは笑顔で頷いた。」
平見文生「(気付いてくれたのかな…今の言葉の意味。」
ト書き「ふと、平見氏は心配になってしまった。」
佐々木真理「あの…。」
平見文生「は、はいっ」
佐々木真理「明日、婚姻届貰ってきますね?」
平見文生「あ……一緒にいっても、いいですか?」
佐々木真理「ええ、どうぞ。」
ト書き「手をつないで、二人は平見宅へ帰路に着いた。」
酒井雄二「………っ、はっ。」
ト書き「酒井は昼間の疲れもあり、睡眠欲に駆られていた。」
村上てつや「おい、寝るなら出てってくれ。」
酒井雄二「は、いや大丈夫っす。」
ト書き「ごしごし目元を擦って、酒井は幾分か眠気を覚まそうとした。」
北山陽一「…かいさん、酒井さん?」
酒井雄二「んっ?」
村上てつや「あ〜…北山、ちょっと力貸せよ。」
北山陽一「はい。」
ト書き「村上と北山は、酒井の身体を両側から抱えて立たせようとした。」
酒井雄二「・・・・・・・。」
村上てつや「駄目だ、こりゃあ。起きねーな。」
北山陽一「っと、でもここに寝かせとくのもなんですよねぇ…」
安岡優「ん………ん?」
ト書き「眠っていた安岡が目を覚まし、視界を彷徨わせて最初に見たものは。」
安岡優「あれ…雄二兄ちゃん…?」
ト書き「医者二人に抱えられている、義兄の姿…だったりする。」
安岡優「雄二お兄ちゃんどこに行ちゃうの?」
村上てつや「ん?おお、起きたかお嬢。」
北山陽一「お早うございます。」
安岡優「せんせぇ…雄二お兄ちゃんどこに連れてくの?」
ト書き「点滴の針が入った腕を支えに、安岡が身体を起こそうとした。」
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