-ゴスドラマ過去ログ:17801-17900-
北山陽一「(ネックレスの十字架を握り締め)・・・どうやら、罠にはまってしまったようですね・・・・・・。(酒井さんに「お前が持ってろ」と言われた霊水晶と、このネックレスのおかげで、僕だけ薬の効果を消されたらしいですね・・・・・。)」
一般人(男)「(店長の体から抜け出し本当の姿を見せる)お前等がバリを倒して、「あの方」も倒そうとしている愚かな霊能力者達か?」
安岡優「バリ・・・・?・・・まさか、あの屋敷にいたあいつの事・・・・?(北山の陰に隠れる)・・・お前、あいつの仲間なのか?あいつと同じように、僕に呪いをかけた「あの方」って呼ばれる奴から力を貰ったのか?」
一般人(男)「・・・やはりな。お前等がバリを倒したっていう霊能力者か。・・・ククク、ここは俺を倒そうと来る霊能力者どもが必ず立ち寄るからなぁ。店長にとり憑いてもう5人も魂を喰ってやったが、バリを倒したほどの奴だ。お前等全員を喰えば、最強になれるかもな。」
酒井雄二「こいつも・・・「あの方」って奴から力を貰ったのか・・・・・。くそう・・・みすみすやられてたまるか!!はぁ!!!(言う事きかない体を無理に動かし攻撃する)」
村上てつや「さ・・酒井・・・。くそっ・・・!」
一般人(男)「はぁ〜はっはっは!!死に底ないのお前らに何ができる?!!そこの十字架ぶらさげた男!!貴様も攻撃はできんようだし・・・貴様らに勝ち目はない!!」
村上てつや「そんなことねえよ!俺らはお前らなんかに負けない!!」
一般人(女)「あの・・・何これ・・・?私どうすればいいの?!」
北山陽一「すみません、ちょっと下がっていてください!」
ト書き「北山の体から凄い光が部屋全体を包み込む」
黒沢カオル「北山!!(立ち上がる)」
酒井雄二「体がかるく…なった!?(体を起こす)」
村上てつや「力が戻ってきた〜〜!!ふっか〜つ!!!!!」
一般人(男)「うわっ!!な・・なんだこの光はっ?!・・・体が・・体が・・き、消える・・・っ!!!」
村上てつや「体が言う事きけばこっちのもの!覚悟っ!!(刀を抜き男をぶった切る)」
一般人(男)「ぐわぁぁぁぁ!!!この光さえ・・・・この光さえ無ければーーー!!!!(消滅する)」
北山陽一「・・・・はぁ・・・はぁ・・・・・・(光がおさまったのと同時にガクリと膝を付く)・・・はぁはぁ・・・今・・僕は・・・一体何をやったんですか・・・・・・?」
酒井雄二「えっ・・・今自分で何をやったか、おぼえてないんですか?」
北山陽一「ごめんなさい・・・憶えてません・・・・・。彼女(ウェイトレス)に下がっててって言った後、「自分一人でどうすれば・・・・」って思って霊水晶と十字架をおもいっきり握ったら、いきなり凄い光が放たれて・・・・・・。」
黒沢カオル「(もしかして・・・・・)」
酒井雄二「(黒沢の様子を見て)・・・黒沢さんも思いましたか?」
村上てつや「どういうことなんだ??なにがどうしたんだよ」
酒井雄二「北山は、我々霊能力者の中でもすごく珍しい、「防御的な能力」を持ってるんです。」
安岡優「防御的な能力・・・・?」
酒井雄二「えぇ。特長として、「霊水晶のバリアが丈夫で広範囲」、「聖なる光で悪霊の動きを封じる、または消滅させる事が出来る」、「霊よって受けた傷や呪いを解く事が出来る」・・・というのがあるんです。どれも、「攻撃的な能力」を持つ人達から比べたらですけど。」
黒沢カオル「さっき北山から発せられた光、あれは間違いなく「聖なる光」だよ。それによって俺達は薬の効果を消され、あの悪霊も力を失ったんだ。」
村上てつや「じゃあ北山がその光を出せば、どんな大きい悪霊でも木っ端微塵ってことか!」
北山陽一「悪霊を倒す力……霊を…………(ハっと我にかえる)優っ!?優は!?」
安岡優「大丈夫だよ北山さんっ!それにぃ〜・・さっき僕しゃべってたじゃん!みんなと!」
北山陽一「………ごめん、気が動転していたから………。本当に大丈夫だよね?」
安岡優「さっきはテディベアの中に隠れていたから大丈夫っ(^^)」
北山陽一「よかった・・・・はぁ・・・。」
酒井雄二「そんなに気を落さないでください。「防御的な能力」を自分のものに出来れば、優くんを死なせずにすみますから。」
北山陽一「・・・それ本当ですか?」
酒井雄二「はい。「防御的な能力」を自分のものにすると、自分が消滅させたい霊だけを消滅させる事が出来たり、霊水晶がなくてもバリアを貼る事が出来るようになります。もちろん「聖なる光」もね。」
黒沢カオル「「防御的な能力」を持った人は過去にも数人いたんだけど、その中の一人に動物霊を常に連れてる人がいたんだ。自分のパートナーとしてね。その人は、その動物霊を消滅させずに悪霊を次々と倒していった。・・・・北山さんも頑張れば、そう出来るようになるんだよ。」
北山陽一「頑張れば、優やみなさんを助ける事ができるってわけですね。」
酒井雄二「そういう事です。・・・しかし、ちゃんと自分のものに出来るまでは無理しないでくださいね。我々には影響ないですけど、あなたや優くんには影響あるんですから。」
黒沢カオル「北山さんには疲労、優くんには消滅だもんね。・・・・俺達も今回みたいな事にならないよう気を付けるからさ、ちょっとずつやってこう。」
村上てつや「ひとつ聞いていいか?(北山に向かって)お前生命力削ってない?すごい力がみなぎってるんだけどさぁ。」
北山陽一「よくわからないですけど・・・・変に体がだるいのは確かですね。」
酒井雄二「薬の効果を消すだけの力が足りない分、生命力が使われたのかもしれませんな。そしてそれが我々に力を与えている。・・・・俺も、いつも以上の力を感じますしね。」
黒沢カオル「俺も感じる。・・・・このままじゃヤバイね。(北山に向かって手をかざし何かを唱える)・・・・・これでよし。生命力貰っただけ戻したから、少しは楽になったと思うよ。何度も言うけど、これからは無理しないでね。」
村上てつや「なぁんか、……(小声)『出したり入れたり』って感じ?」
酒井雄二「何が言いたいンですか。…陽一、ちょっと手を貸して下さい。」
北山陽一「あ、はい。(酒井に手を差し出す)」
ト書き「酒井は、何やら呪文を唱えた。」
酒井雄二「・・・・・・・ぶつぶつ・・・・・ぶつ・・・・」
安岡優「……詠唱長くない?ゲームだったら短いよね。例えば『ドラクエ』なら“ラリホー”とか…。」
酒井雄二「そうそう、『ファイナルファンタジー』なら“ケアル”とかって〜〜のせないでくださいよ!!どこまで詠唱したか分からなくなったじゃないですかぁ!!」
村上てつや「ノルやつが悪りーんだよ。」
黒沢カオル「なんせ『ゲームの事なら酒井雄二に言え』だもんねぇ。」
北山陽一「誰も右に出るヤツがいない…。」
安岡優「でも左ならいるかも(笑)」
村上てつや「お前いつもその返しな。」
酒井雄二「ああ、もう!黙っててください!もう一度詠唱しなおしますから!!」
ゴスペラーズ「酒井以外>はい。」
酒井雄二「ったく・・・・(怒)」
ト書き「再び呪文を唱える酒井。」
酒井雄二「・・・・・ぶつぶつ・・・・・ぶつぶつ・・・・・・・・・はい、いいですよ。俺のも戻しておきましたから、これで大丈夫だと思います。」
村上てつや「酒井・黒沢はいいけどオレはどうするの?」
酒井雄二「村上さんはこういう事出来ないからいいですよ、そのままで。北山が無理せずゆっくり休めば、その分もちゃんと回復されるでしょう。」
一般人(女)「【ウェートレス】………ククククッ。そうかっ、そういう事だったのか!!(背後から北山に近付く)」
安岡優「えっ・・・・?(背後にイヤな雰囲気がして振り返る)・・!!!北山さん、後ろ!!」
一般人(女)「遅い!!(北山の首に腕をまわし絞め付ける)ククク、お前等、動くんじゃねぇぞ!動いたらこいつの命がないからな!」
北山陽一「うっ・・・・・(無意識のうちに十字架を握り締める)・・・っ・・・・・・(く、苦しい・・・・コイツ・・・・・)」
ト書き「人間の、しかも女性とは思えないほどの力のせいで、声も出せない北山。村上、黒沢、酒井は、すぐにでも行動できるよう、刀を抜く準備をしたり印を結べるようにしておいたり、それとなく身構えている。」
一般人(女)「バカだねぇ。普通店長がおかしければ店員も疑うもんだ!違うかい?霊能力のボ・ウ・ヤたち!!」
酒井雄二「くそっ・・・・!」
一般人(女)「まさかこいつがあれほどの力を持ってるとはね。(さらに力を入れて北山の首を絞め付ける)」
酒井雄二「(冷静に)女性には手荒なことはしたくないのですが・・・」
一般人(女)「何をする気だ?・・・ククク、変な事をすればこいつが死ぬぞ!あれほどの力を持ってる奴だ。魂もさぞかし美味しいだろうな。(笑)」
酒井雄二「(心の声で)優くん・・・優くん・・僕の声が聞える?」
安岡優「えっ!(同じく心の声で)あっ、はい聞こえます」
酒井雄二「(心の声で)これから北山さんを苦しめているアイツを倒す為に風を起こすから、テディベアから吹き飛ばされないようにしてね!」
安岡優「は、はい!分かりました。」
酒井雄二「さて、北山さんを離していただきましょう。」
一般人(女)「ん〜?何か言ったかい〜?(北山の顔を妖しく指でなぞる)お前おいしそ〜な顔してるねぇ。好みだよ……ウフフフフ。」
村上てつや「(独り言)あ!アレいいなぁ!!オレもしてもらいたい!」
安岡優「なにばかのこといってんの」
黒沢カオル「(何か唱える)ぶつぶつ・・・・・・・・・・」
北山陽一「(くっ・・・)(相当苦しい)」
妹尾武「そこのぼうや、私になにかしようたって無駄だよ。私に子供だましの術なんて効かないんだから。」
黒沢カオル「(妹尾さん、間違ってますよ)・・・・・・うるさいなぁ・・・」
酒井雄二「(小声)黒沢さん、無視して続けてください。・・・・もういいです、諦めました。北山さん、我々にはどうしようもないのでそのまま死んじゃってください。大事な物だけは、しっかり握って死んだ方がいいですよ。(気付いてくれよ、北山・・・・!!)」
北山陽一「(酒井さん・・・・・わかりました・・・・・・・・・)(なんとか保ってられる意識の中、右手で霊水晶と十字架を、左手で安岡の憑いているテディベアを、それぞれしっかりと握り締めた)」
一般人(女)「なかなか物分かりがいい男だねぇ(微笑)。・・・・お前のその顔見てると我慢できないよ。もう死んでちょうだい!」
ト書き「女が北山を殺そうと、首を絞め付けている腕に力を入れたその時・・・・・」
効果音「ピカッ!!!!!!!(もの凄い光が辺りを照らす)」
一般人(女)「な、なんだ?!この光はっ・・・!!!」
酒井雄二「今だ!(すぐさま印を結ぶ)はぁ!!!!(突風を起こし、女だけをうまく吹き飛ばす)・・・北山さん!握り締めるのをやめてください!!」
ト書き「酒井の言葉を聞いて、右手を十字架から離し、霊水晶を軽く持つ北山。すると光がおさまり、北山の後ろの方に倒れている女の姿が確認できるようになった。」
北山陽一「酒井さん、ありがとうございます。」
酒井雄二「すいませんね、またあなたの体に負担をかけてしまって。(北山を抱き上げ村上・黒沢の後ろの方へ)・・・前と同じようにバリアを貼っててください。あなただけを守る程度のバリアなら、負担はかかりませんから。」
北山陽一「わかりました。(霊水晶を握りなおすと、北山のまわりにバリアが貼られる)」
酒井雄二「ありがとうございます。もうしばらくこのままでいて下さい。」
ト書き「そう言うと酒井は、村上・黒沢と同じように北山に背を向けて立ち、身構えた。」
北山陽一「ふう・・・。」
安岡優「北山さん、大丈夫?ずいぶん長い間絞め付けられてたけど・・・・・」
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