-ゴスドラマ過去ログ:18901-19000- |
村上てつや「なめんなよ、いらねぇよハンデなんて。」 ト書き「構えの体勢に入る安岡と、指をくいくい動かして『かかってこい』と言わんばかりの村上。が…」 安岡優「んじゃ、遠慮なく…はっ!!」 平見文生「安岡っ!…部外者相手に何やってる!……喧嘩売る体力有り余ってるなら、ランニング行ってこい!」 安岡優「ちぇっ!・・・この勝負はおあずけだ。いつか絶対勝負しような。」 ト書き「こういうと安岡はランニングをするため、武道場から走り去っていった」 平見文生「そこの君!(村上を手招きする)」 村上てつや「はい、なんですか?」 平見文生「君はここの大学の生徒か?」 村上てつや「そうですけど・・・何か?」 平見文生「ここの生徒なら知ってるだろう?安岡にあまり近づくな。」 村上てつや「え?安岡?・・・・ってアイツが安岡ですか?」 佐々木真里「そうだ。分かったらもう行け。」 村上てつや「真里さんって・・・俺より低い声が出せるんだ・・・。」 佐々木真里「こほん・・・・・・・・・・・・・」 村上てつや「あー…どうせ学部も違うし、そんなに会う事も無いっスから。それより、勝手にお邪魔してすいませんっした。失礼しま〜す。」 黒沢カオル「(舞台袖から小声で)ねぇ〜!俺と酒井の出番はまだぁ〜?」 ナレーション「まだですよ、黒沢さん。お茶でも飲んで待っていてください。(とお茶を出す)」 黒沢カオル「あっ、どうも。(お茶をすする)あ〜美味い!」 ト書き「酒井さん出番ですから準備してください。」 酒井雄二「はい。わかりました」 ナレーション「ぶ・・・舞台裏を公開してしまった・・・(涙)」 酒井雄二「(渡り廊下を歩きながら外を見る酒井)あそこで走ってるのは・・・安岡だな。あそこは通らないほうがいいな・・・。さわらぬ神になんとやら・・・。(きびすをかえす)」 ト書き「市役所に持って行こうとしていた書類を、右から左に持ち直し、酒井は設計図を想像で描く。」 酒井雄二「(…やっぱり…部品が足らない。安く卸して貰うしか…あーでも、予算がなー…。)」 ナレーション「工学科の酒井は大学始まって以来の工学では右に出るものはいないぐらいの頭脳を持っていた・・・。しかし・・・・。」 酒井雄二「(何だかなぁ、つまらんなぁ。俺、貧乏学生だし、何か作ろうにも予算足りんし)」 北山陽一「(ふう・・・人を案内するのも楽じゃないな・・・早く戻って作業をしよう・・・)……ぅわっ!(酒井にぶつかる)あっ…すみません、少し考え事をしていて。大丈夫ですか?」 酒井雄二「あっ、ああ。大丈夫です。俺も考え事してましたから…」 ナレーション「二人は見つめあった。まるで何かにとりつかれたように恋に落ちた二人は手をとり・・・・・・。なによコレ!?台本途中から恋愛ドラマになってるぅ!!」 酒井雄二「・・・ナレ・・・ふざけてないでしっかり仕事しろ?(顔は笑顔でも目が笑ってない)」 北山陽一「ふっとんで、衛星軌道上を漂いたいですか?それとも、某製薬会社のゴキ○リ等害虫が放し飼いで飼育されてる部屋に1泊2日、フルコースで泊まりますか?」 ト書き「(ナレを無理矢理引き戻し)…そんな他愛ないやり取りをする二人の横を、職員と思われる人間が注意を呼び掛けながら走って行った。内容は、爆破予告が出された、というものらしい。」 酒井雄二「…爆破予告出された割に、結構他の職員も安穏としてるのね…。ホント。」 北山陽一「…嘘だと思ってるみたいですから…。でも…アレって、それらしくないですか?あの紙袋。」 ト書き「北山が指す一角に、『それ』らしい引き出物大の紙袋が。恐る恐る二人は中を覗いて、引き攣った表情をお互い見せあった。」 村上てつや「…(講議始まるまでどーすっかなー…6限目まで時間有るし…)…なぁ?それ、誰かの忘れ…?……もの、じゃあなさそうだなー…」 ト書き「村上の視界に入ったのは大きな紙袋と、青ざめた2人の男の顔。」 村上てつや「(村上紙袋をのぞく)これ一体なに?」 北山陽一「(紙袋から顔をあげ、村上を見る)・・・これ、爆弾ですよ。見た感じ、割と威力が強めのね。」 村上てつや「へ〜そう・・・・・・ってなに!?爆弾!?」 ナレーション「ずささささっ!!と音を立てるように逃げる村上てつや。」 村上てつや「・・・・もしかして、お前らが作ったのか!?」 ゴスペラーズ「酒・北)そんなわけないでしょうが!!」 村上てつや「(圧倒)あああぁぁ…わかったからそんな怖い顔すんなよな〜…」 ト書き「その頃黒沢は美術室に向かうため3人のいる廊下をスケッチブック片手に持って走っていた。」 黒沢カオル「あれ〜みんなこんなところで何してるの〜?」 村上てつや「お前は・・・・(酒井&北山に小声で)もしかしてあいつ、天然で有名な黒沢?」 酒井雄二「ちょっと、黒沢さん転んだらどうするんですか!?走らないで下さいよ!」 黒沢カオル「ボテッ・・・(なにかにつまずく)痛い(;_;)」 ト書き「転んだ拍子に紙袋にぶつかりそうになる黒沢。」 ゴスペラーズ「(村上、酒井、北山)う、うわーーーっ!!!」 黒沢カオル「あっ、なんかこの紙袋の中鯛焼きのにおいがする♪あっ、やっぱり鯛焼きだ。」 酒井雄二「…鯛焼きって…それ、別の紙袋……。」 安岡優「…げっ…これ本当に爆弾?冗談だと思ってた〜。…あり?なに?鯛焼き食べたいの?えーっとね〜…ハムマヨネーズと…ピロシキと〜カレーとぉ〜…カスタードと〜チョコ入ってるやつ、どれか1個奢るよ。お腹減ってるんでしょ?黒沢。」 ト書き「ランニングの途中で買い込んできた鯛焼きと飲み物片手に、サボタージュしていた安岡も、爆弾の存在を知ってしまった。…ちなみに黒沢は、一体どれが甘くない鯛焼きか、ぱっと見外見では判らない上に、5個以上入っている為、どれを取るかで悩んでいる。」 ゴスペラーズ「(村・北・酒 心の中で)げっ!!安岡!」 安岡優「どうしたの?3人して驚いた顔してさぁ〜」 北山陽一「いえ…あの……噂を鵜呑みにしているって訳じゃないんですけどねー…。あの、危険人物に指定されてる貴方と、黒沢さん。…知り合いなんですか?」 安岡優「え?爆弾より僕の方が重要なの? 経緯は後で幾らでも説明してあげるからさ。それより、コレ…あっ!そう言えば、そっちの髪長い方酒井雄二だ!これ分解出来ない?電子工学科の人間なんでしょ?」 酒井雄二「まあ、出来ない事も無いですがねぇ・・・」 北山陽一「・・・・この爆弾、安直に「最後のコードはどっちだ?」になってますね。それ以外は専門家の方・・・酒井さんでしたね・・が解除してくれるでしょう。(北山はざっと見で構造が分かったようだ)」 黒沢カオル「へぇ〜〜。すごぉ〜〜〜〜い!!」 村上てつや「じゃあ北山も酒井と一緒に分解すりゃ良いじゃん。」 酒井雄二「そう簡単に言ってくれますが…この、紅白で何気にめでたいこのコード。両方とも、爆弾の裏に繋がってるんです…。どっちがダミーやら…」 ト書き「自前の、ニッパーとドライバーを取り出し、解体する姿勢になるものの「こればっかりは…」と酒井は4人の顔を伺う。」 村上てつや「ふ〜ん。・・・・・(爆弾のコードを見てボソッと)「赤」じゃない??」 酒井雄二「は?…いや、まだ、もうちょっと外すまで時間かかりますから。ゆっくり考えて下さい。……振動感知…解除っと。…うわ、なんだこりゃ。一丁前に外部操作出来るシステム組み込みやがって…基盤滅茶苦茶にハンダ付けてるな……畜生、俺だったらこれより上手く作れるぞ…」 ト書き「北山が口を挟むより先に、酒井はてきぱきと導線にニッパーの刃を入れ、取り付けられた部品を丁寧に外した。」 田辺恵二「そこで何してる!…お前ら、今すぐ作業を中止して、外に避難しなさい!」 ト書き「作業に没頭している酒井と、北山に駆け寄ろうとする教員の間に、安岡が身体を入れて、教員の足を止めさせる。」 安岡優「(田辺の目を見て静かに)・・・・もうちょっと待ってください。」 田辺恵二「なんだ、安岡!今すぐやめろと言ってるじゃないか!!!」 安岡優「今、中途半端なとこだから、ココで終わらしちゃうとすっごい危険な状態になるんだって。(ボソッ)」 田辺恵二「・・・・仕方ない。切りのいいところで終わらせて、さっさと避難するんだぞ。(その場を立ち去る)」 村上てつや「今の説明で先生が分かったとおもうか?」 黒沢カオル「たぶん分かってないだろうねぇ。まさか爆弾を解体してるとは夢にも思ってないと思うよ。(鯛焼きを食べながらのほほ〜んと言う黒沢)」 酒井雄二「なんか、うまくいけそうな気がする…」 北山陽一「…周りを覆うドレスはもう全部脱がせちゃってますから。恋人を扱うみたいに、丁寧にお願いしますね?酒井さん。そんな、自己暗示かける様な事は言わないで。」 酒井雄二「北山・・・さん・・・・そのたとえはどうかと思うんですけど・・・・・・。(汗)」 村上てつや「うん。爆弾が恋人なんて恐すぎる…。」 安岡優「恋人じゃなくたってもっと「大切に」っていうたとえあるでしょう!?」 黒沢カオル「北山さぁ、何か変なのも食べた?(役忘れて素に戻ってる黒沢)」 村上てつや「いや、黒沢・・・こういうのがきっと女の子を落とす秘訣なんだ。きっと俺達くらいの女好きにはわからないんだ。こいつくらいにならないと・・・・・」 酒井雄二「もう目からウロコが落ちまくって、ウロコの山が出来てしまいました(酒井も素に戻っている)」 黒沢カオル「丁寧…特売品でお一人様一パック限定!で苦労して買ってきた玉子持って帰る時ぐらい丁寧に?」 安岡優「黒ポン…それって微妙だよ…」 村上てつや「…で、酒井、その爆弾どうなのよ?解除できる?」 酒井雄二「う〜ん・・・・配線はあらかた切断しましたけど、やはりこの紅白のコードが問題ですねぇ・・・。どっちがダミーで、どっちが本物やら・・・・・。」 北山陽一「ダミー切っちゃったら、解除不能になりますからね。・・・そういえば村上さん。先ほどは、「赤」のコードを切るとか何とか言ってましたけど、何か根拠があったんですか?「赤」のコードが本物だと思った根拠。」 村上てつや「いや、ない!(きっぱり)」 酒井雄二「はぁ?なんすかそりゃあ!それ聴いたら白の方を切りたくなってきましたよ、俺はっ!爆死すんのもあんたと心中すんのも嫌だからな!」 村上てつや「・・・悪いけど俺、賭けに負けた事は一度も無いんだ。その俺の頭が「赤」だって言ったから、本物は「赤」なんだよ。・・・・まぁ、勘って言ったら勘だけど、せっかくだからこの俺の勝負運に賭けてみねぇか?」 北山陽一「…今までは、百発百中だったかもしれませんが。これからも、“今”もそうとは限らないでしょう?でも…ギャンブラーはイカサマ師、嘘つきだから信じるなって先人の言葉がありますが…今だけは、理屈抜きに貴方の言葉、信じます。俺の命、Betしましょう。」 酒井雄二「…村上さんの言うことはのなんの根拠もないじゃないですか…でも、まぁ、これはまさに賭けですからね、生きるか死ぬかの!おれは絶対死にたくないっすから。ほんとにいいんですか、白で?」 安岡優「…それは白を残して、赤を切るっていう意味?いいんじゃない、どっちにしたって五分五分の確率なんだし。」 村上てつや「じゃあ、俺1人でやってやるよ。これ切ればいいんだろ?」 ト書き「そう言って酒井からニッパをひったくる。そして皆が避難しようと行動を起こすより素早く切ってしまう。」 黒沢カオル「ふぐっ………?(もぐもぐ…んぐっぅ:口から出ていた鯛焼きの尻尾飲み込み)……爆発…しないよ?」 村上てつや「大丈夫だったろー?…(内心:緊張後の高揚)…素直に命賭けるギャンブル…じゃなきゃ、俺は満足しないって事かよ…因果な味知っちまったもんだ。(…ああ、でもこの緊張とぞくぞくする感覚…二度と味わいたくないよーな、もう一回やりたいよーな…)」 |
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