-ゴスドラマ過去ログ:7201-7300-
安岡優「センセ・・・」
北山陽一「どうしたの?」
安岡優「センセはどこか行ちゃったりしないよね?」
北山陽一「優?」
安岡優「村上センセも、雄二お兄ちゃんも、カオルもどこにも行かないよね?」
ト書き「優は目を潤ませて、北山をじっと見つめる」
北山陽一「ああ。どこにも行かないよ。約束する。」
安岡優「よかったぁ……。」
ト書き「ふ、と安岡は安心したように笑顔を浮べた。」
北山陽一「やっぱり、どこか痛むんじゃないのか?」
安岡優「え…?」
ト書き「再び、止め処なく安岡の瞳から涙が溢れる。」
北山陽一「どうしたの?」
ト書き「北山は、近くにあった椅子を引き寄せて座ると、安岡に尋ねた。」
北山陽一「……とりあえず、今は思いっきり泣いちゃいなよ。すっきりするでしょ?」
安岡優「う…。」
ト書き「暫しの沈黙。」
北山陽一「もっかい聞くけど…痛いトコは無いの?」
安岡優「無い…。」
北山陽一「じゃあ、そんな顔しない。」
ト書き「安岡は、何も言わず頷いた。」
北山陽一「泣き止むまで、ここにいるから。」
安岡優「せんせぇ……」
ト書き「機械音に嗚咽が混じる。」
北山陽一「よしよし。」
ト書き「北山は優を抱きすくめた。」
北山陽一「大丈夫……ここに、いるから。」
安岡優「う、うわ〜ん。え〜ん」
北山陽一「……優……」
ト書き「安心させるように、北山は安岡の肩を一定のリズムで叩く。」
北山陽一「……もう、落ち着いた?」
ト書き「頭を撫でると、安岡は更に泣き出してしまった。」
北山陽一「(しまった…逆効果か…。」
安岡優「ありがと…せんせぇ…。」
北山陽一「話せそう?…泣いてる理由。」
ト書き「優はみんなが自分をおいて去ってしまう夢をみたことを話した。」
北山陽一「…そっ…か…。」
安岡優「好きな人達が居なくなるの…凄くつらい」
北山陽一「誰だってそうだよ。俺だって・・・。」
ト書き「優がいなくなったらつらい。と言おうとしたが言葉にならなかった。」
安岡優「……先生、泣いてる……?」
北山陽一「いや……?」
ト書き「ぽすぽす、と安岡を軽く叩き、北山は言った。」
北山陽一「じゃあ、そんな恐い夢見ないように『祈』ってあげる。」
安岡優「祈るって……先生何かの宗教に入ってるの?」
北山陽一「違うよ……。」
ナレーション「それは…ちょっと、という表情で北山は否定する。」
北山陽一「どっちかって言ったらおまじないに近いかも…。」
安岡優「おまじない。」
北山陽一「そう。」
ト書き「北山は、安岡の前髪を上げた。」
安岡優「ひゃあっ。」
ト書き「音を立てて北山は額にキスをした。」
北山陽一「……ごめん。俺も、ちょっとおかしいかも……今のは、忘れて。」
安岡優「先生・・・?」
効果音「ガシャーーーん!!」
ト書き「部屋の外で何か大きなものが倒れた音がした。」
安岡優「なっ…なに?」
北山陽一「外だ…。」
村上てつや「きたやまぁっ。」
北山陽一「村上先生っ、どうしたんですかっ!?」
村上てつや「……お前じゃないのか?この音。」
北山陽一「俺はずっと、こっちに(と無菌室を指差す)居ましたよ。」
村上てつや「……ってことは、仮眠室の奴らか……?」
北山陽一「ええ・・たぶん。」
村上てつや「・・・おい、見に行くぞ!・・ったくなんなんだよ。」
北山陽一「またすぐ来るから。大人しくしてるんだよ。」
ト書き「イスから立ち上がると、北山は笑顔で出て行った。」
安岡優「……大丈夫、大丈夫……北山先生も、ああ言ってくれてる……大丈夫……」
ト書き「優は自分に言い聞かせるように、そう呟いた。」
ナレーション「仮眠室の前で村上が急に立ち止まった。」
北山陽一「・・・・どうしたんですか?・・村・・上・・先生。。。」
ト書き「北山は村上の様子が違う事を察した。」
村上てつや「ゥゥゥ・。」
北山陽一「・・いや・・あの・・・・。」
ト書き「後ずさりして、村上と距離を測る北山。」
北山陽一「村上先生…………?」
村上てつや「お前お嬢に・・・!!」
ト書き「と、いきなり仮眠室のドアが勢いよく開く。」
効果音「ゴッー―――ン!!!!」
ナレーション「もちろんドアは村上の顔を直撃!!(ダッサーいリーダー)」
上てつや「痛ってぇーなぁー!!(マジ・怒)」
黒沢カオル「あっ・・・・・すみません・・・・・。」
酒井雄二「ふあぁ〜〜〜………何事っすかぁ?………げ。」
ト書き「怒っている村上を前に、固まる黒沢と酒井。」
酒井雄二「……失礼。ええと、氷嚢氷嚢。」
ト書き「倒れた製氷機を起こし、酒井は氷嚢を作った。」
酒井雄二「痛そ〜ですな…実際痛いのは十二分に分かりますけど、とりあえず冷やさんとね。」
北山陽一「……これが倒れた音だったんですね……。」
村上てつや「・・っつー。早くそれよこせ!」
酒井雄二「ああ、はいはい。」
黒沢カオル「でもさ、これって自然に倒れないでしょ、普通。」
村上てつや「誰かが悪戯で倒したっつーのか?」
ゴスペラーズレディース「ごめんなさい……倒したの、私ですぅ。皆さんに毛布をと思って持ってきたんですけど……。」
北山陽一「(……どうやれば倒れるんだろう。」
村上てつや「(結構でかいよな、あれって。」
酒井雄二「(地上最強の看護婦か………?」
黒沢カオル「あ、毛布……有難うございます。」
ト書き「黒沢は何も疑わず、毛布を受け取った。」
ゴスペラーズレディース「何も疑わずって……別に何もしてないわよ、失礼な!(怒)」
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