-ゴスドラマ過去ログ:7301-7400-
黒沢カオル「?」
ト書き「手巻きの懐中時計を取り出し、北山は時間を確認した。」
北山陽一「もうそろそろ交代ですよ…。」
ト書き「そう言いながら無菌室の方へと戻って行く北山。」
村上てつや「って…思い出した。きたやまぁっ、こんのヤローっ!」
酒井雄二「あ〜の、どうしたんですか?」
村上てつや「コイツがお嬢…嫌なんでもない・…。」
安岡優「……あ、北山先生!お帰り。」
北山陽一「ただいま。(微笑)」
安岡優「なんだったのぉ〜あの音ぉ??」
北山陽一「実はさぁ。」
安岡優「ふむむ。」
北山陽一「ってこと。俺もちょっと驚いた。」
安岡優「あはは、北山先生の場合『ちょっと』なんだね。」
村上てつや「ったくよぉ……。」
北山陽一「あれ、引き継ぎの先生は?」
村上てつや「遅れるんだとさ、今電話が入った。」
安岡優「村上センセ〜、おはよーございますっ。」
酒井雄二「うぃ〜す」
安岡優「あ、雄二お兄ちゃんもおはよう!」
村上てつや「昨日の今日で元気だな……。」
ト書き「村上は首の関節を鳴らし、そう呟いた。」
黒沢カオル「おはよ、優。」
安岡優「あっ、カオル! みんな勢ぞろいだね♪」
ナレーション「どの位の時間だったのか、誰もが口開こうとはしなかった。」
北山陽一「(・・なんでみんな黙っているんだろう…)」
村上てつや「(・・ナニ黙っていやがんだぁ〜みんな・・)」
黒沢カオル「(・・・どうしたんだろう・・何も話す気になれない。)」
酒井雄二「(優の笑顔を見ると・・・何かむなしい気になる・・)」
安岡優「(…みんな…)」
ト書き「安岡はさっきの夢の事を思い出し、また涙が目に溜まってきた。」
村上てつや「・・! おっ、お嬢!退院したらどこ行きたい??!!」
安岡優「ぇえっ…?(涙目)」
ト書き「あまりの唐突さに、安岡を含めみんなが村上を見た。」
黒沢カオル「あぁっ、そうだね、どこ行きたい?」
酒井雄二「うぅん、俺も優やみんなと一緒にどこか行きたいなぁ。うん。」
北山陽一「そうだね、行きたいところ、もちろん僕達も連れてってくれるよね?!」
安岡優「もちろんだよぉ〜。そうだなぁ〜〜・…」
ト書き「真剣に考え始める安岡に、他の4人もちょっと一安心。」
安岡優「僕ね…みんなと一緒ならどこでも良い。みんなさえ居てくれれば…それで…」
ナレーション「安岡は百億ドル以上もの笑顔をみんなに見せそう言った。」
ト書き「…結局思い浮かばなかったんじゃ〜ないのぉぉ??」
ゴスペラーズ「うるさいよ!!良いところなんだから!!」
効果音「バシッッ…ボスッッ…ボカッッ…ズコッッ…ゴー―ンッッ!」
ト書き「殴る蹴るしなくてもぉ〜〜〜。(><)))←逃げる」
村上てつや「そうかっ、俺もお嬢とならどこでもいいや!なぁ、お嬢。」
DJバリ"K"〜ん「ト書きさんがいないので「村上は安岡の頭をなでた。」」
村上てつや「(出からってナンデ”バリしゃん”なわけ??」
ト書き「”出”じゃなくて、”だ”でしょう!<さっきの反撃。>」
村上てつや「ぅるせぇ〜〜!!(激怒)」
黒沢カオル「ほら、優…顔拭けって。」
ト書き「きちんとアイロンがけされたハンカチを出して、黒沢は安岡の顔を拭ってやった。」
黒沢カオル「それより何で泣いてるの?……背中、痛いの?」
北山陽一「皆さんが居なくなる夢を見たんだそうです。」
村上てつや「そんで泣いてたのか……。」
酒井雄二「俺は優を置いていかないよ。」
ト書き「消毒薬の匂いのする手で、酒井は安岡の頬に触れた。」
酒井雄二「置いていけって言われても、抱いて連れていくからな。」
安岡優「おにぃ〜ちゃ〜んっ」
ト書き「酒井の手に頬をすり寄せる安岡。」
村上てつや「そうだ、こんなに可愛いお嬢を置いてくヤツは俺がシバいてやる。」
北山陽一「そうですよ、みんなもこう言ってます。大丈夫!」
黒沢カオル「そうだよぉ〜、みんな優が大好きなんだからね。」
安岡優「みぃ〜ん〜なぁ〜〜。<ウルウルおめめ」
ト書き「又しても、安岡は泣き出してしまった。」
酒井雄二「こらこら、泣くんじゃありません。」
黒沢カオル「美人(微笑)が台無しになっちゃうだろ?」
ト書き「そう言って黒沢は、安岡の肩を叩いた。」
安岡優「だぁってぇ…。」
村上てつや「そんなにも泣いたら眼球が溶けて落ちるぞ…?」
安岡優「え"?」
北山陽一「そんな事があってたまりますか。」
安岡優「北山せんせぇ……。」
北山陽一「こんなにも、みんな優ちゃんの事が好きですよ・・・だから、安心して・・・。」
安岡優「うん……。」
ト書き「腕で、目元を隠す安岡。」
村上てつや「だーかーらー、眼球が熔けて落ちるって言ってんだろ?」
北山陽一「だから…ある訳ないでしょう…。そしたら私が研究しますよ。」
ト書き「と、明るい時間が流れていったのだった……」
ナレーション「う〜ん、平和ですなぁ。後6日の命を助ける事を、果たして北山と村上は出来るのだろうか…。残された時間は少ないぞ!村上・北山!! 」
村上てつや「(わーってるよ!…ナレーションもうるさくなってきたな…)」
酒井雄二「(それだけみんな期待してるんだよ…今後の展開に…)」
黒沢カオル「(ワクワクするなぁ〜、そんなに期待されてんのかぁ〜)<遠い目」
北山陽一「(…… ……。)」
ト書き「話は戻って。真剣に優の顔を見つめる北山。」
安岡優「??!北山せんせぇ〜??」
北山陽一「…? あっ、なに優ちゃん??!」
ト書き「ふと我に返り、下がった眼鏡を上げる北山。」
安岡優「ぼぉ〜っと見てたから…どうしたのぉ??」
北山陽一「なんでもないよ。(微笑)」
安岡優「疲れてるんじゃなぁい?少しお休みしたら??」
酒井雄二「はっっ!」
ト書き「唐突に驚くナレ=B井酒く向り振をンョシ[」
ゴスペラーズ「はぃいい?」
ト書き「唐突にナレーションの方を向く酒井。」
ナレーション「なっ…なんですか?酒井さん…。」
村上てつや「げっ……ナレーション…お前なぁ…。」
ナレーション「な、なんですか?」
酒井雄二「間違ってるの。ほら…『後6日』じゃなくて、ここ、無菌室にいる時間が6日間って事なのに…。」
北山陽一「俺の言い方が悪かったみたいですね。」
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