-ゴスドラマ過去ログ:7401-7500-
村上てつや「つー訳で……出てけぇっ!!」
ト書き「ナレーションは無菌室から出されてしまった。」
村上てつや「……あー…無駄な体力つかっちまった……」
黒沢カオル「えっとぉ…どこまで行った??」
酒井雄二「”優”の台詞の次だよ…」
村上てつや「北山じゃ〜ねぇ〜かぁ〜?!」
ト書き「一仕事片付け、ドラマに戻る面々。」
北山陽一「え〜……心配してくれてアリガト。」
安岡優「先生…顔色悪いよ?本当に大丈夫?」
北山陽一「うん。」
村上てつや「ここは俺がみてるから…お前寝てこいよ。」
ト書き「にやにやと笑みを浮べ、村上は言った。」
村上てつや「動けないんなら運んでやっても良いんだぜ?……横抱きと肩に担ぐのどっちが良い?」
北山陽一「どっちもヤです。」
村上てつや「けっ、素っ気ないヤツ。」
酒井雄二「…僕も嫌ですもん…ボソッ」
村上てつや「なんか言ったかぁ??」
酒井雄二「…(あっ、聞こえてた。)…イヤ…別に…。」
村上てつや「聞こえてんだよ、充分に。なんか文句あっか?!」
酒井雄二「やっ、別にお前はエスパーか?とか、本当に医者か?なんて…思ってませんよ…」
黒沢カオル「(バシバシ言ってるし…伝わるよなぁ〜…そりゃ〜)」
村上てつや「そうかっ、ならイイんだっ。」
黒沢カオル「(…えぇぇっ???) <思わずコケル。」
酒井雄二「(・・・馬鹿?)」
村上てつや「まぁ、とりあえず休んでこいって。あとは俺にまかせてさぁ。」
北山陽一「では、お言葉にあまえて。(まかせるのは不安だが・・)」
ト書き「北山は優の前髪をくしゃり、と撫で、無菌室を出ていった。」
村上てつや「あいつ不健康な生活してるからな〜…お嬢からも一言言ってやってくれよ」
安岡優「え?村上先生の方が説得力有るんじゃないの?」
村上てつや「無理しなきゃなんない時以外、無理しなくても良いって事をだな…言って欲しいんだよ。」
安岡優「そーだよね……いっつも側にいてくれて……嬉しかったけど、やっぱり北山先生大変だったかなぁ……」
村上てつや「ま、目が醒めたら真っ先にこっち来るだろーから、そん時にでも言ってやってくれ。」
ト書き「そう言って、村上はふ、と笑った。」
黒沢カオル「やっぱり、あの二人って仲良いよね。」
酒井雄二「ん〜…ま、本人が自覚するのを嫌がりそうだから、それは黙ってた方が良いですよ。黒沢さん。」
黒沢カオル「どっちの事だと思った?」
酒井雄二「北山センセと村上センセ。」
ト書き「の、事でしょ?という意味を含ませて酒井は言った。」
酒井雄二「向いてる方向は違うのに、目指してるモノ…っていうか目的は同じなんですから。」
黒沢カオル「俺も……おニィさんにも言える事でしょう?それって。」
ト書き「上目遣いで、黒沢は酒井を見た。」
酒井雄二「選択肢は二つ有るけど、どっちかな…と。」
黒沢カオル「なにが…どう、例えば?」
酒井雄二「先生二人に限った事だけど、あの二人は『職業』で動いてるのか『感情』で動いてるのか…などと考えてるんですが。」
ト書き「腕を組んで、黒沢は村上と話している安岡を見た。」
村上てつや「なぁ〜お嬢、ここ出たらナニ食いたい??」
安岡優「う〜んなぁ〜んだろう?<考え込む」
黒沢カオル「……。」
ト書き「会話が弾む村上と安岡を横目に、黒沢は更に黙りこくってしまった。」
酒井雄二「『感情』なのか……。」
ト書き「酒井も村上と安岡を見て黙り込んでしまった。」
安岡優「どうしたのぉ?雄二にぃちゃん、カオル〜。」
酒井雄二「いや、」
黒沢カオル「なんでもないよぉ。(微笑)」
安岡優「やっぱり、みんな疲れてるんだね…ボクだけ寝てたし。」
村上てつや「病人は寝てるのが当たり前だろ、そんな事気に病まなくて良い。」
安岡優「でも……ひげ。」
ト書き「不意に、3人の動きが止まった。」
酒井雄二「あ〜…剃ってないから…。」
村上てつや「ひげはだめか、お嬢?」
安岡優「Zzzzz」
村上てつや「寝たふりをするなっ寝たふりをっっ!!」
安岡優「にゃはっ、バレたぁぁ?」
ト書き「安岡は首をすくめて照れ笑いをした。」
黒沢カオル「似合わない?ひげ。」
安岡優「不精はどうかなぁ…生え揃った姿がね、想像出来ないから。」
村上てつや「もうそろそろ伸ばしてみるか……?」
安岡優「でも、伸ばしたら院長先生みたくなるんじゃないの?」
村上てつや「剃る。」
ト書き「村上はきっぱりと言い切った。」
酒井雄二「あのー、密かに院長先生ってどういう方なんですか?」
村上てつや「俺の義父。」
黒沢カオル「ちっがぁうよぉ〜…、ホントの血縁者だから。」
村上てつや「気になる?」
酒井雄二「とっても、他人様の事には関与しない方が良いんでしょうけど。」
村上てつや「・・・気にしろよ・・・」
ト書き「・・・コホンッ!・・・あっ!###それから数時間後、優を除く4人は中庭の自動販売機の前にいた###」
村上てつや「ホイ。北山、ブラックだけどいいか。」
酒井雄二「あ、はい。」
北山陽一「あら・・・?」
黒沢カオル「早速、混乱してるね・・・?」
村上てつや「みたいだな。」
酒井雄二「す・・・すいませんっ・・・・・・それより、俺がここにあなた達を読んだ理由・・・もう、わかってますよね?」
北山陽一「・・・(「読んでどうする」と思いながら)・・・やっぱり、優ちゃんの事ですか?」
酒井雄二「そうです・・・とにかく俺は今、皆さんの気持ちが知りたいんです。」
黒沢カオル「気持ち・・・って。好きかどうか・・・って事?」
酒井雄二「・・・そうです。」
北山陽一「その前に、雄二さんはどうなんですか?」
酒井雄二「俺・・・?・・・俺は・・・優ちゃんが・・・す・・・好きですよ。・・・悪いですか?兄妹なのに。」
北山陽一「俺も、優ちゃんは好きです。それに、おかしくはないんじゃないですか?兄妹でも。血は繋がってはいませんし。」
村上てつや「なんだよ・・・そんな事で呼び出されたのか?俺たちは。・・・もう、ハッキリ言うぜ。俺はお嬢が好きだ。ここにいる誰にも、それは負けねぇ自信がある。」
黒沢カオル「・・・俺・・・俺も、負けませんよっ!この中の誰にも!村上先生、あなたにだって、この気持ちは負けてないつもりです!!!」
酒井雄二「結局・・・4人とも同じ気持ちって事ですか・・・」
北山陽一「みたいですね・・・全員、恋敵ってわけです。」
村上てつや「じゃ、これも知っておいた方がいいよな・・・俺と北山だけが、抜け駆けなんて後味悪いしな。」
北山陽一「言うんですか?・・・・・・まぁ、いいでしょう。あなた達なら。」
黒沢カオル「な・・・なんですか?」
北山陽一「優ちゃんは・・・あと、6日の命なんです・・・。」
酒井雄二「・・・・・・・・・・」
黒沢カオル「・・・・・・・・・・」
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