-ゴスドラマ過去ログ:20201-20300-
妹尾武「(先程までの態度が一変して)おいでおいで♪(抱き上げてちゅ!)」
平見文生「おい、どうしちゃったんだよ、おまえ!」
ト書き「二人の世界(一人と一匹)なので、妹尾に平見の言葉は聞えていないようだ。」
北山陽一「(ちょっと唖然としながらも、何かを察する北山)・・・・あの〜スミマセンが、その猫は俺の猫なんです。・・ほら、「ステラ(モチロン、今つけた名前)」こっちにおいで。」
効果音「にゃ〜ん☆にゃんっ!(北山に走り寄る)」
北山陽一「よしよし・・・いい子にしてたか?(そっと、首輪に触れる)」
効果音「パンッ!!」
北山陽一「na」
妹尾武「ふっ」
酒井雄二「なっ!?発信機を外す装置が・・・・・・!!」
妹尾武「俺が何も気付いてないと思ったのか?酒井。さっき抱き上げた時、首輪に付いてたモンにちょっと細工をしたんだよ。・・・・まぁ、どうせ北山は柱に括り付けられてて動けないんだ。こっちの有利には変わりないがな。」
村上てつや「てめぇ・・・・・・・!!!」
酒井雄二「・・・・・・・・!!」
安岡優「(いち早く酒井の変化に気付き小声で)・・・酒井、どうかした?もしかして、北山を助けるいい案が見つかったの?」
北山陽一「何も気付いてないのは、あなたの方ですよ・・・今、あなたが細工した首輪は『ダミー』です。(そう言いながら、足かせを外す)」
妹尾武「!?」
平見文生「くそっ!・・・だが、どうせてめぇは動けないんだ。発信機代わりの足かせぐらい何の問題もねぇ。・・・こっちには真里さんがいる事、忘れるなよ。(ナイフを北山の顔に向ける)」
北山陽一「・・・!!!(そうだ・・・俺が下手な真似をしたら・・・・・真里が・・・・・・・・・・)」
安岡優「そっちこそ、俺達がココにいる事忘れてない?(ナイフを叩き落し、背後から平見を羽交い絞めにする) 」
黒沢カオル「ヤス!そのままそいつを北山から離すんだ!!」
妹尾武「俺もいるのをお忘れなく・・・・(素早く安岡の背後に回り隠し持っていた銃を突きつける)・・・・・・・おい、平見を離せ・・・・。」
北山陽一「・・・・・安岡・・・俺の事はいいから、今は妹尾の言う通りにしてくれ・・・・・・・。」
村上てつや「(妹尾に外された首輪に向かって、小型ナイフを投げつける) みんな、伏せろっ!!」
安岡優「うわっ!!」
ト書き「首輪が眩く光線を放つ・・・その一瞬後、大きな音を立てて首輪が爆発し、真っ白な煙が倉庫中に充満する。」
酒井雄二「北山!!(煙に紛れて北山に近付き、平見が先ほど落としたナイフで縄を切る)・・・すみません。俺達が1人にさせたばっかりに・・・・・・・胸元の傷、大丈夫ですか?それに歩けます?」
北山陽一「ありがとう酒井さん。傷はたいしたことないんですが・・・先程足をひねったようで・・・(立ち上がろうとしたが激痛が走り立てない)」
酒井雄二「あーあー無理しないでください。・・・よっと(北山を背負う)。傷とその足は、安岡の家に戻ってから治療させてもらいましょう。・・・・・行きますよ。」
北山陽一「ちょっと待ってください!真里も一緒に連れてかないと・・・またこんな事に・・・・・・・・・・」
酒井雄二「安心してください。あなたの彼女の方は、村上さんと黒沢さんが行ってます。(大声で)村上さん、黒沢さん。こっちは終わりました。そちらもよろしくお願いします。安岡君、あなたはそのまま引き上げてください。(そう叫んで急いで倉庫を出る)」
村上てつや「(真里の所でその声を聞いて)酒井の方はうまく北山を助けられたらしいな。・・・・真里・・・さん。あんたがこのまま妹尾のところにいたら、北山に迷惑がかかるんだ。今度はこの程度じゃ済まない・・・・・・あいつがもっと酷い目に遭うかもしれなくなる。だから、俺等と一緒に来てもらえませんか?」
佐々木真里「わかりました。それで北山君が助かるなら・・・。」
黒沢カオル「村上、話がまとまったんなら急ごう。」
安岡優「(3人の所にやってきて)村上さん、黒沢、急いで。早く俺の家に戻ろう。」
村上てつや「わかった。・・・真里さん。急ぐから、ちょっくら我慢してくれ。(真里を背負う)・・・北山じゃなくて悪かったな。(黒沢、安岡に)行くぞ!!」
ト書き「酒井・北山に遅れること数分。村上・黒沢・安岡も、真里を連れて倉庫を出る。途中、何とか全員合流し、急いで安岡の家へと戻った。」
酒井雄二「あ〜…この上着、もう着れないな…。何人殺したんだよってーぐらい血で濡れて…うぁい、止血帯とアイスノンっす。後で、夜間病院行きましょう。縫うまでではないとしても…ちゃんと治療してもらった方が良いでしょうし」
北山陽一「大丈夫ですよ。血も、もう止まってます。派手に流血したわりには、見た目よりも傷も浅いですし・・・心配は要りませんよ(笑)」
安岡優「あんまり無理すると、駄目だかんね?…あれは必然性って言えるかどうか悩むとこだけど。…えーと…うん。これくらいなら、うちにある救急箱でなんとかなるよ。」
ト書き「傷を一瞥すると、安岡は部屋にあった救急箱を引き寄せ、傷口の消毒を済ませた。消毒薬が赤く着色されているのでぱっと見、傷が酷くなったように見える。」
安岡優「包帯で固定出来ないからな〜…でっかいシートでシップ押さえるけど、ちょっと押すから痛むよ?」
北山陽一「あ・・はい。どうぞ。大丈夫ですから・・・」
黒沢カオル「見ているだけで、痛そうだよ(すぐ顔をそむけ隅に逃げる)   」
北山陽一「・・・んっ・・・っつ、・・。 ありがとうございます。もう大丈夫ですよ。(にこっ)」
佐々木真里「北山君、本当に大丈夫?」
北山陽一「平気平気。・・・・安岡君、包帯ありますか?足ひねった所も固定しないといけないので。」
安岡優「どれどれ、ちょっと見せて。・・・・・・うわっ!すっごい腫れてるじゃん。包帯する前にしばらく冷やしてた方がいいよ。・・・さっき酒井からアイスノンもらってたでしょ?もうしばらくそれで冷やしてて。」
ト書き「うなずく北山。その隣で真里は不安そうに周りを見ていた。何か言いたそうな顔をしている。」
北山陽一「真里・・・?もしかして、自分を責めてるのか?俺がこんな事になったから・・・・・。」
佐々木真里「・・・(今にも泣き出しそうな表情になる)」
北山陽一「真里・・・お前が気にする事ない・・・・・今回の事は、お前のせいじゃないんだ。何も気にする事はない。」
佐々木真里「・・・・・・・。」
村上てつや「こうなっちまった以上、彼女にも話しておいた方がいいんじゃねーのか?「なんでもねーよ」なんて、もう言えねーだろ。」
佐々木真里「いえ・・・一応全部知ってます・・・・。北山君が武ちゃん達に話してたの聞いてたから・・・・・。大学であった爆弾騒ぎが始まりですよね?」
安岡優「陽一腫れ引いて動かせる様になったら、テーピングすっからね。…あ、真里さん。僕にはタメ口でも良いよ。」
酒井雄二「ええ。俺達は同年齢(と、いう設定)ですから、気楽にやりましょう。あなたと妹尾の関係も、安岡から聞いています。その上でひとつ、あなたに伺いたい事があるんですが、妹尾が所有していた銃は・・・・あれは本物だと思いますか?」
村上てつや「ま、世の中こーゆーモンも出回ってる事だし?(とライターを取り出して)…やっばいルートにでも関わってるンでなけりゃあ…な。」
佐々木真里「あれは・・・・・あの銃は本物よ。どこから手に入れたかは知らないけど、私の前で撃ってくれた事があったわ。もちろん、人に向けてじゃないけど。」
安岡優「言い忘れてたんだけど・・・俺、思い出したんだよね。妹尾の親父ってさ、大企業の社長だろ?俺、昔・・本当に昔なんだけど、ムリヤリ業界のパーティに参加させられた事があってさ、アイツの親父に会った事があるんだよ。」
酒井雄二「えっ?それは本当ですか?」
安岡優「うん。間違いないよ。」
佐々木真里「ええ。武ちゃんのお父さんは『グラシアス(大手パソコン企業・笑)』の社長さんなの。・・でも、武ちゃんは昔からお父さんとの折り合いが良くなくて・・・ほとんど勘当同然で家を飛び出してるの。」
安岡優「…妹尾、嫌だったんじゃないかな。親の権力が…。周りから色眼鏡で見られて、何もかも投げ出したくなっちゃったんじゃないかな…。これはオレの勝手な推測に過ぎないけどさ(苦笑)」
北山陽一「「同じような経験有り」ってトコですか・・(笑)真里は、今回の事件の事はまったく関与してないんだよね?・・・妹尾が爆弾を作る技術があるのは知ってた?」
佐々木真里「ううん、全然知らなかった・・・。この事にも全然関係してないから安心して。」
村上てつや「これからどうすっかが問題だよな。そもそも、アイツ等なんで爆弾を作ったり・・・ましてや試してみようなんて事、思いついたんだ?」
北山陽一「やっぱり黒幕がいる、と考えた方がよさそうですね。」
黒沢カオル「ね〜ね〜ね〜一度ヤス宅に戻ろうよ、疲れたよ、電話もしたいし。   」
安岡優「黒ポン、携帯も持って来てないのぉ?」
黒沢カオル「(恥ずかしそうに)あのね・・・持ってるんだけど・・・電源がね・・・ないの。」
村上てつや「携帯持ってても、電源切らしちゃ意味ねーよな・・そんなとこも、お前らしいぜ。ついでに言わせてもらえば、ココはもう安岡ん家だろ!起きたまま寝ぼけるような事言うなよな。気が抜けるじゃねーか。」
黒沢カオル「むぅ・・・(ぷっくり)」
安岡優「いいから家の電話使いなよ。黒幕ね・・・あまりピンとこないな。妹尾ってさ、直接会ったのは今回が初めてだけど・・あまり人の下につくようなタイプには見えないんだよな。親父さんも「家の息子は反発ばかりで・・君みたいに社交的になってほしいもんだ」って言われた事あるもん。俺、昔から適応力だけは人一倍あるからさ♪」
酒井雄二「確かに安岡さんは社交的ですね。(・・・・・今回の学内の爆発物騒ぎは・・・ひょっとして親父さんに注意を引くためなのか?・・・)」
北山陽一「・・・何となく今、酒井さんと同じような事が浮かんだ気がする。・・・・・酒井さん。今、妹尾がどうして事件起こしたか考えてませんでしたか?」
酒井雄二「それがなぁ〜・・・・」
北山陽一「妹尾が事件を起こした本当の理由は父親がらみ。父親にかまってもらえないから、何とか注意を引こうとした。もしくは、父親が憎くて困らせようとした。・・・・・・俺はそう考えたんですけど、酒井さんもそう考えたりしたんじゃないんですか?」
酒井雄二「そうですね・・・まあ、だいたい同じですかね。」
ト書き「酒井はまるで自分の考えが全て北山に見透かされたような気がして、内心ビックリしていた。」
佐々木真里「北山君・・・・・・あたし、やっぱり武ちゃんの所に戻った方がいいかもしれない・・・。北山君の言う通り・・武ちゃんって、ああ見えて淋しがり屋なとこあるから・・・あたしが北山君の側にいると、余計に彼の神経を逆なでする気がするの。」
黒沢カオル「真里さん、行っちゃダメ!真里さんがあいつの所に行ったら、あいつは真里さんをだしに北山を利用しようとする。」
北山陽一「俺の事なんてどうだって構わないけど、真里を妹尾の所に戻すなんて絶対にダメだ!・・今のアイツは何をするかわからない・・・君の知っている妹尾武じゃないかもしれないんだ。」
佐々木真里「でも…」
北山陽一「でも、じゃないっ!!行くなら、俺をぶっ倒してから妹尾の所に行ってもらうことになるよ。わかってくれ、真理が傷ついたら俺は何をするか自分でもわからないんだ。」
酒井雄二「真里さん、わかってあげてください。あなたが北山を心配してたように、北山もあなたの事が心配なんです。」
佐々木真里「・・・其処まで言うなら・・・。」
安岡優「・・・・俺、「戻る」って言った真里さんの気持ち、ちょっとわかる気がするよ。・・・妹尾の事が心配なんでしょ?家族同然に育ったんだもんね。だけど、大丈夫だよ。俺達だって、妹尾の事を憎んでる訳じゃない・・・これ以上大変な事になる前に、奴を止めたいだけなんだ。」
佐々木真里「・・・(黙り込んでしまう)」
安岡優「分かってもらえるかな?」
ト書き「真里は黙って数回頷く。その様子を見て5人は顔を見合わせる。」
佐々木真里「ひとつだけ・・・約束してもらえる?もし・・もしも、武ちゃん・・妹尾があたしを使って、北山君やあなた達を傷つけようとした時に・・絶対にその挑発にはのらないって。妹尾は絶対にあたしに暴力をふるったりはしないわ・・・だから、その時にはあたしを手放して。」
北山陽一「わかった、約束するよ。でも、無茶はしないことだよ。」
佐々木真里「わかってる。ありがとう、北山君。・・あたしは「守られるだけ」なんて嫌なの。本当に守りたい物くらい、自分の力で守ってみせるわ(微笑)」
安岡優「これは愛なのか?女って強いな。」
酒井雄二「女は強いですなぁ。感心です。」
黒沢カオル「あっ!ハニーが心配してるかも電話しなきゃ(電話を探しにいく)    」
ト書き「二人を見習えよ。と思う面々。」
村上てつや「(・・・無視無視)しっかしさ〜、さっきの脱出時は計算通りうまい事いったよな、酒井!妹尾が「ダミー」を見破らなかったら、全ての計画がオジャンだモンな。」
酒井雄二「でも、成功しましたし良いんじゃないでしょうか。」
安岡優「sou」
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