-ゴスドラマ過去ログ:20301-20400-
北山陽一「そうですね。・・・真里もこうやって今、僕の横に居るからね。これからどうなるかは・・・わからないけど。」
効果音「携帯の着信音>ちゃららら・らら・らぁ〜(告白)」
佐々木真里「?」
北山陽一「あっ、俺の携帯だ。(携帯を取り出し画面を見る)・・・・えっ!?妹尾・・・?」
村上てつや「なに!?なんで妹尾がお前の携帯番号知ってんだよ!」
北山陽一「わからない・・・とりあえず出るよ。」
妹尾武「(電話)・・・北山か。真里を利用されると思って彼女を一緒に連れ出したようだが・・・・・それは大正解だ。彼女を傷つけるつもりは無いが、いざという時は利用するつもりだったからな。」
北山陽一「・・・・おかけになった電話番号は電波の届かない地域か電源が入っていないためかかりません。・・・・・(妹尾の出方をみる北山)・・・・。」
妹尾武「面白い悪ふざけだな。・・・まぁいい。俺からの伝言だ。お前と真里だけで大学の化学室に来い。もうすぐ夜だから、簡単に忍び込めるだろ?・・・他の4人は連れてくるなよ。連れて来たら・・・・・・(一方的に電話を切る)」
村上てつや「おい、なんだって?」
北山陽一「・・・・・・(携帯をしまう)・・・・真里、ちょっと。・・・安岡君、どこか空いてる部屋はありませんか?真里と2人だけで話をしたいんです。」
安岡優「ん〜…書斎で良いかな?防音設備ばっちりだし。」
北山陽一「うん、有難う。(そう言って真里と二人で書斎へ向かう)」
佐々木真里「何/」
北山陽一「書斎の方できちんと話すよ。だから来て。」
黒沢カオル「なんなんだろう、気になるねぇ?しかもぴったり扉閉めちゃうし。なんかさぁ、鶴の恩返しみたいじゃない?(わくわく)」
村上てつや「…んなこといってるばあいじゃないだろ…」
北山陽一「(書斎に来る、ドアをしっかり閉め)・・・・・真里、単刀直入に言う。さっきの電話は妹尾からだ。」
佐々木真里「武ちゃんから?・・・何って言っていたの?」
北山陽一「俺と真里だけで大学の化学室に来い。4人は連れてくるな。もし連れて来たら・・・・・・・・そこで電話が切られたよ。真里、どうする?」
佐々木真里「もちろん行くわ!武ちゃんが何か話したいことがあるから北山君の携帯に電話したんだろうし・・・それに・・・」
北山陽一「・・・それに、妹尾の事が心配・・・・・・そうだろ?」
ト書き「北山の問いに真里は頷いた。」
北山陽一「やっぱりそうか。・・・真里。俺は、あいつが何か話したくて俺達を呼んだとは思えない。・・・・あいつはこうも言ったんだ。「真里を傷つけるつもりは無いが、いざという時は利用するつもりだった」って。」
佐々木真里「それは・・・多分嘘だと思うわ。・・・・・武ちゃん・・・誰かにかまってほしいのよ・・・。(誰かさんのように素直に言ってくれたらいいのに・・・)」
北山陽一「真里・・・・・・・わかったよ。真里。とにかく、みんなに見つからないように大学へ行こう。時間の指定は無かったけど、早く行った方がいいだろう。」
酒井雄二「(こんなこともあろうかと、盗聴器を仕掛けて置いてよかった。しかしどうする?)」
黒沢カオル「ねぇねぇ、どうなってるのぉ〜?ねぇってばぁ〜。(村上にまとわりつく)」
村上てつや「だぁー!うるさい!!ちょっと黙ってろ!!」
黒沢カオル「ひどいよぉ〜。俺、北山が心配なのにぃ〜、ひどいよぉ〜。(泣)」
安岡優「・・・・・。」
酒井雄二「少し静かにしてください。」
北山陽一「この窓から外へ出よう。そうすれば4人には気付かれないだろうから。(そう言って窓を開ける)」
佐々木真里「待って北山君!あなたのその足じゃ無理よ。これ以上ひどくなったらどうするの?」
ト書き「北山は先ほど片足をひねり、その足に包帯をしている。加えてここは2階。普通の人でも下へ降りられるような高さではない。」
北山陽一「大丈夫だよ、真里。ちょっと待ってね。(カバンの中から靴を取り出す)・・・外靴取りに行くわけにいかないからなぁ。今日テニスシューズ持ってて助かったよ。・・・・真里、俺のカバンとこのテニスシューズを持ってくれ。」
ト書き「真里は鞄を持ち、北山の様子を心配そうに見ていた。北山は窓の外を確認すると、軽々と外へ飛び降りた。」
北山陽一「つっ・・・・・(一瞬顔を歪める)・・・真里!かばんとシューズを持ったまま飛び降りてくれ!俺がお前ごと受けとめるから!」
佐々木真里「・・・・・・・・・っ・・!!(意を決して飛び降りる)」
北山陽一「っと!!(真里を受けとめる)何とか上手くいったみたいだ。(テニスシューズを履く)・・・真里は靴が無いから・・・・・・(真里を抱き上げる)大学に着くまではこれでガマンな。・・・・行くぞ!!」
酒井雄二「(窓を開けて)北山さん!待ってください!!我々に黙って行くつもりですかっ?!(怒)」
北山陽一「(気付かれたか・・・)ごめんなさい、酒井さん!!あなた達を連れて来てはダメだと言われたんです!必ず無事に戻ってきますから後を追って来ないでください!!(そのまま真里を抱え大学の方へ走っていく)」
酒井雄二「ちょっ・・・北山さん!?・・・・・ああ、行ってしまった・・・。」
ト書き「少しは我々を頼ってくれても・・・と酒井はつぶやきながら改良された小型携帯の電源をオンにした。すると妹尾に付けた発信機が赤いマークで示された。」
酒井雄二「この場所は・・・・俺達の通ってる大学。そういえば北山さんが、「大学の化学室」とか言ってたな。」
村上てつや「ま、妹尾は発信機に気付いてねーみたいだし、「妹尾の居る所に北山有り・・」北山を追う事は可能だな・・・・が、アイツは俺達に「着いて来るな」って言い残して出て行った。追った事がバレたら怒られるかもしれないぜ?・・・みんな、どうする?(一人一人の顔を伺う)」
安岡優「ついて行かなければいいんでしょ。じゃあ、先回りしようか。ついでに妹尾も確保!」
酒井雄二「行動的と言いますか、楽天的と言いますか・・・・。しかし、北山さんをひとり行かせる訳にはいきません。妹尾がおとなしく交渉できる奴とも思えませんしね・・・。」
黒沢カオル「それじゃ早く行こう。北山を追わなきゃいいんでしょ?先に化学室の近くに張り込んどけばいいんだよ。」
村上てつや「よし!!いくぞ!!!」
佐々木真里「(その頃の北山と真里)・・北山君、おろして。あなたのその足では無茶よ!あたしは大丈夫だから、ちゃんと自分で歩けるわ。」
北山陽一「裸足で歩かせる訳にはいかないよ。もう少しだから我慢しててくれないか?」
佐々木真里「いや!包帯の上からでも足が腫れてるのわかるぐらい酷くなってるじゃない。このままじゃ北山君の足が危ないわ。私はスリッパ履いたままだから、ちょっとは平気よ。お願いだから自分で歩かせて。」
ト書き「真里の剣幕に北山は少し驚きながら下ろす。」
佐々木真里「心配してくれてるのに、ゴメンなさい。でも、あたしだってあなたの事が心配なの・・誰かの為に、人一倍無理をしてしまう性格だって知っているから。・・・・・だからこそ、念を押すわ。さっきの約束はちゃんと覚えてるわよね?」
北山陽一「覚えているよ。でも、緊急事態だしあの約束は今は無効ですよ。(微笑)それに、この足だって見た目ほど悪くはないさ。(と言いつつ、一瞬顔を歪める。)」
佐々木真里「ほら。またそうやって無理する。本当は辛いんでしょ?胸元の傷だってその足だって。結構平見君から暴力も受けてたしね。」
北山陽一「真里には隠せないな、やっぱり(苦笑)。・・・でも、今は無理の1つもしないと。俺達が行かなかったら、みんなに迷惑がかかるんだ。みんなを捲き込むわけにはいかない・・・・・犠牲になるのは、自分だけで十分だよ。こういう目に遭うのもね。(胸元を押さえながら)」
佐々木真里「ひとりでカッコつけちゃって!なにが「こんな目に遭うのは、自分だけで充分」よ!どうして全部一人で背負い込もうとするのっ?・・・あたしはどうなるの?武ちゃん達があなたを傷つけるのを、黙って見てろって言うの?それが、あたしの為だとでも言うの?!」
北山陽一「・・・・真里が妹尾達に怪我を負わされるくらいなら、俺が傷つくのを黙って見ててもらった方がいい。真里にだけは、無事でいてもらいたいんだ。」
ト書き「呟くようにそう言う北山に、真里は言葉を失ってしまう。」
佐々木真里「北山君・・・・・・あたしね・・・本当はあたし、まだ信じられないの・・・・。武ちゃんが、北山君にこんな事した事実を受け止められないの。だって、武ちゃんとはずっと一緒で・・あたしにとって、妹尾家の皆は両親以上の人なの。そんな人が、あたしの大切な人を傷つけるなんて耐えられない。ちゃんと彼と話がしたいの。」
北山陽一「真理の気持ちはよくわかる。でも、ここは一つ我慢して・・・ね?わかってくれ。」
佐々木真里「・・・・・・・・・・。」
ト書き「そうこうしている内に、大学前に着く2人。見つからないようにこっそり忍び込み、化学室へと行く。」
佐々木真里「夜の学校って不気味ね…」
北山陽一「確かに。・・・あっ、着いたよ化学室。(鍵が開いてたので中へと入る。中は電気もついておらず真っ暗)・・・妹尾、約束通り真里と2人で来た。どこにいる?」
妹尾武「俺達はここにいるよ(部屋の奥の方でランプと月明かりに照らされている)。北山、ドアに鍵をかけろ。用心にこした事はないからな。」
ト書き「北山が妹尾と対峙しているころ、酒井・安岡は科学準備室、村上・黒沢は天井裏にいた。また怪しい機械を各自持っていますね(笑)どこから出てくるんだか・・・(酒井:「うるさい!そういう設定なんですから!」)」
北山陽一「(ドアに鍵をかける)・・・さて、俺と真里に何の用ですか?わざわざこんな所に呼び出して。」
妹尾武「いい質問だ、取引をしないか?」
北山陽一「取引?俺がそれを受け入れるかは内容を聞いてからですね。」
平見文生「話のわかるお前なら、受け入れてくれると思うんだがな?(ニヤリ)」
北山陽一「・・・・何ですか?」
ト書き「その頃、他の4人は・・・・・。」
黒沢カオル「ちょっとぉ、見えないってば。酒井ちょっとどいてよ!」
酒井雄二「うるさい!気づかれるってばぁ。」
安岡優「ついて来てる事がバレたら、2人をまた危ない目に遭わせる事になるよ。」
黒沢カオル「だってぇ・・・酒井と村上がでっかくって、俺何にも見えないんだもん。(泣)」
平見文生「俺たちの仲間になれ。」
北山陽一「・・そういうことですか・・・。ですが、それは出来ません。「仲間」を裏切る訳にはいきませんからね。」
妹尾武「そう言うと思っていたよ。…俺が気付いていないと思っているのか?4人ともこの部屋の近くに居るんだろう?違うか?」
北山陽一「?僕は知りませんけど?(ホントに知らない)」」
平見文生「前にも同じようなことを言って、実際に奴等は近くにいた。隠し通すのも巧いんだろ、お前は。(指を軽く鳴らす。すると、数人の男が北山と真里を取り囲む)」
北山陽一「こんな事をされたって、俺は本当に知りません。黙って家を抜け出してここに来たんです。」
佐々木真里「武ちゃん本当よ。あたし達は何も知らない。確かに4人には抜け出したの気付かれちゃったけど・・・・・それでも約束通り、「後を追って来ないで」って言ってそのまま来たんだから。」
ト書き「そう言った真里の目には涙が。そして真里は妹尾の前へ行き、目を見据えて頬をひっぱたいた。」
妹尾武「…真里ちゃん。君に対してこういうことをするつもりは無かったが・・・。(そういうと真里を自分のほうに引き寄せ、首筋にナイフを突きつける)」
北山陽一「真里!!・・・うっ!(妹尾の所へ行こうとしたが、男に殴られそのまま首を絞められる)・・・うぅ・・・・・・・・・」
平見文生「(北山の頬にナイフを当てる)誰が動いていいって言ったんだよ。・・・北山!俺達の仲間になると言え!!(片腕を思いっきり斬りつける)」
北山陽一「くっ・・・!(力が抜け片腕が下に下がる。その腕をつたい下には血溜まりが)・・・・真里には・・・何もするな・・・・・俺は・・・どうなったっていい・・・・・・真里とみんなを無事にしてくれるなら・・・俺はお前達の仲間にだって・・・・・なってやる・・・・!!」
平見文生「ほう?…なら手始めに4人の居場所を教えてもらおうか?」
北山陽一「それを知って・・・・・どうするつもりだ・・・?みんなに何かしたら・・・・・俺は仲間にはならないぞ・・・!!」
平見文生「それならこうするまでだな。(といって、平手打ちをする)」
佐々木真里「いたっ!・・・・何するのよ!」
平見文生「北山!お前が俺達の仲間にならないなんて言うたびに、真里さんが痛い目に遭うんだぞ!そして・・・・(北山に近付く)・・・お前もな!!(ひねった方の足と逆の足にナイフを刺す)・・・・・さあ!どうする!!」
北山陽一「ま・・・真里・・・・・!!(みんな・・・みんなを裏切る事になって・・・・ごめん・・・!!)・・・・みんなは・・・・・みんなの居場所は・・・・・・・・」
村上てつや「俺たちならここだ!北山、大丈夫か?」
北山陽一「村・・上・・・さん・・・・・どう・・・・して・・・・・・・(首を絞められてるせいで息が苦しくなってきた)」
妹尾武「やはり後をつけてきてたか。」
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