-ゴスドラマ過去ログ:7701-7800-
村上てつや「全ての元凶はおめーだろっ!」
マネージャー竹内「・・・へ?」
北山陽一「最悪だぁ!今、すっごくすっごくいいシーンなのに!!!」
ト書き「竹内は、『外』に出されてしまった。」
村上てつや「そっか……トキか……。」
北山陽一「はい。」
黒沢カオル「天然記念物がどうかしたんですか?」
ト書き「北山は、優が父親の処へ行っていたということを説明した。」
黒沢カオル「見たかったな…。」
村上てつや「……ああ。」
ト書き「村上は煙草を一本取り出すが、火を着けず指で弄ぶ。」
酒井雄二「優は……幸せだったのかな。」
ト書き「椅子に座り、指を組んだ酒井がぽつりと呟いた。」
黒沢カオル「この病院に移る前は……すごく寂しそうだったけど…でも。」
北山陽一「……でも?」
黒沢カオル「前の病院じゃあ…笑わなかったから。」
ト書き「4人は、自分達に向けられる優の笑顔を思い出した。」
北山陽一「幸せだったって…思うだけなら良いですよね。」
村上てつや「結局、墓の中まで持って行きやがった……お嬢のやつ。」
酒井雄二「何をですか?」
村上てつや「選択肢は4つ、あいつは唯一今現在『女』…俺らが自分に好感を持ってるって分かりきってたはずだ。」
ト書き「ぐしゃり、と村上は煙草を握りつぶした。」
村上てつや「お嬢は…誰を選んだんだ?」
北山陽一「{」
酒井雄二「はい?」
北山陽一「『みんな大好き』って言ってましたから…」
黒沢カオル「深く考えない方が良いのかも、な。」
ナレーション「うう〜安岡さ〜ん(泣)」
酒井雄二「(…妹…女…どっちが俺の中の優だったのか…。)」
ト書き「酒井はそう考えていた。ただ一点を見つめ。」
村上てつや「優・俺ら、それぞれの運命だなぁ…嫌なもんだぜ。」
北山陽一「”定め”ですか…優ちゃんの、俺達の…”定め”」
黒沢カオル「良かったのかも…優にとって。ちゃんと見取られて…”瞬間”は淋しくなかったよ…きっと。」
酒井雄二「???!!」
ナレーション「その時、酒井の耳にどこかで聞いた事のある声が聞こえた気がした。」
村上てつや「なんだよっ、急に…」
酒井雄二「あう、あう。」
ト書き「酒井が金魚のように口をパクパクさせている。」
北山陽一「なんです……っ!?」
ト書き「北山は酒井の視線の先を見て、北山は固まってしまった。」
黒沢カオル「うっ…嘘だろっ…!!??」
村上てつや「こっ…こんな事って…あっ…あるのかよっっ!」
ト書き「4人の視線の先には…安岡が立っていた。」
安岡優「<極上の笑顔。」
村上てつや「お…嬢……?」
北山陽一「ゆっ…夢??夢なのかぁ?それとも…本当に…優ちゃん…」
酒井雄二「優…。本当に…優なのか??!でっでも…嫌…」
ト書き「酒井はもう訳が分からなくなってしまった。」
黒沢カオル「優…?どうして…戻ってきて…くれたのか?」
効果音「ふらぁっ・・・ばたん!」
黒沢カオル「ぎゃーーー!酒井が倒れたぁーーー!」
安岡優「倒れることはないだろぉ。」
北山陽一「……どうしたの?何か、あった?」
ト書き「北山が、優に問いかける。」
安岡優「ほら…どっか変わったトコない?」
北山陽一「変わったトコって……もしかして…。」
村上てつや「……喉仏が…ある。」
安岡優「起きたらちゃんと男に戻ってたよっ、さっきトイレに行って確認してきたっ。」
北山陽一「……起きたら?」
ト書き「怪訝そうな含みをもって、北山は安岡に尋ねた。」
黒沢カオル「なっ、心電図は確かに止まったはずなのに…。」
村上てつや「とにかく、酒井をここに寝かせとく訳にもいかねぇから、そっちの仮眠室の方にでも移動しようぜ。」
黒沢カオル「心電図は?血圧とかは?」
ト書き「村上は、心電図の一端をもって黒沢に見せる。」
村上てつや「血圧はわかんねーけど、心電図の方は…こういう風に薄いゴムが貼ってあって、鼓動が通じないようにしてたんだろ。」
黒沢カオル「ほぇえ……すーぱーどくたーKみてぇ。」
安岡優「酒井さーん…大ジョーブ?」
ト書き「安岡はべしべし酒井の頬を叩いた。」
酒井雄二「う……ん?」
村上てつや「何がなんだか……。」
安岡優「だって」
北山陽一「……最後、黒沢さんの台詞で終わってますね……。」
ト書き「北山が、台本の一部を指し示しそう言った。」
村上てつや「これで……終わり?なんか腑に落ちねーよ」
酒井雄二「あ、『ヤス』に戻ってる。」
ト書き「頭をもさもさ掻き、酒井は呟いた。」
北山陽一「さしずめ、今はエンディングのテロップとなんかのテーマが流れてるんでしょうね。」
黒沢カオル「……今回はなんか、まともでシリアスなドラマだったね。」
安岡優「貴重な体験だったなぁ…女の子になるなんてそうそう無いもん。」
ゴスペラーズ「(そうそうっていうか絶対無いな、そんな機会は<安岡以外」
佐々木真理「あ〜…終わっちゃったのね…、走って来て損しちゃった。」
黒沢カオル「あ、真理さん。お疲れ様です。」
北山陽一「……そういえば、バリさん……マジで骨髄を……?」
村上てつや「泣いてたよな…手術室から出てきた時。」
小林社長「あれは〜、本当にほかの人に移植したの。」
村上てつや「うぉっ……しゃちょお!?」
酒井雄二「いやはや、どこからどこまでが現実なのか…。」
安岡優「こわいねぇ〜。」
村上てつや「おいおい。他人事かよ。」
ト書き「村上が安岡をベシベシ叩く。」
北山陽一「『明日は我が身』ですね。」
黒沢カオル「やだな…何時の間にか腎臓一個なくなってたらどうしようか。」
酒井雄二「っていうか、次どうすんですかね。」
村上てつや「あ、あのさ。」
安岡優「ん?何?」
村上てつや「言いづらいんだけど・・・。」
黒沢カオル「なんだよ。言えよ。」
村上てつや「俺もさぁ。」
ト書き「なかなか言い出せない村上。」
北山陽一「そんなにためらう事なんですか?」
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