-ゴスドラマ過去ログ:8401-8500-
黒沢カオル「…どうして?」
北山陽一「だって、俺元医者だもん。骨格とか見たら一発。」
黒沢カオル「そっか…。」
北山陽一「それより、俺の質問にも答えてよ。…俺とカオル君だけの隠し事だよ?」
黒沢カオル「酒井さんには…言わないの?」
北山陽一「彼が自分で気付いて質問してきたら、その時答えれば良いだけの事だよ。」
酒井雄二「うお〜い、席取れたよ〜!」
ト書き「遠くで、腕を振っている酒井を確認し、北山は黒沢を見た。」
北山陽一「・・・とりあえず今は御飯食べよっか。」
黒沢カオル「うぅ…うん。」
ト書き「北山と黒沢は酒井の方に向かった。」
酒井雄二「さぁ〜て、なに食べるか、なぁ。 なに食いたい??」
黒沢カオル「……。」
北山陽一「…なんでも良いよ?カオル君の好きなの食べな。」
黒沢カオル「ナ・・ス、以外なら・・・。」
酒井雄二「んじゃあ適当に頼もうか、すいませ〜んオーダーお願いしまーす。」
北山陽一「あ、程々にしといて下さいね?」
ト書き「数分後、運ばれてきた料理の量に唖然とする黒沢。」
酒井雄二「あれ?喰わないの?」
北山陽一「…無理しないほうが良いよ、ね。」
黒沢カオル「あ、うん……戴きます。」
ト書き「量が多いので、大味かと思われた料理はきちんとした味付けがなされていて」
黒沢カオル「あ、美味しい。」
酒井雄二「良かったぁ、カオル君の味覚に合って。」
北山陽一「()」
酒井雄二「??」
北山陽一「…いや、別になんでも…」
ト書き「北山は酒井の不思議そうな顔を見て言った。」
酒井雄二「カオル君ってさぁ〜…」
黒沢カオル「(ドキッ…) …う…っん。」
北山陽一「(気が付いたのか…案外馬鹿じゃ〜ないんだな)」
酒井雄二「カオル君てさぁ〜…TVゲーム好き?!やった事ある?」
北山陽一「ズルッ…(期待した俺が馬鹿だった…か)」
ト書き「期待外れの質問に、北山は思いっきりコケた。」
酒井雄二「色男が思いっきりコケてるけど…どうしたの?」
北山陽一「い、いや…何でも?」
黒沢カオル「やってるのは見た事ある。」
ト書き「口の中の料理を飲み込んで、黒沢は答えた。」
酒井雄二「へぇ〜、そっかぁ。」
ト書き「きろ、と黒沢の目が動いて北山を凝視する。」
黒沢カオル「(無理に気付かせなくても良いんだけど……?」
北山陽一「(…失礼。」
ト書き「自然な仕草で片手をあげ、北山は謝辞を送った。」
黒沢カオル「ところで…ここって残しても大丈夫なの?」
酒井雄二「俺残した事無いから、判んない。」
北山陽一「俺も。」
黒沢カオル「こんなにいっぱい食べれないです……」
酒井雄二「じゃあ、俺が食お〜っと♪」
北山陽一「それでは俺も遠慮なく。」
ト書き「黒沢の前の皿から料理をかっさらい、自分の皿へ移す二人。」
黒沢カオル「まだ食べれるんですか?」
北山陽一「う〜ん…デザートもいける、かな?」
酒井雄二「俺はこの分量で満足っ、ですなぁ。」
黒沢カオル「す、すごい食欲・・」
北山陽一「燃費悪いんです、効率が悪いって判り切ってるんですけどこればっかりはどうにもならないですから。」
ト書き「ふむふむ、と頷いて北山は最後の一口を口へ運ぶ。」
酒井雄二「ふはぁ、腹一杯。」
北山陽一「どうも、」
黒沢カオル「御馳走様でした。」
ト書き「お冷やを飲み、酒井はふと黒沢のある仕草に気付いた。」
酒井雄二「(…グラスの口元拭ってる・・・?」
北山陽一「え、と。とりあえず外に出ましょうか。」
黒沢カオル「あ、はい。」
ト書き「お冷やを飲み、テーブルへ置く。その後黒沢は親指で口を付けた部分を無意識に拭っていた。」
酒井雄二「あっ、あのさぁっ?」
ト書き「会計を済ませている北山を横目に、酒井は黒沢に話し掛けた。」
黒沢カオル「はい?あ、目的地は……・・・。」
酒井雄二「そうじゃないんだ。そうじゃなくて…あぁ〜っと・・・。」
ト書き「髪の毛に手を突っ込んで、苛立ったようにわしわし頭をかく。」
酒井雄二「やっぱなんでもないっ。」
黒沢カオル「はぁ。」
北山陽一「どこに行きましょうか。御要望があれば何処へでも。」
黒沢カオル「ここに連れてって…下さい。」
ト書き「ポケットから小さな紙切れを取り出して指差す。」
酒井雄二「なになに?……あ、これ昔の地図だ。」
北山陽一「え〜っと…成る程、了解しました。」
ト書き「北山が、眼鏡を直して頷いた。」
酒井雄二「俺…判らないんだけど?」
北山陽一「とにかくここから移動しましょう、…見られてます。」
ト書き「北山と酒井は黒沢を挟んで、歩き始めた。」
酒井雄二「何処に向かうの?」
北山陽一「さっきの地図、憶えてますか?」
酒井雄二「ああ、…文字も読めないぐらい古いやつ。」
北山陽一「あれは、地図自体が重要なんじゃなくて…。」
酒井雄二「あ。」
ト書き「黒沢が指差していた部位を思い出し、酒井が小さく声をあげる。」
酒井雄二「ちっちゃく、俺らに読める文字で書いてあったなぁそういえば。」
北山陽一「其処に行くんですよ、…久々の遠出です。」
ト書き「笑みをたたえて、北山は言った。」
酒井雄二「…後ろから来てるねぇ。」
黒沢カオル「えっ?」
北山陽一「もう、ですか。依頼されてまだ1時間も経過してませんよ。」
ト書き「振り返りそうになる黒沢を制止して、北山と酒井は各々の手荷物を確認した。」
酒井雄二「それだけカオル君が重要人物にあたるって事でしょうさ、ちなみに俺の中では最短記録塗り替えられたけどね。」
北山陽一「私もです…。」
酒井雄二「…大変だねぇ〜、カオル君…。」
黒沢カオル「…いつもの事だから…もう慣れちゃった。」
北山陽一「さっ、行きますよ…早くしなくては追いつかれます。」
ト書き「3人はヒソヒソ話しながらさっそうと歩き始めた。」
酒井雄二「う〜ん、どうもあちらさんもなかなかすばやいねぇ。」
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