-ゴスドラマ過去ログ:8901-9000-
北山陽一「ああ、すいません…。」
酒井雄二「という訳で、カオル君。この事はお口にチャック事項」
黒沢カオル「どうして、です?」
酒井雄二「俺が隊にいた時は戦争とか、そういうの無かったんだけど。出た直後にでっかい抗争起こったから…恨まれちゃってるんだよね、背後から撃たれんばかりに。」
北山陽一「ま、変な話。信用が無くなっちゃうんですよ。御飯食べれ無くなっちゃいますから、この事はどうか御内密にお願いします。」
酒井雄二「この国の人ってさー、『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』っていう性質なんだよね…痛い目見た人とか特に、さ。」
黒沢カオル「う〜ん…よくわからないけど、ともかく内緒だね。」
酒井雄二「そういう事!さて、夜になる前に行きますかね。」
北山陽一「もうすぐ着きますねお台場。」
ナレーション「お茶の時間を終え黒沢、北山、酒井はまたお台場に向かい車を走らせた。」
村上てつや「ゥオイッッ!ヤス嘘だろっっっっっ!!!」
安岡優「僕だって信じたくないよ…でも本当の事なんだもん。」
ト書き「大きな声を張り上げた村上を、安岡は見上げた。」
村上てつや「それでも、こんな事って・・・ホントにあるもんなのか?」
ト書き「村上は動揺を抑えようとしていたが、それでも声は上ずっていた。」
村上てつや「あいつら二人のいた軍隊って・・・・・マジかよ・・・」
安岡優「…こいつじゃ見つからないはずだよ。」
ト書き「そう言って、安岡は端末を軽く叩いた。」
安岡優「一般の人員検索じゃ、判る訳無いもんね。」
村上てつや「ホントに、この男がよぉ…何かの間違いじゃねーの?」
安岡優「俺の情報処理能力にケチつけるんだ?信じなかったら信じなかったで良いけど。」
ト書き「村上は薄笑いを浮かべた。」
村上てつや「こりゃ久々にやり甲斐があるぜ、俺は全身全霊を今回の司令に傾けるぜ。」
安岡優「それだけやらないと俺達もヤバいよ。」
村上てつや「さてと、あとはお姫様の居場所だけだぜ?」
安岡優「車さえ見つかっちゃえばこっちの物なんだけどなぁ。」
ト書き「そう言うと安岡は引出しの中から小型爆弾と探知機を出した。」
安岡優「小型爆弾は後として、探知機さえ車に付ければ見失っても居場所がわかるしね。」
村上てつや「車かぁ…そろそろ夜も近いし、この周辺の車を当たってみっか。」
安岡優「そうだね、今日中には見つけて探知機だけは付けたいね。」
ナレーション「安岡と村上は探知機とノートパソコン、拳銃を持って外へ出た。」
酒井雄二「さぁ〜て、ここら辺で今日は寝るかぁ。」
黒沢カオル「…野宿ですか…?」
酒井雄二「だいじょぉ〜ぶ!車の中で寝るから。そのためのワゴン車だし。」
北山陽一「久しぶりだな、車で寝るの。カオル君心配しなくても大丈夫だよ。意外に車の中って安全だし。」
黒沢カオル「…はぁ…あの〜お風呂は??」
酒井雄二「お台場にも車の中にも風呂は無い!」
北山陽一「今日は我慢してください。明日行きましょう。」
ト書き「黒沢は頷きシートの上に横になった。」
ナレーション「…二時間経過(午後9時)…」
効果音「すぴーすぴー…すぴーすぴー」
ト書き「黒沢は寝息立てて寝ていた。北山、酒井黒沢を見る。」
酒井雄二「…北山はやっぱり最初から気がついてたか?」
北山陽一「はぁ…何をですか?」
酒井雄二「とぼけるなよっ、カオル君…嫌、カオルちゃんのこと。」
北山陽一「ははっ、会った時からです。…酒井さんはいつからですか?」
酒井雄二「最初は半々で、確信を持ったのは飯を食ってたときかな。」
北山陽一「そうですか、やっぱり気が付いてたんですね。(笑)」
酒井雄二「まあな。…可哀想だな、女の子なのに辛い思いばっかりで。」
黒沢カオル「…み・ん・なぁ…私を…1人にしない…で…。」
ト書き「ハッとして後ろを見る北山と酒井。」
黒沢カオル「こっ…こわい…よぉ…うっ…ぐすっ…」
酒井雄二「なんだ寝言かビックリした。」
ト書き「ふと見ると黒沢の頬が涙で濡れていた。」
北山陽一「何でこの娘がこんな思いしなくちゃならないんだ!・・・本当に可哀想な運命だよ・・・。」
ト書き「安心させるように、北山が黒沢の肩を優しく叩く。」
酒井雄二「つーか、寝る時も帽子かぶったまんまっすか。」
北山陽一「……戻った時、大丈夫でしょうか。」
酒井雄二「なに?」
ト書き「鞄から薬品を取り出して、酒井が尋ねた。」
北山陽一「髪の毛。」
ト書き「首元へ薬品を注射しながら、酒井は無言で黒沢を見る。」
北山陽一「ヤスの時はそのまんまの髪の毛の長さでしたから…短くなる事ってあり得ると思います?」
酒井雄二「まあハゲ……だっ、大丈夫だろははは(笑ごま)」
ト書き「顔に縦線を浮べながら、酒井は言った。」
北山陽一「ところで、その薬って何ですか?」
酒井雄二「睡眠抑制剤、三日ぐらいなら起きていられる。」
北山陽一「それって普通じゃ無いですか?」
酒井雄二「…言い直す、正常に意識を保ってられる。」
ト書き「北山は後部座席を視界に入れながら、やや苦笑した。」
酒井雄二「元医者の目から見りゃまずい薬ってとこか?」
北山陽一「元・医者じゃなくても、あんまりいい気はしませんよ・・・。(−−;」
酒井雄二「今回は細心の注意を払わないとな。いつ寝首かかれるかもわからんし。」
ト書き「黒沢の頬を拭ってやりながら、酒井は言った」
北山陽一「たしかに。でもちょっと眠っていいですか?俺寝ないとだめなたちで。」
酒井雄二「オレ見てっから。・・・でも深寝はよしてくださいね。」
北山陽一「大丈夫。仕事柄どうも深寝できないんですよ。酒井さんもそうでしょ?」
酒井雄二「ん〜?仕事ない時は思いっきりノンレム睡眠とってるけど?」
北山陽一「…器用なんですねぇ。」
酒井雄二「さぁね…他人の推測程、本人は能力に秀でていないと思ってるけどね」
ト書き「左手で口元を覆い、酒井は小さく呟いた。」
北山陽一「そうかなあ。ま、とにかくちょっと寝かしてもらいます。」
ト書き「リクライニングのシートをやや傾けて北山は瞳を閉じた。」
酒井雄二「三日、か…どれだけ頑張れるかな?」
ト書き「酒井はフロントガラスから見える風景を眺めながら、一つ息を吐いた。」
村上てつや「なぁっ、ヤス。ホントにこっちなのかぁ!?」
安岡優「多分ね。つうかほとんど絶対かなあ。」
ト書き「安岡が携帯のメールを確認しながら、村上の運転する車に飛び乗る。」
安岡優「チクリ・・・まぁ簡単に言ったらタレ込み系なんだけど、募集かけてみた。さっき本体の方にも画像ファイル付で送られて来たし…お姫様はここに、居るよ。」
村上てつや「タレ込みって…。」
安岡優「情報源の中じゃああんまり信用ならないやつだけど、画像に加工された跡も無かったしね。」
ト書き「パソコンを取り出して安岡が画面を開いてみせる。」
安岡優「後ろ、見た事無い?」
村上てつや「ここは・・・。」
安岡優「今回の仕事も、早めに片付きそうだね?」
村上てつや「おぉ。」
安岡優「やっぱり僕達最高のコンビだね!!」
村上てつや「俺のおかげだっ!90%は俺だ、うんうん。」
安岡優「なんでよぉ〜、僕のほうが仕事的には多いんだよぉ!」
村上てつや「ぅるさいなっ、細かい事は気にすんなっ、ヤス!」
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