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秋田駒ケ岳 秋田駒ヶ岳

秋田駒ガ岳(1637m)あきたこまがたけ

2007.9.23(日)の記録
 概   要  秋田駒ガ岳は”おなめだけ”と読む女目岳(男女岳)を言う。山域は秋田・岩手の県境にある。古来より信仰の山として登られ、登山路は5ヶ所以上あるが、今回は最も最もポピュラーな8合目から片倉岳展望台・阿弥陀池・横岳・焼森を経て8合目に戻るコースを登った。
 このコースは@片倉岳展望台の眺望A阿弥陀池付近の植生や地形B北斜面の紅葉C男女岳からの360℃の展望Dどこからも見える岩手山の姿E人の多さF横岳からの火山地形の眺めG焼森の砂G下山後の温泉等、景観に変化がある。花の時期には花の豊富さも加わる。
 場   所
 交   通
泉ICから乗り、盛岡ICで降りて国道46号に。田沢湖から乳頭温泉手前のアルパこまくさへ。山道は舗装道だが、道巾の狭いくねくね道の連続。帰路は水沢温泉に入浴してから、同ルートで仙台へ。
 ※駒ヶ岳八合目地区の交通混雑の解消と自然環境の保全のため
マイカー規制あり 6月〜10月 詳細は仙北市HPで
 注   意
 事   項
 最も一般的なルートであるため、登山道はよく整備されている。分岐には道標があり、迷うような場所はないと思う。阿弥陀池周辺は観光地的雰囲気さえあるが、特に天候急変の際は下山までは高山に居る認識を。焼森山頂が黒褐色の火山砂礫の敷き詰められただだっ広い山頂なので、濃霧時には下山方向が見つかりにくいかも。山頂にケルンと道脇に保護柵があるのでそれに沿って行けば安心。トイレは8合目休憩所、阿弥陀小屋以外にはありません。
 コ ー ス
 タ イ ム
 仙台駅→(車4時間アルパこまくさでバス乗り換え含)→8合目駐車場→(歩35分)→片倉岳展望台→(歩30分)→阿弥陀池小屋→(歩20分)→女目岳→(歩20分)→阿弥陀池小屋→(歩29分)→横岳→(歩11分)→焼森→(歩55分)→8合目駐車場→(車40分アルパこまくさでバス乗り換え含)→水沢温泉→(車4時間)→仙台駅
 ※所要時間:3時間20分(休憩45分含まない)
 ※男女45名
 ガ イ ド
 ブ ッ ク
「岩手県の山」山と渓谷社
地図:秋田駒ヶ岳 1/25000図

※カシミール3D使用  駒ヶ岳自然観察マップより↑ 
※地図をクリックすると拡大します

 K社のツアーに初めて参加。K社は設立後間もないが、一般ハイキング
ツアーの充実ぶりは老舗のY社と並んで、ハイカーには有り難い存在。
 仙台を7時に出発。二ヶ所休憩を入れ、秋田駒ヶ岳のマイカー規制の拠点
施設アルパコマクサに到着。ここからシャトルバスに乗り換え、11時に
8合目に降り立つ。現地ガイド2名に添乗員の合計3人で、45人の登山客を
サポートする。
→八合目休憩小屋前
 アルパコマクサを出発したシャトルバスは曲がりくねった狭い舗装道を登っていく。すれ違うのもやっとだが、次第に開ける高山の景色に心も躍る。
 終点の8合目は交通規制されているので、バスのみが駐車していた。
 憧れの秋田駒が快晴。ついている。
→八合目から見た男女岳
 正面のなだらかな山が片倉岳で、その左奥が男女岳だ。片倉岳の山腹を右斜め上に登っていく登山道が見える。
 体操をしていざ出発。45人の大所帯なので、トップにチーフガイド、真ん中にサブガイド、最後尾に添乗員が付く。
→硫黄鉱山跡のある谷
 低潅木の道を歩き始めて10分程で、荒涼とした火山地形の谷に出て、ここを横切る。この谷からも男女岳への道がある。
 右下に小さくなる8合目の小屋を眺めながら、山腹を回り込むようになだらかに登っていくと、約35分で片倉岳展望台に到着。
→片倉展望台から
 8合目に至るくねくね車道が見える。手前から中央に笹森山、右湯森山、笊森山、左の突起が乳頭山、右最奥が岩手山!
その他八幡平、焼山、岩木山、森吉山、太平山、田沢湖が一望できる。
 展望台は広場になっていてベンチもあるので昼食タイムとなる。
              
 ↑展望台から北方向             ↓展望台から北方向
    
 ↓岩木山が見えたのにはびっくり!!
←北北西方向
  ↓展望台から西南方向   片倉岳展望台で昼食
→片倉展望台からの男女岳
 ツアー会社のお弁当は食べやすいロールパンサンドで、私は満足だったが、もの足りないという声も聞こえた。30分程の休憩後出発。
 道は前に見える男女岳の左山腹を回り込むようについている。この山の向こう側に、阿弥陀池があります。
→雲から頭を出す鳥海山!

 男女岳の山腹をなだらかに登っていきます。田沢湖がすっきりと見え、その向こうには鳥海山が雲海から頭だけを見せていました。鳥海山は約100km離れているのに、驚きです。
→もうすぐ湖
 右手は男岳、正面が阿弥陀池へ続く木道で、左手は男女岳です。男女岳の山頂北側はわずかに紅葉が始まっていました。
 左に男岳の分岐を見ると、阿弥陀池はもう目の前。木道は左右に分かれて池のほとりを囲み、小屋に至ります。
→阿弥陀池と男岳

 阿弥陀池小屋には、片倉岳展望台から25分程で到着。素晴らしい所。
 小屋に荷物を置き、空身で男女岳に向かいます。
→男女岳(おなめだけ)
   の山頂付近から見た小屋


 池のほとりに立つ阿弥陀池小屋。手前が小屋で奥がトイレ。トイレ募金をしてきました。
↓男女岳山頂から南方向の景色
→男女(おなめ)岳山頂

 山頂は45人が登っても余裕の広さで、360度の眺望を楽しむ。現地ガイドさんに山々を教えてもらう。皆それぞれ記念撮影もお願いし、ガイドさんは大忙し。
→下りにかかるツアーのメンバー

 花が終わって花の写真を撮る人が少ないので、夏場より今回は時間は予定より早めだそうです。
 写真の池から左側に湿原があり、そこで寄り道時間のプレゼントがありました。
→浄土平(湿原)のミニ散策
 右の山は赤倉岳で、この山の左手を下って硫黄谷から8合目に下る道もあるが、地元の自然観察マップには、「悪路危険」と記されている。
 道脇には名残のリンドウが咲いていました。花の時期は素晴らしいことでしょう。
→小屋に戻る

 自然ガイド付きのミニ散策のあと、
小屋に戻り、点呼をとって出発。
 今度は写真の小屋の向こう側
の尾根まで登り、そこを下ります。
 
→小屋から10分登った辺り

 小屋からは少し急な登りとなりますが、左手西方向に見える景色にも励まされます。これから歩く尾根の先に、茶色く焼け禿げた焼森の姿もあります。尾根の北側の斜面は、早くも色付いておりました。
→振り返ると男女岳

 小屋から約20分で稜線に到着。後を振り返ると、たった今登ってきた男女岳が雪田植生の浄土平まで裾野を広げているのが見えます。
→トトロ岩の向こうに田沢湖
  (稜線から西方向)
 そしてこの稜線からの景色もみごと。ここが火山であることがよくわかります。
 女岳は昭和45年9月8日に噴火し、
翌年1月まで、写真の田沢湖の方向に
溶岩流を流出したそうです。
↓稜線から南西方向
↓稜線から南東方向
↓稜線から東方向
→横岳山頂と大焼砂への分岐
 横岳からは雫石の田んぼが見え、5月にはいわて銀河マラソンで走ったあたりではないかと思って見ました。
 この稜線からは素晴らしい景色が尚も続く。秋田駒のこの周回コースは、いくつの楽しみが首飾りのように連なり、一つ一つが深い輝きを放っている。
 ↓焼森に到着  焼森山頂は砂だらけ。小屋の下は浄土平が広がる。
火山地形だ。
→焼森山頂より、後ろは岩手山
      (北東方向)
 小屋から40分で焼森に到着。焼森は噴火後間もないのか、火山の砂礫に覆われている。焼森の登りの途中にはコマクサの葉がありましたが、立ち入り禁止。登山道の柵で守られていました。
 広い山頂なので、濃霧時には下山方向に注意。
→焼森から乳頭山
       (北北東方向)

 乳頭山周辺にも湿原があるようです。
乳頭山の奥に平坦に見えるのは、
左が大深岳、右が源太ヶ岳と思われます。
→焼森から森吉山
       (北西方向)
 森吉山とヒバクラ岳が見えました。森吉の紅葉も見てみたいです。
      
→焼森からの下り

 火山灰の坂を砂走りのように軽快に下ります。
 眼下には雫石盆地の向こう側に、盛岡市街地が見えます。
 濃霧時には柵にそって下りましょう。
→急な下り

 焼森の下りはまっすぐなので、勢い余ってどこまでも下ってしまいそうです。
 正面には、今日一日どこからも見守っていてくれた岩手山の脇に三角の姫神山が見えました。
→乳頭山方面への分岐

 道標右手が湯森山、笊森山を経て乳頭山に至る稜線へ。左はバスの待つ8合目に下る道です。
 写真の雫石町の先は盛岡市街でその奥の山並みは早池峰ではないだろうか。
→8合目小屋と駐車広場

 これから戻る8合目の駐車場付近です。シーズン中に押し寄せる登山者の車を到底収容できる広さはなく、シャトルバスが出るのは当然ですね。
→下山途中

 男女岳の手前は赤倉岳。1539mある南側の山肌はすっかり赤茶けています。これで山名の由来がわかりました。浄土平側はすっかり緑に覆われているのに・・・・。
→火山の谷と下山路の紅葉

 浄土平の下部が爆発して削られ、赤倉岳や焼森が赤茶けた山ができたのでしょうか。谷に浸食されていますが、ここも噴火口なのかもしれません。
 紅葉は北斜面から始まっていました。ハイマツにミネカエデの赤や黄色が映えます。
→シャクナゲ

 シャクナゲの葉もありました。ハクサンシャクナゲでしょうか。
→登山口に戻る

 午後3時25分到着。夕方になり影も伸びています。
 一日中青空に恵まれ、景色も堪能した初めての秋田駒は大満足のツアーでした。
→水沢温泉到着
 8合目からアルパコマクサでシャトルバスから観光バスに乗り換え水沢温泉へ。(8合目から30分)温泉は新しく清潔だった。小さな売店で秋田のじゅんさいやいぶりがっこを買う。ロビーでビールをジョッキで飲んでいる方もいらして、皆満足顔。温泉を5時15分に出て、仙台駅には夜9時ごろに到着しました。
           ●登山報告終了
  
  
↑出合った植物


参考文献:「秋田県の山」山と渓谷社
「新版・空撮登山ガイド・東北北部の山々」山と渓谷社
「岩崎元郎の新日本百名山/登山ガイド上」山と渓谷社

※ 記載事項に関して、一切の責任は取りかねますので、ご了承下さい。
また誤りがあれば、どうぞ
MAILにてご指摘お願いします。


                秋田駒に関する補遺


 ●団体バスツアーに参加して
 
  安心、安全、安価、安楽の良い事尽くめだけれど・・・

 今年は団体バスツアー4回参加。1回目はY社の森吉山、2回目はH社の乗鞍岳。いづれも山頂までは到達できない時間設定で、散策を楽しむツアー。でも、今回のK社のツアーは、体力は要るし、普通の人には無理で、あくまで登山を楽しむ人向けのツアーでした。

 以前から山に行って団体ツアー客が山頂を埋め尽くしていると、ちょっとがっかりしたものだった。下界の喧騒から逃れて、静寂な世界を求めて山に来ているのに、これじゃあ意味が無い。それに大挙して環境破壊しているようなものだとも思う。しかし今は自分がそうなっている・・・。

 でもツアー登山は個人登山に比べて、安心、安全、安価、安楽と良い事尽くめなので仕方が無い。他にも地元の温泉や地場産品の売り上げにもいくらかは貢献できていると思う。又山岳ツアーガイドも地元の職業となりつつある。悪いことばかりでもない。
 
 ところが、実際に参加してみて、ツアーの最大の難点は、写真を自由に撮れないことだった。写真を撮っていると後ろを歩く人の歩行ペースを乱してしまうのだ。これはツアーの行程にも影響し、全体に迷惑が掛かってしまう。
 ツアーのペースを乱さない事は参加者としては最低限守るべきルールなので、写真は休憩時間しか撮れないのだった。

 しかし、写真は撮りたい。私は考えて最後尾から2番目、添乗員さんの前に入れていただく。列の後方は難所やガイドの説明があると、隊列の動きが滞って歩を止めて待っている時間がけっこうあるのだ。その間には写真が撮れる。又添乗員さんが歩を止めて写真を撮っているすきに私も撮る。そんな感じでいくらか欲求を満たした。

 今後は、遠くて運転が大変な山はツアーで行き、近場の山は自力運転でという事になりそうだ。ツアーで行く山は写真は我慢するしかなく、ガイドの説明やら、隣席の人との語らいなど、利点を積極的に享受したいと思う。

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