月山 羽黒口
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概 要 | 月山羽黒口は、山形県鶴岡市羽黒町の磐梯朝日国立公園内にある。月山の北側からの登山口で、古くからの修験道。 八合目から約5.3km。標高差約580m。距離は長いが危険な所が少なく、夏場は豊富な花や景色を楽しみながら、他のルートより楽に登れるコース。 7/5の時点では、仏生池小屋下で100m、頂上下で300mの雪渓があったが、軽アイゼン無しで歩いている人が多い。下りはストックや杖があれば尚良い。 姥沢コースに比べて、白装束の登山者が多い。 |
場 所 交 通 |
仙台方面からは、山形自動車道庄内あさひICから、県道44号、47号を通って羽黒山神社、月山ビジターセンター脇から211号で、月山八合目駐車場へ。 県道211号は道幅細く、見通しの悪いカーブも多い。ここを観光バスと路線バスが通るため、一般車とすれ違い時に難儀をする。坂道をバックで走行し、路肩に寄る運転技術が必要。(ビジターセンターから八合目までアクシデントが無くても40分かかる) 又、駐車場が50台位しか停められないので、シーズン中は早朝に到着しないと登山が出来ない。 |
注 意 事 項 |
自家用車で行く場合、上記の難点がある為、これを克服するのは、いかに早朝に駐車場に到着するかにかかっている。7/5で朝6時で駐車場がほぼ満車だったので、最盛期にはもっと早く到着しないと厳しいでしょう。我々は仙台を朝3時半出発。 |
コ ー ス タ イ ム |
仙台宮城IC→(車1時間20分)→庄内あさひIC→(車1時間)→八合目駐車場→(歩2時間)→仏生池小屋→(歩1時間5分)→山頂→(歩1時間30分)→仏生池小屋→(歩1時間30分)→八合目駐車場→(車1時間)→庄内あさひIC→(車1時間50分)→仙台宮城IC ※所要時間:歩行5時間40分+休憩85分=7時間05分 ※3名での歩行 |
ガ イ ド ブ ッ ク |
「月山トレッキングマップ」山形県西川町産業振興課 地図:「月山」1/25000図 |
←月山八合目駐車場 仙台宮城ICを朝3時45分に出発。庄内あさひIC5時10分、月山ビジターセンター5時30分、渋滞は無く八合目6時10分着。駐車場は既に9割は埋まり、セーフ。羽黒の宿坊からの早出バスで、白装束の人達は既に出発した後。 |
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←八合目トイレ レストハウスの脇にトイレがある。募金箱あり。 ここから登山の始まりです。 |
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←弥陀ヶ原湿原 中宮には寄らず、弥陀ヶ原を右手に回りながら登るコースを選ぶ。木道で湿原は守られています。 |
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←弥陀ヶ原の池塘 あいにくの霧ですが、湿原には、トキソウ、チングルマ、イワイチョウ、ニッコウキスゲ、ヨツバシオガマ等、沢山の花々が咲いていました。 |
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←休憩する白装束 お山掛けの人々。装束は、白長靴や白地下足袋、白ザック、白鉢巻等全て白尽くめの方もいる一方、普通の登山姿に白い上着?のみの人も。 |
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←山頂へ 花を見ながら約20分で、中宮と弥陀ヶ原左周りコースとの合流点に到着。十字路を右折し、山頂めざして登って行きます。 |
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←上り始め なだらかな登りになります。敷き石は踏まれて、どれも丸くなっています。(このコースは、石の上を歩くことが多いです。) |
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←お花畑 早速お花畑のお出迎え。チングルマに、ベニバナイチゴ、ウラジロヨウラク、イワカガミ、アカモノなども。 |
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←弥陀ヶ原とレストハウス 分岐から6分で眺望の効く場所に出ます。振り返ると、八合目のレストハウスと、弥陀ヶ原の池塘群が優しく光っています。 |
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←残雪出現 分岐から7分で残雪を踏みます。雪解けしたばかりの道脇には、ショウジョウバカマ、ミツバオウレン等が見えます。 |
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←少しガスが晴れて よく見るとチシマザザの中には、濃い色のシラネアオイが咲き、歓喜します。ウサギギク、ズダヤクシュ、ゴゼンタチバナ、マイヅルソウ、ツマトリソウ等もありました。 |
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←雪渓 登山開始から1時間20分。仏生池小屋の下の100mの雪渓にを渡ります。 |
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←行き交う人々 中高年に混じって若者がいるチームでした。白い上着の下は、キャミソールにホットパンツ、ブーツ履きというギャルもいて、白装束=修験者ではない雰囲気。でも羽黒口の登山者の多くが、昔ながらの白装束姿で登山をしているのにはびっくり。なぜ登るのか、聞いてみたい気がしました。 |
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←仏生池小屋到着 右手にある仏生池に、緑白色の水草のようなものを発見。小屋のHPによると、これクロサンショウウオの卵だそうです。洗面器に何杯もの量なので、卵が孵ったらウジャウジャ泳ぐのか、それとも天敵がいてそうならないのか・・・。 |
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←仏生池小屋のお品書き (ぶっしょういけ) コーンスープ、カップヌードル各500円。ホットコーヒー300円。月見うどん、750円。カレーライス1000円。山菜ラーメン、800円、煮込みおでん600円等、メニューは色々あるようです。 |
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←バイオトイレ 使用後に100円募金します。小屋のHPによると、正和電工バイオラックスS-25型だそう。正和電工のHPを見ると、このトイレは普通のオガクズで糞尿を蒸発分解させ、水を使用せず無臭で衛生的、下水施設も不要との事。 そういえば、山のトイレの定番の臭いはなかった。使用後にスイッチを押すと、おがくずがゆっくり回ります。発電機使用だそう。 |
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←処々に残る雪 北側の谷沿いには、雪が残っています。端っこを踏み抜かないように上ります。 |
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←行者返しの坂 仏生池小屋から25分経過。 今までのなだらかな坂に比較すると、急坂です。落差20m余りでしょうか。 |
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←小さな祠 坂を右手にまわると、小さな祠がありました。賽銭箱、下駄と草履、線香などが見えます。 |
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←尾根道の石畳 小屋から40分登った所。このあたりをモックラ坂と言うようです。このようにガスが深いと、敷石や、ロープは有難い道しるべです。 |
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←木道 大峰付近の木道。ヒナウスユキソウ、キバナノコマノツメ、イワベンケイ等が見えました。 |
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←山頂直下の雪渓 仏生池小屋から50分で、300mの雪渓に出ました。 尾根から少し外れて、雪渓の上を歩きます。夏道が雪渓の下なのかも。10分ほどで、山頂の神社の横に出ました。 |
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←山頂到着 八合目から歩くこと3時間5分で到着。建物は山頂月山神社本宮で、御祓い料は500円です。中は撮影禁止。社務所の奥一番高い所に、小さな神社が建っています。 お昼の休憩中に僅かに見えた青空。この日夕方には晴れて、高速道から山頂が見えたのですが、残念ながら山からの眺望は楽しめませんでした。 |
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←月山頂上小屋 個人経営の宿泊小屋。休憩も何か飲食物を注文すれば出来るようです。 この小屋の南側の草地に、クロユリが咲いていました。思ったより小さく花弁は5センチ位です。 小屋から少し南に歩くと、道脇に句碑があります。 |
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←芭蕉句碑 (くものみねいくつくずれてつきのやま) 「雲の峰いく川崩礼亭月の山 桃青」と変体仮名での流麗な書。芭蕉の真蹟を銅版に刻したものだそう。桃青は芭蕉の改まった時に使う俳号。 私は2句目の川(つ)以下が思い出せずキブアップ。さお石の上部は壊れていたのを修復したようで、石が継ぎ合わせてありました。 私的解釈はここ |
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←小屋北側の池塘 小屋近くの物置のような建物の北側で、風を避けて、昼食。 天気が良ければ、鳥海山が見えるはず。 |
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←神社前の渋滞 大休止のあと、下山開始。神社の東側から、羽黒口への下山路だが、神社への参拝者と記念撮影の人々で、参道が渋滞している。しばし、待ちます。 |
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←山頂直下の300mの雪渓 雪渓の脇で、山頂の喧騒と風を避けて、休憩している人もいた。 なだらかの下りなので、持ってきた軽アイゼンは出さずに下ります。 |
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←雪渓を下から見たところ スキーを担いで登ってきた人が、霧の晴れるのをじっと待っていた。 落石などの心配もないので、皆呑気に雪渓での歩行を楽しんでいるかのようです。 でも、濃霧の時は谷側に下り過ぎないように注意が必要です。 |
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←おお!晴れた! 日差しと眺望。大峰の木道付近。 |
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←山頂、牛首、姥ヶ岳 下山途中に、山頂方面を振り返ったところ。ガスの切れ間のほんの一瞬の景色。写真右奥に霞むのが、姥ヶ岳。 北斜面は、雪が結構残っています。 |
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←仏生池小屋と雪渓 つかの間の晴れ間。小屋の東側にはこんなに雪があったのね。小屋でトイレと小休止をしてすぐに下ります。 |
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←中宮(御田原参篭所) さんろう 中宮に到着。弥陀ヶ原の十字路をまっすくに下ってきました。ここは宿泊も7000円〜できるそうです。 あと駐車場まで20分という所で小雨に降られました。 |
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←弥陀ヶ原、中宮への道 仏生池小屋から約1時間半で弥陀ヶ原入口に到着。振り返って月山方向を見ても、何も見えません。でも、花は多いし(人も多かったけれど)姥沢からの登りに比べて、さほど疲れず、満足満足。 |
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←八合目駐車場に到着 ビジターセンターまでの下りの細道では、登ってきたバスとの交差で、少しバックして道を譲ったり、待機したりがありました。 庄内あさひICの近くの「かたくり温泉ぼんぼ」で入浴後、寒河江「吉亭」の冷たい肉そば(絶品!)を食べて帰路につきました。 |
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◆出合った花々◆ | ベニバナイチゴ |
チングルマ |
ウラジロヨウラク |
コバイケイソウ |
ウズラバハクサンチドリ |
シラネアオイ |
キバナノコマノツメ? |
ハクサンイチゲ |
ヨツバシオガマ? |
アオノツガザクラとチングルマ |
クロユリ |
イワハタザオ? |
ヤマガラシ |
◆その他に見られた花 ハクサンフウロ、オオバスノキ ミヤマカラマツ、ナナカマドなど |
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■月山山頂芭蕉句碑 「雲の峰幾つ崩れて月の山」 の私的解釈 「湧いては去り、湧いては尾根を覆うそのダイナミックな雲は 峰の様で、その峰を幾つも幾たびも越え、やっとの思いで山頂に至ると、 雲は晴れ、いつしか月が出ていた。」 高い山で初めて見た雲の動きに、芭蕉は感動している。 又、雲の中に自身が入ると、霧中になる体験もしたうえで、 下界では見られぬ天候の変化を、劇的に表現しています。 又、雲が崩れると見えたのは、己が高みに居ての表現。 静かな月は、苦労して登った自分への御褒美のように感じたと思います。 |