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2004年11月03日

LOVERS/十面埋伏

もんのすごく今更な映画感想。

父親の仇を追い求める刺客の女と、その彼女を追う捕頭である2人の男。
敵同士でありながら、恋に落ちてしまう女と男。そしてそれを見守るしか術のない、もう1人の男。
設定も舞台も申し分ない、役者も揃ってる、なのに観終わった後の消化不良感はなんだ。
理由はただひとつ、3人の心情や背景が伝わってこなかったから。人物描写がなさすぎるよ。

敵同士である小妹(章子怡チャン・ツィイー)と金(金城武)がいつ恋に落ちたのか。
2人に対する劉(劉徳華アンディ・ラウ)の言動もいまいち不可解。
映画のキーワードであった「謀(はかりごと)」も、「え?そんだけ?」と思ってしまった。

…それなりの愛憎劇を期待していた私が悪かったのかしら。

張藝謀(チャン・イーモウ)監督の前作「HERO」は、「退屈」「いや面白かった」等いろんな感想を聞くけど、それなりに背骨が1本通っていて、それが感じられたからこそ私は面白いと思ったんだけどなあ。
残念ながら「LOVERS」にそれは感じられなかった。武侠片とも(冒頭は文字ではなくて映像で観たかったよ)恋愛物とも、もちろんサスペンスとも思えない。ただ映像が美しい、イメージフィルムのようだった…チャン・ツィイーの…。

小説版では一体どんな風に表現されているのかと読んでみた(小説は映画そのままを文章にしたものではないのだけど)。
読了して(立ち読み。本屋さんごめんなさい)、「なんで、ほんのちょっとでもこういう風に撮ってくれなかったんだよ、イーモウ!!」と、フツフツと悔しさが湧いて来た。トラブル続出だったのは判る。でも脚本をもう少しどうにかできなかったんだろうかと。金のキャラクターは武にピッタリだったろうに…劉の内面を華仔は充分表現できたろうに…この小妹の方がツィイーたんは魅力的に映ったんじゃないのか…そう思えてしまってとても悔しい。

もひとつおまけに、映像が美しい映画なのに私の観た映画館ではピントが微妙にズレていた。 悔しい。うわーん。

投稿者 shinobu : 2004年11月03日 15:57

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