メイン

2007年05月30日

パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド

長いよ!

鑑賞前にトイレ推奨。
エンドクレジットの後にオマケあり。

まあ、前作ほどは長さに辛さを感じなかったけど(当社比)。
一応オチもついてるし。
各場面で見せ場を作ろうとしてるのか、しょっちゅう大騒ぎになるので、ここぞという場面が目立たないんだよなあ。
と言っても、元々なんでもアリのドタバタ娯楽映画なので、そういう事は気にしちゃいけないのかもしれない。
ジャック・スパロウは*いっぱい*登場するので、ファンの人は楽しめるんじゃなかろうか。

私の目当ては周潤發(チョウ・ユンファ)とキース・リチャーズ。
ユンファは予想通りの役どころで、も少し活躍して欲しかったけど仕方ないかなあ…という感じ。
キースは…出てきた瞬間、笑いが込み上げて…いやバッチリはまってたんだけどさ。
唄いだしたらどうしようかと思った。

どんどんキャラが男前になっていくキーラ・ナイトレイに比べて、どんどんオーランド・ブルームの影が薄くなっていくので、「このままオーランドがヒロインになってしまうんだろか」と心配になったけど、ラスト近くで「ああ、この為に見せ場がなかったのね…」と納得。この時、大半の人はエンドクレジット後のオマケの内容の予想がつくと思う。はい、予想通りです。
ジェフリー・ラッシュとお猿の出番が思ってたよりも多かったのは嬉しかったなあ。
前作同様たくさんの登場人物が入り乱れてたけど、前2作とも1回しか観てないのにキャラ把握できた自分の脳みそはまだ大丈夫だと思いたい。

投稿者 shinobu : 01:03 | コメント (4) | トラックバック

2007年02月25日

ディパーテッド

公開後1ヶ月過ぎて今更ですが。まあオスカー授賞式も近いのでちょろりと。

香港映画「インファナル・アフェア」のリメイク作品。
ハリウッドが他国の映画をリメイクすると、「ああ…」とため息が漏れる結果になる事が多めだけど、 この映画はかなりキチンと作ってます。どの位キチンとリメイクしたかというと、多少のアレンジはあれど、大部分が本家そのまんまです。どの位そのまんまかというと、「インファナル・アフェア」を観た人なら、次のシーン、そのシチュエーション、その展開…「全部まるっとお見通しだあっ!」と叫べる位そのまんまです。

なので、アカデミー脚色賞にノミネートされてるのが私は何か解せなかったりするのです。

「インファナル・アフェア」未見で「ディパーテッド」をこれから観ようという人は、そのまま先に「ディパーテッド」を観るのがお薦め。その方が楽しく鑑賞できます。

主演のディカプリオは外見で結構損してる役者だと思うけど(童顔・でも背は高い・中途半端な老け方等)、この映画ではなかなか役にハマってて良いんじゃないかな〜と。逆にダブル主演の筈のマット・デイモンはちょっと可哀想な出来になってます。彼の出演作の中でもひどい方かと。何しろ人物描写がうっすい。レオ君の方はそれなりだけど、デイモン君の方は何考えて何感じてるのかがサッパリ伝わってこない。2人の"アンダーカバー"の交錯が物語のキモなのに、これは痛い。
メイン2人が片手落ちなのだから、その2人に絡む人々の描写に至っては何をか況んや。せっかく役者を揃えたのに勿体無いなあ。
あ、ジャック・ニコルソンはいつもと同じ感じ。

比べてもしょうもないと思えど、そのまんま過ぎて本家と比べざるをえなかったりするんだけど、人間関係も割と密に描いていた「インファナル・アフェア」は上映時間102分。「ディパーテッド」は152分。
展開はほとんど同じなんだけどなあ。そこんとこで映画の濃さやテンポは本家に軍配。ただしバイオレンス度は「ディパーテッド」が上(ハリウッドらしく)。
スコセッシはあんまり監督するのに乗り気ではなかったらしいけど、その映画が監督賞・作品賞ノミネートされてしまうのが何とも…。しかしホントにストーンズの「ギミー・シェルター」が好きなのねえ。

投稿者 shinobu : 07:10 | コメント (0) | トラックバック

2007年01月23日

ウインターソング

「昨年末に観た映画を書くよって今1月の何日だと思ってんだボケ」その1。

原題『Perhaps Love』、「君さえいれば/金枝玉葉」「ラブソング」等の陳可辛(ピーター・チャン)監督作。
10年前の恋を忘れられず苦しむ俳優(金城武)、有名になる為に手段を選ばず過去を切り捨ててきた女優(周迅(ジョウ・シュン))。その2人を主演として映画を撮る女優の現在の恋人である映画監督(張學友(ジャッキー・チュン))。3人それぞれが気持ちの着地点を見つけるまでが、現実と撮影中の映画を交錯させてミュージカル仕立てで描かれる。そう、ミュージカルなのですよ。
アイドル時代の金城武のCDを持っている身としては、ちょっとばかり不安があったわけですよ。下手とは言わないが上手くもいやそのえーと。ハラハラしつつ観た結果としては「思った程悪くないじゃん」。安堵。
ミュージカルシーンはちょっと「スケールのちっちゃい『ムーランルージュ』」に思えた所と無表情な子役ダンサーが気になりはしたものの、おおむね楽しめた。「十字街頭」のシーンが好きだ。
メイン3人の芝居も良いし(PCタイピングはヤバイが)、友情出演で曾志偉(エリック・ツァン)等が出て来るあたりも○。
でもなあ…やっぱり「歌」がネックだなあ。歌うのはモブを除けばメイン3人と彼らを見守る天使役の池珍熙(チ・ジニ)の4人だけ。張學友の歌だけがずば抜けてしまって、他が霞む。池珍熙の歌も悪くないけど、何せ出番が少ない。張學友の歌とその存在感に他のキャストが誰1人かなわない所が、この映画の最大の欠点じゃないかと。「香港四大天王」の1人、「歌神」のあだ名は伊達じゃないんだよねえ…。

劇中劇の映画「Forget me not」はあのラストで評判はどうだったのだろう。次回作の構想練ってる位だから大丈夫だったのよね、きっと。周迅のメイクが濃くなればなるほど千秋に見えてしまったのは、私の目がどうかしてるせいだ。うん。

投稿者 shinobu : 01:46 | コメント (2) | トラックバック

2006年07月27日

ウルトラヴァイオレット

どんよりした気分を晴すには何も考えずに済む映画を観るに限るね!第2弾。
あのガン=カタを生んだ「リベリオン」のカート・ウィマー監督の新作。
「ガン=カタ」に反応してしまう人や主演のミラ・ジョヴォヴィッチが好きで好きで堪らない人は、 この映画を観ても後悔はしないんじゃないかと思う。多分。ま、ちょっと覚悟はしておけ。
カリブの海賊2が公開されるのに合わせて、ほぼ上映終了になってるので、うっかり1800円払って観てギャー!てな事にはならないはず(笑)

近未来の世界、新種のウィルスが蔓延。感染すると超人的な能力を発揮するも12年で命を落とす。
そんな感染者たち「ファージ」と、彼らを掃討しようとする人間たちの間で戦いが繰り広げられ…てな設定だけど深く理解する必要なし。だいたい作品内での説明もテキトーだし。それ以前にオープニングのタイトルバック〜ヴァイオレットの「理解できない世界」のモノローグで、「こーゆー映画だから。そーゆー事なんでヨロシク☆」と念を押された気分になっちゃうし。
ファージは日光に弱かったり暗闇でも目が見えたり牙生えたりするのに、何故かミラ演じるヴァイオレットは昼間も平気・暗いと見えない・牙がない(見えない)、ときてるし。とにかくもう考えて観るだけ無駄。
ただ目に映るアクションシーンや、意味無く変化するミラの髪や服の色、訳判らん武器・道具類、「ここドコ?」な風景を楽しむべし。…楽しめる人が少なそうだな〜というのが難点(笑)

しかし監督、「円陣組んだ敵を一瞬で殲滅」とか「暗闇バトル」が好きなんだなあ…。
「リベリオン」の息子役の子も怖かったが、今作の子役(X-MEN3に出てるらしい)もまた無愛想で怖い。監督はこういう子が好みなんだろうか。
ミラはアクション頑張ったとは思うんだけど、終盤は特に「一瞬で死体の山」が多くて、これが限界だったのか〜と思えてしまうのが残念。CGで何とかしてやってよ…と思ったけど、資金的にも限界だったんだろうな。設定・ストーリーが穴だらけでも、も少しカタルシスを感じられる出来なら大満足だったんだけど(私は(笑))。

「リベリオン」DVDのコメンタリーで「金がない」を連発していた監督。
今回、製作費は少しUPしてたみたいだけど低予算には変わりない。
この監督には大金つっこんだ超大作は似合わないと思う。ていうか、そんな大金持たせたら何創るか判らないので怖すぎる。次回も低予算で頑張って頂きたい(次回あるかな…大丈夫かな…)。
それにしてもミラの無駄な脂肪が全くない美しいお腹が目にしみた。じっと我が腹を見る。…ギャー!

投稿者 shinobu : 02:05 | コメント (2) | トラックバック

2006年07月19日

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

どんよりした気分を晴すには何も考えずに済む映画を観るに限るね!
…という訳で先行上映に行ってきた。
「ブラッカイマー、歴史モノに手を出したり変にドラマ創ろうとしたりしないで、こんなバカ映画だけ製作してればいいのに」と思った「パイレーツ・オブ・カリビアン」の続編。

前作と同じく、メインの3人とその周辺がワーワーと騒ぎまくる。三部作になったので2作目の今回は完全に中継ぎ。「オチは次回をお楽しみに!」で騒ぎまくるには上映時間151分はちと長過ぎじゃなかろうか。笑えたり楽しいシーンはあるんだけど、ひとつひとつのシークエンスが長い。ストーリーはあって無いような映画ではグダグダ感が増してしまい、正直しんどい。
そして「何もそんなに出さんでも」と思う位、前作のキャラクターが出まくり。観に行く人には前作のおさらいをお薦めする。私は長さにダレてしまったけれど、「ジャック・スパロウ」やオーランド・ブルームを楽しみたい人には良いのかもしれないな〜とは思う。

私のNo.1ガッカリは敵役の海賊の皆様。
前作での敵役は不死の呪いにかかった海賊の皆様で、骸骨で海底を練り歩く姿とか立ち回りとか楽しませてもらったんだが…。今回は「海のいきもの」づくし。これがまた何と言うか、その…ショボ。お子様受けはしにくいだろうな…。
あと、個人的にお父ちゃんにフジツボついてんのがダメです。うわああぁ(寒イボ)

何だかんだ言いつつも、周潤發(チョウ・ユンファ)とキース・リチャーズの姿観たさ(怖いもの見たさ)と「どんなオチつける気なんだよ」という興味から、私は3作目も観に行くんだろう。
願わくは上映時間が3時間以内であらんことを。

投稿者 shinobu : 23:46 | コメント (2) | トラックバック

2005年12月11日

Mr.&Mrs.スミス

辛気くさい生活のストレス解消に観に行ってきました。
もちろんお目当てはアンジェリーナ・ジョリーです。満足です。

熱烈な恋に落ちて結婚したものの、お互い暗殺者としての正体を隠しての生活で、5〜6年経った頃にはすっかり倦怠期。ある日それぞれが請け負った仕事のターゲットが同一人物だった事から正体発覚。今までの結婚生活に疑惑増大、おまけに対立組織の暗殺者だったもんだから相手を殺らなきゃ自分が消される。さあ大変!という訳でアンジーとブラピがひたすら戦いまくり。
ストーリーはお約束な展開なので、見どころは2人の戦いっぷりのみ。監督は、最近結婚してパパになったマット・大西・デイモン君主演作「ボーン・アイデンティティ」を撮ったダグ・リーマン。派手にやってくれてます。
ドレス姿でマシンガンを連射し、ボコボコにされた次の瞬間やおら立ち上がりブラピを叩きのめすアンジーにうっとり。美人でナイスバディでエロで男をしばくのがこれほどサマになる女優はそういないのではなかろうか。
プライベートでも「アンジーの相手にはチト薄くないか?」と思うブラピだけど(彼女の前の相手が濃すぎるというのもあるが)、映画の中でもやっぱり少々薄めに感じる。私が元々ブラピにあんまり魅力を感じないのも原因だろうけど、アンジーに殴られて鼻血垂れ流すとかトイレに突っ込むとか、もっと思いきり壊れてくれてたら、ちょっと好きになれたかもしれないのになあ。

ブラピの元妻ジェニファー・アニストンと噂のヴィンス・ヴォーンがブラピの仕事仲間だったり、「実は結婚は2度目なんだ」「女の名前は?」「殺させないぞ!」だの、「結婚式に来てた父親は誰?」「役者を雇ったのよ」「どうりで見た顔だと思った!」(アンジーの父親は俳優ジョン・ボイト/不仲)だの、何とも言えない会話があったりして、鑑賞するにはある意味「今が旬」かも。

ところで、夫婦間の問題は解消されたものの、結局2人が抱える問題はさっぱり解決してないように思えるんだが(上映後、周りの席の人達がみんな突っ込んでいて笑った)…まあ、どうでもいいや。そんな映画(笑)
余談だけど、ブラピの顔が微妙に下膨れになってる気がする。髪型のせいか?ファンではないけれど、将来ジョン・トラボルタのようにならない事を切に願う。

投稿者 shinobu : 23:25 | コメント (2) | トラックバック

2005年05月19日

コンスタンティン/Constantine

「タバコ吸ってると肺が真っ黒になって地獄に堕ちちゃうYO!」

…という映画でした。

や、面白かったですよプハー(゚Д゚)y━・~~~
エンドクレジットの後にオマケがあるので最後までどーぞ。
予想の範囲内のオチですが。

投稿者 shinobu : 22:40 | コメント (0) | トラックバック

2005年03月28日

香港国際警察/新警察故事

公式サイト
ジャッキー・チェンの映画を映画館で観るのは何年ぶりだろう。少なくともハリウッドに行ってからのはスクリーンで観ていない。ジャッキーにしろ、ジェット・リーにしろ、ユンファにしろ、ハリウッドでの出演作はどうも「らしくない」と感じてしまって。でも今回は香港。帰って来たんです、香港に。それも「ポリス・ストーリー」で。
ジャッキー映画といえばコミカルで単純明快なストーリーが多いけど、今回はシリアス。何せ劇中ジャッキーが全く笑顔を見せない。おまけに人がバシバシ死ぬ。彼の映画で場内で鼻をすする音を聞いたのは初めて。
そしてジャッキーのアクションが冴えている。ハリウッドでは余程手加減してたのか?犯人グループの1人を演じるアンディ・オンとのバトルには「来た来た来た−−−!」と心の中で叫んでしまった。お見事!
ストーリーの方もアクションで誤魔化さず人間関係や人物描写がちゃんとしてて、キャラクターが立っていていい感じ。
「香港映画は好きだけどジャッキーは別に…」という人にも是非。何しろ出演者が豪華。呉彦祖(ダニエル・ウー)、謝霆鋒(ニコラス・ツェー)、尹子維(テレンス・イン)、TWINSのシャーリーン・チョイ、ココ・チャン、そしてお久しぶり!芸能界復帰した楊采/女尼/(チャーリー・ヤン)。どっぷり暗いジャッキーと重い展開を明るく和ませるニコの役回りは好感度大。チャーリーも相変わらずかわいくて嬉しい。

おなじみNG集があるので最後までしっかり観ましょう。ちなみにNG集は香港バージョンと日本公開の為に編集したバージョンが有ります。私が観たのは香港バージョン。日本バージョンはアクションシーンのNGが多めらしい。しかし、あのラストシーンから間髪入れずにNGが始まるのはどうなの。余韻もへったくれもありゃしない(笑)
…それにしても上映館少なすぎです、この映画。
私が観に行ったのは、その劇場の最終日だったのだけど、ほぼ満員の客入り。もったいないったら。

余談。
ジャッキー演じる陳警部のIDカードにあった名前が「國栄」…
シウホンの台詞「僕のヒーロー」。ファンの心の声でもあるなあ…。
彦祖のお肌はいつ見てもつるつるツヤツヤでうらやましい。

投稿者 shinobu : 00:22 | コメント (2)

2004年11月03日

ヴァン・ヘルシング/VAN HELSING

今更な映画感想その2。

昔のドラキュラ映画を知る人には「ヴァン・ヘルシング」と言えば頭脳でドラキュラを追い詰める博士。でもこの映画でヴァン・ヘルシングを演じるのはヒュー・ジャックマン、バリバリの肉体派。というか吸血鬼ハンターD。
過去の記憶を持たない彼は、バチカンの命を受けてモンスターを退治しながら過去を思い出す手がかりを探している。彼は長年ドラキュラと対峙してきたヴァレリアス一族の滅亡の危機を救うため、相棒のカールと旅立つが…

監督は「ハムナプトラ」シリーズのスティーブン・ソマーズ。「ハムナプトラ」と同様、アクションいっぱいで、良くも悪くも後味がさっぱり残らない映画。
映画の中で何が一番びっくりしたかって<ネタバレ>ラストでアナ王女があっさり死んだ事。さっくりヴァレリアス一族滅亡。<ネタバレ>おいおい。 ヴァン・ヘルシングの正体も<ネタバレ>「ガブリエル」「神の左側」という言葉で語られるけど<ネタバレ>「だからそれで何なのよ」という感じ。
それでも観終わった後「…ま、いっか」と思えてしまうのがソマーズ作品。「ハムナプトラ」が楽しかった人は、この映画も楽しめるんじゃないかなと思う。

作品そのものと同じく役者にもこれといった印象が残らないのは残念。ヒュー・ジャックマンは頑張ってるけど、露出がなさすぎ際立って魅力的というわけでもないし…期待が大きすぎたかな。個人的にアナ王女役のケイト・ベッキンセールに魅力を感じないので、それも痛かったかも。
カール役を演じていたデヴィッド・ウェンハム、かぶりものを取るまで誰だか判らなかったよ…声も喋りも違うし、何より身長が低かったので。いくらヒュー・ジャックマンがデカイとはいえ、デヴィッド・ウェンハムも180以上あるから、あの身長差を出す為にローブの下では膝を曲げてたってことか。お疲れ。

デヴィッド・ウェンハムさんの変遷
vh.jpg
彼は現代劇だとどんな感じなんだろう。

投稿者 shinobu : 16:07 | コメント (0) | トラックバック

LOVERS/十面埋伏

もんのすごく今更な映画感想。

父親の仇を追い求める刺客の女と、その彼女を追う捕頭である2人の男。
敵同士でありながら、恋に落ちてしまう女と男。そしてそれを見守るしか術のない、もう1人の男。
設定も舞台も申し分ない、役者も揃ってる、なのに観終わった後の消化不良感はなんだ。
理由はただひとつ、3人の心情や背景が伝わってこなかったから。人物描写がなさすぎるよ。

敵同士である小妹(章子怡チャン・ツィイー)と金(金城武)がいつ恋に落ちたのか。
2人に対する劉(劉徳華アンディ・ラウ)の言動もいまいち不可解。
映画のキーワードであった「謀(はかりごと)」も、「え?そんだけ?」と思ってしまった。

…それなりの愛憎劇を期待していた私が悪かったのかしら。

張藝謀(チャン・イーモウ)監督の前作「HERO」は、「退屈」「いや面白かった」等いろんな感想を聞くけど、それなりに背骨が1本通っていて、それが感じられたからこそ私は面白いと思ったんだけどなあ。
残念ながら「LOVERS」にそれは感じられなかった。武侠片とも(冒頭は文字ではなくて映像で観たかったよ)恋愛物とも、もちろんサスペンスとも思えない。ただ映像が美しい、イメージフィルムのようだった…チャン・ツィイーの…。

小説版では一体どんな風に表現されているのかと読んでみた(小説は映画そのままを文章にしたものではないのだけど)。
読了して(立ち読み。本屋さんごめんなさい)、「なんで、ほんのちょっとでもこういう風に撮ってくれなかったんだよ、イーモウ!!」と、フツフツと悔しさが湧いて来た。トラブル続出だったのは判る。でも脚本をもう少しどうにかできなかったんだろうかと。金のキャラクターは武にピッタリだったろうに…劉の内面を華仔は充分表現できたろうに…この小妹の方がツィイーたんは魅力的に映ったんじゃないのか…そう思えてしまってとても悔しい。

もひとつおまけに、映像が美しい映画なのに私の観た映画館ではピントが微妙にズレていた。 悔しい。うわーん。

投稿者 shinobu : 15:57 | コメント (0) | トラックバック