飲酒運転
飲酒運転による殺傷事故問題がマスコミ等で大きく取り上げられています。
私は仕事関係の付き合いで酒はずいぶん飲んできましたが、晩酌の習慣はありませんので酒自体が好きというわけではないようです。酒好きの方々は多数知ってますが、その方々が飲酒運転をしているかどうかは知りません。

ある取引先の営業部長が自家用車通勤をしており、商社ということもあり毎日のように接待で飲んで帰っていたようです。もちろん、飲酒運転です。どこで検問があるかなどをチェックし、捕まらないように努力はしていたようです。捕まったという話も聞いたこともなく、相変わらず車で通勤していました。
彼が10年以上前に亡くなられましたが、原因は脳溢血なんです。彼は営業面で会社を背負って立っているような遣り手の方でしたので、ストレスと飲み過ぎのせいで倒れたのかもしれません。

夜に都心の飲み屋街に行きますと、所狭しと路上駐車されている光景が目に入ります。駐車禁止標識の足元に駐車している車もあります。初めて先輩に飲みに連れて行かれた時に、不思議に感じたものです。
「なんで取り締まらないんですかねえ? 駐車している殆どの連中は、帰るときには飲酒運転だろうに… 」
「まあな。この辺の店は組合のようなものを作ってんだろうけど、警察に付け届けを欠かさないんだろうな。持ちつ持たれつなんだろう。世の中ってのは、そんなもんだ」
「… 」
ということで、50年以上は続いているんでしょうね。

下手なゴルフに何回も行きました。それでも下手なんで、よっぽど下手ってことなんでしょう。
ゴルフ場のレストランでは、昼食時とゴルフが終わった後で、多数のゴルファーがビールやウイスキー、日本酒などを飲みながら談笑しています。その中の大部分の方が車で帰宅されます。その帰宅途中で飲酒運転で捕まったという話は、聞いたことがあるかどうか…そんな程度でした。警察が各ゴルフ場の出口で網を張っていたら一網打尽だったんでしょうけど… これも「世の中ってのは、そんなもんだ」てなことなんでしょう。
尤も、飲酒運転の罰則が厳しくなった此処数年は、ゴルファーが帰る前-にアルコールを飲むことは大幅に減ったようですね。
警察・マスコミの対応
どうも半世紀以上という長い間、飲酒運転による殺傷よりも、店の商売の方を優先させてきたのが警視庁であり警察署及び政治家であったようです。マスコミも、そんなことは知っていて何も言わなかったわけです。ロッキード事件で田中角栄氏が文藝春秋で立花隆氏に告発された後、色々な新聞記者さんたちが、「おれたちは以前から知っていたんだ。書けなかっただけだ」と負け犬の遠吠えのようなことを言っておられたようですが、飲酒運転の件もそうなんでしょう。"有識者"さん達も同じようなことをやっていたんで、何も言えなかったんですかね。

しかし、こんな風潮を助長し維持してきたつけとして、何人の老若男女および家族の方々が犠牲になったんでしょうか。今、ワイワイ騒いで飲酒運転を責めてますが、誰もマスコミレベルでは総括してませんものね。 私の不思議は変ですかねえ???
交通刑務所
交通事故で逮捕され、裁判で実刑を言い渡された方々が入る交通刑務所というものがあります。なぜ交通刑務所なのかといいますと、一般の刑務所とは中の環境が異なるせいなんだそうです。塀は金網で代用され、中は非常にオープンで、一般刑務所のイメージとは掛け離れたところなんだそうです。

過失で悲惨な事故を起こしてしまった方々の多くは、酷く自責の念に駆られ、打ちひしがれて、周囲が社会復帰を不安視してしまう程なんだそうです。そのような状態の服役者を一般刑務所に入れてしまうと益々立ち直れなくなってしまうということで、交通刑務所なるものを作ったようですね。尤も、被害者の方々の中には、ご不満な方もいらっしゃるんでしょうが…
更  正
罪人に死刑以外の罰を与える目的は、その罪人の「更生」です。それ以外の目的はありません。社会の人々に対する抑止力的な警告をその目的に含める方もおられますが、それは副産物のようなもので、目的ではありません。何故なら、それを目的の一つとすることは公開処刑のようなものを認めることに等しいからです。尤も、極悪人の公開処刑は賛成だ!と言われますと、二の句が継げませんが…
(横道)
ズーッと昔から言われていることではありますが、現実は厳しく、「もう戻ってくるんじゃないぞ」と言われて刑務所から出所された方の多くは再度犯罪を行ってしまうそうです。刑事物の小説やドラマなどでも、そのような場面が出てきます。また近年、刑務所内で服役囚が不法に扱われ被害にあった事件の幾つかが ー たぶん、氷山の一角なんでしょうが ー 新聞沙汰になったりもしています。
つまり、現在の刑務所自体が更生を目的とした施設・環境ではなく、罪人を単に懲らしめる場でしかないわけです。挙げ句の果てに、彼らは社会に戻ってからも懲らしめられるわけです。

以前からも問題視されてはいたようですが、"臭いものには蓋"の典型的なケースだんたんでしょうねえ。問題視されておられた方も、悪人の肩を持つようで積極的になりきれなかったのかもしれません。問題視して発言するだけでも大変な"有識者"だと思います。
日弁連
実は、日本弁護士連合会(日弁連)が組織力に鑑みて、刑務所や更生のような問題を告発する可能性が一番高い立場にあるように思ったんですが、どうも日弁連の目的とは掛け離れているようです。日弁連の主目的は「国家機関からの監督を受けない独自の自治権を有し、弁護士の品位を保持し、弁護士事務の改善進歩を図る」ことにあるようです。要するに、弁護士たち自身の保護団体なんですね。それはそれで必要なことではあるんですが、なんか、弁護士たちよ高邁な目的を持て!と言いたくもなりませんか?

みなさん、再犯をやるようなバカな奴がどうだっていうんだ? さいど刑務所に放り込んで一生出られないようにしろ!っておっしゃるんですか? それは直接被害に遭っておられないからでしょうね。さいど刑務所に入れるためには、もう一度だれかが犠牲になるわけです。しかも、犠牲者は一人とは限りません。 私はイヤですね… あなたは如何ですか?
(横道おわり)
法的に罪を償った人達の社会における「更生」は、何処の世界でも大きな課題のようです。
勿論、わたしのような者にはベストの対策など分かりません。
ただ、放っておいては、再度あるいは再々度だれかが犠牲になることは分かります。 今の現実が物語っているわけですから。
罰則過剰強化の副作用
飲酒運転の罰則の過剰強化も似たような現象を生む可能性があります。過剰という意味は、罪を犯した人に更生は不可能だと思わせてしまうレベルのことです。

極端な例で言いますと;酒気帯び運転者が警官にチェックされそうになったとします。彼あるいは彼女は、「大変だっ。捕まったら会社首だあ。逃げなくちゃあ」てんで逃走する。パトカーが追いかける。逃げる逃げる… 途中で人をはねる、構っていられない。また人をはねる。一人も二人も一緒だあ、って逃げまくる。遂に、警官は発砲し、その逃走者を射殺してしまう。これで一件落着ってことになるんでしょうが、途中ではねられた人達はたまったもんじゃありません。

あり得ない話だと思われますか? まあ、射殺するかどうかは別ですが、逃げる途中で何人も轢き殺すことは現実に起こりえます。

もう20年以上になりますが、ある県で実際に起こった悲惨なケースです。ある町医者が県庁所在地で開かれた医者の会合に参加した帰り、飲酒運転で、帰り道25キロ程度の区間3箇所で合計8人も轢いたんです。最初に轢いたと時に、車を停め応急処置をし救急車を呼んでいれば、轢かれた方も轢いた方も助かっていたでしょう。でも、彼は発覚を恐れて逃げたんです。精神は、車の運転に異常を来すほど錯乱状態だったんでしょう。その後、別の二箇所で再度、再々度人を轢いてしまったんです。合計8人です。まあ、小泉さん風に言えば、2人も8人も誤差範囲だっ!てことになるんでしょうかね?
元に戻して!
そりゃあ、そのような犯罪者は厳罰に処して、死刑だっ!でもイイのかもしれませんん。しかし、被害に遭われた方々やご家族の方々は、本当は元に戻してもらいたんじゃないんでしょうかね。それとも、あなたの口から、「世の中、犠牲は付きものだ」とでも言っていただけるんでしょうか?

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