出産体験記

























予定日からすでに10日経ち、そろそろ自然陣痛が来るのをあきらめかけていた私。このまま陣痛が来なければ、15日目に入院して誘発剤で出産することになる。しかし何とか明日、あさってまでには生みたい。だってそうじゃないとパパがすぐに来てくれないって言うんだもん。
というわけで望みは捨てず、ここ2、3日は、寝るときとご飯を食べるとき以外できるだけ立っているようにした。
なんといっても、9月に入ってから残暑がものすごく厳しく、昼間30分も散歩するとヘロヘロになり、逆に昼寝をたくさんしてしまう。なるだけ室内で運動しないとね。太ももを高く上げて足踏みしたり、踏み台昇降したり。ダスキンで100坪ほどある実家の床を掃除しまくったり(笑)

夜中2時半頃、猛烈な尿意で目が覚めた。 『あれ? 寝る前にトイレに行かなかったっけ?』と思いつつ、眠気と戦いながら重い腰を引きずりトイレに起きる。今度は眠れなくなり、3時半ごろまでブルーな気持と戦いながら布団の中でゴロゴロ。いつまでたっても寝れないので、涼しい夜中の間に体操でもしようと、踏み台昇降に励む。自分でも満足行くくらい体操したあと、TVを見ていた。
4時半ごろ、母がトイレに起きてきた。起きている私を心配して、「お腹痛む?」と聞いてきた。なんとなく陣痛に似た痛みがあったけど、そんなのはここ最近しょっちゅうだったので、「ん? 全然。まだまだ」と答えた。

ところが、5時頃また同じ痛みが。今まで1、2回だけで続かなかったあの痛み。『あれ? これってもしや?』と思い様子を見る。するとまた10分後くらいに同じ痛みがきた。いよいよ陣痛か?!
それから6時までに10〜15分間隔で、6回ほど痛みが来た。トイレに行くと、なんとべっとり血が。これって『おしるし』?! 間違いない、陣痛が来たに違いない。それから10分くらいしてもう一度あの痛みが来たので、これは絶対間違いないと産院へ電話。経産婦なので入院の準備をしてすぐに入院するように言われた。

入院の準備は出来ていたので、荷物の中身を確認して、服に着替え支度を整える。両親の寝室へ行って母に声をかけると、まだ寝ているようす。
そのうち父がトイレに起きてきたので、『陣痛が来たのでタクシーで産院へ行く』ことを伝えると、慌てて母を起こしに行った。母を起こすまいと思ったのに(^-^; 母はすぐに起きてきた。なあぽんがまだ寝ているので、後からなあぽんと一緒に来るように頼み、タクシーを呼んでもらって、私一人で産院へ向かった。
7時前にタクシーの中からパパに電話する。早起きのパパはもう起きてるはず。パパはすぐに電話に出た。あさってにはこちらへ来てくれるって*^o^*

産院の受付で入院の手続きをし、早速診察を受ける。7時半ごろ現れた先生は眠そうにしていた。後で知ったんだけど、昨日は3組の出産があったらしく、先生は寝不足だったのかな?
診察の結果、子宮口は2センチ開いていて、子宮頚管が薄くなっているので、お産のための入院が確定した。

個室へ入り、簡単に説明を受けた後、ベッドに横になって陣痛を測る装置をつける。陣痛はあまり進行する様子はなく、まだ10〜15分おきの軽いもの。痛みも全然大したことはなく、深呼吸するまでもない。余裕でゴロゴロしていた。
8時半ごろ朝食を運んで来てくれたので、装置をはずしてもらい、おいしくいただく。

9時過ぎに先生が覗きに来たので、陣痛があまり進行しないと言うと、「院内を散歩したほうがいいかも」と言われた。看護婦さんは忙しいのか現れない。このまま勝手に院内をうろついていいのかなぁと思いながら、ベッドでゴロゴロしていたら、9時50分頃やっと看護婦さんが来た。先生の指示を伝えると、じゃあ歩いてみてくださいと言われたので、院内を散歩する。

産院は3階建て。2階に分娩室、陣痛室、新生児室、個室があり、3階にも個室がある。私がいる個室は2階で陣痛室に近い部屋だった。2階の個室は全て満室になっていたけど、3階の個室は全て空いている。なあぽんのときは3階もほぼ満室だったなぁ。
2階から3階の階段を上り下りし始めたら、3階でガーガーと掃除機をかけていたので、一旦個室へ引っ込み、太ももを高く上げる足踏みをしていた。掃除が終わった頃もう一度階段を上り下りしたり、3階のロビーをぐるぐる歩き回った。
歩いた効果が出たのが、陣痛の感覚が少し狭まったようだ。

母となあぽんが11時ごろやってきた。その頃には陣痛の間隔が7〜8分おきになっていた。でも痛みは大したことがなく、母と話をしていても全く平気だった。なあぽんのときは10分間隔でも痛かったような気がするけど・・・

12時前には陣痛が5分おきになっていた。痛みはまだ大したことがなかったけど、看護婦さんが心配だからというので、陣痛室へ移ることになった。
12時過ぎにお昼ご飯を陣痛室へ運んでもらい、食べだしたら痛みが増してきて、そろそろ喋っていられなくなってきた。なあぽんはというと、母に作ってもらったお弁当を、私のお昼の横に広げて食べている。
母が陣痛のたびに腰をさすってくれるんだけど、それがすごく上手くて痛みが全然ましになる。さすが母!
ご飯を食べ終わり、陣痛に耐えてる私になあぽんがふざけてくるので、母となあぽんには個室で待機してもらうことにした。母は私一人を陣痛室に残すのが心配だったようだけど、逆に私は母の体力を心配していたので、個室で待っていてもらうほうがよかった。

13時には5分弱おきの陣痛になっていた。看護婦さんが診察に来て、子宮口は3〜4センチ開。もうかなり痛いんだけど、まだまだ先は長そうだわ。そういえば先生が、「陣痛が5分おきになってから1〜2時間後(に分娩)かな」と言ってたんだけど、ということは14時には出産してる? 本当にそんなすぐに出産になるのかしら?

14時頃に陣痛は3分半おきに。その頃はもう余裕がなくて、呼吸法で痛みを逃すのに必死だったので、看護婦さんが時間を計っていた。
今思えば、なあぽんのときは表面だけで呼吸していて、うまく痛みを逃してなかった気がする。きっちり深く呼吸すると痛みがましになるものだわ。
看護婦さん二人がずっと付きっきりになって腰をさすってくれるので、本当に助かった。特にお尻を押さえながら腰をさすってくれるのが、痛みを逃すのに効果絶大。その頃には子宮口が5センチ開。まだ5センチ〜?! もうしばらくかかるわね・・・

陣痛の合間に1、2回ほど、『もうイヤだ、耐えられない』とくじけそうになったA(^-^;) それでも痛みに耐えないとね。
どうやら陣痛に波があって、強い陣痛と弱い陣痛が交互にやってくるので、子宮口がすぐに開いてくれず、先生の予想よりお産が長引いているらしい。

15時頃先生が診察に来た。それまでに3回ほど強い陣痛があって、赤ちゃんが下のほうに降りてくる感じがあった。そうなるともう呼吸法で痛みが逃せなくなり、声が出てしまう。これでまだ子宮口が6センチとかだったら死ぬわ。。。
「陣痛の間に診察するね」と先生。仰向け状態で陣痛が来るととんでもなく痛くて、またまた声を上げてしまう。
なにやら先生がぐにっと操作(?)すると、なんと子宮口が8センチから9センチへ。
「次の陣痛が来たらいきんでいいよ」と言われ、え?と思っているとまた陣痛が。『陣痛室のベッドでいきんでいいのか?』と躊躇してると、「遠慮せずに全部出てもいいからいきんで」と言われたので、えい!っといきんでみる。するとその途端バシャッと音をたてて破水。その勢いで子宮口は10センチ全開。すごい!

その後は分娩台へ。分娩に備え看護婦さんが処置をする。それまで2、3人しかいなかったのに、いつの間にか看護婦さんがわらわらと6、7人になっていた( ̄◇ ̄;) あとで母に聞くと、その日の午後は外来が休診だったそうで、それで手の空いている看護婦さんがたくさんいたのかな?
準備中にも2回ほど陣痛が来てその間呼吸法で痛みを逃す。

準備が整い早速いきみ開始。やっといきめると思って力を入れるけど、どうもうまく行かない感じ。なあぽんのときは、マタニティスイミングでいつも呼吸法や息を止める練習をしていたので、うまくいきめたんだけどなぁ。
いきむときは、まず息を吸ってはいて吸って止めないといけないのに、2回目なんて半分はいてから止めたりして、「吸ってから止めないと」と注意される始末A(^-^;) それで慌てたせいか、3回目はまだ陣痛が来てないのにいきもうとして、先生に「お腹はずっと痛いからね、腰が痛くなったらいきんで」と言われてしまった(^-^; 確かにお腹はずっと痛いけど、陣痛の痛みとは違うわ。

それでやっと落ち着いて、次の陣痛が来るのをまっていきむ。
なあぽんのときはいきむのに必死で、まったく痛みは感じず、3回目の陣痛&いきみで産まれたのに、今回はつっかかった感じが強くてとにかく痛い。いきむのってこんなに大変だったっけ? 「もうちょっと! 頑張れ」とみんな言ってくれるのに、なかなか出てこない。まだか〜?!!と思いつつ、必死の思いでいきんで、5〜6回目の陣痛&いきみだったか、やっといきみストップで短促呼吸に切り替わった。
このとき赤ちゃんを出してるんだと思うんだけど、とにかくそれも痛くて(それか会陰切開だったのか?)思わず「痛い〜!!」と叫んでしまった。看護婦さんに手を取られ、「頑張らなきゃ」と言われながらハッハッハッと呼吸を続ける。やれやれ、だらしなかったわね(^-^;

15時32分、無事に赤ちゃん誕生。へその緒を切り、看護婦さんたちが赤ちゃんをキレイにしている。3キロ前後かと思いきや、なんと3314gもあった。どうりでお腹が重いはずよ〜
軽い陣痛がきて胎盤が出る。前も見たけどすごい色よねA(^-^;)
会陰切開のあとを先生が縫い合わせ始めると、なあぽんのときはあまり何も感じなかったような気がするのに、今回はなにやら突っ張って痛い。おまけに一部麻酔の効いてないところがあったらしく、思いっきりチクッとしたので、「痛!」と声を上げると、先生がとぼけたような顔で「あれ? 痛かった?」と言う(^-^; 痛いよ〜 その後も何度か痛かったけど我慢した。
まだ悪露がたまっていたのか、先生がお腹をぐぐっと押すと、カバカバッとすごい音を立てて何かが出た。先生はなにやら心配そうな顔をしていて、看護婦さんも首をかしげている。どうやら大量に出血したらしい。やばいんだろうか?

処置が終わり、赤ちゃんは分娩台の左側にあるベッドに寝かされた。右側を向いているので顔がよく見える。しばらくすると右目を開いていた。なあぽんは生まれてすぐに両目を開いたんだっけ。
なあぽんと母が分娩室に入ってきた。看護婦さんが赤ちゃんと4人で記念撮影してくれた。これはあとでフォトフレームに入れてくれる。
分娩台の上からメールや電話で出産報告。院内携帯電話禁止なんだけどね・・・A(^-^;)

分娩後はこのまま分娩台で2時間ほど安静となる。看護婦さんに手伝ってもらって、赤ちゃんに初乳を飲ませる。生まれたばかりなのに上手に吸っていた。
先生が来てもう一度処置のし直しになった。どうやら通常より倍の1リットルほど出血したらしい。子宮頚管が薄くなっているところを、念のため縫い合わせてくれた。
先生はなにやら妊婦さんの体のしくみについて説明し出した。一体何が言いたいのかなと思っていたら、血液の成分の話になって、血液が水のようになって通常の1.5倍増えている、つまり私の場合2リットルほど増えているから、1リットル出血したとしても全く心配はない、ということだった。私が心配しないように気を遣ってくれたらしい。とはいっても、なるだけ出血はしないほうがいいのであって、もうしばらく分娩台に安静となった。
18時になっても分娩室から出れないようなので、母となあぽんには帰宅してもらった。

結局20時半ごろまで分娩台に寝ていた。仰向けに寝ているため腰が痛くて死にそうだったよ。
尿を看護婦さんに取ってもらって車椅子で個室へ。ベッドに横になると尿の管と点滴をつけられた。

看護婦さんに「晩御飯をもってきましょうか?」と聞かれた。お昼から何も食べていないのでお腹がペコペコだったけど、確か先生が、「出血が多かったから夕食は食べずに点滴だけ」と言ってたのよね。そういうと、「先生から許可をもらったから大丈夫」とのことだったので、晩御飯を運んでもらった。看護婦さんが苦笑しながら、「ほどほどに、と言われてるから、全部食べずに3分の2くらいね」だって。腹ペコだから全部食べたい勢いなんだけど〜 仕方なく、大好きなゴボウサラダは全部平らげたけど、メイン2品は半分ずつ残した。

その夜は出産ハイのため、寝れそうになかったけど、それでも明け方の3時から6時まで眠れたようだ。

     

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