T−走塁


3 一塁走者として

(A) 一塁走者として最初にする三つの仕事
a.外野手の守備位置を見ること
これによって打球に対する早い判断ができる。
一塁手が話しかけてきても、その手に乗らないこと。(一塁手の仕事は、走者の集中力を妨げることだから・・・)
b.スコアボードを見る
試合の状況をいつも頭にいれる。いくら積極的に走れといっても、状況によっては安全第一が必要なときもある。
c.サインを見ること。

(B) 一塁のリード・オフ
 リード・オフの方法は、ベースの後方(外野寄り)角から、二塁を結んだ直線上に離塁する。この方向に離塁すると、一塁手が塁の前に構えているから、タッチをさけることができるし、またクロスプレーでもセーフになる可能性が多い。リード・オフは10cm位片足づつ動かしてとる。どんな時でもよいバランスを保つこと。両足、特に右足(リード足)の内側で、しっかり身体をコントロールするべきだ。この親指のつけ根に力を入れること。良いバランスが、良いスタートを生み、良い走者になる基本である。
 だから、足の動きの幅が大きかったり、飛び上がったり、また両足が、くっつきそして離れる。このようなリード・オフをする走者は、どうしてもスタートが不可能なタイミングが生まれ、投手にそのタイミングを覚えられると、盗塁できなくなる。

(C) 一塁から単打で三進するときの走者
 三進のテクニックで重要なことは、どれだけリード・オフができるか、そして良いスタートがきれるかにかかっている。走者は必ず、投手の投球に合わせてサイド・ステップする。そして、投球が打者の前を通る時両足の体重が均等に保ち(攻撃的、積極的な走塁が要求されている状況では、右足のほうで体重が多くかかっても良い)良いバランスで前進、帰塁の両方ができるようにしておく。しかし走者は、一瞬でも静止してはいけないから、投手のリズムに合わせ良いタイミングをつくることが大切である。と同時に、その時の集中力が早い判断を生む秘訣である。また帰塁のときは、鋭いクロス・オーバーステップで二歩帰れば、ピックオフされることはない。もちろん進塁のときも第一歩は、クロス・オーバーステップである。三進のときのキーになるもう一つの問題は、ランナーズ・コーチを見る時期である。
a.一塁走者は二塁の手前7,8mでランナーズコーチを見る。もしこの時期が早ければ、ランナーズコーチは指示ができない。外野手が打球の処理をする前だから・・・。なお、自分で判断できる打球、例えば、左前打、中前打などは自分で判断して走る。
b.次に眼をベースに集中し、内側の角(投手よりの角)をしっかり踏む。
c.塁を回ると、直ちに第二回目の指示を受ける。ランナーズコーチから最終の指示を受ける時期。