☆ 準備 最初に前後の身頃の脇点 S を合わせてバスと線を水平に置き、袖繰り線を前後に並べて写します。この袖ぐりの上に
袖山の『案内線の枠』を記入します。 身頃の寸法、後ろ肩丈=18.1 cm,前丈=17.1 cm,カマ巾=10.6 cm,袖ぐり寸法=41.9 cm, 袖の寸法、袖丈=
54.0 cm,袖巾=32.5 cm,肘巾=28.0 cm,袖口巾=24.0 cm, イセ分量=10.5%,肩パット=なし、
後ろ身頃の E とカマ底線 との中央から袖ぐり線を横切って水平線を引き、後ろ袖繰り線との交点を Y,前袖繰り線との交点を X とします。
後ろ肩点 ab 〜 X, 前肩点 Ab 〜 Y,をそれぞれ結び、交点を Z として Z より短い垂直線を出します。袖山点 K はこの垂直線上に決めることになります。
袖山の高さ=(後ろ肩丈+前肩丈)× 2/5 + 0 〜 0.5 cm を重心線とカマ底線の交点 C から上にとり、A として左へ水平線を出します。Z からの垂直線との交点を K (袖山点)とします。
C 点から半径=A・H寸法× 1/2 + 0.9 cm の円弧を振り、A からの水平線との交点を B とします。
C 〜 A (袖山の高さ袖巾) と (A 〜 B)袖巾は反比例の関係になります。C 〜 B は袖ぐり寸法でこれが一定ならばC 〜 A が
高ければA 〜 B は狭く、C 〜 A が低ければ「その反対になります。従って C 〜 B の+0.9 cm (いせ込み量)の袖付け線をコントロールすれば意図する袖山が描けます。
ここで二つのバランスが出てきましたが他のケースでも使うので記憶してください。。 ●袖山の高さ=(後ろ肩丈+前肩丈)× 2/5 + 0 〜 0.5 cm C 〜 A ●A・H寸法× 1/2 + 0.9 cm C 〜 B
☆ ガイド・ラインの記入
A からの水平線と背巾線との交点を B1 とすると B1 〜 B は袖の厚み分になります。これを前後に分けます。 (B 〜 B1) × 1/2 + 0,35 cm ・・袖の後ろ側の
厚み分・・B2 (B 〜 B1) × 1/2 - 0,35 cm ・・袖の前側の厚み分・・A1
A1 から垂直線を下ろして袖ぐり底線との交点を C2 とします。
B2 から垂直線を下ろして袖ぐり底線との交点を D とします。A1 〜 B2 〜 D 〜 C2 は袖山を描く枠となります。
C から上へ(カマ巾 × 1/4 )1をとり、aE とし、aE を通る水平線を引き、袖ぐり線との交点を Ae ,C1 〜 A の垂直線との交点を(イ)とします。
A1 〜 (イ)の中央から下へ 0.5 〜1.0 cm を取り(ロ)とし、K 〜 (ロ)を結びます。A からこの線に直角線を出し、2等分してマークします。
後ろの袖折山線 ニ 〜 e を軸にして(ニ 〜 S2 〜 el 〜 L4 〜 L3 〜 e ) を反転し、左側に写します。
ニ 〜 e は袖口に向かって内側に曲がっていますので転写すると L3 〜 e 〜 L3' は少し開きます。これは袖口のダーツ分量になります。
K から垂直線を下ろし、肘線との交点から前へ 1.0 〜 1.5 cm を G 点として K 〜 G を結んで『地ノ目線』とします。左図は展開が終了した完成図です。必要に応じて袖口ダーツは後ろ袖下線側に移動します。
袖の製図は @ 身頃の袖繰り線から袖山の枠を決定する。 A 枠を利用してガイド・ラインを引く、
B ガイド・ラインによって袖山線を描く。 C 袖山線に袖下線を加える。 D 全部描けたら展開して左右に拡げ、完成する。 と云う手順で行います。
この手順はA・H方式でも基本方式でも変わらないので手順に馴れることが肝要です。