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全国路面電車情報局

・全国各地の大都市では、昭和40年代後半ころまで路面電車が都市交通の主力でした。
・ここで昭和35年以降に廃止された路線から現在も活躍している路面電車についてまとめてみました。
・コメントについては、独自の情報知識に基づいて書いていますので、誤記などについてはご了承ください。
・会社名が太字のものは現在も営業中の会社(路線)です。

※1:営業区間については主な路線1路線のみを掲載してます。
※2:営業距離については現在の営業区間の総延長距離のみを掲載しています。【2016年8月現在】)
◆ 一部の路線で路面電車の写真が見ることができます◆

都市名 会社名 軌間 営業区間
(※1)
営業距離
(※2)
コメント
北海道
札幌
札幌市交通局 1067mm すすきの−西4丁目 8.4Km 丸っこい独特のボディーが特徴。以前はディーゼル車もいた。函館と共に冬のササラ電車も名物。路線は市内を循環する路線を形成しており、将来は完全な循環路線にする計画。
北海道
函館
函館市交通局 1372mm 湯の川−函館どっく前 他 10.9Km 車両番号の大きな書体が特徴だったが今はよそ並み。関東以外では珍しい1372mm軌間。 昭和50年代から経営難により部分的に廃止され、最盛期の60%程にまで縮小された。
秋田
秋田市
秋田市交通局 1067mm 秋田駅前−土崎 他 全線廃止 本州最北端の路面電車で全線単線。車両は元王電、旭川等雑多。昭和34年に支線(新大工町)が廃止され、昭和41年に全廃された。最後までトロリーポールでの集電だった。
宮城
仙台市
仙台市交通局 1067mm 八幡町−仙台駅前−長町駅前 他 全線廃止 環状線に4本の枝線で総営業距離は14.8Km。開業当初からの単車群、端正な顔立ちの100系、エースの200系、木造連接の300系、近代的な400系等。昭和51年4月に全線廃止となり、一部車両は長崎市へ譲渡された。
福島
福島市
福島交通 軌道線 1067mm 福島−梁川 他 全線廃止 福島交通は県内唯一の私鉄会社。狭い道に細い車体、福島の近郊電車も兼ねる。長い連結棒で小型貨車を引く光景も見られた。自動車の普及と共に利用者が減少し、昭和46年4月に全線廃止となった。(27.7Km)
栃木
日光市
東武鉄道
日光軌道線
1067mm 東武日光−馬返 全線廃止 終点の馬返は路面電車としては最高地点。地形上、途中には60パーミルの旧勾配も存在し、市内をELに牽かれて走る貨物運転も魅力だった。いろは坂の開通と共に乗客は減少、昭和43年に廃止された。(10.6Km)
茨城
水戸市
茨城交通
水浜線
1067mm 上水戸駅−大洗 全線廃止 単線なのでラッシュは続行運転で対処。他の路線同様、車社会の到来と共に邪魔者扱いされ、昭和41年に廃止された。廃止時何故か旧型車が水浜線に生き残り、新型車は仙台に譲渡された。 (14.4Km)
東京 東京都交通局 1372mm 三ノ輪橋−早稲田 12.2Km 都電の愛称で庶民の足として活躍していたが、現在残るのは荒川線のみ。黄色にえび茶帯の暑苦しい塗装は評判悪かった。しかしスタイルは時代の流れの先頭を切っており、7000や8000等新車が出る度に各地に模倣車が出現したのは流石。全盛期には200Kmを超える営業路線を持っていたが、昭和47年までに荒川線以外は全廃された。
東京 都営杉並線 1067mm 新宿−荻窪 全線廃止 旧西武新宿線。他の都電と違って1067mm軌間。代表車の2000型はバスボディー形式の変わった車。廃止後は改軌して他の線で働いていた。
東京 東急電鉄
玉川線
1372mm 渋谷−二子玉川園 全線廃止 通称「玉電」、張殻構造タルゴ式連接の200型が代表車で、愛称「いもむし/ペコちゃん電車」。国道246号に沿って走っていたため、自動車の邪魔者扱いにされ昭和44年に廃止された。ペコちゃん電車は高津駅の「電車とバスの博物館」で見ることが出来る。(11.3Km)
東京 東急電鉄
世田谷線
1372mm 三軒茶屋−下高井戸 5.0Km 名前の通り世田谷区内を走る全長5Kmの路線。路線は全て専用軌道なので、実際は路面電車ではない。かつては玉電で走っていた80型が活躍していたが、今が新型車両に置き換わってしまった。
神奈川
川崎市
川崎市交通局 1435mm 市電川崎−塩浜 全線廃止 京浜工業地帯の通勤目的に開業した路線。僅かな所でレールはつながっていなかったが、京急大師線とで市内一周路線を形成していた。ここも車社会に押されて昭和44年に廃止された。(6.7Km)
神奈川
横浜市
横浜市交通局 1372mm 桜木町−市内循環 他 全線廃止 横浜市内から各方面に路線を持っており、最盛期では50Kmを超える営業路線を誇っていた。しかし昭和40年より路線が縮小され、昭和47年に無軌条電車(トロリーバス)と共に廃止された。
静岡
三島市
伊豆箱根鉄道
駿豆線
1067mm 沼津駅前−三島広小路 全線廃止 沼津から三島に向けて走る全長7Km弱の路線。三島広小路から旧東海道を走る。本来沼津駅前まで通じていたが台風で黄瀬川橋梁が流され路線は半分になり、昭和38年に廃止された。(6.6Km)
静岡
清水市
静岡鉄道
清水市内線
1067mm 港橋−横砂 全線廃止 路線の複線区間は国道1号線上を走っており、国道から離れると単線の専用軌道となる。市内線は静岡線と相互乗り入れを実施していた。昭和49年の豪雨災害で不通となり、翌年に廃止となった。(4.6Km)
長野
松本市
松本電鉄
浅間線
1067mm 松本駅前−浅間温泉 全線廃止 長野県で唯一の路面電車。開業当初から最後まで木造の単車のみで運転で、終点の浅間温泉まで全線単線。昭和39年に廃止された。(5.3Km)
愛知
豊橋市
豊橋鉄道
東田本線
1067mm 駅前−赤岩口 他 5.3Km 車両は古いが路線延長やセンターポール化等、すこぶる元気な路線。以前廃止になった柳生橋支線はケーブルカーと同じで、単線の上を単車2両が両端から同時発車、中央ですれ違う仕組みだった。
愛知
名古屋市
名古屋市営 1067mm 金山橋−安田車庫前 他 全線廃止 本邦初の無音電車や、乗り越しカルダン駆動など、先進性があった。田圃の中の単線、下一色線の光景も異色だった。最盛期には100Kmを越える路線を持っていたが車社会に押され順次廃止され、昭和49年に全線廃止となった。
岐阜
岐阜市
名古屋鉄道
岐阜市内線/美濃町線
田神線/各務原線
1067mm 黒野−岐阜駅前−関 他 全線廃止 岐阜市内より美濃市へ延びる路線。岐阜市内線・美濃町線・田神線・各務原線と路線名を持つ。各務原線と美濃町線は電圧が違うので、途中で電圧の切り替えを行って乗入れていたが、2005年3月で600V区間は全線廃止となった。
富山
富山市
富山地方鉄道 市内線 1067mm 大学前−南富山駅前 7.3Km 以前は市内環状線を形成しており、総延長40Km近くあった路線も昭和40年代に次々と廃止され徐々に消滅。しかし2009年12月23日に環状線が復活、今後は富山ライトレール(旧富山港線)との相互乗り入れも検討しており、活気のある路線である。
富山
高岡市
加越能鉄道
万葉線
1067mm 高岡駅前−越ノ潟 12.8Km 万葉線は愛称で正式には高岡軌道線。伏木線が無くなって市内複線部分ですれ違う車が無く、複線の意味があまり無いようだ。沿線には路面にしては珍しく長大な鉄橋もある。ここも昭和46年に支線の伏木線が廃止された。
石川
金沢
北陸鉄道
金沢市内線
1067mm 金沢駅前−野町駅前 他 全線廃止 古都にマッチした細面のスマートな電車。ここも交通渋滞が深刻となり、昭和42年に全線廃止された。車両の一部は福井、岐阜、豊橋に譲渡され現在も活躍しているようだ。
福井
福井市
福井鉄道
福武線/市内線
1067mm 田原町−武生新 他 21.4Km 駅前から京福電鉄との接続点田原町まで、わずか三停留所間を市内線専用車が走っていたが、今は鉄道線乗り入れ車のみ。市役所と駅前の間は地元から交通の邪魔と廃止運動が起きている。
和歌山
和歌山市
南海電鉄
和歌山市内線
1067mm 和歌山市駅−海南駅前 他 全線廃止 おでこに二つ目玉を並べた愛嬌のある電車。市内要所の他トンネルを抜けて海南方面まで通じていた。「和歌山水力電気」から南海電鉄に吸収された(昭和36年)が、10年後の昭和46年に廃止となった。
京都
京都市
京都市営 1435mm
1067mm
京都駅前−松尾橋 他 全線廃止 日本の路面電車の草分け。市内各所に他鉄道線との平面交差があり、路線も最盛期には70Kmを越えていた。明治村に残る車両が残る北野線(いわゆるN電)は1067mmで一部標準軌のメインラインと3線軌道となっていた。自動車の増加と共に定期運行が保てなくなり、昭和53年に全線廃止となった。(74.0Km)
京都
京都市
京福電気鉄道
嵐山線/北野線
1435mm 四条大宮−嵐山/北野白梅町 11.0Km 嵐電の愛称で親しまれている京都の路線。京都市電が廃止される前は、市電と平面交差もあった。観光地を結ぶ路線だけでなく通勤客も多く、車両も2両連結で運転されており、まだまだ元気な路線である。
滋賀県
大津市
京阪電鉄
京津線
1435mm 御陵−浜大津 7.5Km 地下鉄東西線の開通で三条、御陵間が廃止。途中には碓氷峠と同じ66.7パーミルの勾配区間もあった。他にも浜大津付近に路面区間はあるが、道路から乗降できる所はもう無くなったしまった。
大阪
大阪市
大阪市営 1435mm 今里車庫前−玉船橋 他 全線廃止 前面を全く絞らないし、中には側断面が外側に膨らんでいる車もいたりして、何となく大きく威圧感があった。車社会の発展と共に路線を縮小され、昭和44年に全廃された。廃止と共に鹿児島や広島に移籍した車両も多い。(35.1Km)
大阪
大阪市
阪堺電気軌道
阪堺線/上町線
1435mm 恵美須町−浜寺駅前 他 18.5Km 各地の大都市で廃止されていながら、大阪の中心部で廃止されずに残っているのは珍しい。超クラシックから近代型まで種々な車両がいる。自動車道と分離されている所も多く、軌道ではなく鉄道的雰囲気がある。
兵庫
西宮市
阪神電気鉄道
国道線/北大阪線/甲子園線
1435mm 野田−東神戸 他 全線廃止 何たって「金魚鉢」。やたらガラス面積の大きい流線型車両で連結運転の為の密連も備えていた。営業距離も非常に長く、日本で一番長い路面電車だった。車社会の発達と共に業務縮小され、昭和50年に全廃された。(28.8Km)
兵庫
神戸市
神戸市営 1435mm 三宮阪神前−板宿 他 全線廃止 ボギー車は他都市より一回り大型。日本初の市電のクロスシート採用等、街に似合ったモダンな雰囲気があった。単車も可憐なスタイルでファンが多い。最東端の脇浜町電停は阪神国道線の東神戸と同一地で線路がつながっていた。
岡山
岡山市
岡山電気軌道
東山線/清輝橋線
1067mm 岡山駅前−東山 他 4.7Km やぐらの上の小さなパンタが特徴的な車両。昭和43年廃止になった番町線はワンマン電車の草分けであった。現在の総延長は5Kmにも満たないが、駅前から市役所方面に延伸の計画があり、まだまだ元気な路線だ。
広島
広島市
広島電鉄 1435mm 広島駅前−宇品 他
【創業以来路線縮小なし】
18.8Km 政令都市では唯一路面電車が都市内交通の主力。長崎と共に、開業以来廃止になった路線は無い。各地の車両を引き取ってそのままの塗色で走らせ、電車博物館的存在にもなってている。
広島
呉市
呉市交通局 1067mm 川原石−長浜 全線廃止 中国地方では歴史のある路面電車の1つ。呉、阿賀間に結構な山越えがあり、モーター音を響かせて快走していた。廃止後に車両の一部は仙台市電などに譲渡された。(11.3Km)
山口
下関市
山陽電気軌道 1067mm 下関駅西口−幡生 他 全線廃止 幡生から東下関(地元通称東駅)の単線区間は専用軌道で旧長州鉄道の名残。ここも車社会の発展と共に路線が縮小され、昭和44年から部分的に廃止が始まり、46年に全線廃止となった。
愛媛
松山市
伊予電鉄
松山市内線
1067mm 松山駅前−道後温泉 他 9.6Km 単線区間も多いがダイヤはきちんと守られている様子。車両毎の個性差があまり感じられないのが残念。2カ所の鉄道線との平面クロスもいまでは珍しい存在。
高知
高知市
土佐電気鉄道 1067mm 高知駅前−御免町 他
【創業以来路線縮小なし】
25.3Km ドイツ、ノルウェー、ポルトガル等世界の車両や、維新号と称するクラシック単車を走らせたりして観光客を喜ばせる。鏡川橋、朝倉間の狭い道路上を、自動車を片側一車線に押しやって悠々と通る様は鉄道ファン必見。
福岡
北九州市
西日本鉄道
北九州線
1435mm 折尾−黒崎駅前 他 全線廃止 メインの門司折尾間の他、三角線を形成して若戸大橋のたもとまで行っていた。最盛期には3連接車もあり、総延長も西日本最大規模を誇っていたが、昭和40年代から廃止が始まり2001年11月26日で最後の5.1Kmが廃止、北九州から路面電車が消えた。
福岡
北九州市
西日本鉄道
北方線
1067mm 魚町−北方 全線廃止 北九州のN電。連接車もあったが本線より性能が落ち、地元の人はガタガタ線と呼んでいた。利用者も比較的多かったが、道路が狭いため渋滞が酷く、全長4.6Kmの路面電車に代わって現在はモノレールが営業している。
福岡
福岡市
西日本鉄道
福岡市内線
1435mm 千鳥橋−貝塚 他 全線廃止 近代的連接車も良いが、木造クラシックボギー車も味があった。吉塚駅から博多港まで3線式の路線があり、デワに引かれた国鉄貨車が往来していた。車社会に追われ、昭和54年に廃止された。
長崎
長崎市
長崎電気軌道 1435mm 長崎駅前−正覚寺下 他
【創業以来路線縮小なし】
11.5Km 路面電車の元気印。軌道内の車両乗り入れ禁止が徹底しており運行はスムースで市民、観光客の足となっている。開業以来、廃止された区間がないのは特筆事項。
大分
大分市
大分交通
別大線
1067mm 大分駅前−亀山駅前 全線廃止 線名通り別府大分間のインターバンを兼ねる。九州では一番最初に開業した路線だ。国道沿いを走っていたので、道路拡張で取られたらしく今は線路の名残は無い。昭和31年に支線が廃止され、昭和47年に全廃された。
熊本
熊本市
熊本市交通局 1435mm 上熊本駅前−健軍町 他 9.4Km 最盛期は25Kmほどの路線を持っていたが、現在は大分縮小された。しかし本邦最初の低床電車9700型を導入するなどまだまだ意欲的だ。岡山に次いで女性の運転手の採用というのも魅力の一つ?
鹿児島
鹿児島市
鹿児島市交通局 1435mm 鹿児島駅前−谷山 他 13.1Km 東京、大阪からの転入車も多かったが、今は自社発注のスマートな車が主力。土地柄、桜島の火山灰対策に散水車なども所有している。路面電車ではいち早く冷房率100%を達成した路線でもある。



おまけ その1
路面電車ではないが、一部路面区間のある、またはあった路線
都市名 会社名 路面区間 状況
北海道 旭川電気軌道 旭川四条−旭川追分 全線廃止
東京 東急電鉄 大井町線 二子玉川−二子新地 路面区間廃止
東京 京浜急行本線 品川−北品川 路面区間廃止
神奈川/鎌倉 江ノ島電鉄 江ノ島−腰越 現存
新潟/新潟市 新潟交通 白山前−東関屋 全線廃止
愛知/犬山市 名古屋鉄道 犬山線 犬山遊園−新鵜沼 鉄道・道路分離
滋賀/大津市 京阪電気鉄道 石山坂本線 浜大津〜三井寺 現存
奈良/奈良市 近畿日本鉄道 奈良線 油坂−近鉄奈良(旧線) 路面区間廃止
兵庫/神戸市 山陽電鉄 長田−兵庫(廃止) 路面区間廃止



おまけ その2
昭和30年代以前に路面電車の走っていた都市(上記リスト以外の路線)
都市名 会社名 主な区間
北海道/旭川市 旭川市街軌道 旭川駅前−国立病院前 他
群馬/高崎市 東武鉄道 高崎線 高崎駅前−渋川新町
群馬/渋川市 東武鉄道 渋川線 前橋駅前−渋川新町
群馬/伊香保町 東武鉄道 伊香保線 渋川新町−伊香保
東京/八王子市 京王電気軌道 八王子駅前−高尾橋 他
神奈川/小田原市 箱根登山鉄道 市内線 小田原−箱根板橋
山梨/甲府市 山梨交通 甲府駅前−甲斐青柳
静岡/静岡市 静岡鉄道 静岡市内線 静岡駅前−安西
愛知/岡崎市 名古屋鉄道 岡崎市内線 岡崎駅前−福岡町 他
三重/伊勢市 三重交通 神都線 伊勢市駅前−内宮前 他
三重/桑名市 桑名電軌 桑名駅前−本町
香川/坂出市 琴平参宮電鉄 坂出駅前−琴参琴平 他
香川/高松 高松琴平電気鉄道 瓦町−築港前

Special thanks, Mr. Kashiwagi.



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