直線上に配置

山形神室岳・仙台神室岳
やまがたかむろ(1344m)せんだいかむろ(1356m)

2007.10.21(日)の記録
 概   要  山形神室岳は宮城・山形の県境にあり、仙台神室岳は宮城県にある。コースは笹谷峠から二山を往復するか、笹谷IC上の仙人沢から登り、笹谷峠に下るコースがあるが、後者は熟達者向きとガイドブックに記されている。今回は単独なので何かあっても引き返せる往復コースを選んだ。
 このコースは@稜線歩きの爽快さA展望が良いB秋には稜線の錦の紅葉C仙台・山形市街からも近い、事が特徴。
 季節が夏であれは、多様な花にも出合えそうで、下山後の温泉(るぽぽ川崎:笹谷ICより2分・入浴500円)も楽しめる。
 場   所
 交   通
 笹谷ICから、国道286号を通って笹谷峠へ。山道は舗装道だが、道巾の狭いくねくね道。登山以外の観光客も多いので対向車に注意。
 注   意
 事   項
 登山道はよく整備されており、道標も完備されて迷うような場所はないと思う。稜線もガレ場や切れ落ちた所はないが、ハマグリ山直下の露岩の下りがロープが無いので要注意。又、仙台神室山頂からの下りでは急坂が長く続くので細心の注意が必要。復路での疲れた足にはこの下り坂が一番の難所だが、木の根や笹の手ががりがあるので何とかしのげる。あと山形神室の直下の下りが短いが急な箇所がある。
 山形神室往復だけでも、稜線歩きの魅力は充分に味わえるので、あえて体力を使って仙台神室まで行く必要があるかは疑問。時間や体力の無い方は、山形神室も肩にある(ダンゴ平への下り始め)展望石往復がおすすめ。ここからの仙台神室の眺望は秀逸。
 避難小屋はこのコースにはありません。山形側の大駐車場にトイレがあるらしいが未確認。
 コ ー ス
 タ イ ム
 仙台南部→(車75分)→笹谷峠登山口→(歩50分)→ハマグリ山→(歩25分)→トンガリ山→(歩25分)→山形神室→(歩50分)→仙台神室→(歩65分)→山形神室→(歩90分)→笹谷峠→(車90分)→仙台南部
 ※所要時間:歩行5時間05分+休憩15分=5時間20分
 ※女性単独
 ガ イ ド
 ブ ッ ク
「宮城県の山」山と渓谷社
地図:「笹谷峠・山寺」1/25000図

※カシミール3D使用  
※地図をクリックすると拡大します


    →仙人沢入口
 笹谷ICから高速に乗らず、286号を
そのまま山形方向に進む。舗装されて
いるが細い山道になり、三つ目の
右ヘアピンカーブが仙人沢入口で、
登山案内板があり、車3台が路肩に
停まっていた。仙人沢からも山形神室に
登れるが、単独なので今回は笹谷峠
に車を進める。
→笹谷峠に向かう途中
 
 下界は晴れていたが、だんだん雲が多くなり、山頂付近はガスがかかっている。標高800m付近から木々の色付きが濃くなって来ています。
→笹谷峠のゲート

 自宅から車で1時間15分、笹谷ICから約15分で到着。ゲートの先に大駐車場があるが、4台位は駐車スペースがあったのでここに置く。標高906m。
 左(南)が雁戸山方向、右(北)が神室岳で、正面(西)に下ると、関沢ICを経て山形市街に至ります。
→ゲート脇の登山口

 駐車スペースの向かい側に川崎町の道標があり、山形神室まで120分と記されている。ここから最初の1110mピークまで、主に山形県側に刻まれた登山道をジグザグに200mの標高差を登っていく。
→山形側の駐車場

 笹谷峠から歩き出して5分もすると、木々がなくなり、見晴らしがよくなる。
 山形側の大駐車場は30台近くの車両で満車。バスも3台見える。雁戸山と神室岳の登山口なので、紅葉の見ごろの日曜ともなると、人出も多いのだろう。
→山形市街が見えてくる

 歩き出して15分、山形市街も見えてくる。つづら折りの道なのでさほど急ではない。名残のリンドウやナデシコ、ノコンギク?などを道脇に見ながら高度を上げて進む。
→最初のピークへ

 登山口の出発が9時過ぎと遅かったので、前後に2名のみ。前を歩く人の姿にホッとする。写真は最初のピークの手前。

 
→笹谷ICから仙台

 登山口から30分で最初のピークへ到着。芝を敷いたような広場で、1110m程の標高だ。ここから稜線歩きとなり、四方の眺望が良くなる。
 写真は笹谷ICを眼下に東南方向を見たもの。川崎町辺りが山の谷間に見える。
→トンガリ山と雲に隠れた山形神室

 これから登るトンガリ山と頭頂部が霧の中の山形神室岳。稜線に登山道が見えはじめ、心躍る景色が展開する。
→ハマグリ山の手前の紅葉

 ブナ、ミヤマナラ、ナナカマド、ツツジ系の木々が山腹を彩る。中央のピークがハマグリ山である。
→後ろを振り返ると・・・

 1146mの三角点に登る途中で後ろを振り返ると、笹谷峠と雁戸の山々が見える。笹の茂った登山道も、刈り払いされるのか、笹に邪魔されず快適に歩ける道です。
→1146mの三角点付近から東方向
→1146mの三角点付近から北方向

 霧も晴れ、山形神室が姿を見せる。素敵な稜線です。
 時間は10時。早出をしてもう下山してくる人もいますが、下ってしまうのは惜しいような景色です。
→1146mの三角点付近から西方向

 左下の関沢ICをたどると、山形市街地が白っぽく見えます。時折日が射すと山は一層輝きます。
→おお!仙台神室が!!

 出ました仙台神室!左の▲ピークが山形神室、右奥の黒いお釜の底のような山が仙台神です。別名大蕪岳と呼ばれるのも頷ける。ご両人の登場に思わずにんまり。
→左下の谷の紅葉

 平坦な笹の稜線の下には、錦の紅葉が。いや〜、うつくしい。
→ハマグリ山山頂
 約50分で到着。ガイドブックでは、1146mの三角点がハマグリ山になっているが、三角点よりトンガリ山との鞍部に最も近い小山にハマグリ山の標が立っていた。どちらが正しいのかは不明。
 又どこから見たら、山姿が蛤形なのか調べましたがワカリマセンでした。
→ハマグリ山の西面の紅葉

 先ほどのうつくしい紅葉を上から眺めた所。
 ハマグリ山からはトンガリ山との鞍部に下るのですが、ハマグリの北斜面の一部がロープの無い岩場になっているので、要注意。岩場を慎重に下ります。
→これから向かう山々

 鞍部を経て、トンガリ山への道が稜線にくっきり見えます。
→稜線の右(東)側の様子

 稜線左右が錦のじゅうたんです。ハマグリとトンガリの鞍部付近。これからトンガリ山の登りにかかります。
→トンガリ山の肩の辺りから

 山形市街地が見えます。濃い赤はツツジ系の木のようです。急登ですが、景色に目を奪われて立ち止まってばかり。
→トンガリ山頂まであと少し

 写真を撮りながら休み休みなので、急登りもさほどきつく感じません。
 
→トンガリ山山頂

 登山口から75分で到着。ハマグリ山からは25分でした。山形市街地もよく見えました。
→トンガリ山頂から雁戸方向の眺め

 南方向を振り返ると、、笹谷峠はぐっとと遠く下の方になり、雁戸の山波の端に、双耳峰の青麻山が見えました。
 まだ先が有るので、長居はせずに歩を進めます。
→左山形神室と右仙台神室

 とんがり山頂付近から見た北側の景色。
→岩壁

 トンガリ山から鞍部に下る途中、右手に見えた岩壁と紅葉。
 山形神室から派生する尾根が仙人沢に急に落ち込む付近で、中々の景観。
→トンガリ山をふりかえる

 トンガリ山から、山形神室までが、これまた素敵な笹原で、鼻歌も出そうな快適な登山道なのです。往復しても飽きない、素晴らしい稜線です。
→行く手には山形神室

 なだらかな登りが続きます。
→渋滞する山頂直下の急坂

 山頂の直下が急登りで、狭い登山道を登り下りの登山者が行き交うのに時間がかかる。下りが急で危険なので、登り優先で、下山者はゆっくり慎重に下った方が安全です。
→山形神室岳到着

 笹谷峠登山口から1時間40分で到着。トンガリ山からは、25分かかる。11時ちょっと前。もっと早出すれば、午前中に往復可能な山です。
→山頂で憩う人々

 団体さんが下ったので、静かな山頂。割と広い。山形側が木々に邪魔されずに眺望が楽しめる。
→山頂から山形市街

 見慣れた山形市街地。日の当たっている場所がやはり明るく見える。霞んで判然としないが、地図によると正面に朝日連峰が見えるはず。
→山頂から雁戸方面

 歩いてきた稜線が眼下に見渡せる。手前がトンガリ山で中央がハマグリ山、笹谷峠の後方が雁戸の峰々。奥に霞むのは、蔵王の稜線。

 笹谷峠から休憩なしで登ってきたので、おにぎりとお団子を急いで食べて、イザ仙台神室へ。
→分岐

 左、清水峠(二口峠の手前)との記載。右手は仙台神室。大東岳も見える。
 右折してからしばらくは、ほぼ平坦な下り道。道が悪い年もあったようですが、今年は刈り払いされて悪路ではなかったです。
→展望岩付近からの仙台神室
 急ぎ足で下って行くと、頭だけ見えていた仙台神室がずっと裾まで見渡せる場所に出る。「わあ!」と思わず声を上げると、道脇の岩に「ここは特等席」とばかりに男性が一人座っているのに気づく。「女房は先に行ったけど私はここで待ってます」との事。(奥様の方が元気だ)と思ったが後であの男性は賢明だったかも・・・と考えを変えました。
→ダンゴ坂
 男性が座って待っていた展望石から下は割と急な下り坂となった。ミヤマナラやブナの低木の紅葉を楽しみながら下ると、山形神室と仙台神室の鞍部、ダンゴ平に着く。団体さんが休憩していたので、通り過ぎ、仙台神室への登りの途中で、振り返った所。笹の道の中に仙人沢からの道も見える。
→仙台神室

 仙台神室への登りは一気に急登りではなく、二つほどなだらかな笹の小山を超える。紅葉がピークのようだ。
 写真はこの日最後の青空。これから天候は悪化する。
→美しいトンネル

 ブナやコシアブラなどが見られた。ここを超えて一旦少し下ってから、急な鼻こすりの登り坂になる。
 坂の途中では、とてもカメラなど出す余裕が無いくらいのキツイ坂だ。道も狭いので、登り下りのすれ違いも難儀する。
→急な坂を登りきったあたり

 下山の人の表情が引きつっているのを感じた。木の根など手がかりがあるので、何とかなりそうだが、これは帰りは大変だ!と思う。
 やっと手を使わずに立てる場所まで登り、うしろを振り返ると山形神室が見えた。
→仙台神室山頂直下から

 北方向の写真。雲行きが怪しくなり数分後に雨が降ってくるのだが、かろうじて北側の山々が望めた。まだ登っていない山ばかりだ。
→仙台神室山頂

 写真は山頂まであと3分の所。山頂には丁度12時に到着。山形神室から50分かかった。頂上には3人先客が居たが、小雨が降ってきたので、皆帰り支度だ。
 山頂からの景色を撮ろうとしたが、カメラのバッテリーが切れ撮影不能となる。
    地図上では仙台神室山頂から東の稜線に登山道が途中までついている。
   実際山頂部の数mは笹が刈り払いされているが、下りにかかると、そこは
   背丈をはるかに越す深い藪で、もう一歩も進めないといった感じ。用足しの
   ちり紙はあったが、道らしきものは短時間では捜せなかった。
    又、地図で川崎町と仙台市境のその稜線をたどると、三方倉山に至る。
   直線でも5kmはある。小雨に煙った山頂からは、見たかった三方倉山が
   どこなのか、はっきりわからなかった。
     行動食を食べ、雨具を着て山頂には5分滞在のみで下山。
→復路の道筋
 登る時に撮った写真で、実際には霧の中を下る。(山の天候は変わりやすい)雨に濡れた急坂は一層滑り易くなった。
 下山時点では私が再後尾だったので、滑落しても誰も気付かないと思うと、ぞっとして慎重に下った。このコースの最難所で疲れた足には一層きつく感じた。 
    だんご平に下ってから、また山形神室を登り返す。落ちる恐怖が無い分、
   急登も楽に感じた。だんご平から35分で無人の山形神室に到着。山頂直下
   の下りも急だが、危ない所は短時間で終わる。その後もトンガリ、ハマグリを
   経て、往路と同じコースを下る。トンガリ山まで下ると、上層の雨雲から抜け
   出し、また眺望も良くなってきた。下界は晴れていた。
    紅葉を楽しみながら、快適に笹谷峠に戻った。(午後2時35分着)
   仙台神室の往路150分、復路は155分かかった。
    近場でも、こんなに高山の雰囲気の稜線歩きが出来る場所が
   あったとは・・・。今度は花を見に来たいです。
   

                 ●出合った植物

  
  
  




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